広場のルールは広場でつくる
―私たちは放送法の改定に反対します−
テレビは、みんなが自由な考えを自由に交し合える言葉の広場です。表現の広場、コミュニケーションの広場です。
テレビは、テレビ局の私物でもなければ、政府の持ち物でもありません。何よりそれは、民主主義を生き生きと、にぎやかに支える大切な広場です。
自由な広場だけに、そこにはときに、ウソをついて人びとをだます人や、悪意や中傷で人をおとしめるような行為も出てきます。
でも、そういう問題は、広場に集まるみんなの知恵と力で根気よくなくしていくことが大切です。そういう知恵や力を出し合うことが、民主主義をもっと豊かに、面白くします。お役所が「虚言や捏造は罰す」なんて立て札を立てて目を光らせ、取り締まるのは、いい策とは言えません。
このところ、テレビ番組の不祥事がいくつか起こりました。それは、広場に集まるみんなをバカにする行為であって、広場のルールやマナーに反したことです。
が、だからといって、放送法を改定して言葉や表現のいちいちを縛ろうとするのは、どんなものでしょうか。たしかにいまのテレビにはダメなところもいろいろありますが、言葉狩りのようなことをはじめたら、テレビという広場は生気を失って窒息状態になってしまう。
いま、テレビの番組づくりにたずさわる人たちやテレビの関連団体は、そういう不祥事をどうしたらなくすことができるか、真剣に考えています。これはほんの一例ですが、BPOもこれまでの放送番組委員会を解散して、ウソをついて人びとをだました番組をチェックする機能と権限を持った新しい委員会を発足させることにしました。
時間は少しかかるでしょう。が、時間や手間はかかっても、お役所がつくる法律によってではなく、みんなの広場の問題はみんなの知恵と力でなんとかしていく。それがいちばんいいやり方ではないかと、私たちは思っています。いっときますが、広場のみんなは、そんなバカじゃないのです。
というわけで、私たちは、今回の放送法の改定案に反対します。
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2007年5月11日
放送倫理・番組向上機構(BPO)
放送番組委員会(有識者委員)
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委員長 |
天野 祐吉
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副委員長 |
上滝 徹也 |
委員 |
石田 佐恵子 |
委員 |
市川 森一 |
委員 |
里中 満智子 |
委員 |
吉岡 忍 |
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