2020年12月に視聴者から寄せられた意見

2020年12月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス感染拡大が続く中、番組制作や取材、ロケのあり方への意見が多く寄せられた。

2020年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,398件で、先月と比較して56件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、 電話18%、 郵便1%、FAX1%。
男女別は男性57%、 女性23%で、世代別では40歳代25%、 50歳代25%、 30歳代22%、60歳以上14%、 20歳12%、 10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は延べ678件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナの感染拡大が続く中、番組制作や取材、ロケのあり方への意見が多く寄せられた。また、不倫問題を起こした芸人の記者会見を取り上げた番組に対する批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は74件、CMについては22件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から7件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「低俗、モラル」が11件、「報道・情報」が10件、「暴力・殺人・残虐シーン」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道が一向に改善されない。「医療崩壊が始まっている」「東京の新規感染者が過去最高だ」など、毎日のように不安をあおられ憂鬱になる。このような報道をしていても感染者は減らないのに、いつまでもネガティブな報道をしている。危機感を持たせることは大切だが、それよりも、どうすれば感染を防げるのかという、正しい知識を身につけるための報道をしてほしい。放送局は本気で感染を減らすことを考えているのだろうか。不安をあおる報道をやめて、国や地方自治体と協力し、コロナを食い止めていくことが必要ではないか。

  • GoToトラベルについて。感染者が増えても継続させていた時期は、政府の対応に批判的で、街角での一般の人たちのインタビューも継続に反対する人を放送していた。一方、政府が、GoToの全国的な一旦中止を決断すれば、遅すぎるといった批判的な声や、多数の観光業者の苦情的なコメントを放送している。これでは政府を批判しているだけであり、視聴者にとって悪い印象しか残らない。国民に色々な不満があるのは理解しているが、それら全てを同時に納得させる事など不可能だ。政府の対応を悪く印象付けているようにしか見えない。

【番組全般・その他】

  • 不倫問題を起こした人気芸人の一連の報道について。破廉恥な事件ではあるが、各局の報道姿勢は倫理に欠ける感じがした。本人は大きな社会的制裁を受け、それが家族にも及んでいる。不倫相手など事の詳細は週刊誌の情報に基づくもので、彼が全て悪いかのように不公平に扱われている。最も疑問に思ったのは、会見の囲み方とあまりにもひどい内容の質問。これは公開いじめのようで、言葉による暴力に感じた。各局が朝から晩までその会見内容を垂れ流している状況もいかがなものかと思った。

  • 土曜日の番組のエンディングについて。視聴者が意図を汲み取りづらい演出となっており、一連の騒動で降板した芸人を卑下するような内容であった。この放送を面白いと思うのは誰なのかということが一切分かっておらず、このコロナ禍で大変な日々を過ごす人々が迎える年末において、この番組を心底楽しみにしていた視聴者に悪い感情を残すような裏切りであった。

  • テレビを制作するにあたり、大食い、爆食い、フードファイトなどの番組は必要なのか。日本では7人に1人の子どもが貧困状態にあると言われている。食べたくても食べられない子ども達がいる。また、毎年、日本のどこかで自然災害が起きている。救助が入るまでは食べ物も不自由だろう。加えて、今年はコロナ禍の影響で、失業者や日々食べることに困った人たちも多かったと思う。命を落とされた方もいただろう。こんな状況の中、こんな状況でなくとも、大食い番組は地上波放送に必要か。視聴率を上げるためになくてはならない番組か。必要ならば、地上波放送ではなく、有料放送などで制作できないものか。仕事柄、生活困窮の方と触れ合う機会が多い。大食い番組は困窮者に対して不適切な番組だと思う。

  • 都内のロケなのに、マスクをしていないのが気になった。一般の人はみんなマスクをしているのに、芸能人はノーマスクで一般人に近付き、話かける。ノーマスクの芸能人を恐れて後ずさりする人もいた。芸能人は特別なのか。ニュース番組では自粛と言っていながら、バラエティー番組のロケはノーマスク。矛盾していないか。

  • 新型コロナについて、情報番組やワイドショーでは、感染者、重症者、死亡者の数を速報で伝えている。アナウンサーやMCは恐怖をあおるだけだ。平常時ではないのに政府批判だけを繰り返していては、正しい感染予防も視聴者に伝わらない。報道機関の人たちは目を覚ましてほしい。感染状況と同時にマスクの正しい着け方、手の洗い方、避けるべき場面等を伝えなければ、視聴者は誤った感染予防方法を続け、感染は益々拡大してしまう。批判は収束後にいくらでもできる。また、バラエティー番組における出演者のマウスシールド着用も控えて欲しい。マウスシールド、フェイスシールドに感染を予防する効果はないと、複数の医師も警告している。これも、視聴者に誤った感染予防方法を伝えている事になる。

  • 午後の情報番組を見た。女性出演者が新型コロナの感染拡大について、「若者が感染を広げている」「若者が外出しすぎている」「青春はいつでもできる」などと言っていた。これには大変傷ついた。私は現在大学生で、自分がかからないように、家族や周りの人に感染させないように、今でも自粛を続けている。大学に勉強しに行きたいし、アルバイトもしたい。今しかない部活やサークル活動にも参加したい気持ちでいっぱいだ。でも我慢している。若者をひとくくりに攻撃するようなことはしないでほしい。

  • どのチャンネルに替えても、朝から晩までコロナ、コロナ、「感染者数が…、重症者が…」と、ほぼ同じ内容の放送をしている。恐怖心ばかりがつのって気が滅入る。テレビを見る気も失せてしまった。何とかならないのか。

  • 新型コロナの感染拡大が続く中、全国の医療機関、医療従事者への負担が日増しに大きくなっている。それに関連した報道で、「医療体制のひっ迫が懸念されている」というものがあった。どうにもこれは見苦しい表記法である。放送局や新聞社などの報道機関が、用いる漢字を定めているのは知っているが、そこに含まれないからといって、やたらに仮名書きにするものではない。そもそも日本語における漢語は外来語であり、音声よってその意味を理解するものではなく、漢字の組み合わせによって理解されるものである。このことから、「ひっ迫」ではなく「逼迫」と書いて、仮名を振れば良いのではないか。今後さらなる国際化が進み、外国人のテレビ視聴も増えるであろう。その時に、近隣の諸国・諸地域出身者にとっては、「逼迫」の方がはるかに理解しやすいはずである。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で芸人6人が都内各所に繰り出し、街歩きをしていたが、うち5人がマスクをしていなかった。一般の通行人はマスク着用が徹底していて、芸人を避けているように見えた。感染症に対する意識の低さが露呈していて、番組を見ていた子どもたちには“悪い見本”と説明するしかなかった。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • ドッキリ番組で、男性が女湯に入ってしまうというドッキリがあった。多くの子どもが見ている時間帯にそのようなドッキリを放送することは快く思えない。また、裸の男性が女湯に入ることを笑いにするという考えが不快に感じる。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ニュースで、住宅が燃えている火災のシーンが放送され、複数の子どもが亡くなったとナレーションがあった。亡くなられた子どもたちの友人がこの映像を見たとき、どれほどショックを受けるだろうか。消火した後の映像ならまだしも、燃え盛る映像の使用には疑問が残った。

【「危険行為」に関する意見】

  • 旅をするバラエティー番組でつり橋を渡るシーンがあったが、出演者の一人が橋を揺らし、仲間を怖がらせていた。子どもたちが見ていたら真似をするかもしれないし、危険だと思う。つり橋でふざけること自体が間違っている。

2020年11月に視聴者から寄せられた意見

2020年11月に視聴者から寄せられた意見

感染が拡大した新型コロナウイルスについて報じた番組への意見や、コロナ禍における番組収録、取材のあり方への意見が多く寄せられた。

2020年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,454件で、先月と比較して1,196件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性53%、女性26%で、世代別では50歳代25%、40歳代24%、30歳代21%、20歳14%、60歳以上14%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は延べ801件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

感染が拡大した新型コロナウイルスについて報じた番組への意見、また、コロナ禍における番組収録、取材のあり方への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は90件、CMについては16件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は81件で、前月から29件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「いじめ・虐待」が11件、「暴力・殺人・残虐シーン」と「報道・情報」がそれぞれ7件、「低俗、モラル」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナについての報道で、予防のためのマスク着用を推奨している一方で、スタジオではマスクは着用せず、取材などではマウスシールドはしているが、マスクはしていない。報道と番組のあり方が違うので、視聴者としては、マスクをするのが適切なのか、マスクをしなくてもよい状況なのか、判断に迷ってしまう。番組出演や取材におけるマスク着用のスタンスを統一してほしい。

  • 新型コロナについて、「感染者急増」「過去最大」など、不安をあおる報道を繰り返し、結果的に罹患した方や関係者への偏見、差別につながり、社会全体を不安に陥れている。公的機関が発表している検査陽性者は、感染者と報じられ、視聴者に誤解を与えている。また、インフルエンザの流行については淡々と報じる一方で、新型コロナでは、「クラスター発生」「医療崩壊の危機」などと危機感をあおっている。感染抑制や罹患者の重症化防止のための情報を視聴者に伝えることが放送局の役割だと思うが、ワイドショーなどは、ただ騒いでいるだけにしか思えない。過信は禁物だが、過剰な報道はやめ、正しい情報を視聴者に伝え、感染抑制と罹患者への偏見防止につなげてもらいたい。

【番組全般・その他】

  • コロナ禍の中、少しでも感染拡大を防ごう、マスクをして三密を避けようとテレビで報じているが、土曜昼の番組は、それを自ら破るような放送をしている。ロケ中にマスクなどの感染対策をせず、大声で騒いでいる。マウスシールドはほとんど意味がないと言われているが、それすらもしていない。コロナ前の再放送かと思ったほどである。世の中、気が緩んでいるのではないかと言われているが、一番緩んでいるのはテレビ業界ではないだろうか。最大限の感染対策をしてロケをしてほしい。

  • 朝の番組は、新型コロナについて、「医療崩壊」「GoToトラベルの中止」「緊急事態宣言」などと、大げさにあおっている。その裏で若者などの自殺者数が増加傾向にある事実。今の状態からさらに経済を停止させるようなことを行えば、自殺者がさらに増加する可能性には触れない。テレビ局の意図するあおりに賛同しているかのような一部の医療関係者の出演コメント。それに真っ向から反対意見がある医療関係者も多数いるなかで、そういった人たちの出演は皆無。結局、テレビ局に都合の言いことだけを並べている。このような放送をして得をするのはテレビ局関係者だけで、国民は誰も得しない。国民を混乱させるのはやめてほしい。

  • 情報番組で新型コロナの感染状況を伝えている。感染者数・重症者数・ベッド数の状況などを逐一アナウンサーが深刻な表情で伝えるが、その直後、一変して笑顔で「おいしい飲食店情報」などを披露する。飲食店での会食が最大のクラスター発生源である現在、コロナのニュースの直後に飲食店情報とは矛盾している。

  • 羽田空港でGoToトラベルについて昼の番組の取材を受けた。私たちは男2人の70歳代。インタビューに対し、私は「札幌には行かないし、経由もしないのでこのツアーに参加した」という旨を答えた。しかし放送では、話の内容はすべてカットされ、「札幌観光に行ってきたという男性、GoToのチャンスを逃したくなかったから…」とのナレーションが流された。顔はモザイクで隠されていた。このように、番組の企画の方向性に合わせてインタビュー内容を改ざんすることはよくあるのだろうか。映像を都合よく利用されてしまった。改ざんを前提に処理をしたとしか思えない。テレビ局とはこのようなものなのか。

  • 食べられもしない量の料理を出し、無駄な食べ残しをし、食べられもしないほどの激辛にして食べ残しをするのは、あまりにも常識を超えている。新型コロナの影響もあり、出演者の食べ残しをスタッフが食べて処理するはずもない。世の中には何事にも限度と常識がある。食べられもしない量を分かっていながら出し、食べられもしない辛さにして食料を無駄にするのは非常識だ。限度ある常識的な番組作りをしてほしい。

  • 大ヒットしている人気アニメの過剰報道と、それに興味のない人たちに対する配慮のなさについて。いくら人気があるとはいえ、知っていて当たり前のように報じるのはどうなのか。それを知らない人、興味のない人、嫌う人たちからすれば、不快で腹立たしい。多様性の時代というのなら、はやりものを安易に取り入れ、過剰に報道するばかりでなく、別方向の意見をもっと取り上げたほうがいい。

  • 人気アニメの劇場版が連日取り上げられているが、テレビが騒げば騒ぐほど、劇場に人が殺到する。コロナに感染しそうで怖い。GoToトラベルも同様で、テレビであおると人は出かけたくなり、結果として感染拡大につながってしまう。私は宅配業者の配送員。仕事上、感染防止には万全な対策をとっている。いくら私たち現場が努力しても、テレビで人々をあおるような放送をされてしまうと何もならない。このことを放送関係者は忘れないでもらいたい。

  • 新型コロナと年齢(83歳)のため、最近はテレビを見て過ごす時間が長くなった。いつも思うのだが、ほとんどの番組は若い視聴者向けに作られている。たとえば歌番組は歌そのものを楽しみたいのに、踊りやトークなどの演出が過剰で疲れてしまう。ドラマでは出演俳優の名前が思い出せずイライラすることもある。できればその俳優のセリフの際、時々でも役名と俳優名を字幕表示してくれたら助かる。私も以前は問題なくテレビを楽しめたのだが、80歳を超えたころから少し難しくなってきた。若い人はテレビ以外の活動があるが、老人にとっては日々の生活でテレビの占める割合は年々大きくなる。是非、高齢視聴者の要望を生かしてほしい。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 子どもの通っている熊本県内の高校で新型コロナのクラスターが発生し、地元のテレビ局は学校名を公表して報道していた。公表されたことにより学校を貶める嘘の情報が広まり、風評被害が起こっている。学校は不特定多数の人が来るわけではないし、子どもたちにも影響が大きい。学校名の報道は慎重にすべきだ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • ドッキリ番組や実験番組は、最初は子どもの興味を引く軽いイタズラや実験だったが、最近は怪我をさせたり人を痛めつけるような内容に変わってきている気がする。子どもがマネをしたりイジメにつながってしまうのではないか。見ていてそうならないようなイタズラや実験にするべきだ。

  • バラエティー番組で「人気俳優が起こしたひき逃げ事件」のテロップを流し、延々このニュースについて放送し、非常に不快な内容だった。現段階では、起訴不起訴処分は決定しておらず、日本の司法では「推定無罪」であることを認知するべきだ。目を引くようなテロップやボードを使い、週刊誌の不確かな記事を鵜呑みにした内容を出演者の無責任なコメントと共に流し続けた。子どもも見る時間帯、いじめにも似た番組だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 『SHIROBAKO』(NHK Eテレ)は、アニメ制作の舞台裏を題材にした作品で、制作の苦労が分かり、仕事の勉強になる。暴力シーンなどなく安心して見ていられた。アニメ業界で働きたい若者に見せたい番組だと思った。

2020年10月に視聴者から寄せられた意見

2020年10月に視聴者から寄せられた意見

不妊治療に関して不適切な発言をしたタレントへの批判や、幼少女への性的嗜好をネタにした芸人への批判が多く寄せられた。

2020年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,650件で、先月と比較して944件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性35%、女性42%で、世代別では40歳代27%、30歳代25%、50歳代20%、20歳代15%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は延べ1,882件【59局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

昼の番組で、不妊治療に関して不適切な発言をしたタレントへの批判や、夜の番組で、幼少女への性的嗜好をネタにした芸人への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は74件、CMについては31件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は110件で、前月から1件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「暴力・殺人・残虐」が17件、「要望・提言」が8件、「いじめ・虐待」と「低俗、モラル」がそれぞれ6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道について、夕方のニュースになると、「今日、東京で新たに新規感染者が○○人確認された」と、いまだに新規感染者のみを報じている。入退院数、検査人数、陽性率は一切報じない。詳しいことはネットで調べればいいと、まるで視聴者に丸投げしているとしか思えない。新規感染者だけでは何の報道にもなっていない。報道機関としての役割を放棄しているように感じる。

【番組全般・その他】

  • ロケ番組において、出演者がマウスシールドやフェイスシールドを付けて収録するケースが多い。特にマウスシールドが目立つが、「ウイルス感染予防の観点からは不合格である」と、多くの専門家から指摘されている。人が少ない場所での収録であれば、出演者のみにリスクが及ぶだけだが、ある程度の街中での収録では、飛沫リスクは避けられない。おそらく顔を見せたいがための対応だろうが、放送では使用しないほうがいい。感染予防にはマスクの有効性がほぼ確立しているのだから、影響力を考え、見本となるよう遵守すべきだ。

  • 昼の番組を見た。次のバスまであまり時間がないなら、飲食店に入らなければいいのに、店の人に急いで作らせた料理に少ししか口をつけずに店を後にするシーンがあった。食べ方も急いでかきこむ感じで、代金は払ったものの最後まできちんと食べないなど、店に失礼だ。見るに堪えないのでチャネルを替えた。この時間帯は多くの世代の人たちが見ている。食事のマナー、食品ロス、店への気配りに欠けるなど、道徳的にどうかと感じた。

  • 芸人が、小児への性犯罪者を仲間であるとし、さらに同じ性的嗜好をもつ自分たちは、世間から虐げられている被害者であるという趣旨の発言をしていた。また、それを出演者一同が笑うという番組の流れだった。実際の被害者たちがどれだけの傷を負っているかの想像力もなく、何気なしにこの番組を見ていた視聴者の中には、これを笑い話のネタにしていいのだと感じる人たちもいることと思う。れっきとした犯罪を、嬉々として笑い話にする内容は、許されることではない。

  • 昼の番組で、不妊の原因についての不適切なコメントがあった。専門的な知識を持たないタレントが、何を根拠に断言できるのか。不妊治療で苦しんでいる女性たちがいることを忘れないでもらいたい。

  • GoToトラベルのおかげで、高級ホテルのエグゼクティブルームが、普段は一泊14万円のところ、特別価格と税金の補助で一泊55,000円になるという話題。「これはお得ですね」と、出演者たちは大喜びしている。一泊55,000円の宿泊ができる人たちに、税金の補助が必要なのか。

  • 夜のニュースで、新型コロナの感染拡大以降、東京・品川駅の朝の通勤風景を流している。いつも、いやだなと思いながら通るのだが、ついに今日、自分の足元が映ってしまった。もし、顔が出ていたらと思うとぞっとする。テレビに映りたくない人の気持ちはどう考えているのか。

  • どこの局も同じ話を一日中繰り返している。それも新型コロナなど、気が滅入る話題ばかりでうんざりする。私は、寝ている時間以外、テレビ画面と向き合っているが、番組があまりにつまらないので、ビデオばかり見ている。何とかしてほしい。

  • BSの番組を見た。町の中華店を訪ね歩く番組だが、今回は、東京都練馬区が舞台。レギュラー出演の芸人とその店の店員は、今年閉園した遊園地「としまえん」の思い出話で盛り上がっていた。都市開発によって消えゆく昔ながらの人情の温かみを、下町のノスタルジーとともに、じんわりと味わうことができた。飲酒を

  • 扱う点で、「青少年には見せるべきではない」という意見もあると思うが、温かい人情に触れることができる番組こそ、青少年に見てもらいたい。近年、放送倫理の劣化が叫ばれているが、このような良質な番組もあることを知ってもらいたい。

【ラジオ】

  • FMの夜7時からの番組は、社会問題や政治などを取り上げる内容だが、一部の常連リスナーによるコメントが、徐々に誹謗中傷化している。いろいろな問題について、異なる意見が交わされることは健全だと思うが、一部のリスナーが、自分と意見が異なる相手に対して、個人攻撃と思われるようなコメントを投稿することが多々見られる。また、ナビゲーターに対して攻撃的なコメントをするリスナーもいる。何年もこの番組を聞いているが、ここ最近、エスカレートしているようで怖い。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のトーク番組で、アイドルおたくをネタとする芸人が自分はロリコンで応援しているアイドルは14~17歳。自分の仲間がアメリカでGPSを付けられていると面白おかしく話していた。しかしGPSを付けられているということは犯罪者のはずで、このように軽々しく話すことではない。性被害にあってPTSDに苦しむ子どもたちもたくさんいる。性に対する問題意識が低すぎる。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • ドッキリ番組において、男性先輩芸人が男性の後輩に言い寄るという同性間のセクハラ、パワハラを放送していた。男女であればセクハラとして放送できない事を同性であれば笑えるかのように放送するのは、同性間セクハラを矮小化している。また同性愛者=セクハラをするかのような偏見を助長する表現だ。子どもが見る時間帯であり、LGBT当事者の子どもたちへの影響は深刻ではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • グロテスクで残忍なシーンが多く、子どもが見ることのできない深夜に放送していたアニメをゴールデンタイムで放送するのはいかがなものか。鬼の首を切り、血しぶきが上がる。子どもに見せていい内容ではない。

【「食べ物」に関する意見】

  • 路線バスを乗り継いで旅をするバラエティー番組でカレー屋を訪問してカレー三食とグラタンを注文。しかし次のバスまでの時間がないからと最初に来た一食を4人でつつき、さっさと店から出て行った。料理も無駄になったし、作ってくれた人への感謝の気持ちもなかった。お金を払えばよいという問題ではない。子どもも見る時間帯なのでこのような企画はやめてほしい。

【「推奨番組」に関する意見】

  • 『サンドウィッチマン&芦田愛菜の博士ちゃん』(テレビ朝日)は、毎回感心やら可愛いやらで楽しませてもらっている。出演者と素晴らしい才能の子どもの会話も楽しく、この子たちは日本の宝だとうれしくなる。視聴者はこのような番組を期待していると思う。

2020年9月に視聴者から寄せられた意見

2020年9月に視聴者から寄せられた意見

首相の辞任表明を受けた自民党総裁選、飲酒運転で逮捕された元タレントや亡くなった女優を取り上げた番組等への意見が多かった。

2020年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,706件で、先月と比較して202件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性52%、女性28%で、世代別では40歳代27%、30歳代24%、50歳代21%、20歳代13%、60歳以上13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は延べ897件【59局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

首相の辞任表明を受けた自民党総裁選について報じた番組への意見が多く寄せられた。そのほか、飲酒運転で逮捕された元タレントや亡くなった女優を取り上げたワイドショーへの意見も多かった。
ラジオに関する意見は65件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は109件で、前月から19件増加した。
今月は「表現・演出」が24件、「低俗、モラル」が17件、「その他」が16件、「危険行為」が14件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道のあり方について。各放送局の定時ニュースでは、ほとんどの場合、新規感染者の増加数しか報道しない。なぜ完治した人の数を同時に伝えないのか。「今日も感染者が200人を超えました」などのセンセーショナルな表現で、視聴者の不安をあおるだけでいいのだろうか。これだけ聞いていると、いかにも新規の感染者だけがどんどん増えているような印象を与える。不安をあおるだけではなく、真の状況を視聴者が冷静に理解し易いように伝えるのが、メディアの役割ではないのだろうか。

  • 最近の報道番組を見ていると、どの局も同じ話題ばかり。新型コロナが流行すればコロナばかり、台風が来れば台風ばかり、それも首都圏への影響があればすぐに地方を切り捨て、首都圏の情報ばかりだ。偏った意見に集約され、多様な意見は発信しない。自民党総裁選にしても、すでに決定しているような報道が相次いでいる。しばらくしたら一斉に批判するのだろう。報道は世論を形成する。もっと責任を持って、多様な意見を広く伝えてほしい。若い世代は、インターネットでその他の情報を得ることもできるが、それには偏った考え方の場合もある。マスコミ報道以外に情報を取得できる手段を持たない人たちも大勢いることを認識し、制作、発信にあたってほしい。

  • 自民党総裁選について、メディアはひたすら状況を伝えるだけで、前政権がやり残したことへの追及すべき問題について、候補者に聞き、視聴者に伝える姿勢が全く感じられない。一般市民に総裁選の投票権は無い。派閥の駆け引きなど伝えてもらっても無駄なこと。「もう新総裁は決まり」的な雰囲気でまとめている。それよりも、今後取り組むべきことを忖度なく視聴者に伝えたほうがいい。

【番組全般・その他】

  • 台風10号に関して、気象庁のコメントを再三報じているが、あまりにもお粗末だ。「経験したことのない強い台風」「特別警報を発する可能性」「最大限の警戒」など、可能性ではなく、もっと現実に即して、いつ警報を出すのか、台風の経路に予想される住民がどう対応すべきかについて放送してほしい。

  • 緊急ニュースの各大臣の入閣速報が迷惑。数分おきに速報を鳴らし、その度に大臣の話。全く緊急性が感じられない。台風や洪水で、避難の遅れる人たちが出るのは、日頃からどうでもいい速報を流しているからではないか。

  • わざわざニュース速報で、「○○氏が再任」や「○○氏が初入閣へ」と、音付きで何度も速報を流す必要はないと思う。速報は、大雨特別警報など、本当に特別な時だけ流すべきだ。

  • 閉園した遊園地の最後の日にスポットを当てていた。そこには、コロナ禍で迎えた最後の日に、マスクもせずに楽しそうに騒いでいる来園客の姿があった。中高年を中心に、多くの人たちが自らの人生と重ね合わせて閉園を惜しむ姿を描きたかったのかもしれないが、今や人の集まるところでマスクをつけることは常識だ。世の中とのギャップが大きく、違和感があった。

  • 飲酒運転による追突事故を起こした元タレントについて、各局で過去の映像や事象を引き合いに出し、実名・顔出しでの報道を行っている。事故を報じるのは致し方ないとしても、芸能界を引退し、一般人として生活している人への配慮がされていない。ましてや、過去に不起訴になった件や離婚理由について、関連付けて報道するのはいかがなものか。日々、飲酒運転による交通事故が発生している中、交通事故の加害者を実名・顔出しでは報じていない。彼が元芸能人であったことを考慮しても、過去の件を持ち出しての報道は、人権を侵害しているように感じる。

  • 元タレントの逮捕報道について。有名芸能人だったからといって、「○○さん」という呼び方はいかがなものか。あくまで違法行為をして逮捕されたのだから、きちんと一般人と同じように「○○容疑者」の呼び方で報道したほうがいい。報道は公平中立の立場であらねばならない。それをしっかり踏まえてほしい。

  • 亡くなった女優について。各メディアに言えることだが、自殺と思われる報道は慎重になる必要がある。コロナ禍などで不安定な社会、芸能に携わる人たちの自死が相次ぐ中、なおさらそれが当てはまると思う。彼女が訪れていた寿司店へのインタビューでは、店員からの「微笑みがなかった」や「楽しそうではなかった」という証言が引き出されていたが、プライバシーは一体どこにあるのか。これを報じることで、自殺の抑止になるなど、社会に良い影響があるのだろうか。こうした報道のされ方が、芸能界をはじめとする様々な業界にストレスを与え、さらなる悲劇を生むことになるのではないかと危惧している。自殺を取り扱うすべての番組に、もう少し配慮が必要だと思う。

  • 日曜昼の傑作選は、芸人が大量の麺類や超激辛ライスを食べる企画。料理に使用された唐辛子や香辛料は常識を超えている。芸人たちは涙を流しながら無理やり口に運ぶ。食事を堪能する表情は全くなく、どう見ても苦行を強いられている。人間が一度に食事を摂る量には限界があり、胃破裂を引き起こす可能性が高く、医学的に危険である。食品ロス問題が叫ばれる昨今、大量の残飯を生み出すなど時代に逆行した企画で、不快感しか残らない。

  • 見たくない、見せたくない暴力的な映像が流れることがあり、子ども達への影響を懸念している。先日も、朝、テレビをつけると、タクシー車内で運転手が殴られるドライブレコーダーの映像が流れていて、子どもが大変怖がっていた。心理的な影響や、これらの暴力的な映像が常態化して、何とも思わない、当たり前の風景になってしまうのではないか。視聴者からの映像を入手する簡易さと、センセーショナルな映像による視聴率の追求が相まってなのか、近頃、暴力的な映像が垂れ流しされているように感じる。放送による影響を考慮し、人が被害を受けている映像を見ても平気でいられる人間を育てないよう、配慮してもらいたい。

青少年に関する意見

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • 音楽番組で昭和60年代のヒット曲を歌っていたが、歌詞の内容が未成年者の性行為を想起させ卑わいで下品だった。発売当時は世間が大きな問題意識を持っていなかったと思うが、いまこの曲を子どもも見ているゴールデンタイムで放送したのは残念だ。

【「危険行為」に関する意見】

  • ドッキリを仕掛けるバラエティー番組で、手指消毒液の入れ物から熱したゴマ油が噴出。熱さに困惑していると、さらに熱したゴマ油を掛けるという企画をやっていた。加熱した油は危険だ。子どもが平気だと思って料理中に近づいてきたり、マネをしていじめに使ったら恐ろしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 子どもの通う小学校の児童一人がコロナの陽性となり、休校となった。これについて朝の情報番組で、学校名と校舎を外から撮った映像が放送されたが、その必要はあるのか。特定する報道の仕方は、コロナ差別やクレームを助長するのではないか。

  • 著名人の自殺に関する報道を控えてほしい。悩みを持つ人々に対して刺激となりかねない。思春期の若者の自殺は、もっとも危惧される死因の一つになっている。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組の動画を紹介するコーナーで、人が車にはねられたり、銃で撃たれて苦しんだりする様子がモザイクなしで放送されていた。人が死んだわけではないという判断で放送したのかもしれないが、子どもが見てもおかしくない時間帯で普通に流されることに驚いた。もう少し子どもたちに配慮して頂きたい。

【「その他」に関する意見】

  • 子ども向けアニメ番組放送中に、有名人が自殺したニュース速報テロップが表示され、子どもたちが怯えていた。速報性も大事だとは思うが、アニメ番組であることやニュースの内容を考えると、速報テロップの出し方に子どもへの配慮がほしかった。

2020年8月に視聴者から寄せられた意見

2020年8月に視聴者から寄せられた意見

連日の猛暑の中、感染拡大が続く新型コロナウイルスについて報じた番組への意見、取り上げ方への要望が多く寄せられた。

2020年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,908件で、先月と比較して174件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール82%、電話16%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性52%、女性26%で、世代別では40歳代28%、50歳代22%、30歳代20%、20歳代15%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は延べ1,168件【58局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

連日の猛暑の中、感染拡大が続く新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は75件、CMについては40件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は90件で、前月から7件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が15件、「低俗、モラル」が9件、「危険行為」と「いじめ・虐待」がそれぞれ7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道について。連日、感染者の数をセンセーショナルに流すだけで、国民の不安と恐怖をあおっている。死亡者数、入院者数、重症者数、回復退院数、実際の陽性者数などには触れず、報道機関の役割を放棄している。パニックを誘発し、経済を萎縮させて破壊し、自殺者を増やし、暗い話題をそんなに増やしたいのかと恐怖を感じる。報道姿勢に一定の規制が必要ではないか。

  • 新型コロナの報道について、偏った意見ばかりで視聴者の不安をあおっている。私は飲食業だが、テレビの影響で客足が遠のき、死活問題になっている。不安要素の報道も必要だろうが、経済面も考えて多角的な報道をしてほしい。このままでは、閉店せざるを得ない店も数多く出てしまい、自殺者も増えるばかりだ。

  • 正直、連日の新型コロナ関連番組は飽き飽きしていて、気分が沈む。特段、新情報があるわけではなく、感染者が発表されるたびに速報まで打って、うんざりする。今後、コロナについては、特別な演出をせずに粛々と報道してもらいたい。一方、もっと取り上げるものがある。モーリシャスの油流失事故、中国の食品ロスに関する日本の状況、コロナ禍の中で起きた児童虐待など、細かい事案であっても、しっかりと取り上げたほうがいい。

【番組全般・その他】

  • 京都・渡月橋での暑さのリポートはあまりにもひど過ぎる。40℃を超える気温の中、ディレクターが明らかに熱中症のような様子で必死に中継リポートしていた。帽子も日傘もささず、さらにはマスクもしながら、熱中症リスクの高い格好だった。この際、スタジオで受けていたMCは、支離滅裂なことを言い始め、体調の悪そうなディレクターに、終始あざけるような態度で応対し、ディレクターがスタジオに返そうとしても、無理やり放送を続行するように伝えていた。ディレクターをリポートに行かせた局の判断は間違っている。残酷ショーを見たいのではない。情報番組なら、正しい情報を適切な方法で伝えるべきであり、今回の放送は、不適切どころか、非人道的ですらあった。

  • 新型コロナ報道について。最近では、「インフルエンザより軽い」という方向性を作ろうとしている。番組に出演している医者やコメンテーターが、「コロナは大したことない」という持論を展開していることが多く、「コロナは危険」という持論の人たちはテレビに出てこなくなった。インフルエンザと違い、ワクチン無し、特効薬無し、ウイルスの実体もはっきり分からないという点に触れず、希望的観測が述べられている。東日本大震災のメルトダウンの時と同じで、政府の方針に沿わない報道が少なくなっていくように感じる。

  • ワイドショーのあり方について、新型コロナを通じて知ることになった。国難とも言えるこの状況に対して、ショーとして報道するやり方、より扇情的に問題を取り上げ、ネットで情報を拾い、街頭インタビューの類型的なコメント。「後手、後手…」と政府批判。まともに政策の説明やコロナ対策の啓蒙や休業補償の話をせず、興味のある内容だけを取り上げ、それを切り取って放送。テレビ局の世論操作が一方的だ。日本人のモラルを高めようとするテレビ局はないのか。感染を防いで行こうとなぜ訴えないのか。無知なコメンテーターもやめさせてほしい。それだけでも誤った考えが減ると思う。

  • バラエティー番組のやらせに、厳しくなり過ぎてはいないか。普通のことを普通にするだけでは、当然ながら面白くならない。やらせなしのリアリティーと面白さを追求すれば、危険な企画が増える。一方で、ワイドショーや報道の意図的編集は気になる。専門家や政治家の言葉を切り取って、全く逆の意味になるよう編集された報道が散見される。楽しませることよりも、情報を伝えることに重きを置くべき番組は、発言者や情報源の意図通りにしっかりと報道する責務があるのではないか。いろいろな意見を報じるのは大切だが、本人が言っていないことを、あたかも言ったように報道するのは捏造だ。独自の情報や独自見解を発表するのはいいが、発言者の意図が歪曲されて伝わるように編集するのは、事実を捻じ曲げる意図があり、悪意に満ちている。面白くするためのやらせよりもよほど問題があると思う。

