放送人権委員会

放送人権委員会 議事概要

第336回

第336回 – 2025年2月

「警察密着番組に対する申立て」委員会決定を通知・公表へ…など

議事の詳細

日時
2025年2月18日(火)午後4時~午後9時
場所
千代田放送会館BPO第1会議室
議題
出席者
曽我部委員長、鈴木委員長代行、廣田委員長代行、大谷委員、
國森委員、斉藤委員、野村委員、松尾委員、松田委員

1.「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」通知・公表報告

審理入りしていた「調査報道に対する地方自治体元職員からの申立て」について、委員会決定第80号として、申立人と被申立人の放送局双方への通知と公表会見を委員会の開催前に行った。委員会では、起草を担当した委員や事務局から、その様子が報告された。

2.「警察密着番組に対する申立て」審理

申立ての対象となったのは、テレビ東京が2023年3月28日に放送した『激録・警察密着24時!!』で、人気漫画・アニメのキャラクターを連想させる商品に関する不正競争防止法違反事件を取り上げ、警察の捜査の模様や2021年7月28日に執行された会社役員ら4人の逮捕場面などを放送した。
これに対し、番組で取り上げられた会社役員らは、番組の放送時点で逮捕された4人のうち3人が不起訴処分になっているにもかかわらず、その事実に言及せず、また「人気キャラクターに便乗して荒稼ぎ」「被害者面」「逆ギレ」といった過度なナレーションやテロップを付けて放送するなど、4人の名誉を著しく傷つけたなどとして申立てを行った。さらに、捜査員同士の会話や会議の様子は事後に撮影されたものであるのに、捜査の時系列に沿っているかのように番組内で構成されており、視聴者を混乱させ、許容される演出の範囲を大きく逸脱しているなどと主張している。
被申立人のテレビ東京は、不適切な放送内容が複数あったとして、お詫び放送やウェブサイトでのお詫び文掲載のほか、警察密着番組の制作中止や関係者の処分を行った。さらに再発防止策として番組チェック体制の強化や社内教育・研修の拡充などを進めていくとしている。
申立人側は、お詫び放送等の対応に一定の評価をしているものの、警察署内での事後撮影をめぐる見解の相違やテレビ東京が番組制作過程を明らかにしなかったことに納得せず、双方の交渉は不調に終わり、6月の委員会で審理入りすることが決まった。
今回の委員会では、起草委員作成の修正案について議論を行った結果、委員会決定案が大筋でまとまり、3月に通知・公表を行う見通しとなった。

3. 最新申立て状況

事務局から最新の申立て状況について説明した。

4. その他

2月3日に大阪市で開催した近畿地区意見交換会の事後アンケートの調査結果などについて、事務局から報告を行った。

以上