第275回-2025年1月28日
視聴者からの意見について…など
2025年1月28日、第275回青少年委員会を千代田放送会館BPO第一会議室で開催し、欠席の榊原洋一委員長を除く7人の委員が出席しました。進行は吉永副委員長が代行しました。
12月後半から1月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について、担当の委員から報告がありました。
1月の中高生モニター報告のテーマは「年末年始に見たスペシャル番組について」でした。
委員会ではこれらの視聴者意見や中高生モニター報告について議論しました。
最後に今後の予定について確認しました。
議事の詳細
- 日時
- 2025年1月28日(火)午後4時00分~午後6時30分
放送倫理・番組向上機構BPO第一会議室(千代田放送会館7階) - 議題
- 視聴者からの意見について
中高生モニター報告について
今後の予定について
- 出席者
- 吉永副委員長、飯田豊委員、池田雅子委員、佐々木輝美委員
沢井佳子委員、髙橋聡美委員、山縣文治委員
視聴者からの意見について
12月後半から1月前半までの1カ月の間に寄せられた視聴者意見について担当の委員から報告がありました。
北九州市で起きた中学生殺傷事件で、死亡した女子生徒の顔写真が各局の報道番組で使用されたことについて、視聴者から「被害者の人権を侵害している」などの意見がありました。
担当委員は「現場から逃走した犯人(容疑者)が逮捕されていない段階で、(女子生徒の)遺族提供として報じられた。報道を通じて情報提供に期待する点で公益性の高いものだったと理解できる」と説明しました。
ある委員は「顔写真を放送したら『ルール違反だ』という非常に単純な線引きを(一部の視聴者が)するが、あの写真があることで今回の犯行の非情さを多くの人たちが感じ取れた。その意味で(被害者の)名前や顔写真は大事だと思う」と述べました。
江戸時代の性風俗を描いた連続ドラマで、遊女の遺体が全裸のまま放置されるシーンを放送したところ、視聴者から「子どもも見ている時間帯に放送するのは、倫理的にどうなのだろうか」などの批判的な意見が多く寄せられました。
担当委員はとくに当該シーンに男児の子役が出演している点を念頭において、「番組制作上の配慮はカット割りなどからうかがえる。インティマシー・コーディネーターを起用していることを含め、出演者の安全配慮義務の観点から問題があるとは言えない」としました。
ひとりの委員は「(江戸時代の公認された)売春制度がストーリーの背景にあるわけで、『もう少し丁寧な解説がほしいな』と感じた」と述べ、別の委員は「遊女として働かされていた女性たちがいかに劣悪な状況に置かれていたかというメッセージがよく伝わってきた。ストーリー全体を見れば、当該シーンも様々な配慮を重ねて作られたものであり、よく挑戦したと思える」と語りました。
このほかに大きな議論になる番組はなく、新たに「討論」に進むものはありませんでした。
なお、11月の委員会から継続している「水を張った洗面台に顔面を押し付けるドッキリ企画」などについての「討論」は、榊原委員長が欠席のため来月の委員会以降に持ち越しとなりました。
中高生モニター報告について
1月のテーマは「年末年始に見たスペシャル番組について」で、合わせて21番組への報告がありました。
年末年始期間は家族や親戚と一緒にテレビを視聴したモニターが多くいました。視聴した番組にばらつきが見られたことも特徴的で、複数のモニターが取り上げた番組は『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)、『月曜から夜ふかし 元旦SP』(日本テレビ)、『お笑いオムニバスGP』(フジテレビ)、『芸能人格付けチェック!2025お正月スペシャル』(朝日放送テレビ)でした。
「自由記述」には年末年始の番組編成に関する意見のほか、第274回BPO青少年委員会の「討論」の概要を読んだ感想も寄せられています。
「青少年へのおすすめ番組」では『ワタシだけの革命史』(NHK総合)に5人から、『歴史デリバリー「本の大衆化 ベストセラーの仕掛け人を追う!」』(NHK Eテレ)と『日曜ビッグバラエティ サンドウィッチマンの井戸を掘る!』(テレビ東京)にそれぞれ4人から、『KUNOICHI 2025』(TBSテレビ)に3人から、『劇場版「名探偵コナン 世紀末の魔術師」』(BS12 トゥエルビ)に2人から感想が届いています。
◆モニター報告より◆
【年末年始に見たスペシャル番組について】
- 『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)
