青少年委員会

青少年委員会 議事概要

第277回

第277回-2025年3月25日

高校生モニターとのオンラインミーティング…など

2025年3月25日、第277回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催しました。吉永みち子副委員長をはじめ7人の委員が出席しましたが、欠席の榊原洋一委員長については事務局から3月末日の退任が発表されました。この日の議事進行は吉永副委員長が代行しました。
会議の冒頭、2024年度の高校生モニター8人とのオンラインミーティングが行われました。
引き続いて、2月後半から3月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について、担当の委員から報告がありました。
3月の中高生モニター報告のテーマは「この1年間で最も印象に残った番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。

議事の詳細

日時
2025年3月25日(火)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階)
議題
高校生モニターとのオンラインミーティング
視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
出席者
吉永みち子副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員

高校生モニターとのオンラインミーティング

2024年度の高校生モニター8人とのオンラインミーティングが行われました。この1年間を振り返ったモニターたちからは「テレビの話をする良いきっかけとなりました」「テレビに対する見方が変わりました」「今後の進路活動でのいろいろな視点を持つことができました」「まわりの人の意見に注目できるようになりました」などモニター活動が有意義だったとの感想が多くありました。
また、各委員からは「毎月、モニター報告を書くことはとても大変だったと思います。本当にありがとうございました」「この1年間、本気でテレビ・ラジオに向き合って報告を書いてくれたのは大切な経験だと思います」などこの1年のモニター活動への感謝と労をねぎらう言葉がありました。

視聴者からの意見について

2月後半から3月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
日曜午前の子ども向け特撮ヒーロー番組で、ヒーローグループのひとりが老夫婦から家宝の高額な壺をだまし取るようなシーンがありました。番組の最後は円満に収まり壺は男性ヒーローがサインして返却されましたが、視聴者から「詐欺という犯罪を若年者が軽く考えてしまう悪影響が懸念される」などの批判的な意見がありました。
担当委員は「このシーンが犯罪行為を助長するようには見えない。(犯罪を肯定するように見えたのであれば)一緒に視聴した保護者が子どもにきちんと説明すれば足りるだろう」として、問題ではないという見方を示しました。
別の委員は「世間では高齢者を狙った特殊詐欺の事件が増えているので、こうした批判が多く寄せられたのだろう。壺が返却されたことを示すものが写真だけだったことも、(返却された)結果を曖昧にしてしまったのではないか」と指摘しました。
これを受けて担当委員は「サインが入った壺が返却されて老夫婦が喜ぶカットがひとつでもあれば、視聴者の受け止めはだいぶ変わっただろう。指摘のように詐欺が多発する時代なので、『犯罪行為だと受け止められるかもしれない』前提で番組を制作する必要はあった。その点は少し配慮が足りないと思う」と述べました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、新たに「討論」に進むものはありませんでした。

中高生モニター報告について

3月のテーマは「この1年間で最も印象に残った番組について」で、28人のモニターから合わせて25番組への報告がありました。
複数のモニターが取り上げた番組は『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)と『日曜劇場「海に眠るダイヤモンド」』(TBSテレビ)で、ジャンル別では情報バラエティー9番組、ドラマ7番組、ドキュメンタリー4番組、音楽3番組、アニメ2番組など、多岐にわたる番組に関する報告が集まりました。
また「自由記述」にはモニター活動の感想のほか、委員へのメッセージ、放送局に対する要望やエールが届いています。
「青少年へのおすすめ番組」では『池上彰×土屋太鳳 昭和100年』(テレビ東京)に6人から、『秘密のケンミンSHOW 極 春の2時間SP』(読売テレビ)に3人から、『有吉のお金発見 突撃!カネオくん「2025年春休み お金のヒミツSP!」』(NHK総合)と『わが家は楽し』(TBSテレビ)、『テレビ朝日ドラマプレミアム 山崎豊子生誕100年記念「花のれん」』(テレビ朝日)、『ボクらの時代』(フジテレビ)、『純喫茶つながり、閉店します』(テレビ愛知)にそれぞれ2人から感想が届いています。