  • 勤務している会社のリスク管理部門から、「職員一人ひとりのコロナ対応」なる文書が社内にて掲示された。そこには体調管理、職場での感染防止、職場以外での生活、感染症が疑われる職員発生時の対応などが分かりやすく示されていた。そして最後に追記として、「世間の報道などに惑わされたり、一喜一憂せず、人に感染させない行動を率先垂範する事が重要」と加えられていた。最近、報道に対して、疑問や疑念、不満を感じ、またそう感じざるを得ない不祥事も起きているだけに、とても印象に残っている。そして強く感じたのは、こういった文書が出回ること自体、報道の信頼、信用、権威、地位といったものが著しく低下しているのではないかということだ。

  • 仲間と飲み会をする、趣味のサークルでカラオケをする、合唱をする、海でサーフィンをする、旅行に行く、コンサートに行く、親戚に会う。これらは感染者がいない場所なら何の問題もない活動、不要不急かもしれないが、人生を楽しむ、豊かにする活動だ。私たちは生命を維持することだけを目的に生きているわけではない。そして、これらの不要不急と思われることを生業としている人々にとって、仕事がなくなることは生命がなくなることにも等しい。新型コロナ報道の際に、これらの活動がまるで悪であるようなイメージを植え付けないでほしい。一度イメージが落ちてしまうと回復するのには相当なエネルギーが必要になる。人類の敵はコロナであり、人とのコミュニケーションが悪いわけではない。これ以上イメージを悪くしないでほしい。もう十分に周知されている。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • プロ野球中継を見たら大勢の解説者が次の打者の打撃予想をするクイズ形式だった。解説がほとんどなく、ヒットなら何ポイント、フォアボールなら何ポイントと獲得ポイントを競うもので、子どもや視聴者に賭博のやり方を教えるようなものだ。スポーツ中継でこのようなやり方は野球ファンとしては納得できない。

  • ボートレースのPR、実況中継、開催日程などが紹介される番組が夜の8時台に放送されている。誰に見てもらうために放送しているのか。児童、生徒、未成年への影響は考慮していなくていいのか。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 8月は原爆投下日、終戦記念日があるが、年々戦争に関連した番組が減っているように感じる。戦争を体験した人が減っている今、そういう人たちを取材して戦争体験を映像や音声で残してほしい。戦争に関する番組やドラマを放送し、青少年に戦争の悲惨さ、残酷さを伝えていってほしい。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組でお笑い芸人に生のパイナップルを皮ごと食べさせていた。汗だくで涙ぐみながら食べて、後で嘔吐していた。全く笑えない映像で食道や内臓を傷つけるのではないかと心配になった。子どもが真似をしたり、いじめの手段に使われたらどうするのか。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • 最近目立つのが番組内での飲酒行為だ。出演者が赤い顔で酒を飲みながら番組を進めている。芸人の食レポにおいても酒を要求する場面がある。青少年への影響をどう考えているのか。

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

2020年7月に視聴者から寄せられた意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見や、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見が多く寄せられた。

2020年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,734件で、先月と比較して225件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性56%、女性24%で、世代別では40歳代27%、50歳代22%、30歳代22%、60歳以上14%、20歳代13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ949件【67局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

感染が収まらない新型コロナウイルスについて報じた番組への意見が多く寄せられた。また、九州を中心とした豪雨被害など、各局における災害情報に関する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は64件、CMについては47件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は97件で、前月から20件増加した。
今月は「表現・演出」が27件、「要望・提言」が11件、「いじめ・虐待」が10件、「報道・情報」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの感染が収まらない中で、陽性者や重症者など様々なデータが出ているが、仮定に基づく話題を報じることに不信を覚える。統計では、前提や規則の定め方で、データをどのようにも解釈することができる。意味のない解釈で不安をあおったり、危険を過小評価するのはやめてほしい。

  • 東京新宿歌舞伎町の一番街付近にある居酒屋で働いている。連日の新型コロナ感染報道で、店の売り上げが激減し、迷惑している。歌舞伎町は広い歓楽街で、ホストクラブやキャバクラは一番街付近にはない。また、近辺の同業者に感染者は出ていない。一番街の入り口のアーチばかり放送で映さないで欲しい。この付近全体に感染が広がっているような報道により、店の売上が生活に直結し、困っている。

  • 人気俳優の自殺を受けて、あちこちのワイドショーなどで詳しく取り上げているが、自殺防止の観点から、場所や方法を詳しく報道しないなどのメディア関係者へのガイドラインがあるはずだ。それを周知しているのだろうか。

  • 中国の長江流域で長期的大雨が続いており、世界最大のダム三峡ダムの決壊が懸念され、そればかりか上下流とも大洪水で、1,200万人以上が避難対象となる異常事態が起きている。そのことを日本のマスコミはほとんど報道しない。長江流域には大都市が多く、日本人も数十万人規模で住んでいる。その人たちの親族に対し、何の情報も流さないのは、報道機関としてどうないか。一方、インターネットでは、連日詳細にこの情報が提供されている。このことから見ても、今の地上波、新聞を中心としたオールドメディアは、もはやその役割を果たせていないのではないかと感じている。

【番組全般・その他】

  • 日曜昼の番組を見た。緊急事態宣言が解除された後のロケと思われるが、出演者が移動車の中ではマスクをしていたが、ロケをしている店の中や屋外ではマスクを外して店の人たちと大声で会話をしていた。メディアでは、「新しい生活様式の中で…」などと、しきりに叫んでいるのに、このようなロケを見せられては全く説得力がない。

  • 長時間の歌番組を見た。アーティストと司会の距離が近すぎ、2mも離れていなかった。また、大人数の女性アイドルグループがスタジオで歌を披露したが、それは、いわゆる“密”状態。どのような感染防止対策のもとで放送しているのか。危機感がなさ過ぎる。

  • 北関東に住んでいる。高校野球中継の映像と音声がひどい。中継内容もよく分からない。放送免許を持ったテレビ局が出すレベルとは思えない。ホームビデオをたれ流している感じで、テレビを見ていて酔ってしまう。

  • 世界中のいろんな人と、テレビ電話で各国をめぐる番組を見た。今、新型コロナで外出自粛が長引く中、新たな方法で人と人をつないでいるところがとても良く、司会者のコメントも素晴らしかった。外出ができない中、それを見て元気になった人も多いと思う。今後もこのような番組を作ってもらいたい。

  • 土曜日の夜の番組を見た。久しぶりにいい番組だった。日本の子どもたちの成長を見せてもらい、ありがとうと言いたい。このような番組が次々に放送されるようになるといい。

  • 岩手県に住んでいる。アナウンサーがアポなしで県内の集落を訪れる番組を見た。その土地の人や文化、飲食店が紹介され、普段は気にかけない風土の良さに気づくことができた。派手な演出はないが、郷土を愛する心を育てる良い番組だと思う。地方局は、キー局制作の、東京の飲食店や名所ばかり紹介する番組をそのまま放送することが多いが、このような番組が増えれば、テレビの価値が上がり、東京一極集中にも歯止めがかかるのではないか。番組制作者には頭が下がる思いだ。他の地方局も見習ってほしい。

  • 放送局のツイッターによる防災情報は助かる。携帯電話の電波状況、避難所の開設情報、避難すべきエリアの詳細、各種支援情報など、とても分かりやすい。

  • ニュース番組の豪雨災害や地震情報で、英語による災害情報を放送している局がないように感じる。万が一、来年の東京オリンピック開催期間中に大規模な災害が発生した場合の備えが必要だと思う。以前、BSでは、地震速報を英語でも流したチャンネルがあった。日本語が分からない人たちのために、英語による災害情報を放送した方がいいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 迷惑ユーチューバーの逮捕を伝えていたが、本来は削除すべき動画を公共の電波で見せる行為はどうなのか。子どもも見ており、逮捕された悪い人だよと捕捉しなければいけなかった。何も考えず動画を流すのでなく、してはいけないことをしたと分かるように伝える努力をしてほしい。

  • 有名人の自殺に関する報道は、子どもや若者の自殺を誘引する危険性があるため、自殺対策の専門家はWHOのガイドラインに従って報道するよう呼び掛けている。自殺を助長しかねない安直な報道に警告を発したい。

【「要望・提言」に関する意見】

  • 子どももテレビを見ている時間に恐怖心をあおるようなホラー映画のCMは流してほしくない。CMは予告なく突然流れるので、対応するにも限度がある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で我慢比べ対決と称して50度前後の熱湯に芸人を入浴させていた。今は動画をネットにアップする子どもも多いので、真似しかねない大変危険な行為である。

【「言葉」に関する意見】

  • 出演者が「ら」抜き言葉で話したときにテロップでは「ら」が足されている。なぜ発していない言葉をテロップに入れるのか。こんなにも多くのテレビで「ら」抜き言葉が流されている現在では、新しい言葉として認めてはどうか。

2020年6月に視聴者から寄せられた意見

2020年6月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス禍における番組制作のあり方への意見や、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見など。

2020年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,509件で、先月と比較して1,089件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性61%、女性37%、不明2%で、世代別では40歳代24%、30歳代22%、50歳代19%、20歳17%、60歳以上15%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は延べ856件【47局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルス禍における、番組制作のあり方への意見が多く寄せられた。また、人気芸人の不倫問題を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は60件、CMについては13件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から19件減少した。
今月は「表現・演出」が15件、「低俗、モラル」が14件、「報道・情報」が11件、「犯罪の助長」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの影響で、東京在住の人たちが施設などへの立ち入りを断られている事例を報じていたが、人の出入りを制限している施設は、ただリスクマネジメントをしているだけではないのかと疑問を持った。以前のトイレットペーパーなどの買いだめ騒動の時もそうだが、心配のいらない事象を大げさに報道し、視聴者の不安をあおっているように感じた。

【番組全般・その他】

  • 昼の番組を見た。放送を見る限り、新型コロナ対策を取っているとは思えない。アナウンサーは透明のマスクをしていたが、MCとゲストは何ら対策もなく、ずっと会話と試食をしていた。何人も集まって会話をするのはどうなのか。それぞれの間隔も空いているようには見えなかった。密集、密接、マスクなど、国民がコロナ対策をしているのに、放送だからいいのか。報道機関だからこそ見本を見せる、率先してマスクをつける、人と人との間隔を取る、そんな姿を紹介するべきではないか。ソーシャルディスタンスは必要ないのだろうか。

  • 東海地方の番組で、新型コロナ禍でのライブハウスの取り組みを伝えていた。ライブに出ていたのは東京から来たグループ。これを録画したのは13日だ。首都圏からの他県への移動を自粛している中、自分勝手に行動しているグループや、それを分かった上で出演させるライブハウスに対し、好意的で宣伝になるような放送をするのは如何なものか。それに加え、このグループが東京から来ていた事や、録画日が県間移動の自粛要請が解除される前である事には触れていない。それにも問題があると思う。

  • 夕方の番組で、給付金の10万円で焼肉店に繰り出した人たちを紹介していた。「ちょっとした贅沢を満喫」という趣旨の使い道だ。これを見て、ここしばらくほとんど収入のない飲食店従業員の私は、ため息が出た。私にとってはぎりぎり急場をしのぐための生命線の10万円である。大切に使う予定で、焼肉店に出かけるなど到底考えられない。お金の使い方が自由であるのは百も承知だが、余裕のある人たちの映像を見せられ、気落ちしてしまった。私のような境遇の人たちにもう少し配慮できなかったのだろうか。

  • 日曜日の番組を見た。この番組には以前から問題があると思っている。おそらく、海外で起きていることを分かりやすく伝えようとするコンセプトで制作されているのだと理解しているが、最近は、ただ面白ければいいという姿勢に見える。今、アメリカで起きているデモや、香港での市民による抗議活動について、人の命や人権を軽んじている印象がある。人々が命をかけて行っている活動に、漫画キャラクターを使ってほしくなかった。

  • 黒人奴隷を題材とした映画が深夜に流された。アメリカで黒人への差別が問題視され、デモが激化している状況下において、この作品を放送するのは不適切だと思う。

  • 深夜番組で、酔っ払って正体不明状態の人のインタビューを流しながら大爆笑している。オンエアに当たり、酔いもさめ、正常な判断ができた時に許可を取ったのか疑問。その後のコーナーでも、新型コロナを真面目に祈祷するおばさんを笑っていた。世間的な枠から外れ、自分なりの特異な主張や意見や行動を、ただ笑いのために使っていいのか。

  • 不倫や離婚について、あった事実を報じることはいいと思うが、そのことについて、論評、批判して不特定多数の人に伝えるのは問題だと思う。個人の領域や倫理観に踏み込むことや、その個人を放送から追放するのも疑問だ。世間の思惑で、個人に責任を取らせ、賠償させるようなシステムはおかしい。人格者を要件とするならば、それを選別、起用する方に責任がある。

  • ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材は、普段何気なく使っている輸入品のありがたみを感じられるだけでなく、迫力ある映像は、エンターテイメントとしてとても見ごたえのあるものだった。世界的な新型コロナ禍の中で、いつ日本に戻れるのかも分からない不安の中で任務につく船員の方々と番組スタッフに敬意を表したい。医療従事者以外にも、人知れず働くヒーローが数多くいることを子ども達に伝えられる放送だった。

  • ニュースの内容によって、アナウンサーの性別を替えるのはおかしい。微笑ましいニュース、ちょっといい話、子どもや動物関連のニュースなどは、決まって女性アナウンサーや女性ナレーターの優しい声で伝える。その時点で、ニュースの格が下であることが分かる。日常の軽い話題などは女性の優しい声で伝えればいいという、テレビ局の性別役割分担意識が露骨に出ている。声というのはとても重要で、あの優しい声が聞こえてきたとたん、なぜか見ている方も思考が停止してしまう。こういう意図的な使い分けは旧態依然の放送だと思う。

  • テレビでは、常用漢字でない文字が、ひらがなで表記されるが、最近は、普通に漢字で書き表しても違和感がないような言葉までひらがなになっていて、やり過ぎだと感じる。ある番組のテレビ欄やサブタイトルでも、「誹謗中傷」の「誹謗」の部分にひらがなが使われていて、言葉の深刻性が感じにくくなっていた。視聴者に分かりやすくしたつもりでも、余計に分かりにくくなるようでは、本末転倒ではないか。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • ある芸能人のスキャンダルについて、朝のワイドショーから夜の番組まで子どもの耳に入れたくない性的な詳細を伝え、コメントしている。小・中学生のいる我が家としては大変不安になる。視聴者には子どもたちがいる事を考えて、時間帯や表現についてよく検討してから放送してほしい。

【「食べ物」に関する意見】

  • 児童が見る時間帯に大食い、激辛の無理なメニューは問題だ。お金を払って残すのはどうなのか、激辛も度を超えている。この頑張りは違うと思う。出演者が美味しそうに食べているから食べに行こうと思えるメニューに戻してはどうか。

【「推奨番組」】

  • ヨーロッパから日本へ荷物を届ける超大型コンテナ船の密着取材番組は、迫力ある映像で見ごたえがあった。世界的なコロナ禍の中、いつ日本に戻れるか分からない不安の中で、任務に就く船員と番組スタッフに敬意を表する。医療従事者以外にも人知れず働くヒーロー、ヒロインが数多くいることを子どもに伝えられるものだった。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • BS放送について、通販番組やサスペンスドラマの再放送などに偏っているという意見があった。確かにそれらの番組は疑問に思うが、一方で質の高いドキュメンタリー、子どもたちに見せるべき番組も多い。一緒くたにBSの番組を否定するべきではないと思う。

2020年5月に視聴者から寄せられた意見

2020年5月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルス対策における政府の対応を伝えた民放各局のワイドショーへの意見や、検察庁法改正案を取り上げた番組への意見など。

2020年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,598件で、先月と比較して167件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール98%、郵便1%、FAX1%(電話応対は休止中)。
男女別は男性72%、女性27%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代27%、50歳代18%、20歳16%、60歳以上8%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は延べ1,836件【51局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルス対策における政府の対応を伝えた民放各局のワイドショーへの意見、また、検察庁法改正案を取り上げた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は62件、CMについては25件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は96件で、前月から23件増加した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が16件、「暴力・殺人・残虐」が9件、「性的表現」「いじめ・虐待」「その他」がそれぞれ6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナの報道には、政府批判が多過ぎる。給付金についても、「遅い」との批判でなく、仕組みや手続き方法を繰り返し伝えた方がいい。批判しても何も解決しない。この緊急事態で、うまく変化している人もたくさんいる。国民に様態変化が迫られる今、マスコミが平和ボケの旧態依然なのは如何なものか。今後のことも含め、報道のあり方を検証すべきだ。

  • マスコミは、新型コロナについて、もう少しまともな報道をしてほしい。自治体や医療現場、飲食店などの悲鳴を報じて不安をあおり、平然と繁華街に繰り出す人たち、パチンコ店の行列に並ぶ人たち、他県にわざわざ行く人たちを過剰に報じることが、他県ナンバーの車や一部の店舗、医療関係者や物流関係者、コロナ患者やその家族に対する悪質な嫌がらせが横行する要因になっている。深刻に考えてほしい。メディアリテラシーを改めて、客観的な報道意識を持ってもらいたい。

  • 新型コロナや検察庁法改正案の報道を見て、テレビがものすごく怖くなった。真実を伝えようという意志がなく、嘘で塗り固められた内容に震え上がってしまう。死者や感染者数など、総人口の割合から見れば、日本の対策が順調であることは明らかなのに、そこに触れたり掘り下げたりしない。検察庁法改正案についても、スパムメールやデマ画像によって、増加した偽りのツイート数をあたかも確かな数字のように報じ、人々の勘違いを訂正することなく、悪い悪いと一辺倒に決めつけて伝えている。このような異常な報道をすべての局がやっている。なぜこんなことになってしまったのか。メディアに正しい情報を届ける気は無く、むしろ日本を破滅させてやろうという強い気持ちで日々制作にいそしんでいるように感じる。捏造、偏向しか伝えないテレビはもういらない。

【番組全般・その他】

  • ゴールデンウイークなのに、駅や高速道路が混雑していない状況を、さも残念な事であるように報じる番組が多い。商店街や駅などのまばらな人通りを、混雑しているように見せかける撮影を行い、外出自粛している人を皮肉るように報じている。平時に賑わっていた場所が混雑していないのは、自粛要請の報道に皆が納得して従っていて、喜ばしい事であり、恥ずべき事ではない。自粛を促す報道に従ってくれる人たちが多い事に感謝するべきだと思う。

  • ニュースとワイドショーの線引きがあやふやになっている。タレントが事実と感想をごちゃごちゃに発言するため、事実がかすんで紛らわしい番組が多く、それをニュースと思いこむ人が多くなっている。ワイドショーで政治ネタを扱うなとは言わないが、公平な立ち位置で番組を作ってもらわなくては、偏向報道ばかりになり、正しい情報が広まらず、世間の認識がねじ曲がってしまう。ネット社会でテレビが信用できるものではなくなっている。業界全体の放送のあり方を見直すべきだ。

  • 国民の不安をあおるワイドショーが一部にある。偏った意見の専門家やコメンテーターは、自分たちの持っていきたい方向に誘導し、ただ政権を批判したいためにしか見えない。正確な情報が知りたいだけなのに、素人同然の芸能人や専門外のコメンテーターに意見を求めたり、現場の医師の発言をゆがめて編集したり、いったい地上波テレビはどうしたのか。最近は、テレビからの情報が信用できず、インターネットの番組を見るようになった。夕方のニュースでインタビューを受けた知人が、こんな風にしてくれと演出までされて、事実とは全く違う映像が流れたと言っていた。一部の放送局のせいで、全体の信用を落としていることに気付いてほしい。

  • 番組出演者が命を絶った。ワイドショーでは、誹謗中傷した人たちを分析しているが、違う。匿名で中傷した人は悪い。しかし、テレビ局は本当に台本や過剰なあおりとなる編集をしていないのか。この番組は、以前も台本の有無やパワハラで問題になっていたと聞く。編集で話を広げ過ぎていたとしたら、中傷のきっかけを作ったのはテレビだ。少なくとも、当事者として会見などで説明してもらいたい。この話題を、一般人のリテラシーが低いと、メディアが自分たちの行動は棚に上げて批判していることが気になる。きっかけを作ったかもしれないと自分たちを省みるどころか、他局のワイドショーでは、「一般人の発信はメディアと違って精選されていない」と口にしていた。専門家でもない芸能人が無責任に発言して、批判されていることを分かっているのか。意図的な情報操作と捉えられる内容ばかりの現状を自覚してほしい。

  • キャスターが、番組の最後に、「ここでお詫びです」と言いつつ、具体的にいつのどの放送でどんな間違いがあったのか触れず、「○月○日の○○の放送で間違いがありました。訂正してお詫び申し上げます」。これだけ言われても全く分からない。このようなことが複数回ある。まるで指摘元に対して、番組で謝りましたよと言わんばかりに聞こえる。もっと視聴者の方を向いた訂正をしてほしい。

  • このところのBS放送は、どの局も代わり映えしない番組の横並びで、非常につまらない。朝から晩まで通販番組ばかり、それも「お金のたまる財布」「腰に巻くだけで腹筋が鍛えられる」など、うさんくさいオカルト商法的なものが多い。ドラマにしても、韓流ものかサスペンスばかり。ジャンルが偏り過ぎだ。わざわざ高い工賃を払ってアンテナを設置したというのに、これでは話にならない。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 夏の甲子園が中止になって、そのニュースを取り上げるのは分かるが、他の学生スポーツ大会も中止になっているので当事者たちの気持ちは同じではないか。夏の甲子園だけピックアップされたら、他のスポーツをやっている人たちがかわいそうだ。

【「暴力・殺人・残虐」に関する意見】

  • クイズ番組でスポーツ選手の解答者が変な答えをしたときに、お笑い芸人の司会者がいきなり顔を平手で叩く場面があり、相当痛そうだった。他の解答者には小学生も含まれていたし、テレビを見ている子どもも多いはずだ。顔を叩くのはいじめを誘発する行為だと思う。

【「犯罪の助長」に関する意見】

  • 最近のバラエティー番組は昔と比べてコンプライアンスの問題からか、過激さが抑えられていると感じるが、逆にドラマは表現の自由が過度に主張され、犯罪を誘発・助長するような場面がリアルに描かれているものが多い。子を持つ親としては非常に遺憾に思う。

2020年4月に視聴者から寄せられた意見

2020年4月に視聴者から寄せられた意見

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された。その状況の中で、番組の生放送、収録、取材のあり方などへの意見が多く寄せられた。

2020年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,431件で、先月と比較して665件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール97%、電話3%(電話応対は4/7まで)。
男女別は男性59%、女性40%、不明1%で、世代別では40歳代26%、30歳代23%、50歳代18%、20歳18%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ758件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、28件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新型コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が出された。番組の生放送、収録、取材のあり方などへの意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は212件、CMについては42件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は73件で、前月から14件減少した。
今月は「表現・演出」が27件、「報道・情報」が9件、「要望・提言」と「低俗、モラル」が8件、「その他」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 日々増していく新型コロナの不安を大きくさせる報道はやめてほしい。飲食店、旅館、自治体、医療関係者などの悲鳴や困惑している姿ばかり報道して、一体何がしたいのか。不安を投げかけているだけで、何の解決にもなっていない。また、国、政府を批判する報道が多いのも気になる。国や自治体が検討している補償や補助について、もっと情報を流すべきだ。国民のみんなが新型コロナに対して収束するよう努力している。報道関係者も人々の行動心理を考えた、適切で的確な報道を願いたい。

  • 戦後最大の国難の中、報道の自由という名のもと、無責任に国民の恐怖心をあおり、政権の足を引っ張るどころか、医療崩壊を招きかけないコメントを、どこの医療関係者かも分からない人物や、政治や医療の知識もない芸能人や論説委員などに語らせ、国の政策に国民は戸惑っているかのように伝えている。また、若者が無責任に行動しているかのように編集したり、基幹企業本社が多くある品川駅の出勤風景をわざわざ撮り、緊急事態宣言が意味のないもののような印象を与えている。これはもう悪意の報道でしかない。企業も国民もそれぞれが国に協力し、自分達ができること以上の事を行なっている。放送局も今一度放送倫理を考え直し、国民の糧となるような報道姿勢を取るべき時だと感じる。

  • アメリカのテレビ局は、大統領の記者会見の際、画面下にテロップで、言っていることが本当かどうかのファクトチェックを流している。日本でもそれが必要ではないか。総理の記者会見は、「あらゆる手を尽くす」「速やかに取り組む」など、抽象的で力強い言葉が並ぶが、マスクの供給も休業補償も何一つ速やかに行われていない。あらゆる手を尽くしているなら、なぜ今、医療崩壊の危機にあり、現金給付でもめているのか。2月末の会見では、マスク供給の確保を明言したが、店からは消えたまま。医療現場にすら行き渡っていない。そうしたことをきちんと検証し、過去にこう言っていたが、現状はどうなっているか、達成できたのか、できてないのであればなぜなのか。それを伝えるのが報道ではないか。総理の言葉をただ流しているだけでは報道とは言えない。権力の監視が報道の仕事である。今の報道の仕方では、政府の広報機関と同じだ。

【番組全般・その他】

  • 国民のみんなが不安を抱え生活している。生活に必要な情報は、ニュースで放送してくれたら十分だ。ワイドショーの無責任な情報は、国民が混乱するだけだと思う。

  • 朝の番組を見た。3月末のロケと明記しながらの、大型遊園地や伊勢神宮観光の映像。すでにコロナは蔓延しており、自粛しなければいけない時期。「3連休に緩みが出た」と報道しておきながら、自分たちが緩みの極限。ほとんどの人が遊園地を自粛していた時期に、マスクなしで大絶叫。かなり蔓延していた東京から、ウイルスを持ち込んだと思われても仕方がない。

  • メインキャスターの新型コロナ感染が判明した。それから2週間以上経つが、視聴者への説明がほとんどされていない。その一方で、感染が広がった病院の院内感染のニュースなどを取り上げている。まずは他者を批判する前に、自分達スタッフになぜ感染が広がったのかを検証するほうが先ではないか。番組スタッフが、病院や政府、街中などにいまだに取材に回っているが、彼らこそが感染を広げている。自分たちは特別だという意識が蔓延しているのではないかと思う。

  • 新型コロナの対策にあたり、赤ちゃん用品を代用した方法を放送でが取り上げたことで、買い占めが起こっている。消毒薬の代わりに哺乳びん洗い、マスクの布の代わりに赤ちゃん用ガーゼ、マスクの衛生維持のために母乳パッドなどだ。乳児は大人より免疫力が低く、清潔な環境を維持するため、赤ちゃん用品が必要だ。ただでさえ、新型コロナの影響で出産に不安を抱く妊婦が多い中、必要なものが揃えられず、さらに不安を抱く妊婦は少なくない。このような放送は見直してもらいたい。

  • 夜の番組を見た。新型コロナについて、知りたいことを専門家の人から聞くコーナーがあり、とても良かった。どういう環境が感染しやすいか、一般的な会社員の生活状況を例にあげて説明していたので、不安が少し和らいだ。在宅勤務でテレビを見る機会が増えたが、議論しても解決にならないことを延々続ける番組や、税制も社会環境も違う他国の状況の一部だけを切り取って、日本の対策のここがだめ、あれもだめと批判する番組ばかりで、気が滅入っていた。この番組のように、きちんとしたデータをもとに、客観的に説明してもらえるのは貴重でありがたい。特に、医師による感染防止対策は参考になった。

  • 新型コロナの影響で、番組制作が制限され、コンテンツが制作できない状況が続いている。外出自粛の要請が出て、コンビニやファミリーレストランの深夜営業も中止や時間短縮になっている。この際、テレビ放送の24時間放送の見直しを検討してはどうか。バブル期に便利で自由な時代になり、24時間放送が定着したが、今の時代に本当に必要なのか。少しは時代が戻ってもいいのではないかと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 新型コロナウイルスで小中学生、幼稚園児の自宅待機が始まった頃から、子どもの自宅待機ストレスとともに、親の子どもへのストレスも取り上げられ始めた。私は子どもに「私がいるとストレスになるの?」と聞かれた。大人にはストレスが愛情とは違うところにあることが理解できるが、子どもには自分が家にいることが親のストレスになっているという解釈をしてしまっている。もう少し分かりやすく、家にいる事ではなく、家計や仕事に行けないからだなどといった説明が必要だと思う。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で父親が全裸になり自分の肛門に水を入れ、それを噴出させる様子を小学生の娘二人に見せる企画を放送していた。これは性的虐待に当たるのではないか。スタッフも司会者も止めるような発言がなく背筋が寒くなった。放送を作る方々には性的虐待についてよく学んでいただきたい。

【「その他」】

  • 新型コロナウイルス緊急事態宣言後、各局とも宣言以前に収録済みと思われる番組を放送しているが、いわゆる“三密”をしているものが多い。自粛中の子どもに、テレビは三密していいのかと聞かれて困っている。過去に収録済みの番組には、必ず収録日を明示するか、明示できないなら放送しないでほしい。

2020年3月に視聴者から寄せられた意見

2020年3月に視聴者から寄せられた意見

世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルスについて、各国や日本国内の状況を報じた番組への意見など。

2020年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,766件で、先月と比較して302件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、郵便 1%、FAX 1%。
男女別は男性68%、女性31%、不明1%で、世代別では40歳代29%、50歳代22%、30歳代22%、60歳以上16%、20歳代9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は延べ888件【52局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、28件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

世界的な感染拡大が続く新型コロナウイルスについて、各国や日本国内の状況を報じた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は82件、CMについては27件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は87件で、前月から4件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「報道・情報」が15件、「要望・提言」と「その他」が7件、「低俗、モラル」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナ感染拡大の影響で、トイレットペーパーやティッシュペーパーの品不足が連日放送されている。放送では、デマであることも、在庫は潤沢にあるとのコメントもされているが、その背景に流れる画像は、大型店などにおける空っぽの棚ばかりが強調されている。視聴者に飛び込んでくる印象は、言葉より画像の方がはるかに強烈に残る。それを見ればやはり、「買いに行かねば…」と走ってしまう人たちがいるのではないか。デマによる異常な状態を鎮静化するには、映像の扱いも慎重にした方がいい。

  • 報道と現実社会の隔たりがひどい。全国的に学校が休校となり、外出を我慢している子どもたちが多いのに、ごく少数の繁華街で遊ぶ子どもたちを取材、マスクを買い占める高齢者やパチンコに興じる高齢者は一切報道しない。放送全体の信頼度が低くなっている。今はネットで相互発信できる時代。報道が不自然であればあるほど、視聴者の怒りは増していく。

【番組全般・その他】

  • 新型コロナについて、冷静な対応を呼びかけるべきマスコミが、無責任に不安をあおり続けている。全国一斉休校要請以前は、「対応が遅い、小出しで緩い」と批判していたが、休校要請が出た途端、「唐突で影響が大きすぎる」と批判している。マスコミが権力の監視役なのはその通りだが、一貫性がなく、無責任に何でも批判ありきというのは違うと思う。特に、ワイドショーなどで、医学や法律などの専門知識がないタレントに、安易にコメントさせるべきではない。間違った情報が拡散されており、危険に感じる。

  • 朝の番組を見た。新型コロナの流行で閉塞感が漂う中、現状できていないことばかりを並べて、不安をあおる内容が多過ぎる。政府、行政が行っている対策が分かりにくくても、死亡者が少ないことをもっと評価してもいいのではないか。未知のウイルスなのだから、手探りになって当たり前だ。今どんな対応をしているのか、現場の奮闘の取材に時間をかけて、国民に誇りを持たせてほしい。この番組は、以前は、考え方を広げる上で役に立ったが、今は、日本をおとしめようとする番組にしか見えない。他国と比べ、欠点ばかりをずっと指摘し続けるのは、子育てなら虐待だ。自信をなくし、精神的に悪影響を及ぼすと思う。すでにある事実やデータを、挙げ連ねて文句をいうのは誰でもできる。視聴者への影響を考えながら、メディアにしかできない仕事をしてほしい。

  • 飲食店の取材をしていた。リポーターはこれ見よがしに、店に入る前、「マスクをします」とアピールして入店。しかし、店側は、していたマスクを外してインタビューに答えた。厨房に立つスタッフもマスクを顎にずらして調理していた。この店のスタッフは、取材時以外マスクはしていないのではないか。マスクをして接客する店が取材したいのであれば、そういう店を取材すればいい。していない店を取材するのであれば、それもそうすればいい。コロナに関する状況は、いわゆるパニックで、そこには意見の相違があって当然だ。マスクについても、それぞれの見解があるのだから、それをそのまま伝えた方がいい。取材対象の意図しない状況を、放送局、つまり自社のコンプライアンスに合わせて放送するのはどうかと思う。

  • 日本での爆発的な感染拡大は目の前に迫っている。国民の自由と権利に縛られて後手に回り、弱腰にならざるを得ない政府の対策は、結果として国民生活をさらに固く縛り上げることになるのは目に見えている。そうなると、個人の意識と自己制御に死活がかかってくることになるが、その源になる情報が散逸的でまとまりに欠け、国民が同じ方向を向くことができない。マスクは必携とも不要とも言われたり、若い人たちが重症化しないという認識の下で遊び回っていたり、症状がないからと無自覚でウイルスをばら撒いている感染者がいたりと、人が本当に向くべきところが正しく認識されていない。病院がパンク状態になったら、後は人知を超えた力を当てにするしかない。国民に正しい認識と手段を授けてもらえるよう、また、切実に注意喚起を促すよう、各局合同で統一の時間に、コロナ関連の情報番組を放送するよう検討してほしい。

