放送人権委員会 判断ガイド 2024
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163運営規則と委員会の任務運営規則の解釈と適用匿名報道された人物の申立て本件報道では、部落解放同盟における肩書は報じたものの申立人両名の個人名を摘示しておらず、原則として個人からの苦情申立てに対応する当委員会の役割に照らし、申立適格を欠くのではないかとの疑問がある。すなわち部落解放同盟における肩書だけでは一般視聴者から見た場合、申立人らを個人として特定できないのではないかとの疑問である。この点について、当委員会は慎重に検討した結果、部落解放同盟自体が組織としての規模、その活動の歴史、その果たしている社会的役割、影響力が大きく、10年間にわたってその府連の書記長という要職にあったA申立人については個人としても知名度も高く、その肩書表示だけでもこの番組を見た多数の視聴者は同申立人を個人として特定して認識できるものと判断し、他方、B申立人についてはその肩書表示だけでは同申立人個人を特定できないので、当委員会は本件全体をA申立人による申立てと見て実質審理に入ることとした。第34号 部落解放同盟大阪府連幹部からの訴え(2007.11.12)解 説「大阪市の民間社会福祉施設等に対する償還金補助は“ヤミ補助金”の疑いがある」などという報道に対する名誉毀損の申立て。A申立人は部落解放同盟大阪府連の書記長、B申立人は府連の支部長だった。著作権問題は審理対象に馴染まない著作者人格権を含む「著作権」問題は、財産的色彩が濃く、人権救済を目的とする当委員会の取り扱い対象には馴染まないと考える。第20号 女性国際戦犯法廷・番組出演者の申立て(2003.3.31)公正さを欠く番組は審理の対象となりうる一つ一つの事実の摘示に問題がないとしても、放送全体のバランスを欠き、結果として番組の公正さを欠いている場合は、まさに放送倫理基本綱領や日本民間放送連盟「放送基準」第8章「表現上の配慮」47項が求め

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