放送人権委員会 判断ガイド 2024
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180放送人権委員会 判断ガイド2024仲介・斡旋解決、申立て取り下げストローアート作家からの申立て 申 立 人ストローアート作家被申立人株式会社フジテレビジョン放送番組『情報プレゼンター とくダネ!』放送日時2012年1月9日解  決2012年8月21日 概 要本事案は上記番組で放送した企画『ブーム発掘!エピソード・ゼロ② 身近なモノが…知られざる街の芸術家』について、ストローアートの作家が「過剰で誤った演出とキャスターコメントにより、独自の工夫と創作で育ててきたストローアートと私に対する間違ったイメージを視聴者に与え、私の活動と人権を侵害した」と申し立てた。フジテレビは「演出方法を明確に説明せず、申立人に不快な思いをさせたことは真摯に反省し申し訳ないと考えている」として、放送でのお詫び案を示しメールで交渉を重ねてきたが、決着しなかった。 2012年5月の委員会で審理入りが決まり、7月の委員会ではヒアリングを行った。ヒアリングを受けて委員会は、フジテレビがお詫びの意思を表明し、申立人に対し数度にわたり謝罪案を提示してきた経緯等もあることから、双方に対して和解による解決を打診した。 これに対し双方とも和解に応じる意向を示したため、委員会が作業を進めた結果、フジテレビは、放送で演出についてお詫びし、ホームページでは演出のお詫びとキャスター発言等について見解を表明する一方、申立人はこれを受け入れ委員会への申立てを取り下げるとした合意に至り、8月21日に和解合意書を取り交わした。 フジテレビは、8月23日放送の当該番組内、及び、同日から7日間ホームページにおいて合意内容を履行した。委員会コメント 本事案において、委員会が双方の主張を十分聞いたうえで和解を斡旋し、申立人も納得する形で早期に解決できたことは、放送による被害者の救済という委員会の使命にもかなうものと考える。局側は、自ら反省している点は今後の番組作りにぜひ活かしていただきたい。

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