放送人権委員会 判断ガイド 2024
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195審理対象外とした事例参 照委員会 運営規則5条(苦情の取り扱い基準)1 (6) 苦情を申し立てることができる者は、その放送で取り上げられたことにより権利の侵害を受けた個人またはその直接の利害関係人を原則とする。団体からの申立てについては、委員会において、団体の規模、組織、社会的性格等に鑑み、救済の必要性が高いなど相当と認めるときは、取り扱うことができる。▶2007年7月に運営規則が改正され、団体からの申立ては委員会の判断で取り扱うことができるようになった。不動産ビジネス報道に対する法人からの申立て不動産ビジネスに関する報道番組について、「番組が申立人の名誉を毀損する」として訂正放送を求める申立書が提出された。申立書には申立人が「法人である」と明記されていた。運営規則は、申し立てることができる者は、個人を原則とし、「ただし、団体からの申立てについては、委員会において、団体の規模、組織、社会的性格等に鑑み、救済の必要性が高いなど相当と認めるときは、取り扱うことができる」と定めていることから、委員会に判断を求めた。委員会は、検討した結果、「例外的に当委員会が救済する必要性が高いものとはいえず、審理対象とはならない」と判断した。(2020年10月 第285回委員会)戦時中の案件に対する申立てある地域での戦時中の強制徴用者に対する扱いについて放送したドキュメンタリー番組が当時の住民の人権侵害にあたると、その地域の歴史を語り継ぐ団体が申し立てた。委員会で審理対象となるか検討したところ、当該番組内で申立て団体について直接的に言及されている箇所は確認できず団体は直接権利侵害を受けていない、また団体は「公平・公正を欠いた放送により著しい不利益を被った者」とも認められない。さらに、団体の規模、組織、社会的性格等を総合的に検討し、委員会が救済する必要性が高いものとは言えないと判断し、審理対象としなかった。(2021年11月 第298回委員会)東京五輪反対デモに関連しての申立て東京五輪に反対する団体が、テレビ放送の虚偽内容によって、デモ主催者および参加者の権利(名誉権・肖像権・プライバシー権)を侵害されたとして申立てを

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