84放送人権委員会 判断ガイド2024企画・取材、制作、放送政治、選挙11政治、選挙政治を扱う番組の意義と多様性政治的な問題について、報道機関として自由闊達な議論と多様な観点からの論評を展開することは、むしろ報道機関としての中心的な使命というべきであり、政府の基本方針を批判することも、政治を真に国民の立場から検証していく上で、報道機関に課せられた重要な使命である。言論によってあるべき政策を形成し、是正することは民主主義社会が備えるべき属性であり、報道機関の存在意義であるといってよい。そのありようはまた多様であってよく、討論番組についていえば、十分に事前準備をした討論もあれば、意見を異にする出演者による自由闊達な議論もある。またバラエティー番組として構成される場合もあるであろう。言論の自由は原則として制約されるべきではないことを明確にしておきたい。第43号 拉致被害者家族からの訴え(2010.3.10)関 連政治もバラエティーのテーマ(88ページ)政治論評の意義一般に、民主主義社会におけるメディアには、国民の知る権利に奉仕するという役割があり、そのために、自由な論評が保障されなければならないが、政治家の政治的動向に対する論評は、国民が多角的な視点から自らの政治的選択をすることに役立つものであるべきであり、当然のことながら、メディアが特定の政治家に対する人身攻撃を主たる目的とする論評により当該政治家の社会的評価を低下させる放送をしたときは、当該放送は表現の自由の保障の範囲を逸脱するものとして名誉毀損に当たる。第30号 民主党代表選挙の論評問題(2006.9.13)
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