2025年1月に視聴者から寄せられた意見
引退を表明したタレントの女性とのトラブルをめぐる報道に多くの意見が寄せられました。
2025年1月にBPOに寄せられた意見の総数は、2,440件で、先月から523件増加しました。
意見のアクセス方法は、ウェブ 86.3% 電話 12.6%郵便・FAX 1.1%
男女別は、男性 46.9% 女性 31.9% 無回答 21.4%で、世代別では10代 0.7% 20代 8.9% 30代 28.1% 40代 24.2% 50代 23.8% 60代 13.1% 70歳以上 3.0%
視聴者意見のうち、個別の番組や放送局に対するものは当該局へ個別に送付します。1月の個別送付先は32局で、意見数は507件でした。放送全般に対する意見は396件で、その中から19件を選び会員社すべてに送りました。
意見概要
番組に関する意見
女性とのトラブルが報じられ引退を表明したタレントをめぐる報道に対して多くの意見が寄せられました。またトラブルを知りながらタレントの起用を続けたと報じられたテレビ局の記者会見のあり方などに対して意見が寄せられました。
ラジオに関する意見は83件、CMについては5件でした。
青少年に関する意見
1月中に青少年委員会に寄せられた意見は91件で、前月から29件増加しました。
今月は「要望・提言」が44件と最も多く、次いで「表現・演出」が31件で、以下「報道・情報」の8件などが続きました。
意見抜粋
番組に関する意見
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芸能事務所における性加害問題を受けてテレビ各社は忖度によって報道を控えたことを反省したはずだ。12月に女性とのトラブルが報じられたタレントについて、各社は出演番組を他の番組に変更するなどしているが、なぜそういう判断をしたのか、取材によって裏付けが取れたのか、隠さずに説明してほしいと思う。
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タレントとのトラブルの報告を受けた会社側が事実を隠ぺいしていたとしたら悪質だと思う。女性が安心して働ける職場環境を守ってほしい。
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当事者間で示談が済んだ問題について情報番組で連日長い時間を割いて放送しているが、守秘義務によって事実関係が明らかにならないことがわかっているにもかかわらず、推測や憶測によってスタジオトークを展開することに大きな違和感を覚える。当事者への二次加害になっていないだろうか。
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週刊誌の記事を鵜吞みにした内容の番組が多いと感じる。一応「記事が事実だとすれば」という断りを付けるものの、スタジオのパネルや文字スーパーなどの表現、また出演者のコメントも記事が事実だという前提に立って展開され、視聴者は「事実なのだろう」という意識を刷り込まれてしまう。週刊誌が言っていることと番組が知りえた事実とをはっきりと分けて明示してほしい。
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昨年の週刊誌報道に加えて、現役の女性アナウンサーが性的な接待があったと証言しているとの記事。メディアの信頼性が揺らいでいると感じる。
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有力なタレントに”性を上納する”というような風潮が、報じられている局だけでなく他局でも無かったのかどうか。各局は社内調査を急ぐべきだと思う。
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週刊誌記事の内容を精査して裏取り取材をしているのか疑問だし、報道が一方的だと感じる。被害者といわれている人の主張は週刊誌の取材内容として伝えられているが、他方加害者とされる側の言い分は守秘義務のせいか伝わってこない。
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芸能事務所における性加害問題も、大物お笑いタレントの性加害疑惑も、今回のタレントと女性の間の問題も、すべて週刊誌報道によって世間が知るところとなった。テレビの報道は人権意識を高くもってこうした問題は先陣を切って暴いてほしいと思う。
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問題となった放送局のやり直しの記者会見が長すぎる。同じような質問が何度も繰り返されている。記者の質もひどいと失望したが、長時間公共の電波を使ってやる必要があることだったのか疑問を感じた。
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長時間にわたり経営陣を一方的に攻撃しているようで恐怖を感じた。また、不同意性交などという言葉が怒号とともに飛び交い、当事者ふたりの、特に女性側の人権が傷つけられていると感じた。
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週刊誌が重要な事実を誤って報じ、こっそりと修正していたことが明るみになった。修正前の記事内容を鵜呑みにして事実であるかのように伝えていた報道番組、情報番組はどう責任を取るのだろうか。
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放送局の経営陣には制作部門出身の方が多いと思うが、きちんとした経営のプロを入れた方がよい。また公共性の高い企業なのだから、経営陣の在任期間をルール化するなど透明性の確保が重要なのではないか。
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ニュース番組を含めて最近は、番組の良いところでコマーシャルになる。このあとの結果を知りたければ、コマーシャルを見てからです、というやり方はよろしくないと感じている。ひとつの内容が完結してから、コマーシャルに入っていただきたい。
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天気予報などで金曜日が祝日だったり月曜日が振替休日になったりするときに、「次の三連休」と断定的に言われると腹が立つ。勤めの関係などで連休とはならない人への配慮がほしいと思う。
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正月の伝統行事として、寒げいこ、寒中水泳、裸まつりなどの映像を目にするが、先日有名タレントの死を伝えた際にはヒートショックにくれぐれも注意と呼びかけていなかったか。
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自死とみられるというニュースが流れるたびに、よりそいホットラインやいのちの電話の番号が表示される。しかし何度かけてもつながらない。心が不安定になっている人は「相談しようとしても相手にされない」とさらにショックを受けるのではないか。案内先と案内方法をもう少し考えてほしいと思う。
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昔のテレビは笑いで涙が出たが今は悲しみの涙しか出ない。
青少年に関する意見
【「要望・提言」】
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お笑い番組で、出演者が相方の頭をたたくツッコミはやめてほしい。子どもも大人も真似する人がいて、それが本当のけんかの原因にもなる。人が傷つかないお笑いでお願いしたい。
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アニメ番組の開始時に「部屋を明るくしてテレビ画面から離れてご覧ください」というテロップが表示される。子どものためにアニメ以外の番組でも同様の警告テロップを出すべきだ。
【「表現・演出」に関する意見】
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子どもも見ている時間帯の連続ドラマで、女性の遺体が全裸のまま地べたに放置されたシーンが放送された。倫理的にどうなのだろうか。予告なくいきなり現れたシーンで不快に感じた。
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バラエティー番組で、芸人をオープンカーに乗せたまま、洗車機にかけるドッキリがあった。シートベルトを固定して逃げられないようにしていたが、いじめを助長するようにみえた。
【「報道・情報」に関する意見】
- 毎年思うことだが、派手に盛り上げた成人式をニュースで扱うのをやめてほしい。あのような大人たちの姿を見せると、子どもに悪い影響を与えかねない。
【「編成」に関する意見】
- 夕方やゴールデン帯に放送されるアニメ番組が、子どもの視聴習慣の定着に一役買っていたと思う。いまでは番組が減ってしまったが、サブチャンネルを活用して青少年向けの放送はできないだろうか。
【「食べ物」に関する意見】
- バラエティー番組の「激辛チャレンジ」の企画は残念に思う。辛いもの好きの人が増えたとはいえ、あの料理は本当に食べられるのか。食事はおいしく、楽しく、感謝していただくものだと思う。