放送人権委員会 判断ガイド 2024
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104放送人権委員会 判断ガイド2024人権侵害名誉と信ずるについて相当の理由があるときには、右行為には故意もしくは過失がなく、結局、不法行為は成立しないものと解するのが相当である(このことは、刑法二三〇条の規定からも十分窺うことができる)。参 照刑法第230条の2(名誉毀損・公共の利害に関する場合の特例)前条第一項の行為が公共の利害に関する事実に係り、かつ、その目的が専ら公益を図ることにあったと認める場合には、事実の真否を判断し、真実であることの証明があったときはこれを罰しない。​摘示事実は一般視聴者の視聴の仕方を基準として判断テレビ番組によって摘示された事実がどのようなものであるかという点については、一般の視聴者の普通の注意と視聴の仕方とを基準として判断すべきである。その際、映像の内容、ナレーション、テロップなどの映像及び音声に係る情報の内容並びに放送内容全体から受ける印象などを総合的に考慮することが必要である(最高裁2003年10月16日判決〔テレビ朝日ダイオキシン報道訴訟〕)。第69号 芸能ニュースに対する申立て(2019.3.11)論評による名誉毀損の判断社会的評価の低下や名誉感情に不快の念を生じさせる論評であっても、論評を含む放送が、公共の利害に関わる事項について公益を図る目的でなされたものであるときは、表現の自由の行使として尊重されるべきものであり、その論評の基礎となった事実の主要な点に誤りがなく、人身攻撃に及ぶなど論評の域を逸脱したものでない限り、その放送は権利侵害として評価されるべきではない。第54号 大阪府議からの申立て(TBSラジオ)(2015.4.14)関 連第39号 徳島・土地改良区横領事件報道(2009.3.30)

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