放送人権委員会 判断ガイド 2024
234/264

216放送人権委員会 判断ガイド2024要望、見解、声明など4.視聴者・市民には、番組に対する積極的な発言を期待したい。番組を批判、要望、激励することで、視聴者もテレビ改革に参加できる。視聴者も放送文化の担い手であることを訴えたい。5.新聞、雑誌の関係者には番組批評を強めてほしい。また、「視聴率ベスト10」などの報道は、視聴率至上主義を増幅する面のあることに留意し、現状の再検討を望みたい。BRCの審理と裁判との関連についての考え方2001年9月18日放送と人権等権利に関する委員会Ⅰ.現在の運営原則「放送と人権等権利に関する委員会」〔以下、「BRC」〕の運営は、「放送と人権等権利に関する委員会機構」〔以下、「BRO」〕の規約およびそれに基づいて制定されたBRC運営規則に従って行われている。そして、BRO規約第4条の第1号に定められているBRCの事業(任務)は『個別の放送番組に関する、放送法令または番組基準にかかわる重大な苦情、特に人権等の権利侵害にかかわる苦情の審理』とされているが、司法に基づき係争中のものは除かれている。この規約を受けてBRC運営規則第5条も、その第1項(4)において、『裁判で係争中の問題は取り扱わない』とするとともに、また『苦情申立人、放送事業者のいずれかが司法の場に解決を委ねた場合は、その段階で審理を中止する』と規定しており、申立ての受理や審理はこの規約および規則に従って行われている。しかし、裁判を受ける権利は当然、当事者に存在するのであるから、BRCの審理が終了し、苦情申立人、放送事業者のいずれかまたは双方がBRCの決定を不満として裁判に訴えることは何ら妨げないし、現に過去の審理案件においても、審理終了後改めて訴訟になった事例がある(「大学ラグビー部員暴行容疑事件報道」「隣人トラブル報道」)。さらにまた、同様の報道を行った放送局のうち、2放送局に対しては民事提訴するとともに、他方で4放送局に対してはBRCに申し立てた事例(「サンディエゴ事件報道」)や、訴訟にするかBRCに申し立てするか慎重に検討した結果、民事提訴を選んだ事例(「所沢ダイオキシン報道」)もある。Ⅱ.BRCが「裁判で係争中の問題は取り扱わない」ことの意味

元のページ  ../index.html#234

このブックを見る