放送人権委員会 判断ガイド 2024
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181仲介・斡旋解決、申立て取り下げ2申立て取り下げ事案 委員会の審理入り決定後、もしくは審理の過程において、申立人が申立てを取り下げる意向を示し審理を打ち切った事案を以下に掲載する。ブランドバッグ販売をめぐる輸入業者からの訴え 概 要TBSテレビは2010年4月9日の『芸人記者VS超犯罪現場体当たりスクープSP』において、「若い女性に人気があるアメリカのブランドの偽造バッグ販売店を取材し、模倣品販売の実態を視聴者に知ってもらう」という企画を放送した。これに対し、衣類・雑貨の輸入・卸と販売を手がける業者が、法に触れる行為はしておらず、放送により名誉と信用を毀損されたとしてTBSテレビに対し謝罪等を求めて申立てを行い、2011年4月の委員会で審理入りが決まった。これを受け、「申立書」に対するTBS側の「答弁書」および関連資料が提出され、翌5月の委員会から実質審理が開始される運びとなっていた。しかし「答弁書」提出後、申立人より本件申立てを取り下げたいとの意思表示があり、5月12日付で書面が提出された。5月の委員会で取り扱いについて協議した結果、申立人側にこれ以上争う意思がないものと判断し、本事案については審理を行わないことを決めた。(2011年5月 第172回委員会)南三陸町津波被災遺族からの申立て 概 要本事案は、NHKが2012年3月10日に放送した『NHKスペシャル「もっと高いところへ~高台移転 南三陸町の苦闘~」』に対し、津波の犠牲となった町職員の遺族から「番組で肉親の最期の姿を見て大きな衝撃と苦痛を受けた。亡くなる直前の写真であれば全遺族の了解を得るか、得られなければモザイクをかける等の配慮が当然ではないか」として、NHKに謝罪等を求め申立てがあったもの。同年6月の委員

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