51企画・取材、制作、放送匿名報道、モザイク映像などボカシ処理しないですむ撮影・映像選択の工夫を映像、特にニュース映像は真実を伝えるものであるから、ボカシやモザイク処理は、映像の真実性を阻害するものとして原則として避けるべきである。したがって、撮影の時点で、できる限りボカシを入れないですむように工夫するとともに、映像選択時にボカシを入れないですむ他の映像で代替することも考えるべきである。なお、ボカシ処理は、放送内容とのかかわりで疑惑を高める場合があること、また、部分的なボカシ処理によっても、映像全体から本人や場所が特定されてしまうなど、限界のあることにも注意が必要である。第12号 自動車ローン詐欺事件報道(2000.10.6)匿名・モザイク処理の原則と例外本件放送においては、情報の発信源の明示(顔出しでの放送)が原因で、申立人がさまざまなトラブルに巻き込まれる結果になったことは事実である。このような被害を避けるために、顔を隠したりモザイクによる処理を施したりすることは、可能な方法の一つであったと考えられる。匿名やモザイクによる映像処理については、すでに本委員会の決定においても、「真実性を阻害するおそれがあり、原則として避けるべきである」としているが、同時に「関係者の名誉・プライバシー等を著しく侵害するおそれがある場合などでは、必要な方法の一つである」とされている(BRC決定 第16号)。第24号 警察官ストーカー被害者報道(2004.12.10)解 説ストーカー被害を警察に届け出た女性が、局が約束を破りインタビューを顔出しで放送し肖像権やプライバシーを侵害されたと申し立てた。局は申立人の了解を得て顔出しで放送したと主張した。委員会は事件の性格を考えると被害者映像の使用に慎重な配慮が望ましかったと指摘した。関 連被害者映像の使用に配慮が求められるケース(80ページ)
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