◆モニター報告より◆

【この1年間で最も印象に残った番組について】

  • 『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)
    • 司会者に選ばれた3人(アナウンサー以外)が、なぜ選ばれたのか理由を知りたかった。また「紅組」「白組」で分けずに「アダルト部門(演歌など)」「ヤング部門(K-POPアイドルなど)」「名曲部門(どの世代にも知られている曲など)」のように3つに分けてほしい。その年の流行りでなくても「ネット投票」で1位に選ばれたアーティストにゲスト出演してほしい。(中学1年・女子・鹿児島)
    • 今年は推しのNumber-iが出演するので久しぶりに視聴しました。また普段は視聴しない母や父もB‘zやTHE ALFEEが出演するからと家族全員で見ることが出来ました。『紅白』は老若男女が見られる番組だと改めて感じました。(中学3年・女子・神奈川)
  • 『感想戦 3月11日のマーラー』(NHK総合)
    私はジュニアオーケストラに所属しています。トレーナーの先生方は新日本フィルハーモニー交響楽団の団員で、大勢番組に出演していました。身近な先生方が14年前の3月11日にマーラー交響曲第5番を演奏していたと知り、とても驚きました。日本中が3月11日に心を寄せる時、音楽と非常時を考える上で貴重な資料だと思います。ノンフィクションの番組を見たのは久しぶりでしたが、自分が興味を持っているからか何回も見たいと思いました。(中学2年・女子・東京)

  • 『新プロジェクトX~挑戦者たち~「世界最速へ技術者たちの頭脳戦~スーパーコンピューター「京」~」』(NHK総合)
    今年最も演出やストーリーのクオリティーが高いと思いました。良いなと思ったのは3点で、1点目は冒頭の地上の星が流れる部分です。「ひらめきの六次元」が三次元を超越したところは模型でイメージしやすく、虹色のような光の演出も特別感があって良いなと思いました。2点目はストーリー展開で、最後一気に主人公に有利な展開になっていくところ、今回でいうと悩んでいた主人公が複雑なエスカレーターを見て一気にひらめいたところが、個人的に面白いと思います。3点目は出演者からのメッセージで、感動の物語の後だからこそ沁みると思いました。(中学2年・男子・東京)

  • 『NHKスペシャル「“一億特攻”への道 ~隊員4000人 生と死の記録~」』(NHK総合)
    家族が録画していたので夏休みにたまたま視聴した。戦後80年もたつのに、新しく見つかった映像があることに驚いた。事件や事故や災害を風化させてはいけないとよく言われるが、こうして後世で変わることもあるんだと感じた。戦争番組はよくあるけれどこれはひと味違って、同じ戦争でも見方が変わると違って見えてくることを感じられた番組だった。(中学3年・男子・東京)

  • 『かんさい熱視線「阪神・淡路大震災30年 災害関連死 一人ひとりの命守るために」』(NHK総合)
    出演者の中辻さんらは阪神・淡路大震災当時、被災した高齢者などに食材の硬さや大きさといった個人の要望をききとり、食事を提供していた。その食事を食べた被災者が感動しているシーンは印象的だった。災害時に地域住民に寄り添った対応をするには自治体単位での対策が必要だが、自治体等に一任するのではなく、地域住民である自分たちが行動することも大切だと再認識することができた。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『連続テレビ小説「おむすび」』(NHK総合)
    今回の朝ドラはなかなか進路が決まらなかった時に「米田結(橋本環奈)のように人の役に立ち人を喜ばせられる栄養士になりたい」と思わせてくれたドラマで、これがなかったら進路が全く違っていたかもしれないなと思います。米田結は最初は料理が苦手でしたが、専門学校に通って毎日練習し、今では管理栄養士となり毎日患者を笑顔にする献立を考えているのを見て、私も料理が苦手ですが将来、このような栄養士さんになりたいと思いました。(高校3年・女子・栃木)

  • 『さんま・玉緒のお年玉!あんたの夢をかなえたろかSP』(TBSテレビ)
    一般人が有名人に会うのはテレビでしかできない事なので、テレビの良さが分かる番組だと思った。どの夢も感動的だったけど、笑える場面もあってバランスが取れていた。たくさんの応募の中から「実現させる夢」を決める裏側の映像も見てみたかった。(中学2年・女子・鳥取)