  • 世界では、政治家もきちんとマスクをし、感染を予防しようと全力で努めている国がたくさんあるのに、なぜ日本では、いつまでたっても変化が見られないのか。テレビの出演人数を制限、街頭インタビューをやめ、ネット投稿などにする。一ヵ所にたくさんの人が集まらないよう心がける、外の映像は景色などに制限し、外出意欲をそそるような店やレジャーについての放送をやめ、楽しく家で過ごす方法や最新グッズ、新たな時代の形など、限られた環境の中で、いかに楽しく有意義に過ごしてこのピンチを乗り切ることができるか、視聴者の気持ちを汲んだ内容に変更するのは難しい事なのか。「みんな同じなのだ」と気持ちを強く持てるような放送のあり方を検討してほしい。目に見えないウイルスに危機感を感じ、様々なことを犠牲にし、自らを律している視聴者がいることをきちんと実感してもらいたい。

  • バンジージャンプのできない芸人を集め、誰かが飛ぶまで帰らせず、食事もさせず、真冬の寒い中で過ごさせる。また、別の芸人が催眠術をかけられ、あられもない姿でいる様子も放送されていて、そこでチャンネルを替えた。新型コロナの問題や、東日本大震災から9年目など、それらを理由に自粛を求めるのではない。こういう時こそバラエティー番組を見て、気分を変えようとする人たちも多いだろう。だが、この番組を見て、誰が幸せになるというのか。震災で大変な思いをした人、自宅勤務を強いられている人、休校の影響を受けている人、そういった人たちが、これを見て良い気分になるとは到底思えない。

  • 土曜夜のバラエティー番組を見た。鈴や瓶の音が鳴らないようにミッションをクリアする企画。不謹慎でもなく、人を傷つけるものでもなく、何より騒々しい番組ばかりの中で、静寂が際立つ素晴らしいものだった。大相撲やプロ野球の無観客試合で、実際の競技音に注目が集まるという時流ともあいまって、臨場感があふれていた。これからの民放局における番組制作の可能性を見直すいい機会になった。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 新型コロナウイルスを扱う情報番組で小中学校の休校を取り上げているが、記者が家庭に上がって子どもや親をインタビューしている。記者は、自分は大丈夫と思って接触しているのか。陰性を確かめているのか。直接インタビューし、家に上がり込むとは何のための自粛なのか分からない。

【「要望・提言」】

  • 休校による子どもたちの自宅待機を知りながら、日中帯に新型コロナウイルスの不安をあおるような番組を繰り返し放送している。今こそ子どもたちのための放送に努めるべきではないか。各局輪番で、常に一番組は子ども番組の放送をお願いしたい。

【「言葉」に関する意見】

  • “クラスター”という言葉を“集団感染”という意味で使っているが、本来は“集団”という意味の単語だ。休みでテレビを見ている子どもたちがクラスターを集団感染という意味と間違って覚えてしまわないか心配だ。日本語に集団感染という言葉があるのだから、わざわざ英語を使う必要もない。

2020年2月に視聴者から寄せられた意見

2020年2月に視聴者から寄せられた意見

中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、日本国内でも感染が広がっている。それに関する政府の対応、感染者の状況、生活用品の不足などを報じた番組への意見が多く寄せられた。

2020年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,464件で、先月と比較して252件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、郵便 1%、FAX 1%。
男女別は男性68%、女性31%、不明1%で、世代別では40歳代29%、30歳代23%、50歳代18%、60歳以上16%、20歳12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は延べ758件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、26件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

中国・武漢で発生した新型コロナウイルスは、日本国内でも感染が広がっている。それに関する政府の対応、感染者の状況、生活用品の不足などを報じた番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は65件、CMについては31件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は83件で、前月から35件減少した。
今月は「表現・演出」が31件、「動物」が11件、「いじめ・虐待」と「その他」が6件、「低俗、モラル」と「報道・情報」が5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 新型コロナウイルスについて、「中国野菜が品薄になる」という内容で、東京豊洲市場関係者からのコメントを報じ、その後、「在庫が尽きれば国産野菜が品薄になる」とコメント。その報道に、輸入量や生産量などの量的データは一切なく、市場関係者の意見を世の中の事実のように報道していた。これでは、「野菜がなくなるから少しでも早く買いに走れ」と言っているようなものだ。また、マスクに関しては、「中国では在庫がなくなり、日本でも品薄状態になっている」ということだけを報じ、ウイルスに対するマスクの有用性などにはほとんど触れず、ただ市民の不安をあおるだけの報道を繰り返していた。報道を裏付けるデータの提示が必要だと思う。市民を守るどころか、不安をあおるだけの報道姿勢には疑問が残る。

  • 報道が政府方針に批判的な内容に偏重しており、国民の不安を必要以上にあおっている。例えば、マスクがない、トイレットペーパーもないなど。そのため、さらに買い占めに走る人が増え、生活を脅かす事態となっている。このままだと、ウイルスではなく、マスコミによって日本が破壊される。バランスの取れた報道が必要だ。

  • 新型コロナウイルスについて、現状を把握するため報道番組にチャンネルを合わせても、声高に叫ばれているのは政府への批判ばかり。政府から出された受診の目安、働き方や外出に関する広報など、公式に出された重要な情報は一瞬しか扱わない。専門家やコメンテーターの憶測を大々的に伝え、「もしもこうなったらこんなに大変な事になる」と視聴者の不安をあおるのみ。可能性を予測して対応策を講じるのは重要だが、全く根拠に乏しい情報しか伝えないのは、報道としての役割を無責任に放棄している。むやみに不安、風評被害、行政への不満をあおり、これが果たして視聴者にとってプラスになるのか。正確で冷静な情報提供を切に求めたい。

【番組全般・その他】

  • 昼の番組を見た。新型コロナウイルスの集団感染が確認されたクルーズ船の乗客へのインタビューで、司会者やコメンテーターが、不満やネガティブな意見を何とか引き出そうと誘導していた。一方、インタビューに対応していた乗客の方はとても良識があり、他の乗客への気配りや乗務員の対応への感謝を終始述べていた。不安をあおろうとするマスコミと、現場でポジティブに対応しようとする人との対比が印象に残った。

  • 特集として、新型コロナウイルスを取り上げていた。対応策や治療薬などが明確になっていない状況で、国民に対して、「それほど怖がる必要はない」といった安易なメッセージを流すのは適切なのか。しかも、放送は録画されたもので、日ごと大きく変動している状況のもと、国民の生命にかかわる事柄を安易なアプローチで放送し、「安易な安心」を報じることに問題はないのか。これを受けて警戒を解く人たちが増え、ウイルスの感染拡大の一因とならないことを願っている。

  • 新型コロナウイルスの患者対応で、命懸けで医療業務にあたっている医師をもっと応援してほしい。現場では必死で事態を収拾させようと頑張っている。彼らにも家族がいて、逃げ出したい気持ちもあるはずだ。しかし報道されるのは政府の対応への批判ばかりで、実際に身をささげて作業している人たちが報われない。今できることは、現場の医師を信じて応援することだと思う。

  • 関西地方の番組を見た。服装のコーディネート企画で登場した、普段あまり女性らしい服装をしない一般女性に、母親の希望から、無理やり説得するような形で、女性らしい服装をしてもらう内容。ジェンダー観が多様化する中で、本人のあまり希望しない服装をさせるのは不適切に感じた。また、自分らしくいることも尊重されていいのに、女性らしさを持つことが当たり前のように扱われていることに疑問が残った。個性に対する尊厳に欠ける内容は控えてほしい。この放送局は、情報番組におけるLGBTへの視点を欠いたロケ以降、コンプライアンスが一向に改善されていない。

【ラジオ】

  • 最近、気になるのが、ラジオ番組での飲食だ。テレビと同じように飲み食いをして、ただ単に「おいしい、おいしい」の連呼では何も伝わらない。言葉でうまく表現するパーソナリティーもいないわけではないが、ごく少数であり、大方は食欲を満たして終わりである。伝えようという気概が全く感じられない。食べ方も汚く、そしゃく音が耳障りで雑音でしかない。言葉で勝負するはずのアナウンサーや芸人が、食べてはしゃいで終わりである。ラジオの特性を理解していないのではないか。もっとラジオならではの、”しゃべり”で伝えることにこだわってほしい。

青少年に関する意見

【「動物」に関する意見】

  • バラエティー番組で、"亀を持って走ると失禁するか"を検証する企画があったが、明らかな動物虐待だと思う。出演者が笑って眺めており、とても不快になった。教育上もよろしくないのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ワイドショーは、新型コロナウイルスの不安をあおり続けている。学校が休みになり子どもが家にいる。ただでさえ友だちに会えず不安がっているというのに、さらに不安ばかりが増すような放送をしないでほしい。

【「要望・提言」】

  • 新型コロナウイルスの影響で、学校が休みになってしまった。子どもが家にいる時間が長いので、夏休みや冬休みに放送するような子ども向け番組の放送をしてほしい。

2020年1月に視聴者から寄せられた意見

2020年1月に視聴者から寄せられた意見

冬休みに入り、子ども向けの番組についての意見や年末年始の特別番組への意見が多く寄せられた。

2020年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,716件で、先月と比較して447件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話15%、郵便 1%、FAX 1%。
男女別は男性51%、女性48%、不明1%で、世代別では30歳代25%、20歳代24%、40歳代23%、50歳代14%、60歳以上11%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は延べ1,115件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

冬休みに入り、子ども向けの番組についての意見や年末年始の特別番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は64件、CMについては16件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は118件で、前月から30件増加した。
今月は「表現・演出」が34件、「低俗、モラル」が32件、「編成」が8件、「いじめ・虐待」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 国内ニュースにおりまぜて、海外の交通事故の映像が、「間一髪の瞬間」などとして取り上げられている。なぜそういった映像を選んで報じているのか、意図や選定理由がはっきりしない。事故の起きた場所なども詳しく伝えない海外の交通事故の映像に対し、しかも「結局、ケガ人はいなかった」ということを、視聴者はどのように受け取ればいいのだろうか。

【番組全般・その他】

  • 偶然、高校生・中学生・小学生の孫たちと大食い番組を見た。孫たちは、次々に食べ物が口の中に消えて行くところを見て大喜びしていた。しかし私には、大食いをすることも、それを見て孫たちが喜ぶことも異様な光景に見えた。"食べる"ということは、本来、"生きる"ためである。たくさん食べることに何の意味があるというのか。苦しそうに食べ物を詰め込む姿は、食べ物を粗末にしているようにも映る。テレビは、子どもたちの純粋な心に与える影響が大きい。大食い番組はもうやめてもらいたい。

  • 私は、青少年育成にかかわる委員をしている。最近、歩くシーンが多い旅番組やバラエティー番組で、出演者が、道路左側を歩いていることが非常に多い。安全確保の上なら致し方ないが、どのような道路環境であろうが、左側を堂々と歩いている。子どもたちにどう説明すればいいのか。非常識な番組作りが多い。

  • 小さな子どもが難題を乗り越えて、一生懸命"おつかい"に頑張る姿を見せたいという制作者の気持ちは分からなくもない、しかし今回の放送では、4歳の男の子に8キロも歩かせていた。本来は片道2キロのところ、「母親が忘れ物をしたので、2回行くことになり、8キロの行程になった」ということだった。しかし、母親が忘れ物をしたというのは、制作者側の設定だったのではないかと疑いたくなる展開に見えた。本当に忘れたのだろうか?感動的な場面をあえて演出したようで、興醒めしてしまった。

  • 「子どもに悪影響」「青少年に見せたくない」というようなクレームが多く寄せられているが、純粋に笑って楽しみたい者としては、この現状に憂慮している。行き過ぎた表現規制や、事あるごとに巻き起こる自粛ムードによって、地上波、BS、CSを問わず、魅力ある番組が減り、どんどんテレビがつまらなくなってしまっているのは本当に悲しい。そもそも、人によって好き嫌いがはっきり分かれるようなジャンルがあって当然ではないか。それを自分が気に食わないから、「規制しろ」「自粛しろ」などと苦情を言うのはお門違いだ。嗜好に合わないなら見なければいいだけだ。少なくとも法に触れる可能性のあるものや、公序良俗に著しく反するものでなければ、表現の自由は尊重されるべきだと思う。昨今のインターネット社会によって、メールやWEBサイトに匿名で送れるがゆえ、悪質なクレーマーやモンスターペアレントが増えてしまったように感じる。

  • 朝の情報番組を見た。女性が通勤などで、女性専用車両に乗りたくない理由としてあげられた例が、事実とかけ離れている。専用車両に乗るか乗らないかは個人の判断だ。痴漢など、男性からいやな目に合わされたことのある女性にとって誤解を抱かせる内容だった。取り上げた事例がどこの誰からの情報なのか、また、今回の放送に対する抗議の声についてどのように対処するのか、説明してほしい。

  • 水曜夜の番組は、高齢タレントの認知機能の衰えをあざ笑う内容だった。放送を見た限り、彼の発言や取り乱し方は、元々の彼の性格だけでなく、高齢者特有の判断力と認知機能の衰えがあると感じられた。彼に冷静な判断力があったとは思えず、彼が取り乱している姿やそれを笑いのネタにされるのはとても悲しい。もし、自分の家族が衰えた姿をさらされ、世間の記憶に晩年の姿として残ったらと思うとやりきれないのではないか。老いを笑いにすることが、高齢者をどれほど傷つけるか認識してほしい。

  • 大みそかに放送された懐かしの歌番組を家族で楽しく見た。一曲一曲見やすい文字で曲名や歌詞テロップが出ていて、「あの当時は何をしていたか…」などと思い出しながら、家族の会話も弾んだ。毎年、年末恒例の歌番組にうんざりしていたが、こちらは、昭和30年代の曲から最近の曲までバランスよく詰め合わせられ、様々な年代の人が楽しめるように丁寧に作られていて好感が持てた。40歳代の私にとって懐かしい歌もあり嬉しかった。一緒に見ていた70歳代の両親も、知っている曲を口ずさみながら見ていて、こちらまで幸せな気分になった。この番組にチャンネルを合わせて本当に良かった。次回も楽しみにしたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、与えられた課題に対して、失敗すれば体罰が下される内容は、子どもたちに対して悪影響を及ぼしかねない。”失敗イコール体罰”的な番組は排除されるべきでないか。

【「低俗、モラル」に関する意見】

  • 風俗店を題材にした性的な内容の深夜アニメが放送されている。セクハラ行為をギャグにするなど女性差別的な描写もある。このようなアニメが年齢規制もなく青少年が見られる現状に憤りを感じる。

【「編成」に関する意見】

  • 子どもが見ている時間帯に、殺人や死体の出るドラマの番宣はやめてほしい。楽しく見ていたのにテレビを消したり、他のチャンネルを見せたりと安心して見られない。

【「要望・提言」】

  • アニメの規制を強化し過ぎないでほしい。昨今の視聴者は下ネタに不寛容過ぎるのではないか。子ども向けアニメなら子どもが楽しめていればいいのではないだろうか。子ども向けアニメでは下ネタよりもDVシーンを入れるほうが子どもに見せられないと思う。

2019年12月に視聴者から寄せられた意見

2019年12月に視聴者から寄せられた意見

夜のニュース番組で、議員の会見について不適切な編集が行われたことへの批判や、長時間のバラエティー番組への意見など。

2019年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,269件で、先月と比較して675件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性59%、女性40%、不明1%で、世代別では40歳代28%、50歳代23%、30歳代22%、20歳代14%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は延べ682件【58局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

夜のニュース番組で、議員の会見について不適切な編集が行われたことへの批判が多く寄せられた。また、長時間のバラエティー番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は52件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から62件減少した。
今月は「表現・演出」が31件、「危険行為」が9件、「その他」が7件、「報道・情報」と「編成」がそれぞれ5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 議員の定例記者会見のニュースにおける悪意あるVTR編集について。当該場面を見て、なんと無責任な議員なのかと思ったが、後から議員本人のツイッターを通じ、実際の流れや、どの場面が切り取られているのかを説明している情報を知り、本当に起きたこととの隔たりに驚いた。また、翌日の放送で、この件について謝罪があったが、数十秒のアナウンスに留まり、どうして視聴者を騙すような内容を放送したのか?わざわざ会見終了後の発言を組み込んだ意図は何なのか?編集が恣意的でなかったとしたら、なぜこのようなことになったのか?などの説明が不十分で、到底納得できるものではない。正確性、公平性を欠き、誤解を与える放送は視聴者にとって不利益でしかない。早急な改善を求める。

  • 夜のニュースで、スウェーデンの16歳の環境活動家を批判する日本のサラリーマンを取材していたが、なぜ、"新橋でちょっと一杯引っかけたサラリーマン"の談話を、日本を代表する意見のように扱うのか。偏った意見を、多くの人の考えのように報道するのは問題だと思う。

【番組全般・その他】

  • 女性芸人のナンバー1を決める番組を見た。優勝者として、翌日の朝の情報番組と、飲み歩き企画の深夜ロケへ出演する権利を得た。優勝してすぐ徹夜で飲みに行き、そのまま朝の情報番組へ出るスケジュールを組んでいる。あらかじめ決められた飲酒と長時間労働が突然訪れる、テレビ業界のやり方はおかしい。しかも、あまりテレビ慣れしていない芸人たちに、気を抜く隙も与えないという過酷さもある。

  • 漫才の特番を見た。出演した芸人のネタは漫才ではなく、政治的プロパガンダだった。特定の思想を持った人が、芸術やエンターテインメントを隠れみのに、自身の主義主張を展開している。ネタの最後に「これでもうけているのは自分…」と言った、一見、オチに見える発言でカモフラージュしていたが、彼の日頃の言動からすれば、主義主張を展開する場として番組を利用していたのではないだろうか。生放送でない以上、番組制作者の政治的公平性への配慮が十分であったとは思えない。

  • 大食いや激辛料理を食べる企画は、今の時代にそぐわない。たくさん食べる人や辛いものを好きな人を番組で取り上げるだけならいいが、食品ロスを少しでも減らそうとしている流れの中で、チャレンジと称し、出演者が無理やり食べさせられているのを見るのは、気分のいいものではない。

  • 女性ジャーナリストが、元民放局記者から性暴力を受けたと訴えた裁判について、朝の番組のコメンテイターは、「元記者は安倍首相に非常に近い人物で…」「僕は彼女を信じる」と、一方的な理論を展開していた。彼が信じようが信じまいが、それ自体は自由だ。しかしそこに"反安倍政権"の思想を加える必要があったのか。以前より、彼の発言には反政権の強い主張が垣間見られる。放送という公共の場での発言であることを自覚した方がいい。彼を番組に出すのであれば、違う主張の人も出演させるべきだと思う。

  • 朝の番組を見た。「地震からの避難の常識」について、今と昔で比較していてためになった。一方で、専門家による避難対策が、都会の比較的新しいマンションを前提としたもので、一軒家や古いアパートなどに住む人たちにとっては、あまり意味のあるものではないのではと感じた。命にかかわることなので、住居状況をパターン分けするなど、工夫してほしかった。

【ラジオ】

  • 昼の生放送を聞いていたところ、比較的強い地震があった。トークが盛り上がっていて、ゲストが「地震速報入れるのかな?」という話しのテンポになったのに、パーソナリティーはそのまま続行した感じに受けとれた。その後、5分以上遅れて速報が入ったが、地震速報は素早く伝えるものだと思う。放送局の地震に対する基準がよく分からない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 各局でドッキリ番組が放送されているが、人をだます行為で笑いを取ろうとすることに違和感を覚える。子どもたちの見る時間に放送されると、子どもは純粋な分だけ大人が思う以上にテレビの影響を受けやすいからだ。

  • 深夜0時を過ぎた生放送のバラエティー番組に、小中学生の子どもが電話で出演していた。出演させる親も親だが、テレビ局側には18歳未満は不可とする年齢制限を設けるなどの対応を望む。

【「危険行為」に関する意見】

  • 高校生二人が用水路に転落した人を救助したニュースの再現映像で、実際の高校生を用水路に飛び込ませていた。未成年にこのような行為をさせることは危険だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 防犯カメラ映像を流しすぎではないか。暴力事件も虐待映像も偶然見てしまった子どもたちが夜、眠れなくなるのではないかと心配だ。被害者の姿が安易に放送される現状はいかがなものか。ましてや映っているのが未成年であるならばなおさらだ。

【「編成」に関する意見】

  • 深夜番組を日曜の昼間に再放送するのはやめてもらいたい。深夜だから許される内容であって昼間に放送していい内容ではない。子どもも見る時間帯にふさわしくない。

【「言葉」に関する意見】

  • ニュースなどで出来事をアナウンサーなどが語るとき"発覚しました"とあたかもその出来事を故意に隠していたことが放送局の努力により明るみに出たかのごとき表現を行っている。放送局は、日本語をもっと大切に使ってほしい。"わかりました""明らかになりました"など状況により使い分ける日本語の素晴らしさを明日に伝えるために。

2019年11月に視聴者から寄せられた意見

2019年11月に視聴者から寄せられた意見

東京オリンピックのマラソン・競歩競技が、札幌で開催されることが決まったが、それを報じた情報系番組への意見、覚せい剤使用や合成麻薬所持の容疑で逮捕された芸能人を取り上げた番組への意見など。

2019年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,944件で、先月と比較して594件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話15%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性54%、女性45%、不明1%で、世代別では30歳代24%、40歳代24%、20歳代22%、50歳代17%、60歳以上9%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は延べ1,180件【41局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京オリンピックのマラソン・競歩競技が、札幌で開催されることが決まったが、それを報じた情報系番組への意見が多く寄せられた。また、覚せい剤使用や合成麻薬所持の容疑で逮捕された芸能人を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は31件、CMについては20件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は150件で、前月から61件増加した。
今月は「表現・演出」が76件、「報道・情報」が13件、「差別・偏見」が12件、「暴力・殺人・残虐」が11件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 東京オリンピックのマラソン・競歩競技の札幌開催について。東京キー局の放送は、東京と比べて札幌はいかに良くないか、悪いところを探して説明。選手ファーストでも何でもなく、東京ファースト。このような放送を見て、北海道、特に札幌に住む子ども達はどう感じるのだろうか。公平な立場に立って物事を伝えてほしいし、個人的な感情や偏った情報を流すべきではないと思う。全国放送は影響力がある。その点をきちんと考えた番組作りが必要ではないか。

  • 覚せい剤取締法違反でタレントが逮捕された。5度目の逮捕らしい。しかしながら、マスコミの報道は彼に対してあまりに優しい。芸能人と、それ以外の人たちとの報道の仕方が違いすぎる。特に、民放各局の取り上げ方には、何か意図があるのではないかとさえ思えてならない。なぜ、芸能界だけ復帰のチャンスが何度も与えられるのか。覚せい剤で逮捕された場合、一般社会なら二度と復帰できないのに。

  • 人気女優が麻薬所持容疑で逮捕されたニュースが流れているが、これにより、国内外の政治に関する報道が圧迫されないよう願いたい。現在、日米貿易交渉など、非常に重要でデリケートな案件が多数議論されている。ただでさえ、まともに取り上げられないこれらの事案が、さらに報道されなくなることを懸念している。

【番組全般・その他】

  • 夜のニュースで、デモで混乱する香港情勢を報じた後、「ベルリンの壁崩壊30年」の特集企画を放送。国内で何も起きていないなら問題ないが、現職総理が花見会の名目で、地元支援者や著名人、芸能人、友人などを招き、多額の税金で供応していたという重要な事案を、なぜニュースにしないのか疑問に思う。

  • 夜の番組で、新潟で起きた女性刺殺事件を取り上げていた。現場を通りかかったタクシーのドライブレコーダーの映像が流れたが、それには、犯人の姿と被害者女性の悲鳴がはっきりと記録されていた。おそらくその悲鳴は、まさに事件が起こった瞬間に女性が発したものであり、映像こそなかったが、犯行の様子を生々しく想像させるに十分な迫力を持っていた。「事件の詳細を的確に伝えるために」とアナウンサーが述べていたが、被害者、遺族への配慮が感じられない。これをテレビで流すことが正しい放送といえるのだろうか。

  • 大手メーカーの現役社員を取り上げた番組を見た。上司の不正行為を内部通報したところ、左遷されてしまったという内容。再現ドラマがとても分かりやすく、司会者やゲストコメンテーターの発言にも好感が持てた。理不尽な社会の出来事に泣き寝入りする人が多い時代、励まされた視聴者も多いと思う。今後も社会問題解決のために良い番組を作ってもらいたい。

  • 最近、色々な番組にAD(アシスタントディレクター)が出演しているが、言葉遣いを間違えている。お願いする立場なのに、友達のように話している。「そうなんすね」「どうやって知り合ったんすか」「そういうことっすね」「面白いすっね」など、初めて会った人たちに対して、こんな話し方ばかり。なれなれしい。ADさん、失礼ですよ。

  • テレビのバラエティー番組をあまり規制しないでほしい。やらせでも多少下品でも、楽しければいいと思っている。映画が良い例だ。昔みたいに腹を抱えて笑える番組がなくなってしまった。笑わないことは健康を損なうことにもつながる。健康被害を訴えれば勝てるのだろうか。見たくない人の意見を尊重して、見たい人の意見を尊重しないのは不公平だと思う。見たくないなら見なければいいが、見たい人は見ることができない。子ども達に悪い影響を与えるという人もいるだろうが、いじめの悪質さは昔に比べどうなのだろう。影響があるとしたら、それはテレビ以外の媒体に原因があると思う。せめてバラエティー番組だけは、倫理という枠の中から外してもらいたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • お笑い芸人が全権を握って女性アイドルのオーディションを取り仕切るバラエティー番組での芸人の振る舞いは、立場を利用したセクハラ、パワハラで子どもに見せられない内容たった。女性の中には未成年者も含まれ、アイドルになるという夢のため、セクハラを我慢しなければならない状況に陥っていた。

  • クイズ番組で女性の職業を当てる問題が出され、正解がSNS等で知り合った男性と食事やデートに付き合い金銭を受け取る"パパ活"だった。子どもが見る時間帯に、さも高収入の新しい職業であるかのような紹介方法は、青少年に誤解を与えかねず不適切。性犯罪に巻き込まれる恐れもある。

【「報道・情報」】

  • 大阪小6女児行方不明事件で、女児が栃木県で見つかったことの報道で女児の顔写真を出す必要はないのではないか。本人の今後のことを考慮すべきだ。

【「要望・提言」】

  • ホラー映画『IT/イット"それ"が見えたら、終わり』を見た。最近のテレビは規制が多くつまらない中、大変刺激的だった。テレビ離れが進むが、これがテレビ本来の姿でなければならないと感じた。これからも表現の自由を活かして刺激的な番組や面白い番組を放送してほしい。

2019年10月に視聴者から寄せられた意見

2019年10月に視聴者から寄せられた意見

東日本を中心に大きな被害をもたらした台風19号に関する報道への意見や、神戸市の小学校における教師間のいじめ問題を取りげた番組への意見など。

2019年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,350件で、先月と比較して10件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール73%、電話25%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性69%、女性30%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代24%、50歳代21%、60歳以上13%、20歳代12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は延べ724件【62局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東日本を中心に大きな被害をもたらした台風19号に関する報道への意見が多く寄せられた。また、兵庫県神戸市の小学校における教師間のいじめ問題を取り上げた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は47件、CMについては25件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は89件で、前月から18件減少した。
今月は「報道・情報」が33件、「表現・演出」が19件、「いじめ・虐待」が8件、「暴力・殺人・残虐」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 台風19号関連のニュースが一日中流れていたが、取り上げられているのはほとんど首都圏ばかり。宮城県に住んでいるが、地元の情報は、画面の端に小さなテロップで流れるのみ。首都圏と、それ以外の地域の扱いの格差を感じてならない。台風が通過するまで安全に過ごすための情報が欲しいのだが、地元のテレビ局が県内の台風情報を流し始めたのは夜遅くなってから。その時点では風雨ともに最強レベルに達していた。首都圏の被害が大きかったことは理解できるが、ある程度時間が経過したなら、次に被害を受けそうな地域に焦点をしぼって、情報を提供してくれればと思った。

  • 千曲川の近くに住んでいる。長野県には民放が4局あるが、前日の夜は、普段通りバラエティー番組などを放送していた。一夜明けて、朝から台風情報を伝えていた局もあったが、首都圏の多摩川の様子が中心で、千曲川の水位についてはほとんど報じられなかった。テレビでやらないのであまり心配していなかったが、気になったので行政機関に電話で確認したところ、千曲川が氾濫しそうだと聞き、避難を始めた。せっかく県内に放送局があるのだから、災害時くらいはもっと地元に密着した情報を流すべきで、地方局の役割を果たしてほしかった。

【番組全般・その他】

  • 朝の番組で、台風19号におけるホームレス受け入れについて、東京23区に対し、「自主避難所の利用についての質問項目」と称し、アンケートを実施していた。台風による甚大な被害が出ている中、家屋を失い、避難を余儀なくされている人たちが大勢いる。職員がその対応に追われていることは分かりきっているはずなのに、なぜ、現場の人手をアンケートのために割くようなことをするのか。避難所で活動している職員の負担になっていることに気づいた方がいい。台風が通過してまだ日が浅い状況で、このような取材方法は控えるべきだと思う。

  • 朝の番組で、川崎市武蔵小杉の高層マンションを取り上げていた。台風により、停電や断水、トイレが使えないなどの被害が出ているのは、その中のごく一部の建物であるのに、"武蔵小杉のタワマン"という乱暴なくくりで語られるため、ここの高層マンションすべてが被害を受けた印象を与えている。建物の評判が悪くなれば資産価値が下がり、被害が軽微ですんだ大半の住民は、経済的損失という、必要のない損害を被ることになる。停電や断水をした建物もあるのは事実なので、それを伝えるのは仕方ないが、「被害が出ているのはその一部である」ことを明らかにして放送してもらいたい。

  • 防衛大臣の発言に対する報道は、あまりにもひどい。前後の脈絡からして失言でもないし、報道側の悪質な意図が読みとれる。千葉県に住んでいるが、大臣のツイートは、災害時に一番分かりやすく的確なものだった。このような報道に対して、大臣が謝罪せざるを得ない状況になったことは異常であると同時に、これを報じた番組は、報道の信憑性を大きく損なうことになったのではないかと思う。

  • 大阪のメロディーを特集した歌番組は、司会者も出演者も楽曲も文句なく、久しぶりに楽しい番組を見ることができた。台風被害のニュースなど、気持ちが沈みがちな昨今、心が洗われる思いがした。次回の放送を楽しみにしている。

  • 朝の番組で、"小物整理術"というコーナーがあったが、とても参考になりためになった。これからもがんばってほしい。

  • 神戸市の教師間いじめ問題が、連日くり返し報道されている。小学校の中で起きたことは犯罪であり、決して許されるものではない。しかし、いつの間にかその扱いが面白半分な内容になっている。同じ映像をくり返し流し、視聴者の興味をあおっているようにしか見えない。テレビ局のこのような姿勢が、この学校に通う子ども達の心をどのように傷つけ、学校、教師に対する不信感を必要以上に強めているかということを、よく考えてほしい。

  • 神戸市の教師間いじめ問題について。そもそも、いじめという表現を使うことに重大な問題がある。学校内での集団暴行や罵倒、恐喝などは明確な犯罪行為であり、被害者教師も訴訟の意思を示している。この状況をいじめという柔らかい表現に貶めることは、犯罪の矮小化に放送局各社が関与しているのと変わらない。児童や学生などの間で起きていた数々の事件も、いじめという名目で適当に濁されてきたが、成人間の問題でこのように扱うことが、未成年者に与える影響も懸念したい。犯罪が社会に矮小化されることが、成人の社会ですら発生するという、絶望的な認識を与えてしまいかねない。報道の役割は、社会問題の存在を明らかにし、問題意識を共有し、社会の意識を変えていく点にあるのではないか。犯罪を矮小化する手助けをメディアが率先して行うという、目を覆うような報道体制が改められることを望んでやまない。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • ノーベル賞受賞者の報道で、他国の受賞者・研究についてほとんど報道されない。日本人受賞者についても研究内容よりプライベートについての報道が多い。日本人に限らずノーベル賞を受賞した研究内容を分かりやすく報道すべきではないか。将来を担う子どもたちに学問の素晴らしさ、楽しさを伝える良い機会なのだから。

  • 教師によるいじめの動画を放送しないでほしい。小学生が家にいてチャンネルを変える、テレビを消す対応をしている。ニュース内容だけでも衝撃的だったが、動画まで流されるようになり当該小学校の生徒、保護者の心情を考えるといたたまれない。

【「要望・提言」】

  • 東京オリンピックマラソン開催地変更の報道で、選手ファーストであるべきとしきりに言っているが、それだけでなくオリンピック精神も伝えるべきでないか。開催場所は問題でなく、メダルを取ることが目的でもなく、スポーツを通じて世界平和を目指すのが本来のオリンピック精神だということを子どもたちにも伝えてほしい。

2019年9月に視聴者から寄せられた意見

2019年9月に視聴者から寄せられた意見

千葉県を中心に甚大な被害をもたらした台風15号の報道に関する意見や、日韓問題を取り上げた情報系番組への意見など。

2019年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,340件で、先月と比較して815件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性64%、女性35%、不明1%で、世代別では40歳代27%、50歳代23%、30歳代23%、20歳代13%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は延べ741件【51局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

千葉県を中心に甚大な被害をもたらした台風15号の報道に関する意見が多く寄せられた。また、日韓問題を取り上げた情報系番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は48件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は107件で、前月から15件増加した。
今月は「表現・演出」が26件、「低俗・モラル」が20件、「報道・情報」が15件、「動物」と「暴力・殺人・残虐」がともに8件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ラグビーのワールドカップが開催されているが、日本以外の、外国同士の試合の報道が少ないのが気になる。開催国として、参加国へのリスペクトが必要ではないか。各国から来日したサポーターが、ホテルなどでテレビを見ても、自国選手の戦いぶりがニュースで報道されていないのは悲しいと思うのだが。

  • 台風15号の報道について。上陸前、気象庁が会見で「記録的な暴風」と警告を繰り返していたが、各局とも大きく取り上げることなく、前日の夜は、バラエティーやドラマなど通常番組を放送していた。台風は地震や津波などと違い、ある程度予測できる災害である。事前の情報をいかに伝えるかが大切であり、それこそ報道の使命ではないか。台風通過後に各局は、「政府、自治体の対応は適切だったか」と責任追及を始めている。来ることが予測できていた災害を、放送で伝えなかったテレビ局こそ、責任が問われるべきではないだろうか。

