79企画・取材、制作、放送事件容疑者の隠し撮りとプライバシー・肖像権撮影場所は、客の出入りするエステ店内であり私生活上の領域でないから、そこでの撮影行為が申立人のプライバシーを侵害することにもならない。第31号 エステ店医師法違反事件報道(2007.6.26)解 説エステ店経営者である申立人は医師法違反の疑いで書類送検された。記者は送検前に客を装ってエステ店に入り、隠しカメラと隠しマイクで申立人から美容整形の内容などを取材していた。また、カメラマンが歩行中の申立人の顔や姿を隠し撮りしていた。局は、書類送検についてのニュースに際し、隠し撮りした申立人の顔や姿の映像を放送した。委員会は、店内での隠し撮りはプライバシー侵害にならないし、屋外での隠し撮りも肖像権侵害とまではいえないとした。しかし、隠し撮りが報道に不可欠であったとは言い難く、加えて、隠し撮りした映像を大写しにして繰り返し使用したり、スローモーション処理までしたことについては放送倫理上の問題があるとした。関 連隠しカメラ・隠しマイクは原則使用しない①(28ページ)屋外での容疑者の隠し撮りと肖像権公道を歩行中の申立人の顔、姿を本人に気付かれないように撮影した行為については、承諾なくその容貌・姿態を撮影し、放送したものとして肖像権侵害の問題を生じるが、申立人の上記医師法違反容疑事実は社会の正当な関心事であり、公道を歩行する姿の撮影行為が直ちにその撮影方法において妥当性を欠くとまではいえないから、肖像権侵害とまではいえない。第31号 エステ店医師法違反事件報道(2007.6.26)解 説エステ店経営者である申立人は医師法違反の疑いで書類送検された。記者は送検前に客を装ってエステ店に入り、隠しカメラと隠しマイクで申立人から美容整形の内容などを取材していた。また、カメラマンが歩行中の申立人の顔や姿を隠し撮りしていた。局は、書類送検についてのニュースに際し、隠し撮りした申立人の顔や姿の映像を放送した。委員会は、店内での隠し撮りはプライバシー侵害にならないし、屋外での隠し撮りも肖像権侵害とまではいえないとした。しかし、隠し撮りが報道に不可欠であったとは言い難く、加えて、隠し撮りした映像を大写しにして繰り返し使用したり、スローモーション処理までしたことについては放送倫理上の問題があるとした。
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