  • 『海に眠るダイヤモンド』(TBSテレビ)
    • 脚本を担当した野木亜紀子さんの作品が好きで視聴しました。端島(長崎県)は「もう終わった島」「ただの廃墟」だと思っていましたが、ドラマを見ていくにつれて端島で青春を生きた人や端島を愛した人がいて、その人たちの中では端島はまだ生きて輝いていると気づきました。(高校1年・女子・愛知)
    • 端島の見える場所でコスモスが咲く光景を朝子(杉咲花)が見たシーンはとても感動しました。主題歌の「ねっこ」(King Gnu)が流れるタイミングも良すぎて、最終回では涙が出ました。ドラマを見終わった後、実際に自分の目で端島を見たいと思い、3月の休みを使って長崎に行きました。50年前に本当に人が住んでいたのかと思うと不思議な感じがしました。(高校1年・女子・岐阜)
  • 『西園寺さんは家事をしない』(TBSテレビ)
    面白いと感じたポイントは3つあり、1つ目は話のテンポが良く笑える場面もあったことです。2つ目は主役や脇役を含め多くのキャラクターそれぞれがとても際立っていたことです。様々なバックグラウンドやそれぞれの感情の機微も丁寧に描かれていました。そして3つ目は仕事・家族・子育て・恋愛・家事負担などの身近なテーマがたくさん詰め込まれていたことです。毎話、最後に主題歌が流れると「もう終わっちゃったの!?」と思っていました。キラキラとした世界観をたくさん満喫しました!(中学3年・女子・長崎)

  • 『不適切にもほどがある!』(TBSテレビ)
    令和と昭和のコンプライアンスのギャップに衝撃を受けました。主人公の小川市郎(阿部サダヲ)の昭和の考え方は現代では否定されています。しかし令和のコンプライアンスをそのまま引きずってしまえば、甘えてばかりの社会になってしまい成長しないと思いました。このドラマを見終えて、コンプライアンスのことをよく考えました。これからの社会で必要なことなので、このドラマを多くの人に見てほしいです。(高校2年・男子・山口)

  • 『御上先生』(TBSテレビ)
    兄が録画していて、自分も興味があったので視聴した。進学校をテーマに難関大学を目指す生徒が描かれており、自分も難関大学を目指しているので共感した。『ビリオン×スクール』(フジテレビ)と比較すると「笑える」要素は少なくミステリー要素が強めだが、ネットニュースなどで話題となっていた理由は多くの人が進学校にあこがれており、勉強しなかったことを後悔している大人が多いからかもしれない。第8話で溝端先生(迫田孝也)が信念を失いつつある姿が描かれていて、その原因をもっと知りたいと思った。(中学1年・女子・神奈川)

  • 『超無敵クラス』(日本テレビ)
    亀井裕介くんと安斉星来さんのコンビでの最後のロケが印象に残った。毎回、水や泥の中に入って生き物を捕まえる姿がかっこよかった。一人の高校生が熱中していることをレギュラーメンバーが体験するといった企画を最近あまりやっていなかったため、また見たいと思った。また12官庁を紹介する企画も普段どのような仕事をしているのか知ることができて面白かったので、また放送してほしい。(高校2年・女子・東京)

  • 『D×WEST.』(日本テレビ)
    WEST.が様々なアーティストとコラボして、自分たちの音楽をアレンジし披露する番組です。一番驚いたのは「ハート」という楽曲をオーケストラで歌唱していた放送回です。バックミュージックが変わるだけでこんなにも曲の雰囲気が変わるんだなと感じました。このアレンジはテレビだからこそのクオリティーだと思うので、他のアーティストも起用して長く番組が続いてほしいです。(高校2年・女子・愛媛)

  • 『ヒルナンデス』(日本テレビ)
    8月の高校生モニター会議で生放送の現場を直接見たため印象に残った。報道フロアからのニュースは必要ないのではないかと思っていたが、伊藤遼アナウンサーが「8月1日は 打ち水の日」のフリップを一生懸命に書いていたり、報道フロアでせわしなく働いたりしている人を見て、視聴者に届けたいという気持ちが伝わってきた。またニュースの間は『ヒルナンデス』のスタジオでも休憩時間になっていてよいと思った。(高校2年・女子・青森)