- K-POPが好きな人は一部であり、紅白を見る世代に合っていないと感じた。日本人の歌手こそ紅白を目指しているので、もっと出場のチャンスを与えた方がいいと思う。司会者が「よいお年を」と言ってから年明けまで15分もあるので、曲を短縮せずフルで聴かせてほしいと思った。(中学2年・女子・秋田)
- いつもは見ていませんが、初めて4時間30分連続で視聴しました。山あり谷ありの展開で、番組制作者が苦心して制作したことが分かりました。聴いたことのない曲が多く、新しい曲や歌手との出会いはテレビの歌番組ならではのメリットだと感じました。YouTubeでの「ウラトーク」もかなり賑やかで、視聴者を飽きさせない工夫を感じました。(中学3年・男子・千葉)
- 毎日のように音楽配信サービス(Spotify、YouTube Music)を利用している私にとって、1年の終わりにその年の代表的な音楽を聴いて年を越せるのはすごくうれしいです。キャスティングに関して、流行に合わせながらもバランスを取るのは難しいと思いますが、日本の番組らしさを忘れず、けん玉のギネス世界記録を更新しながら続いてほしいです。(高校2年・女子・愛媛)
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『Mrs. GREEN APPLE 18祭』(NHK総合)
好きなアーティストが出演するので視聴しました。作曲の裏側を見ることができてファンとして嬉しかったし、18歳世代の人の本音がたくさん聞けてとても勉強になりました。18歳以下の人でも視聴しやすいように、20時45分からなどもっと早い時間に放送してほしいです。(中学2年・女子・鳥取) -
『SASUKE2024 ~第42回大会~』(TBSテレビ)
3番目のアトラクション・スクリュードライバーで、人類最初のプレーヤーとして女性プロレスラーの中野たむさんが挑戦しましたが見事に失敗。最初にチャレンジした選手が不利だと思いました。またベテラン勢はみんな50歳を超えても筋肉を鍛えていて『SASUKE』に賭ける思いが強く伝わってきました。日々の生活で気をつけていることやトレーニングなどを紹介してほしいです。(中学1年・男子・山梨) -
『新春スペシャルドラマ「スロウトレイン」』(TBSテレビ)
野木亜紀子さん脚本のドラマのセリフは心にグサッとくるものが多いので、このドラマも視聴しました。とてもあたたかい話で、お正月に見るのに適しているなと思いました。悪人もいなくて、都子(多部未華子)がユンス(チュ・ジョンヒョク)にお金を渡したシーンで「絶対盗まれるじゃん」と思った自分を反省したいです。(高校1年・女子・岐阜) -
『明石家さんまのご長寿グランプリ2024』(TBSテレビ)
昨年の録画と比較して視聴したが、2023年の方が面白く感じた。昨年は全国各地の「ご長寿早押しクイズ」予選会が放送されて面白い回答をたくさん見ることができたが、今年は明石家さんまさんの夢を叶える企画を放送していたので、いつも見ている番組と面白さが変わらなかった。年末だからこその「ご長寿早押しクイズ」をもっと見たかった。一般人を笑いの対象にするのは時代的に厳しくなっていると思うが、出演者の承諾を得ているなら問題ないし、制作者を信じて安心して視聴してよいと私は思う。(高校2年・女子・青森) -
『ゴールデンラヴィット』(TBSテレビ)
裏で『ミュージックステーション SUPER LIVE 2024』(テレビ朝日)を放送している中あえていつもの朝のような放送をし、また通常の企画をスペシャル版にすることで、ファンだけではなく初めて見た人も楽しめた。普段の『ラヴィット』も見たいと思わせる番組だった。(高校2年・女子・東京) -
『ジョブチューン★新春SP!』(TBSテレビ)
いつも自分が好んで食べているメニューが有名料理人に評価されるのが新鮮で、家族と予想しながら楽しく視聴しました。放送終了後に早速お店に行ったところ売り切れていて、母が「“テレビ離れ”と言われていても、身の回りのものがこんなふうに変化するなら、まだまだテレビって影響力持っているのね」と話していて本当にそうだと思いました。(高校3年・女子・熊本) - 『月曜から夜ふかし 元旦SP』(日本テレビ)
- 印象に残ったのは、山形県の人々が年末年始を楽しみにしてない問題です。面白おかしく編集されているけれども、地域格差を浮き彫りにしていると感じました。「今まで山形は都会だと思っていたけれど、仙台に行ったときに仙台駅に圧倒されて最近諦めている」「山形は山に囲まれていて他の考え方が定着しづらく、取り残されている」という子どもたちの声がありましたが、小さな子が地元に失望している様子をみると、東京一極集中や地方の過疎化が進んでしまうのも無理はないと感じてしまいました。(中学3年・女子・東京)
