放送人権委員会 判断ガイド 2024
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38放送人権委員会 判断ガイド2024企画・取材、制作、放送編集・制作したことは、放送倫理違反とまではいえないまでも、不適切であったといえる。第34号 部落解放同盟大阪府連幹部からの訴え(2007.11.12)参 照民放連 報道指針4 報道表現報道における表現は、節度と品位をもって行わなければならない。過度の演出、センセーショナリズムは、報道活動の公正さに疑念を抱かせ、市民の信頼を損なう。「いつ」の明示は報道の基本名誉毀損による人権侵害を認めるか否かにおいては意見の一致を見ることはできなかった。しかしながら、真実性の証明はなされているとの意見も、行政指導を受けた時期を明示していないために、申立人が深刻な被害をこうむる結果を招いたことについて、ニュース報道のイロハである、「いつ」を欠落した点に重大な問題があることを認めており、少なくともその限りにおいて全委員の意見が一致した。第25号 産婦人科医院・行政指導報道(2005.7.28)解 説助産師資格を持たない看護師らに助産行為をさせていた産婦人科医院が行政指導を受けたという報道について、院長が、行政指導の時期が明示されずに現在も違法行為を行っているかのように報道されたため、名誉、信用を毀損されたと申し立てた。行政指導を受けたのは2003年10月、放送は2005年1月25日だった。関 連名誉毀損と放送倫理③(169ページ)他局の素材を用いた放送制作者が自ら事実の確認をしないばかりか取材当事者である毎日放送に確認することもせず、インターネット上の情報などを参考にナレーションを書き換えていたことも判明した(TBSの答弁書ほか)。これらは、取材・報道にあたって制作者が守るべき基本的態度として、初歩的な問題があることは明らかである。言い換えれば、ニュースの扱いに関して

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