【番組全般・その他】

  • 千葉県では台風15号による被害が広がり、県南部の私の実家でも停電で不自由な状態が続いているそうだ。在京キー局は、終日台風情報を流していたが、千葉県内各地の詳しい情報までは取り上げていなかった。このような時こそ地元の局に頑張ってほしかった。地元局がライフラインを中心に最新の情報を伝えてくれれば、それを隣県の私がテレビで見て、実家に伝えることができたはずだ。ところが実際のところ、この局はいつも通りに通販番組を流しているだけだった。

  • 連日にわたり、韓国に対する批判的な報道が流れているが、それを見ている家人がすっかり影響されている。特定の内容を長時間聞かされ続けると、人によっては脳に刷り込まれるらしく、家人はまるで自分が見てきたかのように韓国批判をしている。見せなければ良いのだろうが、他に娯楽がないため、テレビはつけっ放しになっている。テレビの影響力はすさまじい。放送をもう少しバランスよく、一方的な批判を続けることのないよう配慮してもらわないと困る。

  • 話題性のあるドラマだったが、殺害シーンなどが極めて残虐であり、また、人を殺害したい衝動から殺害を繰り返すことが正当化されているようで、不快に感じた。見ている子ども達も多いようで、殺害シーンやゲーム感覚の殺人というテーマなどは、悪影響を及ぼさないのかがとても気がかりだ。映画には視聴制限が設けられているのに、ドラマには年令制限がないため、視聴者へ与える影響を考慮した番組作りを真剣に考えてもらいたいと思う。

  • 若手芸人が芸能活動を始める前に逮捕されていたことを週刊誌が報道し、それを受けて、その芸人の出演が取りやめになったり、予定通り放送したりと番組によって対応がまちまちだ。芸能活動を始める以前の、一般人であった過去の、既に罪を償っている逮捕歴により、活動の場を奪われることは妥当なのか。そうであるならば、放送した番組を厳重注意するべきではないか。一方で、過去に逮捕歴のある芸能人が日常的にテレビ出演しているが、その人たちと今回の件の違いは何か。前科者のテレビ出演についての見解が知りたいが、対応に一貫性がない。

【ラジオ】

  • 今回の台風で被害を受けた地域にいた。電波が入らず、携帯電話も全て圏外。テレビも当然つかなかった。「ツイッターで情報を流しています」と言われても、アクセスできない。ツイッターは特に重い。信号機もつかず、道路は大渋滞。猛暑なので、避難所を探しながら、電波が拾えるところまで移動するのも困難だった。ラジオをつけても、1時間に1度情報が流れるだけ。「本日中の電力復旧を目指し…」という情報より、避難所、給水所、受け入れ可能な病院、高速道路の通行情報など、非常時に必要な情報を、24時間流し続けるラジオ局の必要性を感じた。

  • 千葉県の観光などを紹介する日曜昼のレギュラー番組。台風で大変なことになっているのに、女性アナウンサーが番組冒頭で簡単なお見舞いと、今日の放送は8月に収録した録音である旨を伝えただけ。メイン出演者の県知事のコメントや、被災各地の現状報告など一切なし。この緊急事態に、いつも通りのゲストへのインタビューと観光情報。しかもその情報が、被害甚大な館山市や長柄町のいちじく狩り。さらに「変更の場合もあるので、問い合わせは各市町村に電話で…」と来た。ライフラインの対応でてんてこ舞いの館山市に、いちじく狩りのことを電話で問い合わせろという、何の配慮もないラジオ番組。この局は「防災ラジオ」の看板を掲げている。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組のドッキリ企画で、銭湯で入浴している間に、股間がスースーする薬を下着に塗って、芸人の反応を見てみんなで笑っていたが、これは傷害罪ではないか。子どもが真似をしてこのようなことを平気でやるようになったらどう思うのか。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • お笑い芸人がネタを競い合い優勝者を決めるバラエティー番組で、ある芸人の演じたネタが目に余った。子どもが視聴できるゴールデンタイムに男性の下半身の比喩を用いたネタを披露しており、悪影響は必至だ。お笑いだからと看過できるものではない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • さいたま小4男児殺害事件で被害者の同級生にインタビューしていた。身近な友達が殺され、悲しく苦しいであろう出来事で、小学生という年齢を考えてもインタビューする相手が間違っていると思う。

【「編成」に関する意見】

  • 深夜番組を日曜の昼間に再放送するのはやめてほしい。性器の名前を伏字でテロップに出していた。

2019年8月に視聴者から寄せられた意見

2019年8月に視聴者から寄せられた意見

茨城県の常磐自動車道で起きた、あおり運転殴打事件を報じた番組への意見や、韓国、香港などの国際情勢を伝えた番組への意見など。

2019年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,155件で、先月と比較して183件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール82%、電話16%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性57%、女性42%、不明1%で、世代別では20歳代24%、40歳代23%、30歳代22%、50歳代18%、60歳以上9%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は延べ1,357件【46局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

茨城県の常磐自動車道で起きた、あおり運転殴打事件を報じた番組への意見が多く寄せられた。また、韓国や香港などの国際情勢を伝えた番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は56件、CMについては24件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は92件で、前月から17件減少した。
今月は「表現・演出」が29件、「報道・情報」が20件、「いじめ・虐待」が8件、「性的表現」と「暴力・殺人・残虐」がともに6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 台風10号が四国付近で猛威を振るっている15日午前、私の住む三重県も雨風ともにかなり強まっている。そんな中、私の母が突然外に出て家の周りを片付け始めた。慌ててやめさせたが、母が言うには「テレビで片づけるように言っていたから…」。直前に見ていた番組司会者の「台風が来るので、家の周りを片付けましょう」との呼びかけに応えたものだった。確かに、まだ台風の影響のない首都圏の人たちには当てはまる警告だ。キー局なので無意識に伝えていたのではないか。全国ネットで流している以上、地域により状況が違うということ、そしてテレビの呼びかけを妄信する老人が少なくないことを意識してもらいたい。

  • 韓国に対しての輸出規制強化を報道していたが、規制強化ではなく、優遇措置を解除し、通常輸出に変えたことではないか。優遇しないということと、規制強化するということとは意味合いが違う。報道番組も、ニュースを扱う情報番組も、事実とは違う情報を伝えている。個人で調べ、情報収集し、何が起こっているのかを知ろうとしなければ事実が分からない、誤った情報を事実として認識してしまうようなテレビ放送に失望している。

  • 香港の空港デモが報じられ、日本人観光客による「デモはいいけど、観光客にまで迷惑をかけるのはどうか」というコメントが流された。空港のデモ活動は、航空会社や関連施設への営業妨害はせず、ロビーへの座り込みと外国人への呼びかけを行っていたはずで、市街地での暴動を避けるためでもある。こういった背景、事情を一切説明せず、デモの影響で空港が閉鎖し、利用客が迷惑していることだけを報道するのはなぜなのか。天安門事件のような惨劇を繰り返さないよう、事実に基づいた背景の説明をしてほしい。

【番組全般・その他】

  • 夕方のニュースで、京都アニメ放火事件の被害者に対し、「あんなアホいない」という誤ったテロップが流された。テレビ局側は弁明の中で、チェック体制の甘さを認めていたが、犠牲者の出た事件においては、人命を尊重し、厳重なチェックが行われて当然だ。にもかかわらず、厳粛な場面で突然原稿に現れた「アホ」という言葉について、確認すら取らなかったことは、スタッフの想像力が貧困であると言わざるを得ない。一連の報道とその弁明から、事件報道の向こうには被害者やその関係者がいるという意識が著しく欠如しているように思え、懸念を抱いている。この一件により、この局は、バラエティー番組を扱うのと同じ感覚で事件報道に臨んでいるのではないかという疑念が生じた。事実を報道する機関として、センシティブな話題を扱う際の、意識に対する改革を徹底的に行ってほしい。

  • あおり運転の証拠となる、ドライブレコーダーの映像について。暴行を受けている瞬間の映像を、日に何度もテレビで放送されているのを目にする。実際の映像で、生々しく、見る側も苦痛を覚える。一度見れば十分だ。入手した映像を繰り返し利用し放送する手法は、各局の視聴率や利益優先主義に問題があることは否めない。すぐチャンネルを替えたり、テレビを消したりと、視聴者側が避けるしかない。ここ最近、不本意にその映像を見てしまうことが続いていて、かなりの苦痛を感じている。また、似たようなケースが起きたときのためにも、心理的影響を考慮した放送のあり方を求めたい。

  • 昼の番組であおり運転事件を取り上げ、容疑者の男女が飲食店で食事をする様子の動画を放送した。暴力や暴言の証拠であればともかく、ただ食べているだけの映像である。テレビで流す意味が分からない。容疑者というだけで何でも公開されてしまうのか。

  • 列車運転士が走行中に居眠り、乗客が動画を撮影、鉄道会社側は謝罪という流れのニュースがあった。つまり、動画を撮っているだけの視聴者の投稿映像を、そのまま使用したということだ。運転士が急病の可能性もある。動画を撮る前に運転士に声をかけることのほうが大切ではないか。昨今の動画投稿をもてはやす風潮が、このようなことにつながっているとも考えられる。テレビ局側は、良い動画を探す姿勢だけではなく、動画を撮る前にするべきことがないかという提議もしたほうがいいと思う。

  • 情報番組にランキングの制作を依頼されたが、何回かの修正の後、提供したものとは全く別ものに改訂され、放送された。演出を超えるやり方で、やらせ・ねつ造と考えられる。このようなことは今回のみならず、依頼されるたびのことで、弊社だけでなく、他社に対しても同様の行為が行われているのではと推測される。番組ディレクターによれば、「上司に言われて…」とのことだが、組織としてこれが常態化しているのではないかと危惧している。

  • 朝の紀行番組で、「ハモ定食」を紹介していた。1,800円にしては豪華な内容だった。放送を見てその店に行ってみた。注文して出てきたその定食は、放送で紹介された内容と違い、焼きハモや酢の物などが付いていなかった。店のメニューに載っている写真とは同じものだった。つまり、番組で紹介された「ハモ定食」だけが、とりわけ豪華になっていたと考えられる。おかしいので局に問い合わせたが、「担当者に伝える」とだけ言われた。これでは納得いかない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、タレントが他の出演者に押さえつけられて出産のマネをしていた。股間にタオルをかけ、下品な行為を強要することを笑いにしている。出産は女性にとって命がけの行為だ。子どもたちに出産に対する間違った感覚を与えかねない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • あおり運転に関する報道で、容疑者が殴る映像を流すのはもうやめてほしい。小学生の子どもも映像が流れると手で顔を隠して、見たくないと言う。あんなにしつこく、どの局も殴る映像を流し続ける意味はあるのか。

【「編成」に関する意見】

  • 金曜日の夜の国民的アニメが土曜の夕方に移動すると発表された。しかし、その時間に移動すれば番組を見る子どもが減るのではないか。また、私の住んでいる関西では、毎年夏、高校野球の中継があるため、潰されてしまうことがある。

【「喫煙・飲酒」に関するの意見】

  • お昼のバラエティー番組で、一人あたりレモンサワー5リットル飲み切りという企画をやっていた。アルコール1日あたりの適量を大幅に超えていると思われ、危険ではないか。多くの未成年も見る時間帯に放送する内容ではない。

2019年7月に視聴者から寄せられた意見

2019年7月に視聴者から寄せられた意見

京都府のアニメ制作会社で発生した放火事件を報じた番組への意見や、お笑い芸人の闇営業問題を扱った番組への批判など。

2019年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,338件で、先月と比較して749件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール81%、電話17%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性52%、女性47%、不明1%で、世代別では40歳代26%、30歳代24%、50歳代19%、20歳代17%、60歳以上11%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ1,489件【57局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

京都府のアニメ制作会社で発生した放火事件は、35人が死亡する大惨事となった。それを報じた番組への意見が多く寄せられた。また、6月に引き続き、お笑い芸人の闇営業問題を扱った番組への批判も多かった。
ラジオに関する意見は57件、CMについては27件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は109件で、前月から48件増加した。
今月は「表現・演出」と「低俗・モラル」がそれぞれ27件、「暴力・殺人・残虐シーン」が19件、「報道・情報」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 京都アニメ放火事件のニュースで、「容疑者は小学校時代にこんなことを書いていた」と文集を紹介していた。これには納得できない。現在の情報であるなら、犯行動機を知る手がかりになるかもしれないが、小学生の頃など、まだ世間がよく分からないし、どんな夢を描くのも自由なはずだ。これを伝えたところでいったい何が解決するというのか。

  • 参議院議員選挙翌日の各局の情報系番組は、選挙の話題よりも、芸人の闇営業の問題ばかりに時間が割かれていた。国政選挙よりも芸能スキャンダルのほうが視聴者の関心が集まるのだろう。若者の政治離れが問題であるように、これでは政治に対する興味や関心が低下する一方だ。国政選挙の話題を疎かにするような報道姿勢は、日本のメディアのレベルが疑われることを考えてもらいたい。

  • 芸人の闇営業問題は、反社会的組織とのつながり、金銭の授受が問題なのに、問題を起こした芸人たちのテレビ会見から、芸人の同僚たちと所属事務所の非難合戦、先輩芸人を巻き込んだ応援合戦の様相を呈してきている。忘れてはならないのは、芸人と反社会的組織との結びつきが絶対にあってはならないことである。これを、芸人と所属事務所のもめごとにすり替えて報道してはならない。基本は反社会的組織との遮断、問題の追求である。

  • 「西日本で大雨の恐れがある」とニュース、天気予報で報道されるが、西日本と言っても範囲が広い。どの地域なのかを限定してほしい。西日本だけでは分かりにくい。西日本で大雨との予報だったが、私が住んでいる四国の瀬戸内側は、全く雨が降らなかった。その際に流れる雨雲レーダーも、局によってさまざまで、どれを信じていいのか分からない。もっと精度を上げて、具体的にどの県、どの地域で大雨の恐れがあるのかを伝えてほしい。

【番組全般・その他】

  • 西日本豪雨を伝えるコーナーで、被害に遭われた方が撮影した映像が流された。インターネット上でかなりの再生回数だという映像は、水がすでに町に広がった状態なのに、撮影者と家族が何度も家に戻るといった内容。家財道具などを2階に上げたいという気持ちは分かるが、この映像を見る限り、「すぐに避難をしなくてもいいのでは…」と誤解を与える可能性がある。アナウンサーが「早めの避難が大事」とコーナーを締めていたが、矛盾にもほどがある。ネットで人気の動画を使いたかっただけとしか思えなかった。

  • 芸人の闇営業問題について、朝番組の司会者が、所属事務所を激しく批判し、「経営陣が変わらないなら自分が辞める」と恫喝するような言い方をしていた。所属事務所に対してどう思おうと自由だが、それを番組の中で興奮して言うべきことだろうか。事務所の人間に直接話せばいいことではないか。同じ事務所の女性芸人も一緒になって批判していた。公共の電波ということを忘れている。この番組の制作スタッフも、これをおかしいとは思わないのだろうか。

  • 話題になっているので初めて見た。衛星画像で山中に建っている一軒家を映し、その後その地域を訪れ、家の所在地を突き止めて訪問する番組だが、見ていて驚いた。一軒家の所在地、家族構成、職業、年齢など、すべての情報がテレビで流されていた。取材された人は、プライバシーや治安の問題に疎く、テレビの取材に喜んで答えてしまったのかもしれないが、テレビ局側は、番組が放送されることで起こりうるリスクを十分に承知しているはずだ。そのリスクを取材される側にしっかり説明していたのだろうか。この一軒家には、太陽光パネルなど高価な設備があり、冬場は誰もいない状況になることが、誰にも分かる放送内容だった。局側が、セキュリティー意識の無警戒さを悪用しているように感じた。

  • 野球中継を見ていると、今やどの番組でも通行人の顔にはモザイクがかかるのに、中継では無遠慮にスタンドに座る客の顔が映る。しかも頻繁に。チケットを買って入場した時点で許諾したことになり、それを暗黙の了解とし、テレビ中継やスポーツニュースなどで映像が使われる。放送されても仕方がないといった勝手なルールがあるようだ。これではあまりにも一方的で、今の時代、まかり通らないのではないか。スタンド全体が映ってしまうのは仕方ないにしても、アップで撮られることが多々ある。私もよく球場で観戦するが、テレビに撮られに行くわけではない。個人情報の取り扱いが厳しくなった今だからこそ、見直してもらいたい。

  • 子どもがおつかいに行く番組は、ほのぼのとして、かわいくてすばらしい。このような番組を見て、若い男女が結婚し、かわいい子どもを育てたいという気持ちにならないものか。すばらしい日本を、子どもたちに引き継ぐためにも、テレビで少子化などと騒いでいるだけでは、若者たちはどうしていいのか分からないだろう。普通に幸せな生活でいいから家庭を持ち、夫婦で子どもを育てる人生を若者たちに導いてやるような番組を作り、それを放送することが、テレビ放送業の使命ではないかと思う。

青少年に関する意見

【「低俗・モラル」に関する意見】

  • ドッキリ企画がテーマのバラエティー番組に、裸の成人男性が逆立ちして、おしりを見せるという低俗な着ぐるみが登場した。ゴールデンタイムに放送しており、小さな子どもたちが集まる場所でロケを行っている。この着ぐるみが制作者の間で問題にならなかったことが信じられない。

  • 深夜のバラエティー番組で、若いアイドルの女の子たちの顔に向かってお笑い芸人がお尻を近づけ、どれだけ我慢できるかという企画を放送していた。アイドルはあからさまに嫌がっていて、見ている私もとても嫌な気持ちになった。セクシャルハラスメントであり、女性軽視的な内容だった。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 敏腕刑事と声紋分析官が連続殺人犯を追う刑事サスペンスドラマについて、暴力的なシーンが多すぎて見るに堪えない。初回で問題提起なのかもしれないが、救いのない終わり方で、嫌悪感しか残らない。こうしたグロテスクな描写が、青少年の目に触れるのは危険だと思う。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、2歳児を一人でおつかいに出す内容について。常識的に考えて一人でおつかいに出せる年齢ではなく、都市部であれば事故や事件に巻き込まれてもおかしくないと思います。これを放送するのは、影響力を考えれば無責任すぎると思います。

【「言葉」に関する意見】

  • 最近、アナウンサーが「やばい、やばい」と言うが、この表現はいかがなものか。「ハワイやばい」は日本語だろうか。日本全国、年寄りから子どもも聞いている。特に、子どもは何かあれば「やばい、やばい」と言う。これを聞いていると、番組を見るのが嫌になる。

2019年6月に視聴者から寄せられた意見

2019年6月に視聴者から寄せられた意見

元事務次官の父親が息子を殺害する事件について報じた番組の報道のあり方への意見や、反社会的集団のパーティーに出席した芸人たちの出演番組に対する批判など。

2019年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,589件で、先月と比較して892件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、FAX 1%、郵便 1%。
男女別は男性71%、女性28%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代24%、50歳代22%、20歳代12%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は延べ876件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京都練馬区で、元事務次官の父親が息子を殺害する事件が起きた。それを報じた番組の報道のあり方への意見が多く寄せられた。また、反社会的集団のパーティーに出席した芸人たちの出演番組に対する批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は74件、CMについては17件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は61件で、前月から90件減少した。
今月は「表現・演出」が19件、「暴力・殺人・残虐」が10件、「その他」が9件、「低俗・モラル」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 最近、総理のイラン訪問など、外国のメディアが報じる内容とは全く違う伝え方がされていて、政府を擁護しているとしか思えない報道が目立つ。政府のための報道ではなく、国民のための報道になるべきではないかと思う。

  • 東京都練馬区で、元事務次官の父親が息子を殺害する事件が起きた。川崎殺傷事件直後のせいか、被害者の息子が悪で、加害者の親が正義であり親の責任を果たしたかのような意見や絶賛する意見も見られる。「引きこもり=犯罪者予備軍」という報道や世論が、今回の悲劇を招いたのではないだろうか。今回の事件に限らず、ワイドショーで根掘り葉掘りして犯人像を作り上げていくのはよくない。犯人一人のせいで似た生活をしている人間まで、犯罪者予備軍のようにされてしまう恐れがある。

  • 放送倫理の観点から、反社会的集団のパーティーに出席した芸人が出演しているすべての番組に対して疑義を申し述べたい。反社会的勢力との交流は、いずれの業界においても厳重に禁止されている。ましてや特殊詐欺グループだ。高齢者やその家族を食い物にする卑劣な犯罪者集団。「知らなかった、ギャラはもらっていない」では済まされない。これは、放送のみならず、あらゆる倫理に反する行為で、謝って済まされる問題ではない。視聴者に対する明確な説明なしに、彼らを出演させ続けているテレビ・ラジオ番組においては、これらもまた、倫理にもとると言わざるを得ない。

【番組全般・その他】

  • 複数の芸人が、反社会的集団から金銭を受け取っていたため、テレビ出演を控えることになったが、大手芸能事務所に所属している彼らは、番組の降板や打ち切りをせずに、軽い処分となるのだろうか。男性グループのメンバーが、所属事務所を退所後、地上波の番組ではほとんど見ることがなくなった。元の事務所でなければテレビ出演さえできないのか。反社会的なことをしていないのに、各局から排除されているように思われる。一方、芸人たちは、番組は打ち切りにならず降板もされない。社会的に許されない問題よりも、事務所との関係性を重視しているテレビ局側の都合が見えて、納得がいかない。

  • 元事務次官が息子を殺害した事件についての報道は、加害者の父親を、まるで被害者のように認識させている。死人に口なしの状況で、加害者の話だけを真実のように報道するのは視点がおかしい。被害者は、事件の数日前に一人暮らしから加害者宅に戻ったという状況で、それを引きこもり扱いしているのも間違っている。加害者の犯行の計画性や、都合のいい言い訳をしていないかを検証するべきなのに、それらを行わず、引きこもりが事件の原因のように断定し、偏見を広めているのではないだろうか。

  • 昼の番組で、商店街の路上に置かれた看板やのぼりを道路交通法違反として、店主に改善を求める市民の話題を取り上げていた。番組側の取り上げ方が公平さを欠いている。一方的に商店側の主張を支持し、警告を出し続ける市民を悪者、異常者として批判している。物事は、すっきりと善・悪で決められることはほとんど無い。主張する立場や視線によって判断は分かれるはずだ。それを一方の視線からだけで放送することは不適切だ。また、番組出演者の中にも、市民側の意見に同意する人もいたはずで、その人がなぜ黙っていたのかも理解できなかった。

  • 新潟や山形で大きな地震があった。その際、東京キー局のアナウンサーが、自分の担当番組を他のアナウンサーに任せ、新潟へタクシーで急行したとの報道があった。そのタクシー代は17万円にも及ぶという。系列局が新潟にあるのだから、その局に任せる方法もあろう。災害に対する報道人としての使命感もあったのだろうが、はたしてこの高額なタクシー代は、視聴者や番組スポンサーの理解を得られるのだろうか。

  • 学問的な話題やうんちくの披露になると、だいたい「諸説あります」との注釈が出てくる。そんな不確かな情報をテレビで流しても、視聴者には何の役にも立たない。諸説の存在は、少なくとも1個以上紹介すれば証明が済む。もし諸説が紹介できないなら、「諸説あります」の表現自体が虚偽にもなりうる。番組の無責任さを回避しようとして、別の無責任を呼んでいる状態だ。

  • 元々、テレビ大好き人間だったが、最近、なぜかテレビが面白くない。どの番組が、どのジャンルがということではなく、とにかく見ていて楽しくなくなってしまった。残念でならない。抽象的で申し訳ないが、楽しい番組を作ってもらいたい。期待している。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 路線バスに乗って旅をするバラエティー番組において、出演者が競艇場に寄り舟券を購入していた。番組を面白くするための演出もあるのだろうが、多くの未成年が見るゴールデンタイムに賭け事を奨励するかのような番組を放送するのはいかがなものか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 幼児虐待事件は詳しく内容まで報道する必要はないと思う。タバコの押しつけや水を浴びさせるなど、そのような内容を聞くと悲しみと怒りで体の具合が悪くなる。ニュースは見たくても、そのような事件があるとニュースを見ることも避けなければならない。

【「要望・提言」】

  • 児童虐待殺人事件をニュースで報じると、それに近い状況の親はますます虐待発覚を恐れて、さらに隠ぺい方向へ進むと思う。報道の際に「子育てやその環境で悩む親御さんは〇〇へ相談して下さい」と呼びかけることはできないか。最初の一歩の行動を起こさせるような呼びかけがあればひどい状況の乳幼児を救えるのではないか。

【「その他」の意見】

  • ドキュメンタリー番組で、安楽死にいたるまでの一か月を淡々と取材したことに驚いた。自殺ほう助とも取れる行為を黙って見過ごしたのかと思うといたたまれない。映像もリアルで、子どもたちには見せたくない内容だった。

2019年5月に視聴者から寄せられた意見

2019年5月に視聴者から寄せられた意見

滋賀県大津市で保育園児2人が死亡、数人のけが人が出た交通事故が起きた。また、神奈川県川崎市では、被害者20人の殺傷事件があった。それらを報じた番組の報道のあり方への意見や、記者会見における記者の質問内容への批判など。

2019年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,481件で、先月と比較して998件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール83%、電話16%、FAX 0.6%、郵便0.4%。
男女別は男性56%、女性43%、不明1%で、世代別では30歳代29%、40歳代25%、20歳代21%、50歳代13%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は延べ1,025件【43局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

滋賀県大津市で、保育園児2人が死亡、数人のけが人が出た交通事故が起きた。また、神奈川県川崎市では、被害者20人の殺傷事件があった。それらを報じた番組の報道のあり方への意見や、記者会見における記者の質問内容へ批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は49件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は151件で、前月から45件増加した。
今月は「性的表現」が55件、「表現・演出」が30件、「報道・情報」が18件、「いじめ・虐待」が15件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 大津市の事故について、遺族への執拗な取材は必要なのか。事故の原因や対策など、今後このようなことが起きないようにする注意喚起などは、メディアが担う役割だと思うが、遺族の気持ちを思いやれないインタビューをして、それを聞きたい視聴者がいったいどれだけいるだろうか。どの放送局、どの報道番組も同じようなインタビューをしている。大切な子が突然亡くなり、見知らぬ取材陣に囲まれながら、思いをわざわざ声に出して言わされる辛さを、取材している側は分からないのだろうか。

  • 大津市の事故における保育園側の記者会見は、痛ましくて見続けることができなかった。泣き崩れる園長に対し、散歩自体を責め立てるような質問や、「被害に遭った園児にどんな声をかけたいか?」といった質問。あのような事故をどう防げるというのか。保育園側を加害者のように扱い、謝罪までさせるような報道の姿勢には、大いに疑問が残った。

  • 私の家には保育園児がいる。園庭がない保育園はさほど珍しくはなく、園庭のあるところでも、園外散歩は日常的に行われている。今回の事故は、全く予測不可能な運の悪い事故だったと思う。それなのに、保育園側に会見をさせる必要があったのか?保育園側に事故責任があるということにしたいのか?一視聴者として憤りを覚えた。事故が起きた現場を検証して原因を探るほうが、よほど今後のためになるのではないか。被害者の感情を更にえぐるような今回の報道は不適切だと感じた。

  • 私は保育士。事故の報道について疑問に思うことがある。論点は、保育園に園庭があるかということなのか。私は、先月まで園庭のある保育園にいたが、季節を味わうために園児たちと散歩に行っていた。もし散歩禁止にすると、園庭に子どもが集中し、逆にけがをするおそれがある。今勤めている所は園庭がないが、国の基準に基づいた保育体制で散歩をしている。どの番組でも、園庭のないことが悪いような話で終わっているが、運転者の過失について問うべきではないか。別の園の園長に話を聞いたり、別の園の散歩の様子を検証したりするのも論点がずれている。一連の放送を見て、保育士になりたい人が減ることになれば、待機児童の問題にも影響が出てくるのではないかと危惧している。

  • 東京・池袋の死亡事故以来、高齢者の交通事故を各番組で取り上げているが、そのほとんどが「高齢者の運転は危ない」「高齢者は免許を返納すべき」といった内容である。都会の人たちはそれでいいのであろう。しかし、地方では、交通機関が十分に整備されていない地域に住む人たちや、車を運転しなければ生活必需品の購入や通院に困る人たちも多い。免許を返納した場合、タクシー券が配布される地域やシニアカーの利用を勧める地域もあるが、何年先までタクシー券がもらえるのか不安が残るし、シニアカーに乗ろうにも地方では道幅が狭く危険が伴う。そのあたりにも焦点をあてた報道をしてほしいと思う。

  • 川崎殺傷事件の報道で、視聴者提供と思われる事件直後の動画が流された。生々しい血溜まり、血痕の残る帽子やランドセル、そして心肺蘇生を受けている被害者。果たして映像で流す必要があるのか。事件の状況を伝えるのが報道だとは思うが、そこまでしなくても伝えられるはずだ。心肺蘇生を受けているということは、生死の境をさまよっている、一人の人間が生きるか死ぬかの瀬戸際だ。この映像は、そのような状況を平気で撮影する無神経な人間から提供された映像ではないか。それを使うのも撮った人間と同様、人としておかしい。

【番組全般・その他】

  • 人の命に関わる事件や事故等を報道する際、コメンテーターが笑いながら発言することが多い。人の痛みが理解できるなら、笑顔になるということはないはず。もっと被害者や遺族の感情に寄り添えるコメンテーターを出演させるべきだと思う。

  • 昼の番組で、ニューヨークに留学中の男性を取り上げていた。皇室の女性との婚約内定というだけで、彼に対するストーカー行為のような行動と放送内容があまりにひど過ぎる。勝手に付きまとい、知り合いでもないのに街中で声をかける。迷惑行為以外の何ものでもない。放送にあたり、きちんと本人の許可を取っているのだろうか。取材ディレクターの想像の話を、あたかも事実のように、テロップを入れてまで放送する番組作りにも疑問が残った。

  • 夕方の番組で、芸人が一般人に「男らしく見えない」と言い、執拗に性別を聞き出していた。それにとどまらず、体に触れ、保険証の提示を求めるなどの一連の行為には閉口した。私自身、性的少数者であるが、番組を見て非常に不快な気分になった。昨今、性的少数者に対する理解が進んでいるが、この放送は時代に逆行している。コーナー終了後にコメンテーターが疑問を呈したことで少し心が救われたが、一方で、彼以外の出演者や番組制作者たちが、何の疑問を持たなかったこともよく伝わってきた。今後、この局が番組で性的少数者の話題について取り上げる資格はないと思う。

【ラジオ】

  • 新元号に"クソ"という単語を加えたラジオネームの投稿者の作品が採用されていた。平成から令和に時代が変わることへの捉え方は、人によって様々であり、新元号をベースに笑わせることも一つの表現ではあるだろうが、あまりに配慮に欠けていないか。ラジオの深夜放送は、テレビでは使えない単語や表現でリスナーを楽しませることが、「テレビではできない」「深夜ラジオならでは」と賞賛され、採用を目指した投稿者が、過激なラジオネームや内容で勝負することに拍車をかけているが、私はやはり、クレームされないようギリギリを攻めるというようなことよりも、誰もが楽しめるような番組作りを意識して取り組んでほしいと考えている。

青少年に関する意見

【「性的表現」に関する意見】

  • バラエティー番組に出演した元オリンピック選手が、"脚フェチ"という発言をしていた。倫理観の甘さ、そこを面白いととらえたのかセクハラに気付かず放送したのは、制作側の意識が甘すぎる。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 小学生女児虐待死事件に関して、父親による性的虐待を女児が訴えていたことが分かった。本人による具体的な記述が紹介されていたが、テレビでそのまま報道する必要があったのか疑問だ。テレビで公開することで亡くなった女児の尊厳を更に損なうように思えてならない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 複数の女性タレントが極限のサバイバル生活を体験するバラエティー番組で、一人の女性に対して複数人で無視、陰口などいじめの典型的なことが行われていて不快だった。若者のいじめによる自殺が問題になる中、このような振る舞いをしている番組はどうなのか。子どもには見せたくない。

【「危険行為」に関する意見】

  • 子どもの医療相談をしている看護師だが、テレビをまねて綿の固まりを鼻に入れて取れなくなったと相談があった。バラエティー番組でタレントが鼻にブドウを入れる内容をまねしたそうだ。必死で面白くしようとしているのは分かるが、視聴者に悪影響を及ぼしているので内容を検討してほしい。

2019年4月に視聴者から寄せられた意見

2019年4月に視聴者から寄せられた意見

東京・池袋で、2人死亡、数人のけが人が出る交通事故が起きたが、それに関する報道の仕方への意見。プロ野球も開幕し各局のスポーツ関連番組に対する意見など。

2019年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,483件で、先月と比較して144件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール79%、電話19%、FAX 1%、郵便1%。
男女別は男性69%、女性30%、不明1%で、世代別では30歳代28%、40歳代26%、20歳代18%、50歳代16%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ882件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京・池袋で、2人死亡、数人のけが人が出る交通事故が起きた。それに関する報道の仕方への意見が多く寄せられた。また、プロ野球も開幕し、各局のスポーツ関連番組に対する意見も多かった。
ラジオに関する意見は70件、CMについては17件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は106件で、前月から29件増加した。
今月は「表現・演出」が41件、「動物」が8件、「いじめ・虐待」と「低俗・モラル」がそれぞれ6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 最近、型にはまったようなニュースばかりで、報道の価値が下がっている気がする。テレビでは、どのチャンネルでも、同じ時間帯に同じニュースが流れ、出演者以外、代わり映えしないものが多い。新聞でも、表現が異なるだけで内容は同じものばかり。2、3紙読んだところで情報量はほとんど増えない。特ダネを求めるわけではないが、テレビ局や新聞社にはそれぞれ独自の記事を打ってほしい。共通の情報源を利用しているからだろうが、どの媒体も足並みが揃い過ぎている。情報統制されているようで気持ちが悪い。

