74放送人権委員会 判断ガイド2024企画・取材、制作、放送事件逮捕直後の供述内容の報道逮捕したばかりの段階で、被疑者の供述についての警察担当者の口頭での説明が真実をそのまま反映しているとは限らないということ、関係者などへの追加取材も行われていないことも考慮すべきであり、何らの留保なしに「容疑者は容疑を認めています」として、そのストーリー全体が真実であると受け止められる放送の仕方をするのではなく、少なくとも①や②の事実について「疑い」や「可能性」にとどまることを、より適切に表現するように努める必要がある。第63号 事件報道に対する地方公務員からの申立て(テレビ熊本)(2017.3.10)第64号 事件報道に対する地方公務員からの申立て(熊本県民テレビ)(2017.3.10)参 照民放連 裁判員制度下における事件報道について(2008年1月17日)(1) 事件報道にあたっては、被疑者・被告人の主張に耳を傾ける。(5) 予断を排し、その時々の事実をありのまま伝え、情報源秘匿の原則に反しない範囲で、情報の発信元を明らかにする。また、未確認の情報はその旨を明示する。日本新聞協会 裁判員制度の開始にあたっての取材・報道指針(2008年1月16日)捜査段階の供述の報道にあたっては、供述とは、多くの場合、その一部が捜査当局や弁護士等を通じて間接的に伝えられるものであり、情報提供者の立場によって力点の置き方やニュアンスが異なること、時を追って変遷する例があることなどを念頭に、内容のすべてがそのまま真実であるとの印象を読者・視聴者に与えることのないよう記事の書き方等に十分配慮する。容疑段階では字幕に「容疑」「疑い」を付ける逮捕されただけで犯人と思いがちな一般視聴者に対し、このような報道は誤解や誤った印象を与える可能性が大きい。それだけに、タイトルやサブタイトルの字幕には、出来る限り「容疑」「疑い」といった文字を入れるべきである。
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