147放送倫理上の問題客観性、公平・公正隣人の視点に偏り過ぎたため、申立人から見れば、一方的でバランスを欠いた放送であると認識されたことも無理からぬところである。よって、本件放送は前記のとおり人権への配慮が不十分であり、放送倫理上問題があったと判断する。第5号 幼稚園報道(1998.10.26)本件放送自体は、取材した事実に基本的に基づいていることや、事柄の公共性などを考慮すると、訂正放送の必要性までは認められない。しかしながら、取材・編集過程で配慮に欠けるところがあったため、幼稚園側からみれば、一方的で著しくバランスを欠いた放送であると認識されたことも事実であり、放送倫理上問題があった、と判断する。関 連取材意図・番組趣旨は十分に説明②(19ページ)データの作成、提示の仕方(31ページ)●●真実に迫る努力報道対象者への取材努力の不足、捜査の推移、進展に伴うフォローアップ取材を怠ったケース、隠しカメラ・隠しマイクによる取材方法が問題とされたケースなど。第59号 ストーカー事件映像に対する申立て(2016.2.15)委員会もこのようなバラエティー番組の存在意義を認めるものであるが、放送が、現実の事件を再現するものとして伝えるのであれば、真実に迫る努力を怠らず、事件関係者の名誉やプライバシーへの配慮を十分に行うべきであり、本件放送は、真実に迫る努力を怠ったとともに、名誉、プライバシー権への配慮を欠いたものとして、放送倫理上の問題があるといわざるをえない。関 連現実の事件を再現する以上、再現ドラマであっても真実に迫る努力が求められる(89ページ)
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