放送人権委員会 判断ガイド 2024
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26放送人権委員会 判断ガイド2024企画・取材、制作、放送取材第66号 浜名湖切断遺体事件報道に対する申立て(2017.8.8)取材・報道規制につながる記者会と取材先との合意は問題当時熱海市において本件会社の散骨場建設計画が、熱海市当局も関係した大きな社会的関心事となっていたことに照らすと、報道各社は本件会社の代表者に対して、その社会的責任から実名・顔の映像も含めた取材・報道を求めるべき状況であったと思われる。そのような状況において、現地の記者会と申立人との間で「個人名と顔の映像は露出しないとの合意」のもとに記者会見が行われることとなり、熱海記者会に加盟している記者が、上記合意の後に所属会社・局の了解のもとで、合意の条件を受け入れて記者会見に参加した。しかし、このようなあり方は、本来は認められない「取材先からの取材・報道規制につながる申し入れ」に応じたことと同様の結果をもたらす危険性があるのではないか。第53号 散骨場計画報道への申立て(2015.1.16)解 説「記者クラブに関する日本新聞協会編集委員会の見解」(2006年3月9日)は「4.協定と調整」において、「取材・報道は自由な競争が基本である。…記者クラブ側は取材先からの取材・報道規制につながる申し入れに応じてはならない」としている。関 連肖像権と事案の公共性(125ページ)過剰な演出このシーンは、実際には、被申立人の申し出に応じて、撮影前に申立人があらかじめ依頼人に金を渡しておき、それをあたかもその場で依頼人から申立人に現金が支払われたかのように見せる演出がなされた、というものである。しかも、申立人によれば、このシーンが撮影された時の仕事に対して実際には依頼人から料金は支払われていないとのことであり、被申立人によれば、実際に料金が支払われたかどうかの確認取材

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