  • 『ザ!鉄腕!DASH!!』(日本テレビ)
    一年間毎週欠かさずに見ていた唯一の番組です。この番組の良いところは、私たちが当たり前のように享受している生活がどのようにして成り立っているのか、分かりやすく知ることができることです。最近は自己肯定感を求め、SNSを使ったり時には過激な行為をしたりする人も増えているように感じます。日々の生活に感謝する心があれば、ある種の「満足」が感じられ、もう少し幸せに生きていけるのではないかと思います。そして生産者や食べ物への感謝を忘れないという、特別なことではないけれど、大切なことを思い出させてくれる番組です。(中学3年・男子・千葉)

  • 『世界の果てまでイッテQ!』(日本テレビ)
    今年度一番印象に残ったのは手越祐也さんが出演した放送回です。放送前後、Xは『イッテQ!』の話で持ち切りでしたし、学校でもみんな「放送が待ちきれない!」と言っていて、小学校時代を思い出し懐かしくなりました。『イッテQ!』は「手越さんが出演したら見るのにな」という視聴者の心の声をくみ取り実現し、結果的には成功を収めたのだと思います。手越さんは一度降板しているので再びオファーするのは難しいかもしれませんが、そのくらいしないと今の若者はテレビを見ようとしないと思います。(高校3年・女子・奈良)

  • 『Google Pixel presents ANOTHER SKY「ゲスト:TWICE ナヨン/韓国・済州島』(日本テレビ)
    雰囲気もコンセプトも一番好きな番組です。好きな場所を選んで撮影するからなのか、ゲストの普段とは違う自然体な姿を見ることができるので、多くの人が新しいナヨンさんを見ることができたと思います。また白い文字のテロップが特徴的で、出演者が身に着けるイヤホンで直接翻訳しながら会話しているので、どこまでもシンプルで分かりやすいなと思います。(高校3年・女子・熊本)

  • 『葬送のフリーレン』(日本テレビ)
    このアニメは異例の『金曜ロードショー』スタートの番組で、多くの人に注目された。また自分が住んでいる長崎県に展示イベントが来るなど、多くの人に認知された番組だったので、影響力がすごいと感じた。番組同士のつながりは大事だと思った。(高校1年・男子・長崎)

  • 『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日)
    このシリーズは前回から見始めたが、風刺がきいていて「いいのか?」と思うくらいきわどいので好きです。また“悪事を暴露して崩壊して終わり”ではなく“暴露して再生する”のが、救われる気がしてなお好きです。人を痛めつけることや批判だけすることは簡単だけれど「なんにでも救いの道がある」と思えてほっとします。(高校3年・男子・東京)

  • 『サスティな!』(フジテレビ)
    紹介されていたハンバーガーのパティは害獣である鹿を使用していて、秋田県でも熊が問題視されているので活かせると思いました。番組に若い世代が出演すると、人気や流行を知ることができると期待がふくらみます。(中学2年・女子・秋田)

  • 『ザ・ノンフィクション』(フジテレビ)
    20代の独身男性の54.4%に結婚の意思があると紹介されていました。以前ニュースで若い世代の「恋愛離れ」を耳にしたのと少子高齢化が加速している現状から考えて、このデータには少し驚きました。リモートワークが普及し、人と人との関わりが減った今だからこそ結婚相談所の需要が高まることは当然ですが、私は人と人との偶然の出会いも大切だと思うので、肩書や趣味といった情報だけでマッチングする現状に少し寂しさを感じました。(中学3年・女子・東京)

  • 『新しいカギ』(フジテレビ)
    テレビのチャンネルを変えていた時に「学校かくれんぼ」の企画を偶然見て興味を惹かれました。壁を増築したり地面の中に空間を作ったりして隠れるなど、もはやかくれんぼの域を超えていました。ただ少し危険だなと思うのは、学校名と生徒の映像が全国に放送されることです。学校の宣伝にはなりますが、同時にプライバシーを含む情報を視聴者に与えてしまうことになります。SNSの普及が進んだ現在においては、その後利用される可能性を考慮して制作するべきだと思いました。(高校2年・男子・神奈川)

