52放送人権委員会 判断ガイド2024企画・取材、制作、放送公平・公正6公平・公正公平性の観点からの反対取材の必要性被申立人は、捜査機関からの確度が高い情報を得ていたとか、放送した分以外にも放送した内容と同様の認識が得られたから、あえて被害者遺族からの取材を行わなくても問題はなかったと反論している。しかしながら、もし被申立人において、その報道意図のなかで、一般的な境界紛争とは違って被害者側のとった特異な行動が本件犯行の背景にあるとする立場を取ったのであれば、少なくとも取材段階においてそのことについての反対取材を行うべきであり、それをしなかった点において公平性の観点から放送倫理上問題があったといわざるを得ない。第44号 上田・隣人トラブル殺人事件報道(2010.8.5)関 連放送に登場しない被害者遺族の社会的評価(117ページ)公平性を欠くインタビュー構成編集・放送段階においては、少なくとも放送内容を見る限り、本件判決も問題にしているような加害者の言動等には一切触れることなく、その結果、見方によっては、被害者は加害者もしくはその家族に対して非常識で、意地悪な態度で接していたといったイメージを与えかねないものを含め、住民のインタビューを、7か所において延べ10人も重ねて紹介するなど、その放送の仕方において、被害者側への配慮に乏しく、公平性を欠く内容になっていることは否定できない。第44号 上田・隣人トラブル殺人事件報道(2010.8.5)不正確な報道による公平性の欠如当然のことながら判決批判は報道の自由の範疇に属し、原則的に自由
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