- 大人向けの番組がゴールデン帯に合わせてどう形を変えるのかに注目して視聴しました。免許合格やキックボクシングのプロテスト合格、マジックなど、新春にふさわしいめでたい話題や盛り上がる企画が多く、久しぶりに安心して家族と視聴することが出来ました。ゴールデン帯に放送する番組が安心安全に視聴できる内容である重要性を改めて感じました。(高校3年・女子・奈良)
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『せっかち勉強』(日本テレビ)
一番驚いたネタは「ふなっしーは5年前から日本刀をコレクションしていて、毎月2本買い、80振り以上の刀剣が自宅に飾られている」というもの。そのイメージがなかったのでとても驚いた。(中学1年・女子・神奈川) -
『妄想移住ランキング』(日本テレビ)
地方の魅力を知ることができ「住んでみたい」と心から思えた素晴らしい番組でした。豊かな自然や食べ物などの魅力を強調し紹介するだけではなく、都市からの距離や病院の有無など、我々の不安となる部分をしっかり説明してくれていました。(高校2年・男子・神奈川) -
『相棒 season23 元旦スペシャル』(テレビ朝日)
登場人物が多く事件も大規模で、お正月らしく豪華だと感じました。災害に関する描写があり、1年前の能登半島地震を思い出しました。ドラマで災害によって人が亡くなるシーンを初めて見たので衝撃的でした。(高校1年・女子・愛知) -
『夢対決2025 とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』(テレビ朝日)
年末年始はいつもこの番組を見ています。様々なスポーツで豪華なメンバーが揃うので、スポーツをやりたい人も増えると思います。真剣勝負をしつつも笑いを誘う場面もありとても面白いです。リアル野球BANは駆け引きがとても面白く、鈴木誠也選手がダブルプレーを連発して大の字に倒れたシーンが印象的でした。(高校2年・男子・山口) -
『アメトーーク 年末SP』(テレビ朝日)
毎年恒例の「運動できない芸人」はやっぱり面白かったです。なぜそのプレーができないのかすごく不思議で笑ってしまいます。ハンドボールのゴールに激突するシーンは本当にびっくりしました。家電芸人の企画は有名な商品や技術を紹介するだけでただの通販番組を見ている気分になるので、普段の深夜帯の放送だけでいいと思います。(高校3年・男子・埼玉) -
『逃走中~大みそかSP~』(フジテレビ)
面白くて毎回見ています。出演者の作戦や絡みも個性があって、見ごたえがあります。でもミッションなどでのプレーヤー同士の密告や通報は、少しかわいそうだと思います。(中学1年・男子・山形) -
『新しいカギ 新春スペシャル』(フジテレビ)
「学校かくれんぼ」に登場する学校の生徒たちがサプライズの時にすごく盛り上がるのを見ると、自分も含めて今の小・中・高校生はこの番組を視聴しているんだなと思う。スペシャルゲストが毎回豪華で、回を重ねるごとに隠れ場所がレベルアップしている所も美術担当やスタッフの方々の意気込みが感じられて面白い。コントや他の企画もどれも楽しく、大笑いしながら過ごせた2時間で、こういった学校やお笑いを主役にした番組が今後も続いてほしい。(中学2年・女子・埼玉) - 『お笑いオムニバスGP 2025』(フジテレビ)
- 「史上最大のヌルヌル階段レース SUBERUNA GP 2025」は、本気で攻略しようとしている人と落ちて笑いを取る人がいて面白かったです。階段で落ちていくのは痛そうで心配になったけれど、ヌルヌルがあるから平気なのかな。第二回、三回と続いてほしいです。(中学3年・女子・神奈川)
- 「SUBERUNA」は次々と展開してよそ見する暇もなくずっと面白かった。出演者が若手芸人ばかりでもなかったので、最近の芸人を知らない視聴者も楽しめると思った。『SASUKE』(TBSテレビ)は見ていて緊張し疲れたが、「SUBERUNA」は何度でも挑戦できるところが今の時代に合っているし純粋に楽しめた。(高校3年・男子・東京)
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『オールスター合唱バトル』(フジテレビ)
これまでの努力を紹介することで“感動”が伝わってくるよい番組だった。普段はテレビよりもSNSを見ている時間の方が長いので、SNSとテレビが融合したこの番組にとても興味をもった。実際にYouTubeやInstagram、Xで番組の宣伝を見て視聴したので効果はあったと思う。また最近の曲が多く、若者のテレビ離れをくい止めてくれる番組だと思った。(高校1年・男子・長崎) -