  • 『27時間テレビ』(フジテレビ)
    盛り上げよう楽しませようという熱気に満ち溢れていてパワーをもらえた。特に印象に残っているのはカギダンススタジアムで、初心者の芸人を経験者の高校ダンス部がうまく使っていて、ストーリーがわかりやすく面白かった。なにより芸人たちの成長に驚いた。また本番の芸人たちのスピーチで努力の大切さやストーリーの面白さに熱気が加わり感動した。(高校2年・女子・東京)

  • 『日曜ビッグバラエティ 密着!JR24時 山手線から新幹線まで激レア(秘)映像大公開SP』(テレビ東京)
    小さな頃から電車を見たり乗ったりすることが好きで、妹と一緒に興味深く視聴しました。東京駅のコンビニの裏側はどんな風になっているのか気になり、一番混んだ日の売り上げ金額が1000万円をこえたことに驚きました。首都圏や田舎のコンビニの売り上げの平均値があると、すごさがさらに分かると思いました。新幹線や山手線を含め、電車以外の様子なども放送されていて、なかなか普段見られない場所の映像もあり楽しかったです。(中学1年・男子・山梨)

  • 『夜桜さんちの大作戦』(毎日放送)
    私の推しアニメです。作画はもちろん、声優さんの配置や音声がとてもはまっていて面白いです。音は大事だと思うので、これからも大切にしてほしいです。(中学1年・男子・山形)

  • 『春になったら』(関西テレビ)
    家族ドラマの中でも群を抜いて好きなドラマです。人は自身の終末に突然向き合った時に何を思うのか、その自覚の変化が細部に散りばめられていて、感情移入したり泣いたりが毎回のお決まりになっていました。多くのキャストが個性を出しつつ目立ちすぎていなかったところもすごいと思います。またフィルターのかかったような映像は温かみがあり、作中に登場した一眼レフと相まって、どことなく懐かしい気持ちになりました。(中学2年・女子・埼玉)

【自由記述】

《モニター活動の感想》

  • 色々な番組を探して視聴したことで、純粋にテレビやラジオが楽しく面白いなと感じました。SNSが普及し主流になっても放送局がなくなってほしくないので、今後も見続けたいです。(中学2年・女子・埼玉)

  • 友人とテレビの話をすることが増えました。自分たちがどんな番組を望んでいるのか、どんな感想を持ったのかを常に考えさせられ、同じ番組を見ても抱く感想や価値観が違うことを実感する1年でした。(高校1年・女子・愛知)

  • 一番の思い出は8月の高校生モニター会議です。テレビ局の裏側まで実際に見ることができ、今後の進路を考えるヒントになりました。意見交換会では私の意見が役に立ったか分かりませんが、こういった機会を通じて世の中は改善されていくんだなと感じました。(高校2年・女子・愛媛)

  • モニター活動の経験から、テレビやラジオがSNSに負けないように新しい何かを開発したいと思い、大学で電子情報工学を学ぼうと考えています。(高校2年・男子・山口)

《委員へのメッセージ》

  • 毎月の委員からのおたよりが嬉しかったです。委員にも個性があって、ほめてくれる人、ちょっと辛口の人、いろいろいることが分かりました。(中学1年・男子・山梨)

  • リポートを通して青少年委員の皆さんと交流できたことはとても貴重な経験だった。特に印象に残ったのは9月に書いた戦争に関する番組のリポートで、吉永委員から『自分とほとんど同じ年の子どもたちが戦争に巻き込まれたことに対して、もしその時代に生きていたらどうしたと思うか?』と問われたことだ。改めて考えると「戦争には死んでも行きたくない」という思いが強く、「戦争に行かないのはありえない」という当時の空気をとても恐ろしく感じた。1年前までは何気なく見ているだけだったテレビというメディアを、別角度からとらえなおすことができた。高校一年というこの時期にこのような素晴らしい体験をすることができて、とてもよかったと思う。(高校1年・男子・兵庫)

《放送局に対する要望やエール》

  • 『有働Times』(テレビ朝日)では気象予報士の片岡信和さんがピアノを演奏しながら天気予報を教えてくれるので、最近はいつも見ている。憂鬱な日曜日の夜の心を明るくしてくれる。(高校2年・女子・青森)

  • 【青少年へのおすすめ番組】について、鹿児島で視聴できる番組が1年間を通して変わらなかったので、もっと増やしてほしい。(中学1年・女子・鹿児島)

