178放送人権委員会 判断ガイド2024審理入り後、委員会が申立て内容や審理経過をふまえ、和解による解決が望ましいとして双方に和解を斡旋して解決した事案を以下に掲載する(審理入り前に解決に至ったケースを除く)。産廃不法投棄業者の隠し撮り報道申立人木材加工会社社長被申立人福島テレビ株式会社放送番組『ニュース』放送日時2007年12月12日解 決2008年3月18日(第133回委員会) 概 要木材加工会社の社長が、工場から出たオガクズなどを工場敷地内に不法投棄していたとして逮捕されたが、その報道の際に隠し撮りによる映像や音声を使われ人権を侵害されたと申し立て、2008年3月の委員会で申立人と当該局からヒアリングを行った。この中で申立人は、「産業廃棄物を自社の敷地に不法投棄していたことは事実で反省もしている。しかし、隠しカメラで、雑談と思わせてインタビューをされ、これを逮捕当日のニュースに使われたのは納得できない」と申立てに至った理由を語った。その上で、「地元の同業者は産業廃棄物の扱いに疎いところがあったが、今回の逮捕によって皆で研究していこうという機運も出ている」と語ると共に、「BRCに申立てを行い、このヒアリングに出て話が出来たことで、福島テレビに対する怒りの気持ちも、ずいぶん落ち着いてきた」と率直に語った。一方、福島テレビ側は、「悪質な産廃不法投棄事件であるが、社長はインタビューに応じてくれなかった。しかも逮捕も間近であり、なぜ不法投棄を続けていたかを報道するためには隠し撮りもやむを得なかった。したがって申立人への人権侵1仲介・斡旋解決事案仲介・斡旋解決、申立て取り下げII
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