放送人権委員会 判断ガイド 2024
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179仲介・斡旋解決、申立て取り下げ害などに当たるものではない」と主張した。しかし「隠し撮りの放送により社長が不愉快になった気持ちは十分理解できる。その気持ちも重く受け止め、こうした取材については今後も十分慎重に対応したい」という考えを明らかにした。この考えの表明を受け、委員会で改めて申立人に聞いたところ、「相手の気持ちも分かったので、これ以上争うつもりはない」として苦情申立てを取り下げることとなった。旅館再生リポート・女将の訴え申立人温泉旅館女将被申立人株式会社フジテレビジョン放送番組『FNNスーパーニュース』放送日時2009年7月17日解  決2010年2月18日 概 要本事案は、宮城県の温泉旅館の女将が申し立てたもの。放送は、不況下での旅館の女将さんたちの奮闘ぶりを紹介したが、申立人は、売り上げが伸びない旅館という負のイメージを視聴者に与え、温泉街も暗いシーンばかりが編集されるなど事実に反するものだったとして謝罪などを求めた。これに対してフジテレビは「当番組はニュース・報道番組であり、取材に基く事実を伝えたものです」と主張した。2009年11月に審理入りし、ヒアリングを終えたが、堀野委員長は、本件事案は人権侵害を訴えるものでなく、放送上の表現や編集の仕方が問題になっていた事案であることから、和解による解決が望ましいとの考えを示し、2010年2月の委員会に提案し了承を得た。委員会による和解斡旋の結果、2月18日にBPO会議室で委員長立会いの下、申立人、フジテレビの責任者が出席して和解の手続きが取られた。フジテレビは、視聴者に誤解を与えかねない表現があったとしてお詫びし、今後取材先との信頼関係を大切にして報道に取り組むという内容の書面を申立人に手渡した。これを受けて申立人は委員会への申立てを取り下げ、双方が譲歩する形で本件は解決した。

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