  • モニター活動を通じて「テレビの価値」をもう一度知ることができました。「オールドメディア」という言葉は大手ネットメディア等で否定的に取り上げられていますが、テレビをはじめとしたマスメディアが信頼を失うことはとても危険なことです。不特定多数が発信できるSNSでは責任の所在がはっきりしない、だからこそ発信が容易だがデマも広がりやすい。今はまだ致命的な問題にはなっていませんが、ラジオを巧みに使いこなしたかつてのヒトラーのような人が出てきたらどうなるのか、その危険性を忘れてはならないと思います。そしてそれに唯一対抗し得るのはテレビをはじめとしたマスメディアです。責任が伴うからこそ正確な情報を伝えることができる、中立だからこそ偏向も起きにくい。テレビなどの情報がどれほど大切かを1年間の活動を通して考えることができました。(中学3年・男子・千葉)

【青少年へのおすすめ番組】

  • 『有吉のお金発見 突撃!カネオくん「2025年春休み お金のヒミツSP!」』(NHK総合)
    「渓谷探検」について国内外の自然の美しさに驚くとともに、水の上をロープで渡るなど死と隣り合わせの様子に、見ていて思わずソワソワしてしまいました。(中学3年・女子・東京)

  • 『わが家は楽し』(TBSテレビ)
    祖父母がわざわざ孫の目の前で離婚話を持ち掛けるのはさすがに現実味がないと思うが、いきなり離婚話が出てきたのは驚いたし、面白かった。視聴者が予想しない展開がこれからのテレビ離れを食い止める方法だと思う。(中学2年・男子・東京)

  • 『テレビ朝日ドラマプレミアム 山崎豊子生誕100年記念「花のれん」』(テレビ朝日)
    • セットが細部まで作りこまれていて、寄席を見たことのない自分もその場に立ち合えたような気分を味わいました。生きるため、家のために笑顔を作っていた主人公が最期に穏やかに笑っていた所が凄く刺さり、泣いてしまいました。(中学2年・女子・埼玉)
    • 「節季」などの専門用語の意味が画面左下に表示されたのは分かりやすくてとても良いなと思いました。主人公・河島多加(北川景子)視点が多く、他の人物から多加がどう見えているのかの描写があったら良いなと思いました。(中学2年・女子・東京)
  • 『ボクらの時代』(フジテレビ)
    読書が好きで、本谷有希子さんがゲストということで初めて視聴しました。司会者がいるようでいないような不思議な番組で、座る位置といい、自然で穏やかに感じました。(中学3年・男子・東京)

  • 『池上彰×土屋太鳳 昭和100年』(テレビ東京)
    • ゲストの年齢層がバラバラで良かった。昔の暮らしだけではなく、当時のスタイルで現在暮らしている人の紹介もあって面白かった。(中学2年・女子・鳥取)
    • 年表がとても分かりやすく、社会科の教科書では触れなかった深いところまで解説されていました。ただの「違い」だけでなく「なぜ違うのか」を解説するので、とても面白く勉強になりました。(中学3年・男子・千葉)
    • 「昭和時代の方がむしろ多様性に富んでいた」とインタビューに答えた人の意見をきいて、驚いたと同時に少し納得した。今の時代、多様性とはよく言われるものの、SNSの普及により今まで以上に周りの目を気にしたり「流行」に流されすぎたりしている人が多くいると感じているからだ。(高校2年・女子・東京)
  • 『秘密のケンミンSHOW 極 春の2時間SP』(読売テレビ)
    兵庫県のラーメンを特集していたが、全く知らない店が紹介されていて驚いた。神戸市の「もっこす」「第一旭」に人が殺到しているのを見て行ってみたくなったが、インタビューされた人が口をそろえて絶賛していたのは少しおおげさな編集だと思った。自分の住んでいる県が特集されるたびに知らなかった一面を知ることができるので、県単位の特集をもっと見たい。(高校1年・男子・兵庫)

  • 『発見!!食遺産 #あなたのレシピ残させてください』(テレビ大阪)
    たまに料理をするので食材に興味を持ちました。関西の番組なので私が暮らす地方とは旬の食材が違い、文化の違いを知る機会となりました。有名芸能人が登場していて、さすが大阪だと思いました。(中学2年・女子・秋田)

