『判断ガイド 2024』をお届けします。これまで「放送と人権等権利に関する委員会」(放送人権委員会)が取り扱った79件の決定すべてのほか、仲介・斡旋解決、申立て取り下げ、審理対象外の事例、要望・見解・声明などを収録しています。誤解されることもありますが、放送倫理・番組向上機構(BPO)は国の機関ではなく、NHKと日本民間放送連盟とが設立した民間の第三者機関です。放送人権委員会はもともと、1997年6月、「放送と人権等権利に関する委員会」(BRC)として誕生しました。その後、2003年7月、それぞれ別のかたちでスタートしていた「放送と青少年に関する委員会」、「放送番組委員会」(現在は「放送倫理検証委員会」)とともにBPOのもとに統合され、現在に至っています。BPOの目的は「放送事業の公共性と社会的影響の重大性に鑑み、言論と表現の自由を確保しつつ、視聴者の基本的人権を擁護するため、放送への苦情や放送倫理上の問題に対し、自主的に、独立した第三者の立場から迅速・的確に対応し、正確な放送と放送倫理の高揚に寄与すること」です(BPO規約第3条)。こうしたBPO全体の目的を踏まえ、放送人権委員会は、放送番組によって被害を受けたという方からの申立てを受けて、人権侵害やそれに関する放送倫理上の問題の有無を判断するという役割を担っています。この『判断ガイド 2024』は、これまでに放送人権委員会が行ってきた決定内容を整はじめに ――放送の自主・自律のために放送と人権等権利に関する委員会委員長 曽我部 真裕
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