放送人権委員会 判断ガイド 2024
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197審理対象外とした事例4申立て内容が苦情の取り扱い基準に該当しない事例番組の企画や報道姿勢等に関する申立て大阪の男性から「文化財遺跡の発掘について取材を受けたが、対応した内容と放送が違い、“事件屋”扱いされた」との申立てがあった。委員会は、「申立人は権利侵害よりも自分の取り上げ方や制作姿勢を問うているが、委員会は権利侵害を審理する機関であり、番組の企画や報道姿勢などを直接の審理対象としていない」、「営業上の損失を受けたと主張しているが、委員会では把握できない」等の理由で、運営規則第5条第1項の「苦情の取り扱い基準」に照らして審理対象外とした。(2004年12月 第95回委員会)放送日から1年を超えた申立て松江市に誘致された美術館の運営をめぐり、会社社長から5年前のニュース番組で「当方に取材もなく一方的に悪者にされ、運営が苦しくなった。最近、BRCの存在を知ったので苦情申立てをしたい」との訴えがあった。委員会で検討した結果、申立ては、審理対象となる苦情は「放送のあった日から1年以内に申し立てられたもの」と定めた運営規則の基準を著しく超えており、事情を斟酌しても審理対象外と判断せざるを得ないとの結論に達した。(2005年6月 第101回委員会)金銭の要求を伴う申立て北朝鮮を訪れた男性から「平壌観光をした際に撮影した映像を局に提供し、“平壌の最新映像”として放送されたが、自分の会話部分に“記者”と誤って字幕表示された。このため報道関係者との疑惑をもたれ、その後の訪朝が許されなくなった。これは人権侵害だ」との申立てがあった。その後局からは慰謝料を請求されているとの報告があった。委員会で取り扱いを協議した結果、「BRCが法に基づいた強制調査権を持たない自主的苦情処理機関であることに鑑み、金銭要求を伴う案件については審理すべきものとは認められない」ということで委員の意見が一致した。(2007年5月 第123回委員会)

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