  • 『純喫茶つながり、閉店します』(テレビ愛知)
    人と人とのつながりを描くドラマだと思いました。私もこんな優しく話しを聞いてくれる喫茶店に行きたいです。(高校1年・女子・岐阜)

  • 『交通安全ココワンtube』(愛媛朝日テレビ)
    「春の車のメンテナンス」について学びました。まだ17歳なので車の免許は取ることができませんが、家族に伝えることでこの情報を広げていきたいと思います。(高校2年・女子・愛媛)

  • 『青森×鹿児島 北端!南端!ワザワザ見聞録』(南日本放送)
    鹿児島県と青森県の職人が、それぞれ思いを持って作る姿が印象的だった。伝統の品は上の世代が作ったり利用したりしているイメージがあったけれど、若い世代が時代に合わせてアップデートしながら作っていることを知ることができて、嬉しかったし親近感を持てた。(中学1年・女子・鹿児島)

  • 『ぞっこん!-昭和歌謡を愛する者たちの歌マネの競演-』(BSフジ)
    モノマネをするうえで大切なのは「愛があるか」という事。その通りだと思い、それぞれの愛を感じることができました。セットの予算やゲストの人数が削られているような気がしましたが、BSなので仕方がないのかもと思いました。(中学1年・男子・山梨)

  • 『工藤阿須加が行く 農業始めちゃいました』(BS朝日)
    農家の方が育てたビーツを収穫した際、工藤阿須加さんが「ここまで大きくならないですよ。自分が育てた時は」と話していて、ビーツのサイズ感が伝わってきた。経験した人のレポートは学びになる。農業は私たちが生きていく上で欠かせない仕事なので、こういった番組が増えるとよい。(高校2年・女子・青森)

【青少年へのおすすめ番組2月分】

  • 『東京ホテイソンと学ぶ生存戦略』(青森テレビ)
    前半がSDGs、後半が防災に関する内容だった。自衛隊の方がいざという時に役に立つ知識(担架作りや簡易水道の作り方)をレクチャーしていて分かりやすかったし、信憑性があり今後のための勉強になった。また大喜利などお笑い要素もあり、楽しく視聴することができた。(高校2年・女子・青森)

◆委員のコメント◆

【この1年間で最も印象に残った番組について】

  • 中学3年生のモニターから『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)を家族全員で見ることができたという報告があったが、番組の内容よりも両親と一緒に見ることができたということが、きっととても良い思い出になって、最も印象に残った番組につながったのだろうと思う。

  • 『葬送のフリーレン』(日本テレビ)に関する高校1年生のモニター報告に「番組同士のつながりは大事だ」とあったが、これは“テレビらしさ”の本質をついている感想だと思う。テレビには時に“局を越えたつながり”があって、例えばガチャピンがフジテレビ以外の番組に出演するだけで盛り上がるし、生放送の『FNSの日』(フジテレビ)に出演していたビートたけしが『スーパーJOKEY』(日本テレビ)の生放送に出演した後にまた戻ってくるといった、そういうところにテレビらしさとか芸能界らしさみたいなものを私も子ども心に感じていた。そういった部分は権利的にも残すのが難しく、そぎ落とされた形で作品としてだけ番組がアーカイブされるが、実はその“そぎ落とされた部分”が本当の“テレビらしさ”なのではないかという気がして、大切にしていくべきポイントなのではないかと思う。

  • 高校2年生のモニターから「学校名と生徒の映像が全国に放送されるのは少し危険だと思う」とあったが、これはテレビという映像を伴ったメディアにとっては重たい指摘だ。「危ないことはやめておこう」という流れが行き過ぎるとテレビメディアの良さが損なわれてしまうし、安全性を担保して映像の力をどう発揮するかはテレビに関わる人たち全体の問題でもある。特に青少年に関わる部分では何か事件が起きたときに取材しづらくなっているという声もあるので、こういったこともテーマに今後も議論を続けていきたい。

【自由記述について】

  • モニター活動について「自分なら視聴しない番組に出会うことができた」という感想が多くあったが、番組と青少年をつなげる何らかの工夫があればもっと注目してもらえるのではないかという印象を持った。

今後の予定について

次回は2025年4月22日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。

以上

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