『BABA抜き最弱王決定戦2025新春SP』(フジテレビ)
他人のババ抜きを見る機会は今までなかったのでとても新鮮で面白かった。シャッフルボタンが押されるたびに試合がどうなるのかが気になり、目が離せなかった。普段クールな俳優が焦ったり、負けてものすごく悔しそうな表情をしたりするのを初めて見たので、この番組の醍醐味の一つだと思った。大富豪や七並べなどの対決も見てみたい。(高校1年・男子・兵庫) -
『監察医 朝顔2025新春スペシャル』(フジテレビ)
もともと『監察医 朝顔』のドラマを見ていたので、特別ドラマが放送されると知った時は嬉しかった。主人公の娘役が小学生に成長していたり、その父親に対する態度を見て、同じ子役が出演し続けることでリアルな時間の流れを感じることができ、物語に入り込めた。(高校2年・女子・東京) -
『世界の秘境で大発見!日本食堂 第22弾』(テレビ東京)
「第22弾」だが初めて視聴した。「世界の秘境」という番組名の響きだけで選んだが、想像を超えて楽しめた。スロベニアで3年間お店を出している人はスロベニア語を話せないが、客と話が通じていて驚いた。店を出したりシェアハウスで暮らすことができるのは、この人の明るい性格や態度を見て協力したいと思う人がいたからだそうで、“人間力で伝わることはある”と思った。現地の人々の役に立っている人を知ると日本に誇りを感じて好きになるから、こういった番組が増えると嬉しい。(中学3年・男子・東京) - 『芸能人格付けチェック!2025お正月スペシャル』(朝日放送)
- GACKTとDAIGOを去年に引き続き同じチームにしたのは、GACKTの無言の圧がかなり絶妙でよかったと思いました。一方でチェック項目が中華の時に「町中華を不正解にする」のはよくないなと思いました。作っている人に失礼だと思います。(中学2年・男子・東京)
- 音楽系のチェックを毎回楽しみにしています。豊嶋泰嗣さんは好きなヴァイオリニストの一人なので正座をしてチェックに挑みました。減点方式で芸能人の格付けが決まりますが、ミスをする人を不思議と応援したくなり、つい最後まで視聴してしまいます。(中学2年・女子・東京)
- 親戚と一緒に笑いながら見ました。答え合わせをする際の不正解芸人たちのリアクションや、MCの浜田雅功さんとのやり取りが面白かったです。(高校3年・女子・栃木)
【自由記述】
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『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(日本テレビ)が正月に放送されなくなって早2年ほどでしょうか。やっぱりあれがないと年を越せない気がします。番組を見てから夜に神社に行くのが僕にとっての年越しなので、来年は復活してほしいです。(高校3年・男子・埼玉)
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『BABA抜き最弱王決定戦2025新春SP』(フジテレビ)のコマーシャルの間に「あと90秒」とテロップが出ていたのはとても良い工夫だと思った。普段から残り時間を示せば、コマーシャルの長さに関わらず、視聴率をより高くとれると思う。(高校1年・男子・兵庫)
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『きっちりおじさんのてんやわんやクッキング』(BS朝日)は、ほのぼのとした雰囲気の番組を1年が終わるこの時期に家族で視聴できて楽しかったです。年末年始の家族が集まるタイミングなど、これからも継続して番組を続けてほしいです。(中学2年・女子・鳥取)
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『THE名門 日本全国すごい学校名鑑』(BSテレビ東京)で自分の学校が放送された。30分の放送では生徒会長を追ってばかりで、家の様子や家族インタビューまであり、学校訪問としては疑問が残った。これを見た視聴者が自分の学校のことを知ってもらえたとは思えず、とても残念だった。(高校3年・男子・東京)
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年末年始は毎年、ドラマの一挙放送を楽しみにしています。ただどんなに面白くても後半は集中力が切れてしまい、内容をあまり覚えていません。1日2話ずつ放送するくらいがちょうどいいと感じました。(高校1年・女子・愛知)
