186放送人権委員会 判断ガイド2024審理対象外とした事例村の施策に関する報道・村長山梨県山中湖村の村長から「報道番組について、取材・放映の客観性・中立性の欠如とねつ造の疑いがある旨、局の番組審議会および報道局長らに文書で申し入れたが、誠意ある対応がない」との申立てがあった。村の洪水対策事業に関する一連の報道に対するものだったが、委員会は「申立人の名誉・信用等の権利侵害に関する苦情には当たらない」として審理対象外とした。(2007年3月 第121回委員会)コメンテーターの“県民はバカ”発言・県広報室長静岡県の広報室長が個人名で「報道情報番組で、コメンテーターが『静岡空港を推進する知事を連続当選させる静岡県民はバカだ』という趣旨の発言をしたが、これは静岡県民を公然と侮辱するものであり、県民の一人である自分の名誉が毀損された」と申し立てた。委員会で検討した結果、「申立人は、県庁職員として県のための広報活動に携わっている者であって、本件は実質的に地方公共団体の申立てであり、直接権利の侵害を受けた個人の申立てとは認められない」として審理対象外とした。(2007年3月 第121回委員会)夫婦間トラブル報道・地方議会議員朝の情報番組の中で、ある地方議会議員が妻とトラブルになり、傷害の疑いで書類送検されたという報道がなされ、議員が「事実に反する報道によって名誉を毀損された」と申し立てた。委員会は、運営規則第5条1項の苦情の取り扱い基準に照らして本件申立てを審理するかどうか検討したが、「放送の直後、申立人は、代理人の弁護士を通じて局に対して“書類送検された”“ストーカー登録をされた”との2点の報道は誤報だと指摘して訂正を申し入れているが、局は2点が誤報だったことを認め、同日の深夜、局の担当者と同弁護士が面談した結果、合意が成立し、翌日の同じ番組内で2点の誤報を訂正し申立人の実名を出してお詫びをする放送を行っている。これ以降、本件申立てまでの間に、申立人側から局に対してお詫び放送に不満を示したり、さらなる対応を求めたりした事実はない。以上の事実経過から、本件放送直後の局に対する申立人の苦情申し入れは、局がお詫び放送をしたことによって解決したと判断される」こと、また、「申立てが、本件放送直後の苦情申し入れに含まれない権利侵害などを新たに申し立てる趣旨である
元のページ ../index.html#204