放送人権委員会 判断ガイド 2024
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87企画・取材、制作、放送行政処分12行政処分行政処分と報道処分庁である福井県が本処分は効力発生済みのものとして報道機関に発表し、被申立人がその発表に基づいて本件報道を行ったことについては何らとがめるべき点を見出すことはできない。また、そもそも報道機関には相応の根拠の裏付けがあれば、効力発生の如何にかかわらず、行政処分につき自由な報道が認められるべきである。第19号 福井・産廃業者行政処分報道(2002.12.10)解 説産廃収集運搬業者に対する事業許可を取り消す県の行政処分を報道したところ、業者が「通知書が送達され処分の効力が生じる前にすでに処分の効力が生じた旨の報道をすることは人権侵害である」などと申し立てた。委員会は人権侵害も、放送倫理上の問題も認められないと判断した。被処分者側の取材もメディアは公権力の適正な行使に向けて監視する役割を担っていること、及び本件処分は廃棄物収集運搬業者の事業許可の取り消しという厳しい処分であったこと等から、報道するに当たり、被処分者である申立人の意見を取材することが望ましかった。しかし、本件処分に関連して、被申立人は申立人による処分取り消しの訴えも報道しており、当初に取材をしなかったことが直ちに報道の公正を害したものとまではいえない。第19号 福井・産廃業者行政処分報道(2002.12.10)

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