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年末年始のスペシャル番組は放送時間が長くて特別感がありますが、長尺ゆえに見飽きてしまうことも考えられます。所々に小さなコーナーをはさんだり、複数の企画を途中まで交互に放送したり、などを思いつきましたが、番組制作者がどのように工夫しているのか、普段のレギュラー放送の制作過程と違う点はどこなのか、などが気になりました。(中学3年・女子・長崎)
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アナウンサーについて「人前に出る仕事なので容姿端麗であることが必要だ」という意見がありますが、最近は「情報を的確に視聴者に伝える」という本来の役割から脱線しているように感じます。また体調不良による欠席が目立ち、テレビ局が酷使しているのではないかとも感じます。(中学3年・女子・東京)
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274回BPO青少年委員会の討論の「バラエティー番組を見るうえでの“お約束”がどこまで認められるか」について、自分なりの「子どもの意見」を考えました。そもそも子どもが意見を出さない理由は「興味がない」か「それぐらい判断がつく」かのどちらかです。もし「教育に悪い」「子どものいじめにつながる」と意見する大人がいたのなら、結局のところ、子どもを盾にして自分の不満対象を排除したいとしか思えません。子どもでもそれぐらいの分別はつきますし、その程度の分別がつかない子どもはスマホでいくらでも暴力やいじめのやり方を学びますから、テレビが何をしても大した影響はないと思います。それにそんなに教育に悪いのなら、親が教育すればいい。責任転嫁と身勝手の押し付けにテレビがおびえる必要はないと思います。こうして考える機会を持つことは大事だと思いますが、テレビ局の人には頑張ってほしいです。(中学3年・男子・千葉)
【青少年へのおすすめ番組】
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『ワタシだけの革命史』(NHK総合)
今まで出したCDのジャケット柄がたくさん飾られていて面白かった。(中学2年・女子・秋田) - 『歴史デリバリー「本の大衆化 ベストセラーの仕掛け人を追う!」』(NHK Eテレ)
- Uber Eats風の恰好で登場するシーンは、取り上げる時代ごとの「運び屋」に扮した格好のほうが好奇心をかき立てられると思いました。(中学2年・女子・埼玉)
- 複数の時代を説明しているので、「今回のまとめ」として年表などで表しても良いと思いました。(中学3年・女子・長崎)
- 「豊本メモ」で少しずつ区切りのよいところでまとめて振り返ってくれるので見やすかった。(高校2年・女子・青森)
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『BSスペシャル「“情報”は人類を滅ぼすのか~ユヴァル・ノア・ハラリ 現代を読み解く~」』(NHK BS)
「情報=SNSやインターネット」と思っていましたが、本や新聞も“情報”だと改めて気づかされました。学校では「インターネットは悪で、本は正しい」と教えられますが、本も間違った方向に人を動かすことがあるのだと思いました。(高校1年・女子・愛知) - 『KUNOICHI 2025』(TBSテレビ)
- 最後の完全制覇のところがあっさりしすぎだと感じました。3時間かけて最後のステージが30秒で終わってしまうのは残念でした。40秒はないと面白くないと思います。(中学2年・男子・東京)
- ホール内の実施や難易度、失敗した際に落ちるのが水ではないことなど、女性への配慮を感じた。(高校2年・女子・東京)
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『クイズ!国民一斉調査』(日本テレビ)
全ての調査結果がパーセンテージを使って表されていたが、「何人中何人」の方が分かりやすいかもしれないと思った。(高校3年・女子・栃木) -
『日曜ビッグバラエティ サンドウィッチマンの井戸を掘る!』(テレビ東京)
石川県では井戸掘りボランティアされている方もいて、水があると人も集まり素敵なことだと思った。どの地域にも必ず芸能人が訪れていたが、当日夕方に帰京してしまう人がいるのは非常に残念だし、まあまあ失礼ではないかと思った。(高校3年・男子・東京) -
『newsおかえり』(朝日放送テレビ)
