放送人権委員会 判断ガイド 2024
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85企画・取材、制作、放送政治、選挙政治論評のあり方政治的論評のあり方について、政治的な公正、中立に配慮すること、あるいは、批判される側への取材など、論評の客観的妥当性を確保するための努力が求められることは、申立人らの主張するとおりである。しかし、政治的な状況が激変している中で、現れているかぎりの事象をもとに緊急に論評をすることもメディアにとっては避けることのできない責務であり、専門家の蓄積した知見をもとに現状を分かりやすく説明し、国民の意見の形成に資する番組を企画し放送する必要性は大きく、民主党代表選についての一つの意見として提示した本件放送については、放送倫理に違反したものとはいえない。第30号 民主党代表選挙の論評問題(2006.9.13)解 説民主党代表選挙に関する報道について、同党衆議院議員2人が政治評論家のコメントで名誉を毀損されたと申し立てた事案。委員会は、当該報道が申立人の社会的評価を低下させたとは認められないとして、名誉毀損と放送倫理上問題はないと判断した。関 連国会議員(132ページ)選挙報道の意義選挙は民主主義を支える最も重要な制度である。それゆえ、主権者である有権者が適切に判断するために役立つ必要・有益な情報は、できる限り幅広く提供されなければならない。そうした観点から、放送メディアに対して選挙に関する報道や評論の自由が保障されている。すなわち、選挙に関する報道には公共性および公益目的が当然に認められ、虚偽の事項を報道したり事実をゆがめることがない限り、原則として報道は自由とされている。第21号 山口県議選事前報道(2003.12.12)立候補予定者に関する公平・公正本番組は、選挙への有権者の関心を高める目的で制作されたものであ

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