放送人権委員会 判断ガイド 2024
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19企画・取材、制作、放送取材解 説申立人の新商売がドキュメンタリー番組で紹介されたが、申立人は視聴者に悪徳業者と受け取られかねない内容だったと名誉毀損を申し立てた。委員会は、申立人に対してより十分な説明と番組構成上の適切な扱いが必要だったとして、放送倫理上の問題があると指摘した。取材意図・番組趣旨は十分に説明②取材対象者の多くは取材に不慣れであるにもかかわらず、その立場に十分配慮することなく番組制作が進められることが少なくない。本件の場合もその一例ということができよう。放送局は取材に際し、場合によっては書面によるなど取材趣旨をできるかぎり明確かつ懇切に説明すべきである。第5号 幼稚園報道(1998.10.26)解 説報道番組で取り上げられた幼稚園が「取材趣旨の説明と異なり、経営状況の厳しさだけが意図的に強調された」と名誉・信用の毀損を申し立てた。委員会は取材、編集過程で配慮に欠けるところがあり、放送倫理上問題があったと判断した。取材意図・番組趣旨は十分に説明③被申立人の企画意図とそれについての申立人の理解ないし期待との間に隔たりがあったことは確かである。この点に関して、申立人は、放送番組の制作等については不慣れな一般人であり、加えて、日本で長く生活しているとはいえ、外国人であって日本語の理解が必ずしも十分ではなかった点を考慮すると、番組の企画趣旨等について、被申立人の側において、より十分な説明をすることが望ましかったといえる。第32号 ラ・テ欄表記等に対する訴え(2007.6.26)街頭インタビュー取材交渉時の留意点本件放送のような、通行人が予期せず声をかけられる種の街頭インタビューの場合、被取材者の大多数は申立人のようにマス・メディアの取材・報道に不慣れであることから、取材者は放送局名・番組名をはじめ、

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