放送倫理検証委員会

放送倫理検証委員会 議事概要

第204回

第204回–2025年3月

毎日放送『ゼニガメ』委員会決定を通知・公表へ

第204回放送倫理検証委員会は、3月14日に千代田放送会館で開催された。
9月の委員会で審議入りした毎日放送の『ゼニガメ』について、担当委員から意見書の修正案が報告され意見交換した結果、合意が得られたため、今後当該放送局へ通知して公表することになった。
TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』2時間スペシャルで、インテリア小売業大手「ニトリ」のマニアを特集した。放送後、視聴者からBPOに「番組全編で1社を取り上げ、価格や商品名も紹介しており、番組の提供にも社名が入りCMを流していた。これは番組といいながら明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。委員会は議論の結果、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして、2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では関係者に対するヒアリングの結果が報告されたうえで、意見書の案が提示され議論した。
2月にBPOに寄せられた視聴者・聴取者意見などが報告された。

議事の詳細

日時
2025年3月14日(金)午後4時~午後6時35分
場所
「放送倫理・番組向上機構[BPO]」第1会議室(千代田放送会館7階)
議題
出席者

小町谷委員長、岸本委員長代行、高田委員長代行、井桁委員、
大石委員、大村委員、長嶋委員、毛利委員、米倉委員

1. 毎日放送『ゼニガメ』について審議

毎日放送は、2024年7月17日に放送したローカルバラエティー番組『ゼニガメ』で、出張買取業者に密着取材する企画を放送したが、翌日、番組に事実と異なる放送があったことを公表して謝罪した。さらに2023年11月と2024年5月の放送分にも事実と異なる内容があったことも判明し、委員会は9月に審議入りを決め、その後の委員会で議論を重ねてきた。
今回の委員会では、意見書の修正案が再度担当委員から報告された。これについて意見が交わされた結果、合意が得られたため、表現などについて一部手直しの上、今後しかるべき時期に当該放送局に対して通知し、記者会見を開いて公表することになった。

2. TBSテレビ『熱狂マニアさん!』について審議

TBSテレビは2024年10月19日に放送したバラエティー番組『熱狂マニアさん!』
2時間スペシャルで、インテリア小売業大手「ニトリ」のマニアを特集した。「ニトリマニア集結!1万点からベスト3 名もなき家事が今夜消滅!」と題し、ニトリの商品を使った時短料理や収納テクニックなどを全編にわたり放送した。
放送後、視聴者からBPOに「番組全編で1社を取り上げ、価格や商品名も紹介しており、番組の提供にも社名が入りCMを流していた。これは番組といいながら明らかに広告ではないのか」という声が寄せられた。委員会で議論をしたところ、この番組では2024年にニトリを3回(1月13日、6月1日、10月19日)取り上げていることが判明したため、当該放送局に番組DVDと報告書の提出を求めることにした。
TBSテレビの報告書によると、本番組はある特定のジャンルに関して、並外れた熱意や愛情を注いでいるマニアが熱狂していることや好きなものを紹介するバラエティー番組。コロナ禍による巣ごもり需要によりコンビニやスーパー、大手日用雑貨店への興味関心がファミリー層などで高まったことを受け、「時短料理術」や「清掃・収納術」など、人気有名企業の商品活用法に詳しいマニアを番組が発掘し、単なる商品紹介ではない、衣食住にまつわる「生活の知恵」を幅広い視聴者に届けてきたという。
委員会は、番組内容や制作過程に「番組と広告の違い」等を含む放送倫理上の問題がなかったかを詳しく検証する必要があるとして、2025年1月の委員会で審議入りを決めた。今回の委員会では、番組関係者に対するヒアリングの結果が報告された。そのうえで、担当委員から意見書の案が提示され議論した結果、次回の委員会までにさらに検討することになった。

3. 2月の視聴者・聴取者意見を報告

2月に視聴者・聴取者から寄せられた意見には、引き続き人気タレントと女性とのトラブルをめぐる一連の問題に関するものや、兵庫県議会百条委員会の調査結果に対する意見などがあり、事務局から概要が報告された。しかし全体的に意見数が少なく、さらに踏み込んだ検証が必要であるとの意見はなかった。

以上