放送人権委員会 判断ガイド 2024
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47企画・取材、制作、放送匿名報道、モザイク映像など5匿名報道、モザイク映像など匿名、モザイク映像は原則使わないジャーナリズムとして真実に迫る調査報道は、対象の公共性に立脚して十分な裏付け取材により事実や問題点を告発するものであるから、匿名やモザイクによる映像処理は真実性を阻害するおそれがあり、原則として避けるべきである。また、単に匿名やモザイクを使用したからといって、これにより被報道者の人権侵害を防ぎ得ると考えるのは早計であるばかりでなく、事案によっては、視聴者に対し被報道者と犯罪もしくは不法行為との関連につき疑惑を生じさせ、またはこれを増幅させる場合もあることに留意すべきである。匿名やモザイクの使用は、代替できない重要な証人や重大な事件現場など、危害がおよぶ危険があるときや、関係者の名誉・プライバシー等を著しく侵害するおそれがある場合などでは、必要な方法の一つである。また、被報道者側が一切の取材に応じないため、報道内容が一方的になるおそれがあるときなどにも、例外的な緊急処理としての使用もあり得るであろう。しかし、取材不足を補う便法として匿名やモザイクを安易に用いることは、調査報道の本質に反し、ジャーナリズムとしての姿勢が疑問視されかねない。第16号 インターネットスクール報道(2002.1.17)参 照民放連 報道指針4 報道表現 (1) 過度の演出や視聴者・聴取者に誤解を与える表現手法、合理的理由のない匿名インタビュー、モザイクの濫用は避ける。匿名化した場合、真実性の探求はより十全に行う必要がある本件映像では、匿名化を行ったことによって、ナレーションについて

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