  • テレビ局は、なぜこうも横並びの報道をするのか。新元号決定の時もそうだったが、今日は、麻薬で逮捕されたタレントの釈放の瞬間をとらえようと、民放各局が警察署前で待ち構えている。どのチャンネルに替えてもそれしかやっていない。チャンネル数はあっても選択肢が無いわけで、実につまらない。今更ながら、各局で、情報番組の放送時間帯を分散させるなどの調整をすることはできないものだろうか。

  • 麻薬で逮捕されたタレントの報道について、芸名や「○○容疑者」とする番組が多い。ひどい番組になると「〇〇さん」である。法の裁きが終わらないうちに、「彼はいい役者だ」や「作品に罪はない」などといった報じ方をするのは、特別扱いしているように感じる。

  • 東京・池袋の高齢者男性による交通事故について、その報道の仕方に、通常の交通事故の報道とは違う印象を受けた。ほとんどの局が「〇〇元院長」と伝え、なかには「〇〇さん」としていた番組もあった。そもそも、事故と過去の勤務先とは何の因果関係もないのに、「元院長」の肩書きが必要か疑問に思う。事件・事故を起こした人が、その社会的な地位によって扱われ方が変わり、それが黙認されるのであれば、報道の姿勢に大きな疑問を持たざるを得ない。

  • 知人2人と空港に行った際、駐車スペースに空きがなかったので、身障者用スペースに車を入れた。しばらくして駐車場に戻ると、そこにテレビ局の取材班が待ち構えていた。「健常者なのに何故そこに駐車するのか?」と聞かれ、突然のことにこちらもつい反発口調になってしまった。ろくに返事もせずその場を去ったため、さらに印象を悪くしたようだ。確かに、我々のほうがマナー違反をしており、その自覚もあるし、言い訳できない。その日の夕方のニュースで、モザイク無しで我々3人が映されていて驚いた。しかもスタッフとのやり取りのうち、粗暴な態度が目立つように編集され、あっという間に知人らに知られてしまった。友人2人は上司に呼ばれて叱責を受けた。スタッフから「顔出しで放送していいか?」とは聞かれていない。許可もなく顔がさらされるとは思ってもみなかった。

【番組全般・その他】

  • 五輪担当大臣が、度重なる失言の末、ついに辞任した。一夜明けて、民放各局の情報系番組はそのことで持ちきりだ。それも失言集を面白おかしく編集し、出演者たちがあざ笑うという趣向がほとんど。一定時間でこの話題を切り上げ、節度が感じられる局もあったが、ひどいものでは1時間以上も、辞任した大臣へのバッシングを続けていた。なぜこのような無意味なことをするのか?理解できない。

  • 朝の番組で、老人が子どもの席を奪ったバス車内での投稿動画について放送していた。トラブルを映した複数の動画が存在するわけではなく、途中からで、事の発端もそれまでの状況も分からず、ただ憶測だけが残ってしまう映像だ。そもそもこれは放送すべき事柄なのか。事実関係もはっきりしていないのに、安易に取り上げ、動画の再生回数が多いなどの理由で、論争に加担するのは如何なものか。テレビは公共性が高く影響力が大きいのだから、問題提起になる事柄なのかを考えた上で放送したほうがいいと思う。

  • 4月から始まったクイズ番組は、平成、昭和の世代ごと、お互いの知らない部分を知ることが目的なのに、それが崩壊していた。クイズ番組としても、出題意図が掴みにくく、アラが多く感じた。平成生まれに対しては、わざと間違えさせる出題文にしていた一方で、昭和生まれ用のクイズは即答できず、難問ばかりだった。番組全体として、平成世代をバカにし過ぎる印象を受けた。

  • 夕方の番組の世界卓球選手権に関するニュースで、女子ダブルスの日本チームが微妙な判定で敗れたが、対戦相手が中国チームであったせいか、この時の審判を「中国系マレーシア人」と報じていた。今までこのような報道をあまり見たことがなく、とても異様に感じた。他の民族の場合はこう言ったことはしない。これは明らかに、中国人を悪く印象付けるためだと感じた。

  • プロ野球中継で、ボールカウントをコールする順番は、昔の「S(ストライク)・B(ボール)・O(アウト)」から、「B・S・O」の大リーグ方式に変わった。WBCなど国際試合の機会が増えたこともあり、国際的な標準に合わせたのだ。ところが広島のテレビ局の野球解説者は、いまだに「S・B・O」のままだ。実況アナウンサーは正しい順で言い、そのそばから解説者が「ツー・スリー」などとありえないカウントを言う。視聴者に正しく分かりやすく伝えるのが解説者の役目なのに、頑なに旧方式を守るのは問題だ。局に何度も苦情を入れているが、真摯に受け止める様子がない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 衝撃的な映像を紹介するバラエティー番組で、監視カメラやドライブレコーダーで撮られた事故映像を多数流していたが、何のためなのか。映像を見ながらタレントが騒ぎ立てたりしていて、他人の事故映像でスリルを楽しむかのような内容に嫌悪感を覚えた。ただの事故映像を見せつけるなんて悪趣味。家族で見る時間帯のテレビの役割ではないと感じた。

【「非科学的な事柄」に関する意見】

  • 血液型別に人の性格や特徴を取り上げたバラエティー番組は、偏見を強めようという意図しか感じられない番組だった。なぜここまで気軽に偏見を強めるような番組を作るのか。子どもたちの血液型についての偏見が助長されないような配慮が感じられなかった。

【「要望・提言」】

  • 最近の医療情報番組は、子どもたちが見る時間帯でも手術シーンをそのまま放送している。以前は臓器が見える手術シーンなどは、ぼかして放送していたと思うが、そのまま放送するのは子どもたちや高齢者には刺激が強すぎるのではないか。以前のようにぼかして放送してほしい。

2019年3月に視聴者から寄せられた意見

2019年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災から8年、各局で放送された震災特集に対する意見。芸能人が麻薬所持の疑いで逮捕されたが、それを取り上げた情報系番組への意見など。

2019年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,339件で、先月と比較して209件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX 1%、郵便1%。
男女別は男性66%、女性33%、不明1%で、世代別では40歳代28%、30歳代25%、50歳代20%、20歳代13%、60歳以上11%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は延べ726件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東日本大震災から8年が過ぎた。各局で放送された震災特集に対する意見が多く寄せられた。また、芸能人が麻薬所持の疑いで逮捕されたが、それを取り上げた情報系番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は51件、CMについては24件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は77件で、前月から13件増加した。
今月は「表現・演出」が24件、「暴力・殺人・残虐」が15件、「その他」が8件、「いじめ・虐待」と「性的表現」がそれぞれ5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ニュージーランドで起きた無差別銃撃事件で、犯人が犯行の様子をインターネットで配信していた。地元の首相や警察が、その映像を拡散しないように呼びかけていたにも関わらず、日本では、各番組でこの映像を取り上げていた。映像を流すことの影響を十分考慮していたのだろうか?模倣犯を誘発する危険性を認識していたのだろうか?犯人が記した言葉や自身の姿を広める、それこそが犯人の狙いだ。このような場合、各テレビ局や個々の番組の判断に任せるのではなく、統一のガイドラインを設けて、映像の拡散を規制したほうがいいのではないか。

  • 3月11日ということで、震災に関する番組が多かった。しかし、どの番組を見ても、「復興はまだまだ…」という言葉が目立っていた。これでは被災地の将来、日本の将来への希望が感じられない。復興がなかなか進まない現実を伝えることも大切だが、その上で、国民が希望を持てるような情報も少しは取り上げてもらいたかった。

  • 私は今、福島で除染作業に従事している。この時期になると、各テレビ局がこぞって震災特集を組むが、現場では除染作業をはじめ、実際には復興があまり進んでいない部分が多いと感じている。テレビは真の姿を伝えてほしい。被災地にいると、放送と現実のギャップに戸惑ってしまう。

【番組全般・その他】

  • 朝の番組は、麻薬所持の疑いで逮捕された芸能人に関して、出演した映画の公開やドラマの再放送など、芸能界の損失ばかりを取り上げ、薬物の売買が反社会的勢力の資金源になっている側面については全く触れていなかった。そういう面にも言及すべきだと思う。

  • 国会の議論をニュースで伝える場合、偏った報じ方になることや、ある部分を切り取って伝えることは、視聴者に問題点を提示するためにはある程度必要なことだと思う。ただ、夜9時台のニュースは、野党議員の主張を全く伝えず、完全に悪意でやっているとしか思えない編集をして報じていた。すべての国民が、国会の議論の一部始終を見ることができるわけはなく、当然、テレビなどのニュースを参考にして判断を下すのだが、そのテレビがこんな状態では、視聴者に本当の問題点や議論などは届かず、正しい判断のしようがない。真実を捻じ曲げるような編集は、放送倫理に反していると思う。

  • 夜のニュースを見ているが、この2年間、アナウンサーのコンビネーションが最高だった。お互いに尊重しあい、熱意を持って、試行錯誤、番組を進行しているのが伝わってきた。同世代の私としては、二人が伝えるニュースは、とてもよく頭の中に入ってくると感じている。また、この番組を長年視聴している私の70代の家族は、今までの中で一番よかったと感想を述べていた。

  • 深夜の番組は、コンビニで働く外国人の現状や問題が議論されるわけでもなく、外国人スタッフが使う日本語のミスを必要以上に嘲笑し、バカにするといった内容で腹が立った。誰かの失敗を大勢で笑い、イジり、それを面白いと勘違いさせるような番組作りには疑問を持つ。今後益々、外国人在住者・労働者が増えていくことが予想される中で、このような幼稚で低俗な番組は、淘汰されてほしい。

  • 最近、テレビ局が、クレームに対して過敏に反応し過ぎていると思う。もう少し大らかに見てほしい。クレーマーの話まで聞く必要はなく、自分達で納得できるものにだけ対処すればいい話だ。過敏に反応する人や、ただ文句を言いたいだけの人の話は聞かなくていい。面白い番組を作るためには、そういうことも必要だと思う。インターネット時代になった現在、クレームが言いやすい状況になり、モンスターが増え過ぎてしまったようだ。

  • バラエティー番組に対するクレーム、特に「番組内でのバカ騒ぎが見ていて不愉快」「内容が低俗で子どもに悪影響を与える」といった内容のものをよく見るが、このようなクレームを入れた視聴者に問いたい。なぜそのような番組を見るのか?わざわざそのような番組を見て、勝手に不愉快になっているだけではないか。また、子ども達に悪影響を与えるということに対して、確かに、いじめや犯罪、公序良俗に反することを助長するものは、子ども達に悪影響を与えるだろう。しかし、それは親が何も指導しなかったときの話で、親が指導もせずに番組に対してクレームを入れるのは順番が逆ではないだろうか。親としてやるべきことをやらず、他人のせいにするのは道理に合わない。テレビやラジオのバラエティー番組は、基本的にエンターテインメントであり、その場の雰囲気を壊してしまうような発言は要らないのである。テレビ離れが叫ばれているが、原因はこのようなクレームである。これ以上、テレビやラジオをつまらなくするのはやめてほしい。

【ラジオ】

  • ラジオの下ネタがあまりにもひどい。「下ネタを嫌いな奴はいない」「テレビでは言えない下ネタもラジオなら平気」と豪語しているパーソナリティーさえいる。卑猥なラジオネームで投稿するリスナーも、それを採用する番組側もどうかと思う。男性は喜ぶかも知れないが、多くの女性にとってはセクハラであることを分かってほしい。聴取率やインターネットのトレンドワード上位になるために、わざと仕掛けている感もある。ラジオ局全体でルールを作るべきではないか。

青少年に関する意見

【「暴力・殺人・残虐」シーンに関する意見】

  • 殺人犯を追い詰めるサスペンスドラマの最終回において、子どもが視聴可能な時間帯に放送する内容としては人を刺し殺す、自殺に追い込む等の描写が生々しく描かれていた。大人でさえ恐怖を感じた。これを見た判断のつかない子どもにこのようなことを誘発してしまう恐れはないのか。子どもの健全教育に対する配慮が必要であった。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 情報番組で違法薬物について報道していたが、インターネット等での入手方法、隠語などを丁寧に解説していた。学生は春休みの最中で、薬物使用を助長することになりかねない。薬物の怖さや薬物をやめたい人のための窓口などを報道するべきではないか。

  • ニュース番組で交通事故を目撃した小学生に事故の状況をインタビューしていた。親が許可をしたのかもしれないが、3人も亡くなった事故を子どもに思い起こさせるのは良くない。

2019年2月に視聴者から寄せられた意見

2019年2月に視聴者から寄せられた意見

飲食店やコンビニで働くアルバイト店員による不適切動画を取り上げた情報系番組など、投稿動画に関する報道のあり方への意見など。

2019年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,130件で、先月と比較して671件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話28%、郵便 0.6%、FAX 0.4%。
男女別は男性68%、女性31%、不明1%で、世代別では40歳代25%、30歳代22%、50歳代21%、20歳代16%、60歳以上13%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は延べ590件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

飲食店やコンビニで働くアルバイト店員による不適切動画を取り上げた情報系番組など、投稿動画に関する報道のあり方への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は46件、CMについては26件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は64件で、前月から16件減少した。
今月は「表現・演出」が23件、「いじめ・虐待」が8件、「報道・情報」と「低俗・モラル」がそれぞれ6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 女子競泳選手が白血病であると公表したことが、大きなニュースとなっている。翌日も同様に、どの番組も長い時間をかけてこの話題を取り上げていた。このような話題は、病気を公表したという事実だけでよい。「過去に白血病を患った有名人一覧」などの情報はいらない。今、何よりも不安なのは彼女本人であろうし、多くの白血病の患者さんも見ている。そっと見守るようにしてほしい。

  • このところ、高齢者や児童への虐待報道が多いが、その中でも、施設職員による犯罪行為が多発しており、これらの報道がもたらす影響として、福祉関連業務従事者に対する社会的評価の下落や、人手不足に拍車がかかることは必至だ。また、仕事内容を伝えるにしても、従事者個人に焦点を当て、綺麗な部分だけを紹介し、結局は施設の宣伝的な作りの番組が多く、社会福祉に関する問題を掘り下げて報道しようとする姿勢が感じられない。実際の現場の声を集約して伝えることがまずは大事で、それらの声を基に番組を構成したほうが、視聴者に真意が伝わるのではないか。

  • 火災や災害の現場で救護活動をせずに、その様子を撮影・取材できるのは、報道に従事する者に与えられた特権であり、そのほかの人たちには、目前の被災者の救護活動にあたるなどの倫理的な義務があると考えている。一方、昨今の情報系番組などでは、報道に従事しない視聴者が、災害を待ち構えて撮影したとしか思えない動画や、盗撮の疑いのある動画が無分別に放送されている。昨年の台風時、屋上の小屋が暴風で吹き飛ばされる場面や、横断歩道手前のマンホールから水が吹き上げる場面の動画は、ことが起きる前から撮影されていて、ことが起きることを期待している撮影者の意図が明白だ。また最近、飼い犬虐待の動画が流れているが、これも蹴りを入れる前から撮影されているので、ことが起きるのを期待していると言える。しかも、飼い主に分からないように撮った、後方からの盗撮映像である。このようなことから、視聴者投稿動画などの放送に関しては、一定のガイドラインを作成し、その周知・徹底を図ってもらいたい。

【番組全般・その他】

  • 昼の番組で、アルバイト店員の不適切動画を取り上げていた。「動画を撮った人間も、拡散させた人間も、同様に責任がある…」と結論づけていたが、私のような高齢の視聴者は、ことの次第をテレビで初めて知った。であれば、拡散させたテレビにも責任があるのではないか。テレビで取り上げることの影響力を再認識したほうがいい。

  • 無料で商品が当選するという深夜番組を見たが、多くの視聴者が企画に参加できず、また、番組進行もめちゃくちゃなまま終了。SNS上は炎上状態になった。番組内でシステム不具合について謝罪を述べる司会者の横で、半笑いで立つもう一名の女性司会者、笑い顔で映り込むスタッフなど、ことの深刻さを理解していない姿勢が強く感じられた。

  • BS放送が、長時間のTVショッピング番組、ドラマの再放送、韓流ドラマばかりなのは如何なものか。TVショッピングは、CMを延々見せられているとしか思えない。また、海外の様々な番組を放送するなら納得できるが、なぜ韓流ドラマばかり放送するのか。公共放送なのに、このような番組ばかりだとテレビを見るのが嫌になる。嫌なら見るなということなのかもしれないが、それにしても多少は視聴者の要望も聞いて、番組の編成を考えてほしい。

  • 朝の番組で千葉県の女子児童虐待死事件を取り上げていた。市役所、教育委員会、児童相談所を一方的な悪に見立てて非難を浴びせ、記者会見の様子も一部の質疑応答だけを切り取って流していた。この事件を鑑みるに、関係機関の対応に問題がなかったとは言えないが、それには法制度の不備、昨今の行政機関の立場の弱さや人員の慢性的な不足、その他、社会の側面に起因することは明白である。それにも関わらず、それらの諸要件にはほとんど言及することなく、視聴者が溜飲を下げることだけを狙った勧善懲悪的な報じ方は、いかにも非建設的で見苦しかった。

  • "テレビ離れと言われる昨今、その理由を若者が、「原因は、レジャーの多様化や生活スタイルの変化にあるとしているが、そうではない。質の悪い番組は見ず、浮いた時間を他のことに充てるようになっただけなのだ…」と夕方の情報系番組で指摘していたが、私も同感だ。視聴者が知りたいのは事実であるのに、そこを無視して無責任にあおり立てるだけの番組を誰も見るわけがない。「CMのあと重大発表…」など、誇大広告的な手法にも多くの視聴者が辟易している。そこを改めない限り、"テレビ離れは今後加速していくものと危惧している。

【ラジオ】

  • 各放送局が共同でラジオのキャンペーンを始めた。リスナーのオススメ番組のツイート募集や、番組のコラボといったものがあり、ラジオの魅力が伝わる良い企画だと思う。その一方で、10代の若者たちにラジオを聞いてもらおうとするならば、「radikoの使い方について教えるサイト」などがなければ、意味がないのでは?とも感じた。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 学校が舞台のバラエティー番組において、鉛筆の製造現場を紹介する映像の説明で「原材料が鉛だ」と紹介していた。鉛筆に鉛を使うことはあり得ない。黒鉛だ。子どもも見る番組なのに作りがお粗末だ。

  • 10代の出演者がクイズに答えるバラエティー番組で、正解できなければ他の出演者に電流を流すという罰ゲームが行われていて、電流を流された女性は言葉が出なくなるほど泣いていた。いくら番組の企画とは言え、かわいそうだ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 様々な実験をするバラエティー番組で、スキンヘッドのタレントの頭の上で炎を上げてチャーハンを作っていたが、子どもに見せられる内容ではなかった。髪の毛がないことへのイジリは、いじめにしか見えない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 朝の情報番組で「教師が生徒に手をあげる」「飼い犬を蹴り上げる」など、目を背けたくなる映像が映されるが、コメンテーターが話している間、何度も何度も繰り返し流される。心が削られて行くようで大変苦しい。子どもがあのような映像を繰り返し目にすることにより、何らかの心的ストレスを受けるのではないか。

  • 聴覚障害支援学校の前校長が児童ポルノ法違反で逮捕されたことを報道するためなのか、学校の外観を撮影していた。耳の聞こえない子どもたちは視覚が発達してるので学校前で撮影する様子は、登校する子どもたち、送迎している親に大きなストレスを与えている。報じてもらって一向に構わないが、取材する際には配慮してほしい。

2019年1月に視聴者から寄せられた意見

2019年1月に視聴者から寄せられた意見

アイドルグループの女性への暴行事件を取り上げた日曜昼の番組での出演者の発言をめぐる意見。年末年始に放送された長時間番組への意見など。

2019年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,801件で、先月と比較して450件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール84%、電話14%、郵便 1%、FAX 1%。
男女別は男性60%、女性39%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代23%、20歳代22%、50歳代18%、60歳以上8%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は延べ1,209件【52局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

日曜昼の番組で、アイドルグループの暴行事件を取り上げていたが、番組中の出演者の発言をめぐる意見が多く寄せられた。また、年末年始に放送された長時間番組への意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は48件、CMについては27件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は80件で、前月から20件減少した。
今月は「表現・演出」が38件、「いじめ・虐待」が5件、「暴力・殺人・残虐シーン」「性的表現」「低俗・モラル」「視聴者意見への反論・同意」がそれぞれ4件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 昨年末、インドネシアで火山が噴火、津波も発生して多数の犠牲者が出たニュースに衝撃を受けた。しかしながら、コンサート会場に津波が直撃した瞬間の映像まで放送する必要があったのか疑問だ。仙台在住の友人は、東日本大震災の大津波を思い出してしまったそうだ。視聴者に対し、いたずらに不安をあおるのはどうかと思う。ショッキングな映像を放送する際は配慮がほしい。

  • 皇室の女性と婚約が内定している男性についての報道が過熱している。一般人である彼やその母親のプライバシーを騒ぎたてることは、興味本位に他ならず、不適切だ。必要なことだけをその都度報道すれば十分だと思う。

【番組全般・その他】

  • 秋田に住んでいる。ここ何年か、この放送局は、祝日や年末年始になると、県内のニュースや天気予報がほとんど放送されない。大都市からの情報や番組宣伝に変わってしまい、有益性が無い。「年末に最大級の寒波…」とあおり立てながら、いざ年末年始が来ると、被害状況や交通への影響が報道されず不便だった。高校スポーツでの県勢の活躍や、年中行事の"なまはげ"なども伝えるべきであったと思う。少し前の地震の時に、誰もアナウンサーがいなくて情報がかなり遅れたこともあった。"働き方改革"ばかりが先行して、貧弱な制作体制になっているのではないかと危惧している。

  • 夕方のニュースで、北九州市の派手な成人式を取り上げ、新成人に密着取材していた。この成人式は伝統的に華美な衣装の成人者が多いが、決してトラブルが起こっているわけではない。現に今年の式はつつがなく終わっている。ところがこのニュースは、「ここ数年、全国的に成人式が荒れる傾向に…」と視聴者が捉えかねない内容。荒れたように報じるほうが良いと判断したのか、派手な衣装の取材映像を必要以上に流していた。

  • 東京都下の無料温泉施設の問題を伝えていたが、廃止反対派の声ばかり取り上げ、それがまるで市民全体の意見かのように編集し、行政を一方的に非難する内容だった。賛成・反対、両者の意見を取り上げ、それぞれの立場からこの問題の解決点を検討するべきではないか。行政が検討を重ねて決定したことを、番組が引っ掻き回して問題をややこしくしているように見えた。何の解決策も見いだそうとしない放送内容の、どこに意味があるのか分からなかった。

  • 大晦日の番組を見た。いまだに暴力行為を笑いにしている時代遅れの感覚が理解できない。また、大物タレントが共演者の頭を殴る行為も看過できない。いくら視聴率が取れると言っても、モラルや法律に反する行為を助長するテレビ局に抗議したい。体罰は学校や職場では禁止行為だ。なぜこのような放送が許されるのか教えてほしい。

  • 日曜の番組で、アイドルグループの女性への暴行事件について取り上げていたが、大物タレントが女性出演者に対して「体を使って何とかすれば…」という趣旨の発言をした。パワハラ・セクハラが大きな問題である昨今、あまりに無神経な発言で、彼女だけでなくすべての女性に対して失礼だ。テレビで言うようなことではない。彼のような有名人は、発言することの影響力を少しは考えるべきだと思う。

  • 東京・町田市の高校教師の暴行について。情報系番組などで放送された動画の中で、生徒が「ネットに拡散する…」と言っているように、映像をネットにアップするのは、SNSで拡散することでテレビが取り上げ、それで有名になるのが目的だと思われる。あおり運転なども同様だ。ネットに拡散された動画をテレビで騒ぎたてるから、このような行為が増えてしまうのではないだろうか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 学園ミステリードラマの初回放送で、先生が生徒を人質にとり、殺害するのはあまりに内容が過激だ。人気俳優が多く出演しており、青少年が見る可能性も高く影響が心配だ。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 鑑定結果をもとに事件を解決する刑事ドラマで、描写があまりにも過激だった。惨殺シーンが繰り返し出てきたり、バラバラ死体の手首が映るなど、子どもも起きている時間帯に放送する内容ではない。深夜の時間帯に移すべきだ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 女性が女性に対して愚痴を言うバラエティー番組で、人の悪口ばかりを言っていた。特にある特定の出演者に対して、他の出演者の発言がいじめにも見えて不愉快だった。このように人の悪口ばかり言って楽しむような番組は、子どもたちに悪影響を与え、いじめを助長しかねない。

【「喫煙・飲酒」に関する意見】

  • このところタバコを吸うシーンのあるドラマが増えてきている気がする。時代物やアウトローを描いたドラマだけでなく、現代劇でもよく見かける。演出上必要という制作側の主張もあるだろうが、SNSなどで「タバコを吸う〇〇さんがカッコいい」という若い人の意見を見ることもあり、憂慮すべき事態ではないかと思う。

2018年12月に視聴者から寄せられた意見

2018年12月に視聴者から寄せられた意見

元親方の離婚問題など、大相撲の問題を取り上げた情報系番組への意見や、芸人を檻の中に閉じ込める企画を放送したバラエティー番組への批判など。

2018年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,351件で、先月と比較して20件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール74%、電話24%、FAX 1%、郵便1%。
男女別は男性66%、女性32%、不明2%で、世代別では30歳代24%、40歳代23%、50歳代22%、20歳代21%、60歳以上7%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は延べ811件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

去年1月に起こった大相撲元横綱の暴力事件から間もなく1年が経つ。今月に入っても、元親方の離婚問題など、大相撲の問題を取り上げた情報系番組への意見が多く寄せられた。また、芸人を檻の中に閉じ込める企画を放送したバラエティー番組への批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は48件、CMについては17件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は100件で、前月から3件減少した。
今月は「表現・演出」が52件、「性的表現」が9件、「報道・情報」が7件、「編成」が6件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各報道機関が相撲部屋の前で、親方が出て来るのを待って取り囲みながら取材していたが、車道にはみ出したり、車が来ているのに道を開けなかったりと、交通ルールを無視してまでカメラを回していた。現場からの生中継でもルール無視し、周囲に注意を払わない。この報道姿勢はある種の暴力に見える。スクープも大切だろうが、取材方法をもう少し考えるべきだ。

  • 契約会社によって携帯電話が使えなくなる状態が続き、多くの市民生活に影響が出た。私が見たテレビでは、テロップで「現在、通信障害が発生しています」と常時表示されていたので、情報を知ることができた。しかしながら、ニュースで触れず、テロップでも伝えなかった局も多かったようだ。今回のようにライフラインの故障があった場合、災害報道と同様に、どのチャンネルでも速報として伝える必要があると思う。

【番組全般・その他】

  • 夜のニュースで、高知県沖で起こった米軍機墜落事故を伝えていたが、乗員の安否を気遣うような視点や米軍の家族のことを心配する視点が、番組側から全く感じ取れなかった。近隣住民などに被害はなかったが、自分たちの身の安全を要求する世論を伝えるだけではなく、通常の行方不明者捜索時のように、相手側の立場もきちんと理解して、乗員の身の安全を願うような報道であってほしかった。

  • 日曜夕方の番組で、東名高速のあおり運転事故について報じていた。ドライブレコーダーの映像などを確認していたが、あくまでも被害者側に立った報道のように感じた。確かにあおり運転はいけないことだ。しかしながら、このようになってしまった経緯にも触れて、今後事故が起こらないための報道もしなければいけない。あおり運転だけに焦点を当てるのではなく、事故全体の原因究明にもきちんと目を向けるべきではないか。

  • 私は、東京 としまえんの近くに住んでいる。バラエティー番組の企画で多くの人が集まり、夜中に人の声や暴走族のような音、奇声などが聞こえ、そのために2歳の子が目を覚まし寝付けなくなってしまった。私たち家族は睡眠不足になり、まる1日つらい思いをした。私たち以外にも近隣住民は多くいるので、同じような思いをした方々もいるだろう。私は、この番組は見ないが、この局は見ている。テレビで何を放送しても見なければいいが、関係のない一般人の生活環境を壊すようなことはしてほしくない。番組の問題というより、局の姿勢に対して抗議したい。

  • 日曜夕方の番組で、皇室の女性と婚約が内定している男性について放送していた。アメリカ留学先のラーメン店などに、彼の写真を持って聞き込みをしているが、生活基盤を壊す行動ではないか。テレビによるいじめ以外の何ものでもないと思う。制限はかけられないものなのか。これに類似した、人権侵害のような取材活動は他にもたくさんある中で、いい加減、度を超えていると思う。

  • 毎日のように放送されている情報系番組において、しっかり取材したとは思えない情報を基に、個人攻撃ばかりしている内容が多いように感じる。昨今、SNSでの個人攻撃によるいじめが問題になっているが、これと何ら変わりないことをテレビで放送していて良いのか疑問だ。テレビは娯楽であってほしいと思うのは間違いなのか。過ちは法が裁くものであって、人が人を裁いてはいけないと思う。各局の放送姿勢を今一度見直してもらいたい。

【ラジオ】

  • 東海地方で夜の番組を聞いていたが、パーソナリティーが自分の読む台本がないことに対し、1分以上にわたり、放送上でスタッフを叱責する場面があった。放送前に自らが確認しておくことが当たり前であり、自分のミスを棚にあげて、スタッフ1人に責任を押し付けていた。不特定多数の人が聞いているラジオ、これを通じて相手をとがめる行為は、もはやパワハラ以外の何物でもない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 朝の情報番組内のドラマで、濃厚なキスシーンがあった。子どもと見ていて呆れた。子どもが登園前の時間であり、楽しみにしている番組であり、そのような視聴者の年齢層を把握し、ドラマの内容を構成してほしかった。

  • ラジオ番組で出演者が「私の娘はまだサンタを信じている。今年25日は火曜なので土日にプレゼントを置き、サンタがたまたま早く来たという設定にした」といった話をした。車で妻と我が子の三人で聴いていてが、幸い子どもは寝ていて事なきを得た。テレビやラジオは夢のあるものであってほしいと願う。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ニュースで殺人事件や幼児虐待の詳細を放送する意味が分からない。子どもはそれを聞いてどんな想像をするか。殺害方法まで詳細に説明するのはなぜか。生々しい報道を規制してほしい。

  • あおり運転の事故報道に関して、むやみにドライブレコーダーの映像を流すのはやめるべき。遊び半分で真似をして事故を起こす者が出るのではないか。青少年への影響も考慮して報道すべきだ。

【「言葉」に関する意見】

  • 我が家では、「死ね」と「殺す」は絶対に言ってはいけない言葉だと伝えている。お笑い芸人が突っ込みで使う「死ね」「殺す」が安易な形で使われ、笑いをとっている。どうしてこの言葉が笑いとして放送されるのか、怒りがこみ上げてくる。

2018年11月に視聴者から寄せられた意見

2018年11月に視聴者から寄せられた意見

週刊誌記事が発端となった、人気バラエティー番組の海外ロケ部分における”ねつ造疑惑”に関する意見など。

2018年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,331件で、先月と比較して29件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話21%、郵便0.8%、FAX 0.2%。
男女別は男性61%、女性38%、不明1%で、世代別では30歳代27%、40歳代27%、50歳代20%、20歳代15%、60歳以上7%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は延べ780件【40局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

週刊誌記事が発端となった、人気バラエティー番組の海外ロケ部分における”ねつ造疑惑”に関する意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は45件、CMについては28件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は103件で、前月から35件減少した。
今月は「表現・演出」が43件、「いじめ・虐待」が11件、「低俗・モラル」が10件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ハロウィーン騒動のニュースで、暴れている若者の顔にモザイクを入れているが、その必要があるのだろうか。特に、軽自動車を横転させ、その上で踊っている映像は、明らかな犯罪行為だ。被害者は警察に届けを出している。モザイクなしで公開すべきだと思う。

  • お金を下ろすためにコンビニを探し、国道を走行していた。信号の手前で右折して駐車場に入ったが、探していたコンビニチェーンと違い、そのまま近くの小道を通り国道に戻ろうとしたら、突然男性がこちらに向かって来た。何ごとかと車を止めて窓を開けたところ、「今、ショートカットしましたよね?」といきなり言われ、勝手に撮影された。テレビ局名、番組名は知らされなかった。不法侵入者扱いされたが、コンビニに寄った経緯を説明し、一旦帰宅した。しかし、納得できなかったため元の場所に引き返し、詳しく説明を求め、その場で映像を消去してもらった。翌朝、マナー違反運転を特集したコーナーで、取材内容を放送していた。もし、引き返していなかったら、私の映像もそのまま放送されていたかもしれない。このような取材の仕方に抗議したい。

【番組全般・その他】

  • 9時からの連続ドラマを楽しみにしていた。この日は、プロ野球・日本シリーズが放送されており、画面には「9時20分まで延長」とテロップが出ていた。仕方なく待ってチャンネルを合わせると、今度は「9時30分まで」となっていて、次は「34分、45分…」と小刻みに延びていった。いったいどうなっているのかと思いながらも待っていたのだが、当日夜放送予定のドラマは翌週放送になり、野球中継は11時過ぎまで続いていた。放送延長や番組休止に関して、もう少し早めの判断があってもよかったのではないか。

  • いじめに関して、専門家を交えて討論していた。いじめの根幹にあるものは、自分と異なるものを排除するという感情だろう。だが、歳を重ねて経験を積んでいくと、世の中には自分と異なる考えや習慣があり、その多様性によって社会が成り立っているものだと気づく。番組での専門家の主張は、真っ当な意見だと感じたが、司会者は見解が異なるようで、話を遮ったり非難したりしていた。自分の意見を押しつける司会者、それに同調し顔色をうかがう共演者たち。この番組を見て、「なぜいじめがなくならないのか」分かったような気がした。