震源地近くで被災された方の中継を見て、幼い子ども達に確実に防災教育を提供する必要性があると思いました。関西圏に住んでいても、親が震災を経験していなかったり、震災を知らない人も出てきているのこの時代に、この特集は確実にメディアの伝承という重大な役割を果たし、視聴者に減災と防災について考えさせたと思います。(高校3年・女子・奈良) -
『実況解説野球旅~プロ野球88年世代旅!第2弾~』(BSフジ)
野球選手の私服姿や旅をするプライベートな姿を見る機会は少ないので、番組で裏側を見られて嬉しいです。普段の試合で実況席に座っている人もゲスト出演していて、コメントをしている姿を選手たちと同じ画面に合成していたのは面白い演出だと思いました。(中学1年・男子・山梨) -
『劇場版「名探偵コナン 世紀末の魔術師」』(BS12 トゥエルビ)
この作品はしっかりとした謎解きがあり、「よく見ていたら謎が分かったかも!」というハラハラ感があって良い映画だと思う。(高校3年・男子・埼玉) -
『キラめく!にじいろキッズ』(岐阜放送)
知っている小学校が紹介されていて親近感がわきました。「歯磨きをしよう」というテーマで、私も小学生の時にプラークチェッカーをやったなと懐かしい記憶も思い出しました。(高校1年・女子・岐阜)
◆委員のコメント◆
【年末年始に見たスペシャル番組について】
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『第75回NHK紅白歌合戦』(NHK総合)について「日本人の歌手に出場のチャンスを与えたほうがよい」という意見がモニターから毎年あるが、『紅白』は依然としてナショナリズム的な“磁場”があり、若い視聴者にも影響があるのだと感じた。
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『はじめてのおつかい』『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!』(いずれも日本テレビ)や『芸能人が本気で考えた!ドッキリGP』(フジテレビ)など、大人の視聴者から“ダメだ”といった意見がくる番組は、子どもには人気で肯定的な意見も多いと感じた。
【自由記述について】
- 映画『はたらく細胞』を見た高校2年生のモニターから「1、2年早く映画が公開されていれば各細胞の名前や機能を簡単に覚えられた」と報告があった。これから“マッチングの時代”になっていくので、学校の先生が「こういうことを教えたい」というときに、いい番組にマッチングでアクセスできる仕組みがあると良いと思う。
【その他:お年寄りが出演するバラエティー番組について】
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『明石家さんまのご長寿グランプリ2024』(TBSテレビ)を楽しく視聴したという高校2年生からの報告は考えさせられた。昔から「老人がメディアに載らない」ことは問題だと思っていたが、たとえば「ご長寿早押しクイズ」の企画が“元気に活躍しているお年寄り”といった文脈であれば、子どもも楽しみながら“年を取ることはどういうことか”を理解できるのではないか。
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「ご長寿早押しクイズ」はいわゆる“お年寄りを笑う番組”だと思う。高齢者世代が視聴してどう感じているのかは気になるが…。
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認知機能が衰えたお年寄りに対して「何度も同じことを言うな」などと怒る人がいるが、そういった寛容性の乏しい社会は良くないと思う。核家族が増えてお年寄りと若い世代が接する機会も少ないので、「こういうぼけ方もあるよね~」とむしろ笑い飛ばしてしまうのもアリだと思う。お年寄りを笑うこともあれば、逆に幼い子のへんてこりんな言動を笑うこともあって、それらを自然な現象として捉えてあまり目くじら立てないほうがよいのでは。
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番組制作者も今はいろいろな意見を窮屈に捉えてしまっていると思うが、「マイナスの反応があるならばトライする前にやめたほうが無難だ」といった流れになってしまうと、作り手のダイナミズムや発展がなくなってしまう。若い世代が肯定的に見ているのだし、制作現場にももう少し緩やかさや寛容性があっていいのだと思う。
今後の予定について
次回は2025年2月25日(火)に千代田放送会館BPO第一会議室で定例委員会を開催します。
以上