放送人権委員会 判断ガイド 2024
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49企画・取材、制作、放送匿名報道、モザイク映像などの髪型、服装等は概ね判別できる、卒業式らしき場で友人4人と撮影している写真、実家付近の駅のショッピングセンターが背景に映る映像や実家付近の映像などの情報を放送の進行とともに順次示している。申立人の周囲にいた学生時代の友人や知人などが本件番組を視聴し、上記の放送された各事実をつなぎ合わせて判断したときは、本件放送に登場した者が申立人であったと特定しうる。第52号 宗教団体会員からの申立て(2014.1.21)ボカシ処理しても特定される場合がある②伊予テレビは販売店の名前が特定しないよう映像にボカシ処理を施しており、その限りでは注意を払ってはいるものの、同販売店の敷地内には、特徴のある大型の看板が設置されているため、看板上部の「DAIHATSU」および同下部の販売店名をボカシ処理しても、全体的な特徴から知人やユーザー、自動車販売業界関係者には、申立人の店であることが比較的容易に判別が可能であった。第12号 自動車ローン詐欺事件報道(2000.10.6)関 連事件と関係ない映像は使用しない(80ページ)モザイク処理のミスと求められる人権意識番組プロデューサーが得ていた「個人情報が書かれているので注意しましょうという情報」は、素材に関する基本的な情報である。しかも、単なる個人情報だけでなく、そこには申立人である少年の氏名が含まれていた。この情報は少年法の趣旨に即して、入手した文書の管理と映像素材としての使用に特段の配慮が必要なことを意味するものだったはずである。ところが、この情報に沿ってモザイク処理が施された映像があったにもかかわらず、本件放送ではモザイク処理のない映像が出てしまった。なぜだったのか。この事態を理解するには、入力の失念以前の問題として、報道に携わる人間に求められるべき人権意識が番組制作現場全般に希薄だったと考

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