  • 海外の祭り企画について。一部には「昔からやらせはあった。バラエティー番組なのだから視聴者がもっと寛容になるべきでは…」などという意見もあるが、体罰やセクハラなど、時代とともに意識改革が求められている昨今、そうした変化に一番敏感に反応すべきテレビ関係者が、旧態依然のまま、視聴者を欺き続けているのは問題だと思う。バラエティーとして笑いの要素は必要としても、取材の申請手続きや放送前の事前準備がいい加減であっていいとは思わない。これからオリンピックを控える日本は、海外の国や人、文化に敬意を払うことを心掛けるべきだと思う。

  • 私の家には幼稚園児がいる。やらせ疑惑について厳しい意見もあるかと思うが、毎週日曜、子どもと一緒にこの番組を楽しみにしている。子どもは番組のおかげで虫がさわれるようになり、生き物が好きになった。国の名前や国旗もよく覚えていて感心している。人気番組だけに、週刊誌から狙われ、他局が煽っているのだと思う。疑惑に関して決定的な証拠があった場合、海外の祭りなどのコーナーを続けることは難しいと思うが、番組終了は避けてほしいと願っている。

  • 芸人コンビと医師が、看護学校でいろいろと考えていく内容だったが、とても勉強になった。実習のコーナーでは、視聴者の自分も研修に参加しているような気分になった。患者の気持ちにどう接すればいいのか、災害時の心のケア、人の死との向き合い方など、看護を学ぶ熱心な学生との会話には感動した。ユニークな番組だが、その中にも優しい気持ちが伝わってきて、見ていて涙が出てきた。今後も社会の役に立つ番組を制作してほしい。

【ラジオ】

  • 10年以上ラジオで外国語講座を聞いているが、講師は大学教授がほとんどである。彼らは学問としての研究者で、論文を書き、長年若い学生向けに教えている。彼らには、教え方の工夫は感じるが、我々学習者にはやりにくい。一方、今回の講師は、主に一般人相手に外国語を教えている女性で、大変実践的で無駄が無く感心させられる。15分という時間を有効に使える良い例だと思う。

  • FM局の夜10時台の番組に、アイドルが出演していた。リスナーの悩みに友達のように寄り添い、自身の経験を基に問題を解決したり、一緒にセッションをしたりと素晴らしい対応だった。こうした10代、若者の悩みをしっかりと聞いてくれるラジオ番組がもっと増えてくれればと思っている。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 子どもが見ている時間帯の情報番組で、衝撃的なパワハラ暴行映像が増えている。社長が社員を殴る映像や鍋に顔を押し込むシーンなど見るに堪えない。せめて衝撃映像を流す前に告知してからでないと子どもの心に悪影響だ。

  • 報道番組で事件、事故取材の際に子どもへのインタビューをしている内容がよく流れる。痛ましい事件、事故後に共に過ごしてきた子どもへの配慮もなく、心への影響を考えず非常識で不躾な取材は報道機関としての姿なのか疑問だ。

【「動物」に関する意見】

  • ケーキが入っているように見せかけた箱の中に何匹ものネズミを入れたドッキリ番組で、ふたを開けて驚いた人がふたを離したためネズミが潰されてもがいていたり、箱の中に何段も重なってネズミが入れられていた。子どもはネズミがかわいそうだと泣いていた。子どもも見るバラエティー番組で動物虐待ともとれる構成に安心して見せることができない。

2018年10月に視聴者から寄せられた意見

2018年10月に視聴者から寄せられた意見

シリアで拘束されていた日本人ジャーナリストの解放を報じた番組への意見、相撲協会を退職した元親方の問題を取り上げた番組や、その番組リポーターへの批判など。

2018年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,302件で、先月と比較して348件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、郵便1%、FAX 1%。
男女別は男性66%、女性32%、不明2%で、世代別では30歳代28%、40歳代26%、20歳代20%、50歳代15%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は延べ706件【40局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

シリアで拘束されていた日本人ジャーナリストの解放を報じた番組への意見が多く寄せられた。また、相撲協会を退職した元親方の問題を取り上げた番組や、その番組リポーターへの批判も多かった。
ラジオに関する意見は36件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は138件で、前月から30件減少した。
今月は「表現・演出」が56件、「性的表現」が36件、「その他」が9件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 飲酒ひき逃げ事故により引退した、元アイドルの報道全般について。確かに、事故についてはとても許されないことだが、時系列や真偽が定かでもない事柄や、ドライブレコーダーの映像を延々と公開して、彼女の嘘、あるいは彼女の悪質さだけを視聴者に印象付けるような報道が多かったように思う。保釈された彼女本人、そして小さな息子や家族の方々に対しても、罪を償ったあと更正し、社会復帰する機会をなくす、まるで将来を終わらせてしまうような感想を持った。それよりも、アルコール依存症の恐ろしさやその治療方法、そして家族の寄り添い方など、別な切り口からの取材も必要ではないか。更正する者に対し、もう少し将来の見える報道をしてほしかった。

  • 東京・豊洲市場の移転初日は、「市場周辺の道路が大渋滞」と各局のニュースで伝えていたが、一週間後の今日は、「目立った渋滞はなかった」と報じ、「関係者の慣れ」と結論づけていた。そもそも初日の交通渋滞の原因は、マスコミが殺到したことに起因している。このようなマスコミによる渋滞は、地震や台風などによる被災地で深刻な問題になっているが、全く報道されない。今の時代、問題をいくら隠蔽しても、インターネット上ですぐに拡散されるのに。

  • ハロウィーン騒ぎの東京・渋谷で、軽トラックが横転させられるという事件が起きた。その一部始終を取材班が撮影し、番組で流した。番組によると、事件を通報したのは被害者本人であったという。つまり、取材者は目の前の犯罪行為に対処せず、撮影に専念したことになる。渋谷でトラブルが起きることを予想した上での取材だと思うが、まずは通報するのが市民の義務だ。救助や通報を怠ったから撮れた映像である。番組で流すことに抵抗はなかったのだろうか。

  • シリアに拘束されていたジャーナリストが、無事に帰国したことは良かったと思う。自己責任論など色々と問題がある中で、なぜか数日後には、全く別な大相撲の訴訟問題やハロウィーン騒動でもみ消された感がある。国際情勢に関して力を入れず、視聴率を意識した報道としか思えない。ジャーナリスト自身からのコメントは後日にするとしても、事前に伝えることは多々あるはずだ。殺りくが連日繰り返される国もあり、無事帰国できたことが奇跡的であるという事実を報道する義務もあるのではないか。

【番組全般・その他】

  • シリアで拘束されていたジャーナリスト解放についてコメンテーターが、自己責任論を何度も「馬鹿馬鹿しい…」と連呼しながら、ジャーナリストの正当性を述べていた。なぜここまでの自己責任論が沸き起こるのか、前提となる彼の過去の言動を詳細かつ全く報じることなく、自己責任論はけしからんと言わんばかりの一方通行の内容であった。このようにジャーナリスト側の立場を一方的に報じるのは、公平性に欠けるのではないか。身内に甘いとしか言いようがない。マスコミは、様々な政治・社会問題などを伝える立場であるからこそ、身内や同業者に対してより厳しく、公平性に注意を払うべきではないのか。

  • 昼の番組で大相撲の問題を取り上げていた。相撲好きの私にとって、退職した元親方を心から惜しむ番組にやっと出会えた。ほとんどの番組が、元親方や夫人をいつまでも攻撃し、退職した原因をきちんと取材もせず、憶測で報道している。そんな中、この番組は、しっかりと取材したリポートや法律家の冷静な分析があり、元親方に寄り添う発言もみられた。素直に頑張った人をたたえていた。

  • 大相撲の元親方の退職や、元横綱の暴力による慰謝料請求問題を各局で取り上げているが、連日放送することにどれほどの意味があるのか。事実は事実として淡々と伝えればそれで十分ではないか。余分な情報が多すぎる。これ以上マスコミが騒いでも、相撲へのイメージダウンになるとしか思えない。相撲ファンとしては純粋に相撲を楽しみたい。もう、この騒動は終わりにしてもらいたい。

  • 不法滞在者について、入国管理局側の一方的な主張に沿って、実態をゆがめて報道しており、問題の正確な理解を妨げるどころか、偏見と差別をあおる中傷的な内容になっていた。外国人研修生・実習生の就業先での不当待遇や、入管の収容所での人権侵害行為に一切触れることなく、外国人の摘発や追い出しを後押ししていた。報道機関が自ら、ある属性の人々への悪意や差別的偏見の流布に手を貸すようになれば、社会の安定と秩序も損なわれると思う。

  • テレビ局関係者は、視聴者からの小さなクレームにも対応していかなくてはいけないので大変だ。それだから、テレビでやれることもどんどん限られてしまうのだと思う。クレームを無視して無茶苦茶なことをする番組を、これからも作り続けてほしいという意見があることを忘れないでもらいたい。本当にテレビが好きな人たちは、昔のような面白い番組を望んでいる。そういった番組作りをいつまでも心がけていてほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 男子中学生と女性教師の恋愛がテーマの連続ドラマについて、道徳的に問題があり同年代の子どもを持つ身としては不愉快だ。こういったドラマがフィクションだからと放送されるのはいかがなものか。

  • 深夜のバラエティー番組で、第二次ブルセラブーム到来の話をしていた。SNS上では女子中高生の下着や唾液が売られているという衝撃的な内容で驚いた。方法も詳細に説明していた。テレビで取り上げることで青少年が安易にその道に走る可能性もある。

【「性的表現」に関する意見】

  • モンスター退治のために冒険するストーリーの深夜アニメ番組で少女がモンスターに襲われるシーンについて、女性に対する性的暴行を思わせる描写があり非常に不愉快。録画機器があれば未成年も見ることができる。青少年に悪影響を与えるのは確実だ。

【「推奨番組」に関する意見】

  • 生き物を専門とする大学講師が、常識にとらわれず周りの人々の価値観を揺さぶって行くという連続ドラマには、とても感心させられる。我が家の受験生も真剣に見ていた。コンセプトの選択が素晴らしく、命や環境を大切に扱い、ジーンと心温まるドラマだと思う。

2018年9月に視聴者から寄せられた意見

2018年9月に視聴者から寄せられた意見

震度7を観測した北海道の地震や、関西地方を中心に大きな被害をもたらした台風21号、日本列島を縦断した台風24号による被害を報じた番組や取材のあり方に対する意見。女子体操のパワハラ問題を取り上げた番組への批判など。

2018年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,650件で、先月と比較して454件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、郵便1%、FAX 1%。
男女別は男性61%、女性38%、不明1%で、世代別では40歳代25%、50歳代22%、30歳代22%、60歳代16%、20歳以上13%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は延べ1,063件【46局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

9月6日、北海道で最大震度7を観測する地震があった。また、台風21号は関西地方を中心に大きな被害をもたらし、月末の台風24号は日本列島を縦断した。これらの地震や台風による被害を報じた番組や取材のあり方への意見が多く寄せられた。そのほか、数々の問題が頻発しているアマチュアスポーツ界で、女子体操のパワハラ問題を取り上げた番組への批判も多かった。
ラジオに関する意見は36件、CMについては26件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は168件で、前月から84件増加した。
今月は「報道・情報」が70件、「表現・演出」が54件、「低俗、モラル」が10件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 台風情報を各局とも現地から生中継している。その際、安全な建物の中から中継している局は安心して状況を見ることができるが、それ以外の大半の局のリポーターは、岸壁や河川をバックに立ち、雨風に打たれながら、「強い雨と風で、吹き飛ばされそうです」などと報告している。リポーターの身の安全よりも画面の臨場感を優先しているということだ。人の命に勝るものはない。安全を優先し、危険な場所からの中継は避けたほうがいい。

  • 以前から、災害時の報道のあり方が気になっていた。今回の北海道の地震で、家族が土砂崩れにより行方不明になった男性が、必死に叫び声を上げて探し出す様子や、遺体が発見されて涙にくれる姿を、なぜ一日に何度も繰り返し放送するのか。被災者の方々が悲しむ様子や、辛そうにしている姿を望んで見たい人はいないと思う。また、避難所の状況を報告するのも、生活することに必死な方々をテレビで晒しているようにしか思えない。被災者を第一に考えた報道を願いたい。

  • 仙台市で交番襲撃事件があったが、報道の初期段階から、詳細な地図や映像などで、容疑者の自宅が容易に分かる情報を流していた。容疑者が逃走中であるならまだしも、すでに死亡しており、危険はなかったはずだ。容疑者の家族への配慮はないのか。もし、このことで、家族に対する第三者からの誹謗中傷や、万一の不幸などがあったら誰が責任をとるのだろう。マスコミに社会的な制裁を加える権利はない。報道姿勢に抗議する。

  • 私は現在、大学に通っている。平日の昼、校門近くで取材を申し込まれ、それに応じた。内容は、就職活動の大幅な見直しに関することで、取材者の質問と自分の受け答えに特に問題はなかった。ただこの際、テレビ取材であることや放送局名は告げられなかった。また、カメラが回っていることに私は気付かなかった。雑誌か新聞の取材だろうと軽く考えていたが、夜、帰宅し、テレビの経済情報番組をつけたところ、偶然画面に自分の姿を見つけて驚いた。取材する側としては最低限、局名を名乗り、カメラで撮り、テレビで流すという説明をしてほしかった。

【番組全般・その他】

  • 情報系番組で、体操の元コーチが女子選手を平手打ちする動画を流しているが、この動画の公開自体に公共性は感じられず、公開には当事者の同意が求められるものと考える。取材・報道そのものは自由であるべきだが、画像の背景や取材源を不明確にしたままの放送で、当事者に著しい不利益を与え得るものと思われ、報道の暴力との印象を受けた。興味本位の視聴率稼ぎである。

  • 沖縄県知事選挙の投票日当日の昼、投票結果に影響を及ぼすような番組が放送された。横田基地のオスプレイの問題を取り扱っていたが、間接的に「沖縄には米軍基地が不要」という主張を連想させ、これは知事選の特定の候補者の意見を後押しするものではないか。選挙当日でなければ問題ないが、この日に放送するには相応しくないと思う。選挙への公平性に欠ける放送だった。

  • 未成年への淫行を働いた芸人が、平然とテレビに出ている。以前同じような事件を起こした人物は、すぐに番組を降ろされ、テレビで見かけることはなくなったというのに。何年も前のことだからといって、未成年へのこうした行為を許していいのだろうか。テレビ局の判断があやふやで違和感がある。

【ラジオ】

  • 30日夜、最も台風情報が必要な時間帯に、芸能人のチャラチャラした番組を平常通り流した放送局に危機感の薄さを感じた。時折ニュースを挟んだようだが、刻一刻と変わる状況やライフライン情報をアナウンサーがノンストップで続けるべきではなかったか。避難中、もしくは避難所内でラジオが流されているはずだ。そのときにお笑い芸人やアイドルの緊張感のない場違いトークが、どれほど災害対策に役立つというのだ。情報がほしくて不安な中、頼りになるのはラジオではないのか。災害時、情報がほしい緊迫したときにやる番組ではないし、タレントがダラダラ喋っていい場面ではないはずだ。災害時の番組編成には最大限の気配りをしてもらいたい。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 情報バラエティー番組で体操界でのパワハラ暴力問題を取り上げた際、未成年の女子選手がコーチに平手打ちされる映像が顔にモザイクもかけず、そのまま流れたことに違和感を覚えた。未成年者に対する配慮に欠けていると思う。

  • 北海道胆振東部地震で妹を亡くした未成年の兄に対し、各社がそろってインタビューしていた。あまりにかわいそうだ。配慮した方が良い。

【「表現・演出」に関する意見】

  • さまざまな仕事を紹介するバラエティー番組で生物の凄腕ハンターが日本固有種の生物を捕獲するのを取り上げていた。生物について知ることは悪くないと思うが、生物の値段や儲かる話をしていて気持ちのいいものではなかった。番組を見た子どもたちに同じようなことをしてほしくない。

  • 朝のドラマでキスシーンが流れていた。放送時間帯を考えると子どもが見ている可能性もあり、適切な描写ではないと思う。

【「その他」の意見】

  • 連日、大学アメフト問題から始まり、体操や重量挙げのパワハラなどを各局が競うように放送している。日々過熱する放送は、二年後のオリンピックを目指して練習を重ねている若い選手にとって良くないのではないか。先生や指導者も影響を受けるのではと懸念する。

2018年8月に視聴者から寄せられた意見

2018年8月に視聴者から寄せられた意見

ボクシング連盟幹部の不適切な交際などを報じた番組への意見や、夏恒例の長時間にわたるチャリティー番組への意見など。

2018年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,196件で、先月と比較して22件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話28%、郵便 1%、FAX 1%。
男女別は男性69%、女性29%、不明2%で、世代別では40歳代25%、50歳代22%、30歳代21%、20歳代20%、60歳以上10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は延べ614件【40局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

大学アメリカンフットボールや女子レスリングなど、アマチュアスポーツ界の問題が後を絶たない中、ボクシング連盟幹部の不適切な交際などを報じた番組への意見が多く寄せられた。また、夏恒例の長時間にわたるチャリティー番組への意見も多かった。
ラジオに関する意見は41件、CMについては27件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は84件で、前月から17件増加した。
今月は「表現・演出」が33件、「性的表現」と「低俗・モラル」がともに9件、「言葉」が5件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • ラオスのダム決壊で、多数の死者・行方不明者を出し、隣のカンボジアと合わせて3万人もの人々が避難している。この大惨事について、テレビ各局ともニュースとして小さく取り上げただけで、特集番組を組むなど大きく取り上げていない。タイの少年たちの救出の際は、連日のように報道していたのに、この差はどういう理由によるものか。手抜き工事による決壊だったのか、自然災害なのか、各国からの支援状況はどうなのか、きちんと取材し報道してほしい。

  • 鹿児島に住んでいる。今日、私は物損事故を起こして車も大破したので、警察を呼び、現場検証をしていた。そこに男性が数人来て、断りもなくカメラを回し始めた。その場には個人情報が分かるものもあり、子どももいたので、撮影を断ったが、「私たちは○○放送で、事故を報道する義務がある」と言われた。名前を尋ね、名刺を求めたが無視された。その後、その局の責任者らしき人が来て、放送するのか尋ねたところ、明確な返答はもらえなかった。事故を起こした直後で気が動転しており、子どもも一緒にいた。何の断りもなくこのように撮影をするのは、普通のことなのか。

  • 昼のニュースで、お盆のUターンラッシュの様子を伝えていた。その際、新幹線のプラットホームで、極端なローアングルで撮られた乗客の姿が映っていた。地面すれすれから、見上げるように撮ったと思われる映像だ。乗客の中には、ミニスカート姿で新幹線に乗り込む際、太ももの際どい所まで映された女性もいた。故意に狙ったのではないだろうか、盗撮映像に近い印象を受けた。ニュース素材として適切なものではないと思う。

  • 今日8月6日は、世界で初めて原爆が広島に投下された日だ。そんな日に、民放各局は、その時間帯の大半を、ボクシング連盟の問題を伝えることに終始していた。各局ともに言えることだが、報道内容の重みが分からなくなっているのではないか。報道番組、情報系番組のあり方を、真剣に検討することを望みたい。

【番組全般・その他】

  • 朝の番組に、ボクシング連盟の幹部が生出演していた。その中で、彼は「○○さんは前科者、暴力団と関係がある」など、個人名を挙げ、名誉毀損とも思われる発言をしていた。このように、何を話すか分からない人を生放送に出演させていいのだろうか。放送局には局としての責任があるはずだ。視聴率よりも、テレビで放送していい内容かどうかを確認することのほうが大切だと思う。

  • 民放各局の情報系番組に共通することだが、週刊誌の記事や関係者の噂話レベルの情報を、さもウラの取れた真実であるかのように伝えている。例えば大学アメフト部やボクシング連盟の問題などである。渦中の人たちに対し、この時とばかりにバッシング発言を浴びせているが、これらを一方的に伝えることは公正ではない。問題の人たちを擁護する気は全くないが、冷静さを欠いた報道はやめたほうがいいのではないか。

  • 昼の番組で、大学チアリーディング部のパワハラ問題を取り上げていた。告発文だけを根拠に、一方的に指導者の人格を否定するような発言がみられた。そもそも、告発文が事実に即したものなのか甚だ疑問に感じ、告発者側が誇張したようにも取れる内容だったが、それが真実であると疑わない姿勢で、指導者を攻撃し続けた。不確実さを含まないとも限らない内容を基に、複数の出演者で指導者の人格否定をするのは、適切な放送であったとは思えない。

  • 40度近い気温で、外出自粛がアナウンスされる中、ドクターやトレーナーなど周りのサポートがあるとはいえ、トライアスロンの選手でも実施しないような行き過ぎた距離を、NOと言いにくい芸人に走らせたのはどうかと思う。また、膝の激痛に耐えて走ることをなぜ美談仕立てにするのか。練習時から「アイスピックで刺されたように痛む」と言っている人間を無理やり走らせることが、「感動に繋がり」「愛は地球を救う」ことになるのか、甚だ疑問だ。テレビ局の都合で、放送終了間際にゴールするように調整しているのも、毎年見ていて気持ちが悪い。「毎年恒例だから…」ということで、どんどん無茶な内容になっていくのは、目も当てられない。

  • チャリティー番組の企画に合わせて、大手商業施設で募金をしている。近所のスーパーでは、すべての出入口で行われており、入る時と出る時、2回募金をしないと後味が悪いほど、大声で募金を呼び掛けている。良心の呵責を利用されているようで、あまり気分は良くない。ボランティアや募金活動が悪いとは言わないが、もう少しやり方を考えてもいいのではないか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • チャリティー番組でタレントが過酷なトライアスロンに挑戦する企画について、"酷暑・熱中症注意"と毎日報道されている中、このような企画がなぜ強行されるのか理解に苦しむ。見ているだけで苦痛だった。部活中に熱中症で倒れる学生、亡くなった小学生が思い出された。彼ら当事者の遺族が見ていたらと思うと胸が張り裂けそうだ。

【「低俗・モラル」に関する意見】

  • 深夜のバラエティー番組で、子どもが踊っている隣に股間に24枚のシートを重ねた上にコーヒーカップを載せた裸の芸人が出てきて、シートを1枚ずつ取って行き、最後はコーヒーカップだけで股間を隠し得意そうにしていた。深夜とはいえ子どもが踊っている隣でこのような芸をさせるのはいかがなものか。

【「性的表現」に関する意見】

  • 海外で制作・放送されたドッキリ映像を扱ったバラエティー番組について、小学生の子どもと見ていた。下ネタとお色気の内容が多すぎて不快な気持ちになった。19時台に放送するには性的映像が多用されていた。できれば子どもに見せたくなかった。

【「言葉」に関する意見】

  • 各局の番組で「強制性交」という言葉が繰り返されることに抵抗を感じる。青少年が見ているテレビで"強制"という言葉がついているとはいえ、"性交"と連呼している。他の表現を考えて実施してほしい。

【「編成」に関する意見】

  • 日曜の朝に娘が楽しみにしている少女アニメがある。その日はアニメ番組を潰し、直前の情報番組を拡大して高校野球の内容を放送していた。
    アニメ番組を潰してまでやる必要はあるのだろうか。番組を楽しみにしている子どもたちの気持ちを考えてほしい。

【「視聴者意見」に関する意見】

  • 深夜のアニメに苦情が入り過ぎている。深夜アニメは子どもが間違って見ないように深夜に放送しているのであって、それに対して"子どもが見たらどうするのか"という意見を述べるのはおかしい。子どもが深夜アニメの時間帯に起きているのであれば、それは子どもを寝かさない親の責任であって、番組に責任があるのではない。

2018年7月に視聴者から寄せられた意見

2018年7月に視聴者から寄せられた意見

西日本の豪雨被害に関する報道取材のあり方への意見や、民放各局における災害時の番組編成への批判。ロシアで開かれたサッカー・ワールドカップの放送への意見など。

2018年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,218件で、先月と比較して417件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話29%、郵便 0.6%、FAX 0.4%。
男女別は男性71%、女性27%、不明2%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代23%、60歳以上12%、20歳代12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は延べ573件【49局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

西日本の記録的な豪雨で大きな被害が出たが、それに関する報道取材のあり方への意見や、民放各局における災害時の番組編成への批判が多く寄せられた。また、ロシアで開かれたサッカー・ワールドカップの放送への意見も多かった。
ラジオに関する意見は43件、CMについては33件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は67件で、前月から97件減少した。
今月は「表現・演出」が21件、「性的表現」が9件、「報道・情報」が7件と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 西日本の豪雨が多くの被害をもたらせた当日、民放各局では、歌のスペシャル番組やバラエティー番組を通常通りに編成していた。甚大な被害なのにどうしてなのか。被災地域でも放送していて、番組を見られる状況ではなかったはずだ。被災地域においては、ニュースの時間だけでなく、予定を変更してでも報道特番を組むべきではなかったか。被災した方々は、情報が錯綜して不安だったと思う。民放は、各局とも、広範囲にわたる大きな災害を、軽く考えていたのではないだろうか。

  • 豪雨災害の被災地に住んでいるが、週末のせいか、地元の放送局はニュース番組が少なく、東京キー局の娯楽番組を放送しており、ほとんど情報が入って来ない。命の危険がある大災害なので、どの地域が危険なのか、どこに避難所があるのか、食料や医薬品は足りているのかなど、被災者のために必要な情報を伝えてもらいたい。

  • 西日本豪雨被害で多くの方が犠牲になったが、マスコミの人たちには、このような自然災害が起きると必ず、行政の対応を問題視するような風潮がある。近年の自然災害は、過去に例のない想定外なことも起きている。その状況下において、行政だけでは対応しきれない現実もあることを認識するべきで、行政批判をしたところで何の解決にもならない。そもそも、マスコミの人たちの、災害時の報道姿勢に問題があるのではないか。現状を知らせるという義務を正当化し、捜索や復旧作業の妨げになっている。取材と称して勝手に避難所を撮影し、家族が行方不明だと探しているのに手を貸すこともしない。目の前の命よりも報道することを優先する彼らに、他の組織をとやかく言う資格があるのかと思う。

  • 報道は、起こった事柄をできるだけ正確に伝えることに主たる目的があるはずだ。しかし、自然災害を伝える場面では、必要以上に不安を煽り、現状を伝えることより、先の予測に主眼が置かれている番組ばかりだ。また、事件や事故を伝える場面では、客観的な報道はほとんどなく、伝える側の意見ばかりが目に付き、その意見は、その道の専門家ならいざ知らず、芸能人の意見が多い。政治の報道では、コメンテーターの意見や分析ばかりが目に付き、その意見が偏っている場合が多い。放送局は、自らの意見などを挟まない、客観報道に徹するべきではないか。

【番組全般・その他】

  • 日曜夜の番組で、男性が、川の中を流される軽自動車から、高齢者を助ける映像を放送していた。その男性は一人では助けられず、「手伝ってくれ」と叫んでいたが、取材スタッフは撮影し続けていた。このような場合、人道的に考えて、助けることを優先するべきではないか。翌日、同局の朝の番組でもこの映像を使用していたが、叫んでいるシーンはなかった。視聴者からの非難を警戒してカットしたのだろうか。このことも納得できなかった。

  • 7月6日金曜日に、西日本各地で大雨特別警報が発表された。事前に気象庁が注意喚起していたが、民放各局では、速報をテロップで表示するだけで、危機感を伝えるには弱すぎるように思えた。特に、警報発令直後の夜の報道番組は、サッカー・ワールドカップの試合後のインタビューを流し続けていた。昨年の九州北部豪雨以降、特別警報に対する危機感が問題になっているが、これを解決していくには、地上波の報道で伝えていくことが不可欠である。もっと危険性を伝えられる報道ができないものか、再考してもらいたい。

  • 民放各局のワールドカップ中継は、番組が始まって1時間以上、司会者とゲストのくだらない話に終始し、試合の放送をしない。CM前に「この後すぐ試合開始」と言いながら、さらに1時間も無駄話を続けていた。ただうるさいだけで見るのも飽きてくるし、何より時間がもったいない。もっと効率よくスポーツ中継をしてもらいたいと思う。

  • 深夜番組の、新居を探す人々の人間模様を映し出す企画は、60歳代の高齢男性が不当に差別され、入居をことごとく断られている様子を、タレントが笑いながら眺めていて不愉快だった。高齢者の住宅難は、ニュースでも取り上げられるほど深刻な問題なのに、社会問題に無関心であろう彼らは、高みの見物とばかりに人の苦境を冷笑していた。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組で美容整形手術を受ける女性を取り上げていたが、病院とのタイアップ番組のようだった。手術にはリスクもあり、トラブルも起こる微妙なものだ。子どもや中高生が安易に整形したいと思うようになってしまう。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 幼い子どもが初めて一人で買い物に出かけていくのを追ったバラエティー番組について、幼い子を一人で買い物に行かせること自体が虐待にあたるのではないか。発達が未熟な子どもを見て笑ったり感動したり、と大人が楽しむものであり、子どもの望むことではない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 若者たちの性に対する本音を扱った報道番組について、性をタブー視する感覚を変えたいという狙いもあるのだろうが、アダルトグッズを紹介したり、露骨な性的表現の連呼はいかがなものか。青少年も見る可能性のある時間帯に放送するべき内容ではない。家族で見ている家もあることを考慮してもらいたい。

【「推奨番組」に関する意見】

  • チアリーダー部を舞台にしたドラマについて、思春期の子どもたちに勇気とやる気を与える作品だ。絶対に不可能と言われた目標を達成した実話で小学生から高齢者まで推薦できる番組だ。

2018年6月に視聴者から寄せられた意見

2018年6月に視聴者から寄せられた意見

大阪北部で起きた震度6弱の地震をめぐる各局の災害報道のあり方への意見。東海道新幹線の無差別殺傷事件を報じた番組で、被害者に対するコメントが配慮に欠けているといった意見やリポーターの取材内容についての批判など。

2018年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,635件で、先月と比較して187件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話22%、郵便0.6%、FAX0.4%。
男女別は男性58%、女性41%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代23%、20歳代22%、50歳代17%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は延べ863件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

大阪北部で最大震度6弱の地震があったが、各局の災害報道のあり方への意見が多く寄せられた。また、東海道新幹線の車内で起きた無差別殺傷事件を報じた番組の、被害者に対する配慮に欠けるコメントやリポーターの取材内容についての批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は57件、CMについては19件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は164件で、前月から56件増加した。
今月は「表現・演出」が31件、「報道・情報」が24件、「低俗・モラル」が12件と続いた。
「報道・情報」では、大阪北部地震の取材に関する意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 大学アメフト部の緊急記者会見が、罵声の飛び交う中開かれ、それを各局で取り上げていたが、一方的に大学と広報担当者を非難するものだった。広報担当者の仕切りが悪いのは分かるが、同じような質問を繰り返していた記者側にも混乱の責任の一端はあると思う。特に、ある記者から「この問題は、大学のブランドを失墜させることになるのでは…」との声が飛んでいたが、これは、マスコミ権力を使った一種の脅しであり、非難されてしかるべきである。

  • 和歌山県の資産家不審死事件の報道について。各局の情報番組では、配偶者があたかも犯人であるかのような報道が目立ち、多数のマスコミ関係者が彼女の行動の自由を妨げている。この報道姿勢には大いに疑問を持たざるを得ない。過去にあった松本サリン事件の事例から全く学んでいないのではないか。

  • 大阪北部で大きな地震があったが、地震発生からヘリコプターが多数飛び交い、なぜこんなに多く飛ばさなければならないのか、疑問に思った。ブロック塀が倒れた小学校の周辺では、被害にあった生徒の情報を聞き出そうとする取材陣がおしかけ、献花に行ってもすぐマスコミに取り囲まれる始末。取材に対応するストレスも溜まり、震災報道のあり方をもう少し考えてもらいたい。

  • 地震被害の大きかった大阪・高槻市に住んでいる。昨日、どの局か、表示のない取材クルーが来ていたが、取材の仕方があまりにひどかった。駐車している中継車は邪魔で、人の通行をさえぎってまで放送していた。女性リポーターは、中継の間だけヘルメットを着用していたが、それ以外の時は誰もヘルメットをかぶらず、大声で談笑し、壊れた家の表札まで無許可で撮影していた。被災した人たちは、ライフラインの状況を、インターネットでしか知ることができない。取材クルーは、壊れた家を映すのではなく、その人たちの知りたい情報を伝えるべきではないか。1995年の阪神淡路大震災でも被害にあったが、その時と取材の仕方がほとんど変わっていないように感じる。もっと被災者に寄り添った取材をしてほしい。

【番組全般・その他】

  • 昼の情報番組で、米朝首脳会談の映像を流す際、トランプ大統領と金正恩委員長の肉声に、声優による日本語の吹き替えを上乗せして放送していた。声優の感情が込められた芝居作りになっていて、誇張、歪曲して伝わるため、事実を誤認してしまうおそれがあると思う。日本語訳は字幕でも表示されていたので、声優はそもそも不要だったのではないか。一国の首脳同士の会談を、キャラクターの乗った吹き替えにするのは、分かりやすさを逸脱し、冷やかしているような印象を受け、不適切な演出に感じた。

  • 日曜夜の番組を見た。新幹線車内の殺傷事件について、警察署からのリポーターが「男性客に止められたことが犯人を刺激し、犯行をエスカレートさせた可能性もある」と報告していた。身をていして女性客を守った勇気ある行動を非難するようなもので、不適切極まりない。彼が行動しなかったら、女性客たちはもっと大きな被害を受けていたのではないか。番組として、犯人を擁護するようにも感じられ、その一方で、犠牲になった人に対する心ない説明が多く、見ていて憤りが収まらなかった。

  • バラエティー番組の繁華街での収録で、誘拐事件と誤解させる行為があり、警察が出動する騒ぎになったが、それだけでは済まない。今回のことをきっかけに、本当の犯罪現場に遭遇しても、通行人が「テレビの収録だろう」と思い込んで見過ごすという事態も起こり得る。社会に与えた迷惑の大きさを思い知るべきだ。

