放送人権委員会 判断ガイド 2024
192/264

174放送人権委員会 判断ガイド2024運営規則と委員会の任務付言や要望などればならない」との定めに反する放送倫理違反があり、しかも前記のとおり、わずか半年前に同番組が放送倫理検証委員会において「放送前における制作過程において十分な準備をする体制を整えるべきだ」と指摘された経緯を考慮するとき、その違反は重大であるといわざるをえない。第41号 割り箸事故・医療裁判判決報道(2009.10.30)解 説放送倫理検証委員会は2007年8月6日に「TBS『みのもんたの朝ズバッ!』不二家関連の2番組に関する見解」を公表していたが、半年後の同じ番組内で本件放送が行われ、放送人権委員会に名誉毀損を訴える申立てがあった。番組は、男児が割り箸を口にくわえたまま転倒し割り箸の先端部分が脳にまで達した結果、死亡した事故で、その治療に関与した医師の責任をめぐる民事裁判の判決内容を放送した。当該医師とその家族が放送で名誉を毀損され、精神的苦痛を受けたと申し立てた事案。委員会は、番組での判決要旨のまとめ方などについて、当事者の主張を整理した部分の記述を裁判所の判断そのものであるかのように取り上げた不正確・不公正な報道で、放送倫理上重大な問題があると判断した。プライバシー侵害の決定の伝え方本来ならば、具体的な謝罪放送をなすべきところ、内容において著しくプライバシーを侵害していることから、具体的に謝罪するとすればかえって申立人の受けた精神的損害を増幅することになりかねないので、必ずしも適当とは考えられない。それゆえ、被申立人に対しては、本件において侵害されたプライバシーそのものに具体的に触れることのないように配慮しつつ、本決定の趣旨をできるかぎり正確に放送し、かつ今後このようなことのないよう、企画、編集の体制を整えるよう勧告する。第28号 バラエティー番組における人格権侵害の訴え(2006.3.28)関 連プライバシー侵害の判断③~私生活の暴露(122ページ)

元のページ  ../index.html#192

このブックを見る