放送人権委員会 判断ガイド 2024
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109人権侵害名誉第67号 沖縄の基地反対運動特集に対する申立て(2018.3.8)匿名報道された人物の社会的評価の低下本件放送は、群馬県行政書士会の総務部長の氏名については明示していない。しかし、群馬県内のラジオ聴取者を主たる対象とするラジオ局において、群馬県行政書士会の総務部長という役職を放送すれば、行政書士の職にある者はもとより、不特定多数の聴取者にその職にある者が申立人であると認識されると認められる。そして、その放送内容は、会員に暴行を加えてケガを負わせたとして、傷害の疑いで前橋地方検察庁に書類送検されていたことを内容とするものであるから、たとえ結果的に不起訴になったことを伝えても、申立人の社会的評価を低下させるものというべきである。第37号 群馬・行政書士会幹部不起訴報道(2008.7.1)​番組で提示された「新しい情報」による名誉毀損週刊誌による名誉毀損・プライバシー侵害が問題となった事案であるいわゆる木曽川・長良川事件において、最高裁判所は、「これらの読者の中に、本件記事を読んで初めて、被上告人についてのそれまで知っていた以上の犯人情報や履歴情報を知った者がいた可能性」を指摘し、そのことによる名誉毀損・プライバシー侵害を認める考え方を示している(最高裁2003年3月14日第二小法廷判決)。当委員会も同様の観点から、本件放送中に申立人の社会的評価をさらに低下させる新しい情報があったとすれば名誉毀損が成立する可能性があると考える。第70号 情報公開請求に基づく報道に対する申立て(2019.10.30)解 説秋田県内の国公立大学で過去5年間に行われた教員によるセクシャルハラスメントやアカデミックハラスメントなどによる処分について、ローカルニュースで、情報公開請求を通じて得た情報をもとに放送した。事例の一つが申立人のもので、

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