  • BSのドキュメンタリー番組に映像を提供したが、番組を見た一般の方から、「水中映像において、イルカの群れと他の魚が泳ぐ時期などに疑問がある。故意に映像をつなぎ合わせ、事実をすり替えているのでは…」との指摘を受けた。録画で確認したところ、確かにその通りで、これは、放送を通じて自然科学を一般に広く伝える上で、あってはならないことだと思う。私は、番組の編集には一切関与しておらず、映像の扱いも十分に注意するよう制作会社に伝えていた。映像は提供したが、勝手に編集され、事実と異なる内容が放送された。甚だ遺憾である。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 大阪北部での地震で学校のグラウンドに無断で入り、児童を撮影して生中継していた。教師に注意され生中継を中断したが、児童のプライバシー保護を考えていないし、被災者の視点に立った行動をしていないことは反省すべきだ。

  • 地震当日、死亡した女児の友達にインタビューしていた。被災した子どもに対して教師が心のケアに一生懸命に取り組んでいるとき無配慮なインタビューをすることに倫理観を疑った。

【「低俗・モラル」に反するとの意見】

  • アニメで、やかんのようなキャラクターが出てきて、注ぎ口が下半身にあり腰を振るという下品な表現があった。子どもの見る時間帯に不適切だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、有名スポーツ選手が子どものころ受けたスパルタ教育を取り上げていたが、虐待にしか見えない。虐待をスパルタ教育と容認し、それに耐える子どもを称賛する番組は虐待を増長させるのではないか。

2018年5月に視聴者から寄せられた意見

2018年5月に視聴者から寄せられた意見

新潟の小学2年生女児殺害事件について、各局の過熱した取材への批判や、大学アメリカンフットボールの試合における悪質な反則行為に関して、監督・コーチ・選手などの記者会見の報道に対する意見など。

2018年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,448件で、先月と比較して55件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール73%、電話25%、郵便1%、FAX1%。
男女別は男性69%、女性29%、不明2%で、世代別では30歳代25%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代18%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は延べ589件【53局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、25件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新潟県で起こった、小学2年生女児殺害事件について、各局の過熱した取材への批判が多く寄せられた。また、大学アメリカンフットボールの試合における悪質な反則行為に関して、その後開かれた、監督、コーチ、選手などの記者会見の報道に対する意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は54件、CMについては21件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は108件で、前月から14件増加した。
今月は「表現・演出」が42件と最も多く、次に「報道・情報」が29件、「低俗・モラル」「性的表現」「編成」がそれぞれ5件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で出演者を倉庫に閉じ込めるドッキリ企画について意見が寄せられた。「報道・情報」では、大学アメフトにおける危険プレーに関する報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 人気タレントが起こした、強制わいせつ騒動についての報道が過熱し過ぎだ。彼の属していたグループのメンバーが、口々に被害女性を思いやっているのにもかかわらず、いつまでも同じような報道を続けていることは納得がいかない。被害女性はもちろんのこと、騒動を起こした本人が、連日のひどい報道の数々で、精神的にどれだけ追い詰められているのかと思うと、マスコミにそこまでする権利があるのか、疑問に感じる。

  • 東京・新橋駅前で、女子高生が集団過呼吸になるニュースが伝えられたが、警察や消防が現場の周りを目隠しし、救急車に乗せる途中もブルーシートで厳重に囲んで、周囲の視線から彼女たちを守っていた。その一方で、複数の局が、ヘリコプターで上空から内部を撮影していたが、これではプライバシー保護のための警察や消防の配慮が無駄になってしまう。現場の中の様子を知りたいのだろうが、それは救急隊員が拡声器で説明していたので分かると思う。節度ある報道を望みたい。

  • 新潟県の小2女児殺害事件の報道は、あまりにやり過ぎだと思う。遺族の悲しみを無視するかのように、被害者宅が特定できるよう報じていた。悲しみにくれる間もなく、全国ネットで家を映され、好奇の目にさらされて生きていくなど、とても耐えられるものではないと思う。

  • 毎日、朝から晩まで大学アメフト部の問題を放送している。それも監督、コーチが嘘を言っているという前提で、彼らを追い込むようなやり方だ。監督らの発言が、保身のための虚偽である可能性は高い。そうであっても、テレビが冷静さを欠き、偏った取り上げ方をすることは危険だ。今回の反則行為は、傷害事件として警察が介入することも考えられる。テレビの役割は、中立的な立場から途中経過を伝えることだけだと思う。

  • 大学アメフト部の問題が世間をにぎわせているが、午前中にいきなり、朝番組のスタッフを名乗る人物から「あなたは監督の同級生ですね?」という電話がかかってきた。卒業名簿などで調べたのであろうが、失礼な話だ。この番組では、日頃から、「個人情報が…」などと、うるさく騒いでいるにもかかわらず、自分たちが必要であれば、それを勝手に利用するのか。厳重に抗議する。

  • 世界卓球選手権の大会中の南北合同チーム結成について、好意的な報道が多いことに驚いた。大会途中のチーム結成には、政治的意図があるのは明白である。どうして普段通りに、「スポーツに政治を持ち込むな」と声高に訴えないのか。最初から合同チームで挑んでいたなら、他の国が決勝トーナメントに進出できたはずである。一部の国の政治的意図が、大会全体に弊害を与えている。それを好意的に伝えるのはおかしい。

【番組全般・その他】

  • メディアが司法の代わりをして、さも被害者を救済するという大義を盾にし、加害者と思われる人物を裁くような番組が多過ぎる。その人物の自宅まで訪問し、中途半端な取材を基に、一方的につるし上げるような内容は、中立性に欠けると思われる。その行為が法に触れるのであれば、それは司法が判断することであり、メディアがするものではない。

  • 夕方の番組で、就活セクハラの実態を取り上げていた。「女子大生が実名で告白」として、一般女性のようにふるまっていた人物は、政治アイドルとしてフェイスブックやツイッター等で積極的に発信している女性だ。通常の就職活動中の体験談というより、売名のため、企業をたたくために就職活動をしている印象を受けた。テレビ局が、本人をよく知らずに取材をしていたのかどうか分からないが、視聴者をミスリードしかねない内容だった。

  • 路線バスを乗り継ぐバラエティー番組があるが、そもそもスマートフォンなどで、バスの時刻表やリアルタイム運行情報が瞬時に手元に得られる時代なのに、まるで下調べせず、行きあたりばったりの無計画を装った演出に辟易する。現実は、手軽に計画を立てられ、運行情報も容易に把握できるのだから、その流れに沿ったものが望ましい。

  • 外国人に対するインタビューなどで、吹替えで放送する番組が多いが、下手な吹替えに興ざめする。外国人へのインタビューは、画面を通してネイティブな外国語に触れられる機会の一つでもある。なるべくなら字幕にして、そのままの音声を流してほしい。

【ラジオ】

  • 朝の番組で、パーソナリティーが、千葉県で起こった元市議会議員の家族切りつけ事件に関連して、精神科通院歴を問題視し、「こういう人はどうにかならないか…」と発言。精神的な病を抱える人たちの中で、就労を考える人が多い現在、それに際して、病歴をオープンにするかクローズにするかに直面するが、こういう発言を聞くと、就労そのものにおびえてしまう。放送人たるもの、もう少し発言に責任を持ってほしい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組での出演者を倉庫に閉じ込め、助けに来た友人を代わりに閉じ込めてしまうドッキリ企画は、子どもが真似をして人間関係を壊したり、いじめを助長するおそれがある。子どもも見る時間帯にここまで悪ノリした企画を放送するのはいかがなものか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 大学アメフトで危険プレーをした選手の記者会見で、代理人から顔のアップは避けてとお願いがあったにもかかわらず、選手のアップを映して報道していた。若い、未来のある学生に対してこの仕打ちは倫理観を疑う。

【「低俗・モラル」に関する意見】

  • 深夜のトーク番組に出演したタレントが、風俗店名を出し、内容まで話していた。未成年の娘と主人と見ていたが気まずかった。公共の場で話す内容ではない。

【「編成」に関する意見】

  • 深夜に放送しているバラエティー番組を関西地区では日曜日の昼間に再放送している。きわどい発言が連発され、小学生が見ている時間に再放送するテレビ局は、何を考えているのか分からない。

2018年4月に視聴者から寄せられた意見

2018年4月に視聴者から寄せられた意見

財務省事務次官のセクハラ問題について、各局の番組での報道のあり方への批判や、被害を訴えた女性記者の属するテレビ局の、この問題に関する対応への意見など。

2018年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,393件で、先月と比較して187件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話28%、郵便0.7%、FAX0.3%。
男女別は男性70%、女性28%、不明2%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代18%、20歳代14%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は延べ677件【52局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

財務省事務次官のセクハラ問題について、各局の番組での報道のあり方への批判や、被害を訴えた女性記者の属するテレビ局の、この問題に関する対応への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は42件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は94件で、前月から29件増加した。
今月は「表現・演出」が48件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が8件、「報道・情報」が7件と続いた。
「表現・演出」では、深夜のアニメ番組で女子中学生に対するいじめ、虐待のシーンについて意見が寄せられた。「報道・情報」では、人気タレントが未成年女性に対する強制わいせつ容疑で書類送検された件の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 財務省事務次官のセクハラ問題について。事務次官の自宅にも連日取材陣がおしかけているのは、プライバシーの侵害ではないのか。家族や近所の人の生活を脅かしていいとは思えない。セクハラ被害を訴えた女性記者の人権ばかり擁護されて、事務次官の家族や近所の人は擁護されないのか。節度ある取材を望みたい。

  • 人気タレントが、強制わいせつの疑いで書類送検されたことをテレビで報じていたが、被疑者であるにも関わらず、どの局も揃って「○○メンバー」と伝えているのはなぜなのか。特定の事務所に所属するタレントが逮捕されると、必ず「メンバー」と報じられるのは疑問だ。報道機関としての各局の考えを聞かせてもらいたい。

  • ニュースというものは事実を淡々と伝えて、判断を視聴者に委ねるものではないか。最近は必ずと言っていいほど、ニュースを伝えた後にキャスターが個人の意見を述べる。それもほとんどが野党寄りだ。与党は国民が選んだもの。それに対し批判を繰り返すキャスターの、どこに正当性があるというのか。公平・公正な報道を求めたい。

【番組全般・その他】

  • この時期になると毎年のように、「今年の新入社員は…」「今の若者は…」といった、世代や年代で人の性格や傾向を安易にひとくくりにし、40代50代の人たちとの違いを比較して、若者の悪い点をことさらあげつらうニュース番組が多いように感じる。若者へのネガティブキャンペーンは不愉快だが、それに加え、「自分たちの時代は、残業が当たり前だった…」というような、長時間労働を肯定するコメントをさりげなく混ぜ込んでくる。余計に腹立たしい。

  • 今年の新社会人に関するコーナーで、男性出演者が、「勝ち組・負け組」という表現を使いコメントしていた。世の中にはさまざまな事情を抱えている人たちがいる。一度失敗するとなかなか立ち直れないこともあると思う。テレビに出演するような人たちは、紛れもなく「勝ち組」なのだろう。勝ち誇ったようにこの言葉を使っている。今まで批判がなかったことが不思議だ。「負け組」という、一言でその人に烙印を押すような表現は、今後やめてもらえないだろうか。

  • 昼の番組は、財務省事務次官がセクハラ行為をしたことが、事実であるとした内容に感じられた。司会者は「個人の意見ですが…」と前置きをして、事務次官の個人批判ともとれることを話していたが、テレビの影響力を考えれば、個人の意見であっても、確証のないことを語っていいとは思わない。批判されている側は反論することができない。まるで欠席裁判をしているようだ。テレビを見ている人たちに、「セクハラは事実である」と誘導しているように思えてならない。

  • セクハラ問題におけるテレビ局の記者会見を見たが、勇気ある会見で評価したい。今後また、このような問題が考えられるので、これをきっかけに、各局で社員がセクハラなどの被害に巻き込まれた場合、どう対応すべきかなどのマニュアルを作成してほしい。そして、その女性記者に対するケアをしてもらいたい。

  • 日曜日の番組で、内閣支持率のデータを報じていた。1,952人に電話をし、回答率39.5%、と小さな文字で記されている。つまり772人に聞いただけ。固定電話なのでお年寄りなどが対象である。これでは信憑性が低い。このデータを報道番組で大げさに伝えている。これはおかしい。ネットでの世論調査をするべきではないだろうか。

  • 記憶に残るスポーツの名場面を特集した番組は、その一瞬の裏事情や選手の実際の心理など、誰も知らなかった真実を掘り起こして紹介していたが、どのエピソードも事実ならではの迫力があり、興味深かった。女子マラソンの金メダリストが、ラストスパートでサングラスを投げるシーンは有名だが、実は、高価な物をダメにしないよう、あらかじめ投げる方向など、入念な打ち合わせをした上でのパフォーマンスだった。他にも面白い話が満載で、たまたま番組の途中から見たことが残念に思えるほどだった。

【ラジオ】

  • FM局のプロ野球中継は、昨年まで、西武ライオンズの試合を、実況アナウンサーとリポーターで進行していた。しかし今シーズンから、芸人が加わる一方、実況アナがいなくなり、試合の中継をおろそかにし、「野球大喜利」をするなど、試合展開そっちのけの放送になっている。テレビの副音声ならまだしも、ラジオ局は、運転中のドライバーなど、テレビの見られない環境の人たちにも伝わる放送をしてほしいと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、女子中学生に対して暴行、性的暴力、いじめを助長する描写があり、また未成年者の犯罪行為を肯定するようにも受け取れる描写が見受けられた。公共の放送で、このような内容のアニメを放送することに対して不快な思いをした。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 人気タレントが、未成年女性に対する強制わいせつの疑いで書類送検されたことについての報道で、被害者の特定につながりかねない放送があった。被害者と知り合うきっかけになった番組名を放送していた。被害者であり、未成年であるにもかかわらず、あまりに配慮のない放送の仕方であると感じた。

【「動物」に関する意見】

  • 池の水を抜いて、外来生物の実態を調査するバラエティー番組で、外来種といって駆除される(殺される)のは腑に落ちない。生き物は悪くないので、ちゃんと命として扱うことこそ子どもも見る時間帯の番組として適切だと思う。外来種なら何でも殺してもいいということを子どもには教えないでほしい。

2018年3月に視聴者から寄せられた意見

2018年3月に視聴者から寄せられた意見

各局の情報番組で、大相撲や女子レスリングの問題を取り上げる際の司会者や出演タレントのコメントが公平性に欠けるといった批判や、オリンピックに引き続いて開かれた平昌パラリンピックに関する放送のあり方への意見など。

2018年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,580件で、先月と比較して719件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール73%、電話25%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性63%、女性35%、不明2%で、世代別では40歳代25%、30歳代24%、50歳代20%、20歳代18%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は768件【45局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

各局の情報番組で、大相撲や女子レスリングの問題を取り上げる際の、司会者や出演タレントの公平性に欠けるコメントへの批判が多く寄せられた。また、オリンピックに引き続いて開かれた、平昌パラリンピックに関する放送のあり方への意見も多かった。
ラジオに関する意見は38件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は65件で、前月から30件減少した。
今月は「表現・演出」が27件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が9件と続いた。
「表現・演出」では、教養番組で痴漢を扱った論文を紹介する企画について意見が寄せられた。「危険行為」では、バラエティー番組の罰ゲームで顔に透明テープを巻きつける演出に対して意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 都内中央線沿線にある、人気の天ぷら屋に並んでいたところ、番組のロケ隊がやって来た。そこで若い女性ADらしき人物が勝手極まりなく、撮影ありきで食事中の取材を申し込んできた。取材してほしくないことと、カメラがあると食事中の気分が害されることで撤退を願ったが、「映っても、顔はわからないようにするから…」の一点張りで聞き入れてもらえなかった。それに加えてADは、このやり取りをカメラマンに報告した際、嘲笑していてとても心外であった。行列時の取材許可や店内での撮影を拒む人への対応に配慮するべきで、番組制作者としての義務を怠っていたと思う。結果として、わざわざ時間と交通費をかけて店まで行ったのに、食事は諦めた。このような精神的苦痛を受けたことは悔しいし腹が立つ。メディアの権力を振りかざし、当然のように撮影を行う姿勢は許されることではない。

  • 最近のニュース番組を見ていると、一方の意見に偏った報道がされているように感じる。両方の言い分を報道していかなければ、情報の取捨選択、および、その事象に対して正しい判断をすることができない。また、インターネットを情報源に報道しているものが多すぎる。これでは、きちんと取材された情報が提供されるという、テレビの長所がなくなってしまう。この先もテレビが生き残っていくために、一考してもらいたい。

【番組全般・その他】

  • 最近、オリンピックだけでなく、パラリンピックも面白いと思うようになってきた。今回は放送時間も大幅に増え、いろんな競技を見ることができた。ただ、開会式と閉会式にタレントを起用するのはどうなのか。完全にトーク番組の雰囲気で、無駄な会話が多く、実況というより雑談のように感じた。視聴者はあくまでも開会式そのものを楽しみたい。それに邪魔にならないような喋りにしてほしかった。一方、ユニバーサル放送(障害のある人もない人もみんな楽しめる放送)は、落語家とアナウンサーの息がピッタリで素晴らしかった。

  • パラリンピックの放送を、地上波とBSを使い効果的に行っていた局の姿勢は、評価に値すると思う。しかし、それ以外の局はひどい。オリンピックは一斉に放送していたのに、パラリンピックはほとんど無し。視聴率至上主義の現状も分からないわけではないが、スポンサーである企業側にも問題があるのではないか。カーリングのように中継によって注目を集める競技もある。障害者スポーツ発展のため、企業の社会的責任をアピールするなら、パラリンピック中継にも資金を提供し、放送を促してはどうだろうか。

  • スピードスケートの世界スプリント選手権は、"緊急中継"として、ライブ放送を思わせるような作りになっていたが、実際は録画だった。オリンピックの金メダリストが体調不良で棄権したことは、既にネット上などで広まっていたが、それを隠し続け、放送開始から1時間以上過ぎて、ようやく伝えていた。視聴者を欺くような番組作りにうんざりした。

  • 女子レスリング選手が、陰湿なパワハラを受けていたとされる問題で、コメンテーターが「指導ではよくあること」と発言していたが、加害者を擁護するようで公平性に欠けるのではないか。被害者は精神的苦痛を感じていたかも知れないし、取材スタッフなどが、実際のパワハラ行為の内容を、双方から聞き取り調査したわけでもない。推測だけで軽はずみな発言をするべきではないと思う。

  • 大相撲では元横綱の親方、女子レスリングでは指導者が批判の的になっているようだが、テレビが無責任に騒ぐことはよくない。それぞれ第一線で成果を挙げてきた人たちだ。ここまで来るには、一般の人たちには想像できない努力や苦労があったことと思う。それら全てを否定するようなバッシングはやめたほうがいい。事実がはっきりしてから冷静に伝えれば済むことだ。今のワイドショーは、どんな話題でも、芸能ゴシップと同じレベルで騒ぎ立てているように感じる。

  • 伊豆諸島の島で、島から出たことのない孤独な老人を執拗に追い詰めて取材するという企画を見た。いきなり番組スタッフに近寄られた老人は、身の危険を感じ、金づちやカマで威嚇した。そのうち興奮のあまり鼻血まで出していた。自分の意思で仙人のような生活を送っている人だ。前触れもなくテレビカメラが押しかけるなど言語道断だ。また、老人の怒りや怯えた様子をスタジオでは大笑いしていたが、これも許せない。ついに老人は諦めたのか、抵抗をやめてスタッフに身の上話をし始めた。スタジオの出演者たちは「いい話だ…」などと聞き入っていた。そういうことなら、最初から彼の心を和らげるように、穏やかにアプローチすればよかったのだ。番組として面白いものを求めようとするあまり、孤独な老人を追い詰めるような真似をしたことに強い憤りを覚えた。

  • "成人年齢18歳"の動きの中で、テレビの討論番組などの出演者も、若者たちにシフトしてはどうだろうか。それによって政治に興味を持ち、将来の日本を担う自覚につながると思う。今後に多くを望めない老年層の専門家たちが、テレビでいくら議論したところで、何の解決にもならないのではないか。私もシニア世代になり、今のテレビ番組をすっかり見なくなってしまった。

  • このところ、どの番組も代わり映えせず、芸能人やその関係者が私物化しているように見える。取り上げる話題も、どのような基準で決められているのかと思うときがある。芸能ネタも、大きな事務所のタレントの不利益になることには触れず、扱いやすいものばかり伝えているようだ。誰のためのものなのか、なぜ同じ人ばかりテレビに出るのか、疑問だらけだ。芸能人の「そんなに嫌なら見なければいい」という言葉にも抵抗がある。見ている側に避ける努力をしろと言っているようだ。人を傷つけるようなことをしておいて、それが嫌ならテレビを消せと言うのはおかしい。今のテレビはつまらないものが多い。なぜこんなふうなってしまったのか、一度考えてみてはどうか。

【ラジオ】

  • 花見でにぎわう中継先での、男性アナウンサーの行為について。花見客として偶然隣り合った見知らぬ男女に、一本のチョコレート菓子をそれぞれ両側からくわえさせ、食べさせるというもの。放送を聞く限りでは、指示された男女は、かなり困惑しつつ対処しているように感じた。番組を知るリスナーであれば許容範囲かとも思うが、それを知らない、たまたまその場にいた一般の人たちに対しての行為であれば、相当不愉快なものであったと思う。番組自体は大変楽しいものであるだけに、中継コーナーで度々行われる強引さが、本当に残念でならない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 教養番組で、「痴漢」に関する論文を扱っていたが、痴漢の被害者の中には大人だけでなく、中学生や高校生など未成年の子どもも含まれており、被害者に対する配慮が欠けた内容であった。痴漢は性犯罪であり、被害者も多く、さらに被害にあった人はその後の人生が変化してしまうこともある。

【「危険行為」に関する意見】

  • バラエティー番組で、バレーボールを取りそこなった人の顔に透明テープを巻きつけていた。鼻はつぶれ、口は半分程度しか開いていなかった。命の危険がある行為であり、いじめの助長になりかねない。

2018年2月に視聴者から寄せられた意見

2018年2月に視聴者から寄せられた意見

韓国・平昌で開かれた冬季オリンピックについて、競技内容や放送全般への意見に加え、韓国と北朝鮮の政治問題を、スポーツの世界に持ち込んだことへの批判や、全国各地の大雪被害に関する報道のあり方への意見など。

2018年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,299件で、先月と比較して710件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール86%、電話12%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性56%、女性43%、不明1%で、世代別では40歳代29%、30歳代27%、20歳代18%、50歳代17%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は1,680件【41局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

韓国・平昌で冬季オリンピックが開かれたが、競技内容や放送全般への意見に加え、韓国と北朝鮮の政治問題をスポーツの世界に持ち込んだことへの批判が、多く寄せられた。また、先月に続き、全国各地の大雪被害に関する報道のあり方への意見も多かった。
ラジオに関する意見は32件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は95件で、前月から25件減少した。
今月は「表現・演出」が27件と最も多く、次に「動物」と「性的表現」がそれぞれ10件、と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で自ら厳しい世界に飛び込んでいった若者を描いた企画について意見が寄せられた。「動物」では、犬の訓練士を取材したドキュメンタリー番組について意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、休日の早朝に放送したアニメ番組について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • オリンピックが明日開幕するということを知らない人が意外に多くて驚いた。今一つ盛り上がらない原因として、韓国と北朝鮮の政治的駆け引きに注目するテレビ報道が挙げられると思う。「南北合同チームの是非」とか「北朝鮮の芸術団」とか、そんなことばかり取り沙汰されている。本来の"スポーツの祭典"とは違う方向に関心が行っているようで残念だ。今からでも遅くない。報道の仕方を軌道修正してほしい。

  • 平昌オリンピックについて。選手が主役のはずの報道のおよそ半分が北朝鮮応援団の話題ばかりで、異常だ。この日は、日本人選手が出場しているにも関わらず、ニュースになるのは日本人選手の登場に拍手をしない北朝鮮の応援団の情報だった。何のためのオリンピックなのか。北朝鮮の応援団は一度見れば十分だ。

  • 平昌オリンピックが開幕したが、この日の日本海側の天気予報は雪。ちょうど福井県に出張しており、テレビをつけると"大雪警報"の情報が出ていた。詳しく知りたいと思い、開会式を放送している局にチャンネルを合わせたところ、オリンピック映像だけが流れ、警報の文字も何もなかった。視聴者センターに問い合わせると、「オリンピックだから出さない、字幕がないことを視聴者が望んでいる」と言われ、話を聞いてもらえなかった。災害警報よりもオリンピックを優先するというのか。釈然としない思いだけが残った。

  • 福井県を中心とした大雪被害で、およそ1,500台の車が立ち往生し、24時間以上たっても解消の目途が立たないなか、朝・昼のワイドショーなどの、前日に発表された皇室関連の結婚延期報道を延々と繰り返す番組作りに疑問を抱いた。大雪は生活に大きな影響をきたしている。被害を伝える情報が少なく、不安にかられる人たちが大勢いるのではないか。

  • 富山県の大雪は大きな被害をもたらしそうだ。しかしながら、テレビはどの局も時間を割いて報道しない。食料や物資は交通が滞れば届かないのに、情報が必要な地方の人たちを無視して、オリンピック関連や芸能ニュースなどばかり。優先順位が違うのではないか。被害が拡大した場合、メディアにも責任があると思う。必要な人たちに必要な情報を伝えてほしい。

  • 就職活動の取材で許可なく撮影され、ニュースで放送されてしまった。取材クルーは、企業側には許可をとっていたようだが、求職者側にそれはなかった。私は、映り込みではなく、しっかりと顔をさらされてしまったが、就職活動時期が遅いという自覚があるので、あまり人に知られたくなかった。そういった事情を無視されたのは本当に悲しい。

【番組全般・その他】

  • 一般の人を誤って容疑者と報じた朝の番組。この手の後始末は、MCやアナウンサーが謝罪するだけでことを済ます。テレビ局の人間は、企業や政治家が何かやらかすと、「責任はどう取るつもりか」と詰め寄るが、自分たちの商品である"情報"に手違いがあったのなら、それは自分たちの責任問題である。局も番組も非を認めるべきだ。プロデューサー、チェック担当、テロップ作成者、全員そろって謝罪したほうがいいのではないか。どの局も、一昔前に比べたらありえないくらい、名前、写真、情報などの間違いが多い。そして、「大変失礼しました」の一言で次の話題へ行ってしまう。ネタをツイッターから拾い、ユーチューブの映像を紹介する。一般の人たちがすでにSNSで見たものを流す時代。テレビが本当につまらなくなった。

  • 大相撲の緊急特番を見た。一連の暴力事件の報道にもう辟易するが、いまだ解決させたくない向きがあるようで驚かされる。沈黙を続けていた親方が番組でベラベラと喋り、自己肯定、自己弁護に終始し、完全に相撲協会が悪であるかのような発言を並べ立てていた。テレビ局のスタンスが果たして正しいのか、疑問を抱いた。暴力は絶対にあってはならない。しかし、メディアは、視聴者を偏った思想や信条、局独自のポリシーに誘導してはいけない。多角的に物事を分析し、今回の騒動に対しても、双方向の言い分をしっかり取材・調査し、あらゆる可能性を探り、さまざまな意見を提示すべきなのではないかと強く感じた。それらの中から何を選択するかは視聴者の自由であり、決して特定の意見を押し付けられ、偏った方向へ誘導するべきではない。メディアの果たす役割は大きい。慎重に番組作りをしてもらいたい。

  • 女性出演者が、大阪に北朝鮮の工作員が紛れ込んでいるという趣旨の発言をしていた。この発言に関しては二つ問題がある。一つは、情報源を明かさずに発言したこと。現在、北朝鮮が核放棄できるか、核ミサイルを打たないか、国際社会が固唾をのんで見守り、平和的解決に向けて慎重に交渉を進めようとしている時期に、国内向けであっても、むやみな発言は避けたほうがいいし、このような国際問題は虚偽の情報が横行しやすいため、情報源を明確にしてから話すのが適当だ。もう一つは、仮に事実であったとしても、放送で流す内容ではない。もし大阪に北朝鮮の工作員が潜入しているとしても、誰が工作員かということをどうやって知るのか。この発言は、大阪に住んでいる在日コリアンの人たちへの憎悪を煽り、差別やそれに伴う犯罪を引き起こす恐れがあると思う。

  • 私たちが普段しないような、珍しい体験をした人をスタジオに呼び、それを紹介するという番組を見た。女性アナウンサーが、体験談をプレゼンテーションするという形で番組が進んでいく。その進行は、面白おかしく、時には真面目な知識も交えて、というものだ。スタジオに呼ばれた人たちには、それぞれにドラマがあるのだと気付かされることが多々ある。今回は、毛抜きで襲ってきたタクシー強盗に、愛情を持って接したという男性の体験談が紹介された。ゲストの女性タレントが、そのタクシー強盗の言動に厳しい言葉を浴びせた場面もあったが、人には誰しも愛情が必要であることが改めて分かった。お笑い芸人やタレントの内輪話を流すだけの番組より、趣のある番組だと思う。

  • 愛車自慢コンテストの特集を見た。マシンや競技そのものにスポットが当てられることが多いモータースポーツで、レーシングドライバーが、普段どんな車に乗っているのかという特集は、非常に興味深い。今なお愛され続ける往年の名車を大切に乗り続けているドライバー、競技で使用するマシンと同じ車種に乗っているドライバー、あるいは、意外なドライバーが意外な車種に乗っているなど、見ていて非常に楽しい。地上波におけるモータースポーツ番組がめっきり減ってしまった今日、こういった番組や特集をきっかけに、モータースポーツに興味を持つ人が老若男女問わず増えてくれれば、車好きとして嬉しい。

【ラジオ】

  • 私の住んでいる県では、老人たちの老化ぶりを面白がる風潮があるようで、女性パーソナリティーが務める情報番組の冒頭から、それをネタに盛り上がっている。「お年寄りはこんな風になっていくんですよ…」と面白おかしくからかわれ、70代の私にとっては実に不愉快だ。局に抗議をしたが、今のところ何の対応もない。ラジオは毎日楽しみに聞いているが、これには耐え切れない思いがする。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、夢のため自ら厳しい世界に飛び込んでいった若者たちを密着取材した企画について、今どき、このような根性論に終始した指導をする運動部を、美談として紹介するのは、時代錯誤ではないか。これを教育の一環として大人が真似をしたら、体罰問題、パワハラ問題につながるのではないか。

【「動物」に関する意見】

  • ドキュメンタリー番組で凶暴化した犬をしつける犬の訓練士を描いた企画について、訓練とは言い難い暴力を使った虐待であり、犬ならば許されるというものではない。動物に対する虐待が、その後、弱い立場の人間に矛先を変えていくことがあるのではないか。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 休日の早朝に放送したアニメ番組について、子どもが見る時間にあのような残虐なアニメを放送する気がしれない。もう一度、青少年のための番組作りを考え直してもらいたい。最近は、残酷なアニメが親の知らない時間帯に多く放送されていて不安だ。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 話題がオリンピックばかりである。ほぼ一日中、オリンピックを放送しているのに、ニュースの時間まで使う必要はないと思う。ニュースの時はオリンピック以外のニュースを放送するべきだ。政治離れが若者に進んでいる理由には、ニュースでの政治に関する時間が少なすぎることも挙げられると思う。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 科学を扱ったバラエティー番組で、丸刈り頭の芸人の頭に特殊なジェルを塗り、火をつけ、オムレツを焼いていたが、危険すぎる。子どもが真似したら大事故につながる。また、いじめの道具にしたらどうするのか。「マネしないでください」と文字を入れていたが、文字を入れれば何をしてもよいというわけではない。

2018年1月に視聴者から寄せられた意見

2018年1月に視聴者から寄せられた意見

全国各地の大雪による被害のニュースや、成人式の取材に関する報道のあり方への意見。年末年始の長時間スペシャル番組への意見など。

2018年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,589件で、先月と比較して437件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代20%、20歳代17%、60歳以上9%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は923件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、24件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

新年を迎え、全国各地の大雪による被害のニュースや、成人式の取材に関する報道のあり方への意見が寄せられた。また、年末年始の長時間スペシャル番組への意見も多かった。
ラジオに関する意見は30件、CMについては25件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は120件で、前月から10件増加した。
今月は「表現・演出」が34件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が21件、「暴力・殺人・残虐シーン」が15件、と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、バラエティー番組で裸芸の芸人の出演について意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、バラエティー番組での女性タレントの扱いについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 首都圏でおよそ4年ぶりの大雪が降った。夕方のニュースで過去の映像を流していたが、左上に年月日のテロップが出ているだけで、現在の状況と混同してしまう。特に、駅の運行情報などは、今起こっている事象と勘違いしてしまいそうだ。過去の映像を流す場合は、枠を付けるなど、今の状況ではないことをもっと強調するようにしないと、情報を誤認する恐れがある。

  • 毎年、福岡・北九州の成人式を扱う意図はどこにあるのか。「日本一盛大な」と言っていたが、何を根拠にしているのか。全国各地の成人式を取材したわけでもなく、初めからここだけを特集しようと決めて、ごく一部の着飾りが派手な若者を取り上げ、ばかにするつもりだったに違いない。基本的なマナーはきちんと守っているのに、全体的にガラが悪いかのように報じるのは偏見を植え付けるだけだ。一生に一度のめでたい日を、不愉快な日にするのはやめてほしい。

  • プロ野球元監督の訃報の中で、すい臓がんの余命について報じていたが、治療している人たちにとって希望をなくすものだった。私の父もすい臓がんで闘病中で、治るのではないか、少しでも長生きできるのではないかと日々辛い治療を続けている。その状況のなか「余命○○以内」とテレビで告げられると、絶望に追いこまれ、治療への意欲を削がれてしまう。病気を知ることは大切だが、余命までは報道すべきでない。余命は人それぞれである。治療を受け戦っている人たちへの配慮を欠いた報道に抗議する。

  • 人気女優の兄、酒気帯び運転容疑で逮捕について。女優の家族というだけで、大々的に名前、年齢、職業などがさらされるのはどうなのか。ましてや「○○の兄」という表記は、女優本人にも問題があるような印象を受ける。彼女は何もしていない。まるで容疑に関係したかのような報道のあり方は問題ではないか。

