放送人権委員会 判断ガイド 2024
60/264

42放送人権委員会 判断ガイド2024企画・取材、制作、放送編集・制作第40号 保育園イモ畑の行政代執行をめぐる訴え(2009.8.7)保存映像からの編集には細心の注意を払う特にテレビ放送がその受け手である視聴者の視覚と聴覚を同時に刺激して鮮明な印象を与えることに留意し、ダイジェスト保存版を短縮編集するに当たっては、細心の注意を払って編集すべきものであり、さらに編集されたVTRが事実に即したものであるかについては、二重三重のチェック体制をとることが要請される。そして、本件番組部分のように、国会の審議における議員の不規則発言を放送する場合その不規則発言が質問者あるいは政府委員等のどの発言に対応するものであるかについて確認すべき義務がある。これは短縮編集の基本であり、これを怠ったときは、たとえそれが編集担当者の誤った認識に起因するものであっても、テレビ放送事業者に放送番組の編集における重大な過失責任がある。第23号 国会・不規則発言編集問題(2004.6.4)解 説情報トーク番組で、議員が予算委員会でやじを飛ばしている映像が放送されたが、議員は全く関係ない映像を切り貼りしたねつ造だと名誉毀損を申し立てた。映像は、番組が保存していたダイジェスト保存版から誤って編集されたものだった。取材テープは報道目的以外に使用しない取材テープが報道目的以外に安易に使用されることは、国民の報道機関に対する信頼を失わせ、取材活動にさまざまな制約や障害を生じさせ、その結果、「報道の自由」や国民の「知る権利」に奉仕するという報道機関の使命を損なうおそれがあり、ひいては国民の「知る権利」そのものが制約をこうむるおそれのあることは、被申立人の主張のとおりであり、そのため取材テープを報道目的以外に使用しないこととする扱いは、確立した報道倫理として広く承認されているといえる。第29号 若手政治家志望者からの訴え(2006.7.26)

元のページ  ../index.html#60

このブックを見る