  • ここ最近の芸能ニュースは、芸能人を強く傷つける内容が多い。一視聴者として、見ていても辛くなるようなことがある。芸能人も一個人だ。特に家庭の問題、不倫などは視聴者には何の関係もない。しかしながら、最近はCMやドラマの降板や引退にまで追い込まれる傾向にある。イメージダウンを助長させているのは本人達ではなくマスコミだ。私は、歌手であるなら歌っている姿、俳優なら演じている姿が好きなのだ。不倫は良くないことだが、夫婦間の問題であり、罪を犯したわけではない。ワイドショーでは暗い話題はなるべく扱わないでほしい。芸能人は、テレビや舞台で視聴者やファンを楽しませるために活動しているのだから。

【番組全般・その他】

  • 大みそかの番組で、格闘家が熊と対決するコーナーがあった。強固で透明なパネルを挟んで押し合い、力比べをするというものだったが、パネルが外れ、格闘家が退避する顛末になった。問題と思われるのは安全性の軽視。現に装置が破壊されていた。動物愛護の精神への逆行も問題だ。格闘家の退避が間に合わない場合、おそらく熊は射殺されていただろう。熊を意図的に興奮させる手法も疑問だ。ローマ時代のコロッセオでもあるまいし、放送倫理を疑う内容だった。

  • 昼の番組で、音楽プロデューサーの不倫問題を取り上げていた。自身のこと、家族のことについて率直に語っていたが、「あそこまでプライバシーを人に披露するのは…」というコメンテーターの苦言に驚いた。言葉を濁すと批判し、説明責任を追及し、プライバシーを暴こうとするマスコミ側の人間が、彼の苦渋の吐露を批判する立場にあるのだろうか。勝手に私事を報道され会見を開いたのに、これではひど過ぎる。

  • マナー講師を出演させ、お祝いのお返しに贈っていいもの・いけないもの、二者択一のクイズ形式の番組があった。「緑茶と紅茶のうち、お祝い返しに贈ってはいけない物はどっち?」の出題に対し、正解は「緑茶」。正解を示す演出として、画面に緑茶と紅茶の画像をあらかじめ表示し、緑茶の画の上に「贈ってはいけない」という文字をオーバーラップさせた。マナー講師が監修しているとの印象を視聴者に与えた状態で、「緑茶を贈ってはいけない」ことがマナーの正解との印象を視聴者に与え、さらに「お葬式を連想し縁起が悪い」ととどめを刺した。一方、緑茶は縁起が良いものとしてお祝い返しに贈る方もたくさんいる。実際に九州では結納茶という文化が残っている。この番組は、意見の分かれる風習やしきたりのようなものを比較し優劣を付け、一方を正解であるかのように表現し、他方を支持する人達を傷つけたことになる。さらには緑茶の商品価値を落としてしまっている。

  • インドネシアのスマトラ島でクワガタとカブトムシを探すという企画のなかで、島で捕獲したというコーカサスオオカブトとオウゴンオニクワガタを映した。しかし、テレビに映ったその2種はジャワ島の固有種であり、スマトラ島にはいない。番組では「スマトラで捕獲した」としていたが、誤りではないか。私はカブトムシやクワガタを商っており、年に何度もインドネシアに出かけていて、これらの虫のことはよく知っている。小学生でも昆虫に詳しければ気付くことだ。また、ジャワ島で捕獲したはずのこれらの虫を、再び島に返したかどうかという点も気になる。生態系を守ることにも言及してほしかった。

  • 私は、アメリカに17年間居住して帰国したが、日本のお笑いの質の低さ、黒塗りの顔や女性への暴力を平気で流す意識の低さ、そしてモラルのなさに驚きと怒りを感じる。日本人は人権意識が低いと言いはやしているようなものだ。そもそも放送局には、自局の番組がモラルに抵触しないかのチェック機能があるはずだ。視聴率が取れるから、何でも流していいと思っている姿勢が垣間見える。いじめや暴力を受け、泣き顔になっている人を笑うという図式は、放送倫理に反しないのか。

  • 「関東地方で地震」との第一報があり、続いて報道フロアからの臨時ニュースが入った。そのなかでアナウンサーが「先ほどの情報に誤りがあった」と正したが、具体的にどう間違っていたのかの説明がない。そこで局に電話をして説明を求めたが、電話対応者は「誤りがあったとの文言はなかった」と言う。私が「どこにどう確認したのか」と尋ねると、はっきりと答えなかった。納得がいかないので「そんなことでは信用できない」と告げたところ、「どのように受け取られても構わない」と開き直るようなことを言われた。何のための報道であり、何のための視聴者対応なのか。どちらもその役割を果たしていない。

  • 関西地方の夕方の番組で、派遣労働者の2018年問題を取り上げていた。この法律の影響で雇い止めになった人の声や、派遣社員の制度の紹介や現状がわかりやすく紹介され、この問題に取り組む団体のホームページの紹介もあり、早速アクセスしアンケートに参加させてもらった。私も派遣で働いているため、他人ごとではないとの思いで見ていたが、現在の日本の企業がこのような働かせ方を平気でしていることに対して、日頃から怒りを感じており、よくぞ報道してくれたと思った。今後もこのような生活に密着した重要な話題を多く取り上げてほしい。

【ラジオ】

  • 土曜昼の番組は、生放送を偽装しているようでがっかりした。オープニングは普段の生放送と変わらぬ喋り出しだったが、番組名物の世相や芸能に関するトークは無く、音楽をかけ、雑談で番組終了。ラジオはテレビに比べ、出演者がより身近に感じられ好きな媒体だが、この日は、生放送の雰囲気を出しつつも、メールなどの受け答えはしないという形で、リスナーを少しばかにしているような放送に見受けられた。昨今、食品偽装や工業製品のデータ改ざんが社会問題になっている。番組が生放送を装っていながら、実は録音というのは、表示に偽り有りと感じざるを得ない。ラジオ番組に求められているのは、イミテーションではなく、速報性、実直さ、身近感だと思う。近頃、暗い話題ばかりで、気晴らしにラジオをつけたらこの状態。余計にモヤモヤした。

【CM】

  • 最近、仮想通貨のCMが増えているが、CMの最後に表示されている注意喚起の表示が、短すぎて全部読めない。

青少年に関する意見

【「低俗、モラルの反する」との意見】

  • 生放送のバラエティー番組で、裸芸の芸人が股間を隠す芸に失敗した。放送時間は、青少年の視聴も想定される時間であり、大変不適切である。リスクの高い裸芸を地上波で放送することに対する規制を望む。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、女性タレントが格闘家から蹴りを入れられて痛がるのを、男性芸人が笑うというシーンがあった。お茶の間で子どもの目に触れてよいはずがない。いじめやリンチの助長となる可能性もある。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、男性芸人が顔を黒塗りにして登場していたが、面白かったら人種差別的なことをしてよいのか。子どもたちに影響の大きい番組なので、放送内容に配慮してほしい。番組から悪影響を受けているようで心配だ。

【「編成」に関する意見】

  • ゴールデンタイムのドラマを子どもたちと見ていたら、深夜の新番組のドラマの番組宣伝が放送され、ベッドシーンが出てきた。このような番組宣伝は、子どもたちの見る時間帯にふさわしくない。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • ドッキリ番組について、「人の不幸を笑いものにするのは許せない」「どう考えてもいじめと思う」「子どもがまねをする」などの批判が寄せられているが、私はそうは思わない。このような番組は、単純にストレス解消のために見ている人がほとんどであり、直ちにいじめや非行の原因になるとは考えにくい。なんでもかんでもいじめ、非行の元凶と決めつける短絡的な考え方こそ問題である。

2017年12月に視聴者から寄せられた意見

2017年12月に視聴者から寄せられた意見

大相撲の暴行事件に関する意見のうち、特に各局ワイドショーなどで、加害者側を擁護する司会者やリポーターに対する批判や、およそ2か月間、ほぼ同じ内容でこの事件を追い続けている番組への批判が多かった。

2017年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,026件で、先月と比較して665件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では40歳代27%、30歳代23%、50歳代20%、20歳代14%、60歳以上13%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は893件【34局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

先月に引き続き、大相撲の暴行事件に関する意見が多く寄せられた。特に、各局ワイドショーなどで、加害者側を擁護する司会者やリポーターに対する批判や、およそ2ヵ月間、ほぼ同じ内容でこの事件を追い続けている番組への批判が多かった。
ラジオに関する意見は31件、CMについては23件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は110件で、前月から22件増加した。
今月は「表現・演出」が24件と最も多く、次に「暴力・殺人・残虐シーン」が16件、「報道・情が13件、と続いた。
「暴力・殺人・虐待シーン」では、バラエティー番組でプロレス好きな子どもを持つ母親からの依頼を扱った企画について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 大相撲の暴行事件発覚後から連日、ワイドショーなどで、コメンテーターやゲストの芸能人が、個人的な思い込みや推測で話す内容は、すべての視聴者が共有すべきことだろうか。国会の審議や国際情勢など、もっと視聴者に事実を知らせ、議論する必要があるテーマがあるはずだ。私は相撲が嫌いではない。むしろ、民放では、普段から他のスポーツと同様に話題として伝えてほしい。問題が起きた時だけ、このような取り上げ方をすることは疑問に思う。

  • 大相撲の暴行事件で、悪いのは暴力をふるってけがをさせたほうなのに、番組司会者やリポーターなどが擁護しているのを見ると、10年前の力士死亡事件から何も学んでいないとしか思えない。また、暴力行為はもっと早くに止められたはずで、止めずに見ていた力士は皆同罪ではないのか。明らかに横綱側に立った報道で、聞いていて呆れる。守られる立場の被害者や親方が責められ、相撲協会は加害者を守ろうとしている。これでは学校のいじめと同じで、その中で解決できるとは思えない。警察を入れて正解だった思う。

  • 大相撲の暴行問題の放送時間が、あまりにも多くて長くて何の意味があるのだろうか。事実と結果と問題点を週一回も取り上げれば十分だ。他に社会問題、未解決事件、海外の現状など視聴者に伝えるべきことは山ほどある。あまりにももったいない。日本の研究力や大学の世界的評価の低落、選挙時の投票率の低さ、国民の問題意識の無さ。こういう現状にメディアは一役も二役も買っている。相撲で国は成長しない。特に朝はテレビのスイッチを入れる気にもならない。

  • 「小2女児刺され、同級生の母親逮捕」について、リポーターが同級生らに対し、取材と称して話を聞いていた。たとえ報道する義務があるとしても、同級生は被害者と加害者の子の両方を知っている。しかも殺人未遂である。精神的ショックが大きいと思われる事件の取材は、今後の子ども達の将来を考えると倫理的に看過できない。大切なのは、被害者児童、加害者の子、その同級生の心のケアである。事件で心に傷を負った子ども達に、さらに追い打ちをかけるような取材が行われないよう、きちんとした対処をしてもらいたい。

  • 「埼玉県の風俗店火災」の報道で、亡くなった被害者が実名で報道されていた。女性は風俗店の従業員、男性は客である。被害者、遺族の複雑な胸の内を思えば、今回は実名を出すべきではなかったのではないか。

  • 事件報道について、被害者のプライバシーを報道するなという意見がある。たしかに、遺族の感情や本人の名誉は尊重されるべきだ。しかし、被害者の生の生活を報じなければ、事件のリアリティーが失われてしまう。「こんな事情を抱え、このように生きてきた人が、こんな理不尽な事件に巻き込まれた」と報じることで、事件の現実の悲惨さを認識でき、自分に近い出来事として悲しみや怒りも湧くのではないか。無機質に「被害者は○○さん××さん」とだけ報じていては、どこか他人事で絵空事のように感じ、事件の悪質性や非人間性が伝わらない。罪を過小評価させている。それでもいいのか。

【番組全般・その他】

  • 最近、番組内容が低俗、下品で堪えられない。今日、たまたま見た番組のテーマが「ラブホテルの歴史」だった。昼間の生放送なのに呆れ果てている。受信料を払うか払わないかで裁判沙汰になっている今でさえ、馬鹿げた番組を繰り広げているのだから、緊張感がなさすぎる。現代日本は高齢者が増え続け、認知症になる人たちも多い。生産年齢は減り続け、10年先は受信料を払える人が激減するだろう。地球温暖化、北朝鮮問題、働ける人口激減問題や介護不足など、様々な問題を目前に、何のためにもならない低俗な番組を流すのは、制作側に問題がある。一体何を趣旨に番組を作っているのか。腹立たしい。

  • 昼の番組で、東京都内の神社の後継を巡る殺人事件の話題が取り上げられた。事件の背景には、宗教法人としての莫大な収入があるようだ。女性タレントが「神社の人たちが殺人事件を起こすなんて」と嘆いた上で、「神社や寺が、庶民のための存在であったのは過去の話。今は庶民への奉仕より利益優先、それでいて税の優遇はしっかり受けている。これはおかしい」と言い切った。全く同感だ。生放送でズバリと言ってくれて、胸のすく思いがした。

  • 朝の番組で、ジャーナリストが、10年前に廃業した大阪の料亭の元取締役と女将であったその母親に取材していた。質問は、廃業のきっかけになった料理の使い回しや謝罪会見での女将の行為に集中し、元取締役と母親の「あの時は申し訳なかった」と何度も頭を下げる場面を映していた。世間に対する弱みがあるから、本人たちは取材を拒否できなかったのだと思うが、なぜ今になって、10年も前の古傷に触れるようなことをするのだろうか。

  • 岩手県に住んでいる。県内の町長のわいせつ疑惑を連日のように各ワイドショーで取り上げ、出演タレントが何だかんだ騒いでいる。番組が伝えるのは、町長のハレンチな行為だけで、町が抱える問題についてはどこも触れてくれない。テレビ的に面白くならないからだろう。この町は、6年前の東日本大震災と昨年の台風10号により大きな被害に見舞われた。復興半ばの小さな町でこのようなことが起こってしまい、住民は困惑している。ワイドショーのやっていることは、町のイメージを悪くし、復興の妨げになる可能性があることを忘れないでほしい。風評被害につながるおそれもある。悪いイメージがついた町に観光に来てくれるだろうか。テレビ的には恰好のネタでも、住民からすれば、生活そのものがかかっている。中途半端に面白おかしく取り上げることはやめてもらいたい。

  • 夜の番組で、外国人の技能実習生を特集していた。日本のメディアでは、正面切って報道されることが少ない問題を、きちんと取り上げている点で大変良いものであったと思う。一部では批判的な声もあるようだが、番組関係者には、今後もそれを恐れず頑張ってほしい。

【ラジオ】

  • 朝の番組は、スペシャルウィーク期間につき、サイコロを振り、出目と同じ数のお金をリスナーにプレゼントする企画を放送していた。「1」で1万円、「6」で6万円というわけだ。しかし今朝、サイコロを振ると「1」が出た。すると司会者は「申し訳ない」と言って振り直し、「6」を出して6万円にかえてしまった。これはおかしい。1ヵ月前にも同じようなことがあったので、局に抗議をした。私の思いは伝わったと思っていただけに納得がいかない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、2リットルの水を1分間にどのくらい飲めるか、という内容があり、皆一気飲みしていた。体調に影響はないのか。子どもがまねをした場合、危険極まりない。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、プロレス好きな子どもの相手になってほしいという母親の依頼を扱った企画で、兄が、痛がる妹にプロレス技をかけるシーンが流れ、非常に気分が悪くなった。子ども同士といえども、DVにあたらないか疑問であるし、その様子を笑いにできる番組が理解できない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 小学校2年生の女児が、同級生の母親に刺傷された事件について、リポーターが幼い同級生に取材と称して、話を聞いていた。報道する義務があるとしても、被害者も加害者の子どもも両方とも知っていることから、精神的なショックも大きいと思われる。今後の子どもの将来を考えると看過できない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、お笑い芸人をだますドッキリ企画について、子どもと見ていたが、どう考えてもいじめだと思う。子どもがまねする可能性が高い。人の不幸を笑いものにするのは許せない。

2017年11月に視聴者から寄せられた意見

2017年11月に視聴者から寄せられた意見

神奈川県座間市のアパートで、9人の遺体が発見された事件で、被害者の実名、顔写真などをめぐる報道のあり方への意見や、大相撲の暴行事件についてのコメンテーターや芸能リポーターの発言に対する意見など。

2017年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,361件で、先月と比較して404件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール71%、電話27%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性33%、不明2%で、世代別では40歳代29%、30歳代24%、50歳代20%、20歳代13%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は575件【42局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

神奈川県座間市のアパートで、9人の遺体が発見される凄惨な事件が起こった。それに関して、被害者の実名、顔写真などを巡る報道のあり方への意見が多く寄せられた。また、大相撲の暴行事件について、各局ワイドショーのコメンテーターや芸能リポーターの発言に対する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は30件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は88件で、前月から27件減少した。
今月は「報道・情報」が25件と最も多く、次に「表現・演出」が15件、「低俗、モラルに反する」「いじめ・虐待」がともに7件、と続いた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 連日各局で、座間の事件を報道しているがウンザリだ。ある番組では、事件が起きたアパートの下の階の部屋を取材していた。殺人事件が起きた部屋と同じ間取りであることを強調し、「こんなに狭い風呂場で遺体を解体し…」と紹介した後、流しを映して「下の部屋だからか、ここから異臭がしたようだ」と説明していた。また、別の番組では、猫用の砂を入れた収納ボックスを用意して「このように首が入っていた」などとリアルに再現していた。これだけ残酷な事件だ。容疑者の境遇や育ち方などの背景を伝えるまでは仕方がないにしても、死体の遺棄方法をリアルに再現する必要があるのか疑問に思う。

  • 座間の事件で、被害者の卒業文集がテレビで放送された。このようなことは、どうしてなくならないのだろう。死後、自身の卒業文集などのプライベートなものが全国に報じられたら、誰だっていやだと思う。自分のことに置き換えて考えてもらいたい。視聴者としても、被害者の卒業文集を見せられ、何を訴えたいのか全く分からない。亡くなってからもいろいろとさらされ可哀想だ。どこから入手したのか分からない写真や、どの程度親しかったかも疑わしい同級生のコメントを放送するのも理解できない。被害者家族に寄り添った報道に改善されることを望みたい。

  • 大相撲の暴行事件について。推測に基づく主観的報道が目立ち、視聴者の考えを意図的に仕向ける報道は如何なものか。専門家や有識者であっても、事実や実態を知らない非当該者であり、発言や意見は推測の域を出ないものだ。それをさも事実であるかのように報じ、その推測に基づき勝手に"悪"を仕立て上げ、それを放送を通じ拡散するのは、報道機関としての良識を疑う。

  • 大相撲の暴行事件について、各局で何日にもわたり報道している。メディアが勝手に取材しコメントしているが、そもそも警察に被害届を出しているので警察に任せるべきだ。被害者側の親方が、相撲協会に対し何も話さないことをよく言っておらず、その直後にサングラスをかけた親方の映像を流し、印象を悪くしているように感じる。親方に疑問を投げかける一方で、優勝した横綱の、千秋楽での万歳三唱には触れない。横綱の行動は問題があるのに、メディアが追及しないのはなぜか。報道が公平でなく、親方を叩いているだけに見える。

  • 横綱の引退記者会見をいくつかの番組で見た。本人は「指導が行き過ぎた」と釈明し、親方は涙ながらの同席だった。まるで引退に追い込まれた悲劇の主人公みたいな振る舞いで、強い違和感を覚えた。そもそも暴力事件の加害者である。正装で記者会見を開く資格などあるのだろうか。ところが各番組では横綱を批判するどころか、彼が苦労と努力を重ねて横綱の地位に上り詰めたとして、輝かしい映像やエピソードを紹介し、引退に花を添えるような演出をしていた。日本のテレビはどこまでおめでたくできているのか。あきれてものも言えない。

  • 東京都知事をワイドショーが面白おかしく取り上げている。政治家としてそれなりの人だろうが、とても一つの政党を率いる人ではないように思える。しかし、彼女の人気を煽ったのはメディアだ。そのメディアが手のひらを返して都知事叩きをしている。つまりメディアは、持ち上げて潰すことを意図的にやっている。面白ければいいというわけだ。このような状況である限り、日本の政治は良くならない。メディアの作った人気よりも中身だ。必要以上に囃し立て、どこかで躓けば面白おかしく叩く。政治家のレベルが低くなったが、メディアのレベルはそれ以上に低下している。

  • 選挙報道について「与党に批判的だから偏向している」という意見がある。現実に政権を担い、政策を実行しているのは与党なのだから、それに対する検証や批判が多くなるのは止むを得ないだろう。最近は、コメンテーターに与党擁護派、野党擁護派の双方を起用する情報番組が増えており、一昔前よりは公平な報道になっているように感じる。

  • トランプ大統領が来日し、総理とのゴルフやランチに出されたハンバーガーなどのリポートが続いている。アメリカは世界一の大国であり、日本と同盟国であるので、報道が多くなるのも分かる。その一方、数日前にフィリピンのドゥテルテ大統領が来日したが、これについての報道はほとんどなかった。フィリピンに限らず、外国からどのような要人が訪れ、どのような会話がなされ、それにより日本との関係はどうなるのか、そういうことが知りたいのに、晩餐会のメニューとか大統領の乗る車とか、どうでもいいことばかり報じられる。私達の知りたいことと、報道の知らせたいことが離れすぎている。

  • 朝6時頃、滋賀県の有名な寺の参道へ紅葉を見に行ったところ、参道近くの道に警備員が立っており、「生放送収録のため8時半までここで待機して下さい」と言われた。私は混雑する時間帯を避け、深夜から3時間かけてせっかく来たというのに、人が多くなるであろう8時半まで待つというのは馬鹿らしいのでその場を去った。この日のために仕事も休みを取っていたので、参道を見られなかったのは残念でならない。撮影許可を取っていたとしても、何の権利があって一般人の通行を禁止にしているのか。座る場所などなく、寒い中2時間半待てというのもどうかと思った。観光地である以上、一般人の通行を邪魔せずに、人がいる様子を映せばいいのではないか。

【番組全般・その他】

  • 世界各国の奥地に住む日本人を紹介する番組で、ブラジル・サンパウロから南部のフロリアノポリスまで移動するのに、夜行バスで中継地まで行き、翌日にフロリアノポリスまで、さらにバスで行くルートをとっていた。ブラジルは航空網が発達しており、サンパウロからフロリアノポリスまでは毎日飛行機の便がある。「こんな奥地に」と思わせるためとはいえ、いくらなんでもやりすぎではないか。ブラジルという国が誤解されて伝わる懸念もある。他の国の取材でも同じようなことが行われているのではないか。ブラジルに5年間駐在したことのある人間として疑問を感じた。

  • 朝の番組でタクシーの乗客トラブルを特集していた。運転手に暴言を吐きながら暴れる客の実際の映像が流されたが、このような行為をテレビが放送すると、残念ながら模倣する人間が増える。最近、視聴率を狙ってか、各局が競うように何から何まで放送する傾向にあるが、これは非常に危険なことだ。まずは放送することで、社会に対してどのような影響があるかを考えてもらいたい。

  • 20数年ぶりに復活したスポーツバラエティー番組を見た。当時の番組や、不定期に放送された特番を知らない視聴者も当然いると思われるが、冒頭で番組の概要や説明がないまま、いきなり最初の対決コーナーに入った。「見ればわかる」つもりでやっているのであれば、視聴者はついてこないと思う。また、スタジオゲストを紹介もしないまま、コメントだけさせておいたのもひどい扱いに感じた。

  • アジアプロ野球の日本×台湾戦は、予定では中継が21時に終わり、その後映画を放送するはずだったのに、少しずつ延長し、最終的に映画の開始が23時になってしまった。ここまでズラされるのはどうか。映画の特別企画のプレゼント応募パスワードを集めていたが、明日の仕事の関係で最後まで見ることができず、パスワードが分からない。このためだけに今週の仕事を乗り越えてきた。2時間の延長はやり過ぎだと思う。

  • アジアプロ野球の日本×韓国戦は、試合終了まで中継されたが、放送時間の延長ではなく、別番組の放送枠内で対応していた。そのため、テレビや録画機に使用されている電子番組表が更新されず、試合の途中で録画が途切れてしまった。放送局からの説明表記がないため、原因を突き止めるに苦労した。放送形態については事前に明確なアナウンスを行うべきだ。

【ラジオ】

  • 昼の番組に、街角からの中継で、日替わりリポーターが様々な年代の人と会話するコーナーがある。私は毎日楽しみにしているが、昨日の司会者の発言には少し悲しい気分になった。リポーターが、親子(母親と中学生の娘)にインタビュー。母娘ならではの仲の良さそうな感じが伝わってきて、微笑ましい中継だった。ただし、お嬢さんの声が少し大きく、素直過ぎる受け答えに、(もしかすると?)と聞いていて私は思った。すると、スタジオから司会者が暴言を吐いて、そのお嬢さんの回答を揶揄。聞いていてショックだった。この番組には、新聞記事から、高齢者やLGBTなど弱者やマイノリティーに対する社会の問題点を取り上げてコメントするコーナーがあり、多様性を受け入れているはずの番組なのに、素直な少女の発言に対してまさかの暴言。せっかく放送に協力してくれた親子に失礼で、落胆したリスナーも少なくないと思う。様々な人が暮らしているからこそ成り立っている今の社会。どうかもう少し思いやりを持って、ラジオ放送に臨んでもらいたいと思う。

青少年に関する意見

【「報道・情報」に関する意見】

  • 「座間9人遺体事件」のニュースを、登校前の小学生の子どもが見ていて気分が悪くなってしまった。子どもが見ている時間帯に、長時間、あまりに具体的に報道するのは、心理的に悪影響がある。

  • 事件報道では、加害者が未成年だと名前は報道されないのに、被害者は未成年でも名前を出す。「座間9人遺体事件」は、単純に事件に巻き込まれたのではなく、被害者に自殺願望があったことが、今回の報道で多くの人に知れ渡ってしまった。仮に自分の子どもがこのようなことになったら、親としていたたまれない気持ちになる。未成年が関連した事件については、もっと配慮した報道をするべきだ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 深夜のドラマで、童貞、処女を否定するかのような内容で不愉快であった。不倫やいじめを助長するようなドラマ、低俗なテーマを扱うドラマは、子どもたちに悪影響を与える。ますますテレビ離れが進むだけだ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 大相撲の暴行事件の報道で、暴行によって引退に追い込まれた横綱を擁護していた。まるで加害者を被害者のように扱い、殴られるほうに問題があるかのように情報操作していた。いじめの助長にもつながる。

【視聴者意見への反論・同意】

  • アニメへの視聴者意見が、多く掲載されているが、少しばかり過剰反応していると感じる。確かに、いじめや体罰が問題になっている今日、アニメにおける暴力シーンやお色気表現が問題視されるのは仕方ないのかもしれないが、一方、こういう過激な作品はあらゆるジャンルにおいて一定数存在するものであり、アニメばかりを批判するのはおかしな話ではないか。

2017年10月に視聴者から寄せられた意見

2017年10月に視聴者から寄せられた意見

衆院選に先立ち放送された党首会談への批判や、情報番組における選挙報道のあり方についての意見。投票日当日の放送では、開票速報よりも台風21号の情報を優先すべきとの意見が多く寄せられた。

2017年10月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,765件で、先月と比較して116件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール70%、電話28%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性68%、女性30%、不明2%で、世代別では40歳代28%、30歳代27%、50歳代21%、60歳以上11%、20歳代11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。10月の通知数は863件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

衆議院議員選挙が行われたが、それに先立ち放送された、各局ニュース番組での党首会談への批判や、情報番組における選挙報道のあり方についての意見、そのほか、投票日当日に台風21号が上陸したが、開票速報よりも台風情報を優先するべきとの意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は59件、CMについては36件あった。

青少年に関する意見

10月中に青少年委員会に寄せられた意見は115件で、前月から7件減少した。
今月は「表現・演出」が35件と最も多く、次に「いじめ・虐待」が13件、「暴力・殺人・残虐シーン」が11件、と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、アマゾンでサルを殺して食べるシーンについて意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、アニメ番組で、ある家族を次々に殺害するシーンについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 選挙報道について、各局とも野党を擁護する内容が目立ち、与党を批判して政権を陥落させようとも思える報道が目立っている。あきらかな偏向報道ではないのか。公示日が近づくにつれ、有権者の判断を惑わせるような報道は、放送法に違反しているのではないか。ネット情報のほうがテレビよりまともなのではと感じる。選挙を平等な戦いにするために、きちんとした報道をしてもらいたい。

  • 衆院選はすでに始まったのも同然だ。その報道で、都知事周辺の情報量が他と比べて突出して多い。本人が「衆院選には出馬しない」と明言しているのに、「出馬あり」の憶測が飛び交い、出てくる話題すべてが都知事関連のものだ。彼女の言動は派手なので、テレビ向きということもあるのだろう。しかし、政権を決める選挙報道で最も大切なのは、テレビ映えするパフォーマンスではなく、各政党の政策を確実に伝えることだ。今のところ、他の政党は全く影の薄い存在になっている。このような異常な選挙報道は初めてだ。

  • 一斉に開票速報をやっていたが、全局でやる必要があるのか。あまり必要がない気がする。最近の選挙特番は、バラエティー番組のようで政治家をあおりすぎ。視聴率のためなのか。それならL字型で当選数だけを流し、通常放送に戻したほうがいい。深夜までやるなどテレビ局の自己満足だ。視聴者から受信料を取っている放送局だけがやればいい。台風が来ていたのに、その情報は伝えないのか。これでは誰も興味を持たない媒体になるのは確実だ。

  • 大型台風が来ているのにもかかわらず、各局とも選挙特番をメインに放送していた。近所のお年寄りは、台風状況がどうなっているのかわからず、困って私に電話してきた。選挙特番の画面下にテロップで無言の台風情報を流してもお年寄りには分からない。大きな被害が想定される台風が直撃する状況下で、命にかかわることではない選挙特番をメインにするべきではない。ネットを使えないお年寄りなど、早めの避難が必要な人達のためにも、台風情報をメインにし、選挙情報をテロップで流すべきだったのではないか。報道のあり方をよく考えるべきだ。

  • 大型の台風21号が接近し、大和川が危険水位に達し、人口密集地の大阪市などで、老人ホームが多い川沿いの地区に避難勧告が出ている状況にも関わらず、どの局もほとんど報道しなかった。大阪市のHPもアクセス殺到でつながりにくく、避難所等の情報を得ることができなかった。川が氾濫した場合、大規模な被害が予想される状況だ。国政は大事だろうが、関西地方だけでも災害情報を流せなかったのか。避難すべきかどうか、小さい子どももいて大変心配な一夜を過ごした。今後、このようなことがないようにしてほしい。

  • 各局の選挙特番の内容がひどいものだった。選挙前、テレビ各局は「今回の選挙は現政権の是非を問うもの」と連日のように言っていた。しかし結果が出た途端「これは民意ではない、必ずしも国民に容認されたわけではない」という解説を連発していた。次期総裁選の話題をどの局も出していたが、タイミング的に必要性が感じられず疑問だった。各局の解説者、タレント、アナウンサーの多くが、民意の反映である選挙結果を否定するような分析やコメントばかりで、有権者を馬鹿にしているとしか思えなかった。

  • 悪質運転による死亡事故が多発しているが、そのニュースに刺激され、面白半分の危険運転がむしろ増えていると聞く。特に民放の情報系番組では、SNSに投稿された危険運転の映像を流すなど、結果として、一部の不良運転者を煽るものが目立つ。少し前に問題になった、コンビニや飲食店での悪ふざけを競う投稿映像と同じだが、生死にかかわる分、はるかに深刻だ。悪質運転のニュースを扱う時は「トラブルに巻き込まれた際の対処法」といったことに重点を置いて伝えるべきで、SNS上の映像などを安易に使ってはならないと思う。

【番組全般・その他】

  • テレビの偏向報道がひどすぎる。ネット情報のほうがまだ真実を知ることができる。テレビとは何のためにあるのか。党首討論をネット討論から23時台のニュース番組まですべて見たが、ニュース番組の討論はひどすぎた。森友・加計問題の話をわざわざ司会者が聞きだし、総理批判をしていた。バラエティー番組などではちょっとしたことで問題になるのに比べ、偏向報道に罰則がないのがおかしい。日本は民主国家だ。テレビは、左も右もない平等な放送をするようにしてほしい。

  • 衆院選当日の番組で、政権与党への批判、そして野党への投票の呼びかけともとれる内容を延々と放送していた。これは明確な選挙違反ではないか。普段から公平であることは大切だが、特に選挙報道に際しては細心の注意が必要なはずが、コメンテーターが全員揃って口にするのは政権に対しての不満。選挙当日にふさわしい内容ではない。この番組によって投票に影響を及ぼされる可能性があり、あまりのひどさに唖然とした。

  • 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯の番組は、再現映像が古い映像に見えるように加工処理されていた。そのため、当時の映像なのか、再現映像なのか区別がつけにくかった。事件をリアルタイムで知る私ならともかく、それを知らない若い世代の人達にとっては、どちらが当時の映像か、それとも演出なのか、判断がつかなかったのではないだろうか。

  • 東京・埼玉連続幼女誘拐殺人犯の再現企画は、素晴らしい番組だった。豪華な出演タレントや、煩わしい字幕などの派手な演出に頼らなくても、自然と画面に引き込まれた。綿密な取材に基づく再現VTRも丁寧な作りで良かった。事件を風化させないためにも、このような番組を定期的に放送するべきだ。

  • 夜の番組で、マンションの修繕における悪徳業者を紹介していた。その中で、元設計事務所社員のインタビューが放送されたが、彼は「設計事務所は高い金額で施工工事を受注している。浮いた分は事務所に入る。こんなことはみんな当たり前にやっている」という発言をした。私は建築業に携わっているが、これは当たり前ではない。ほとんどの業者はまっとうな金額でやっている。見ている人に誤解を招く内容だ。国土交通省のHPには「一部悪質な業者がいる」と注意喚起しているので、実際にこのような業者はいるのだろうが、"あたりまえ"でもないし"すべての業者"でもない。

  • 深夜番組で、歯磨きの仕方やトイレットペーパーの使い方をシニア世代の人に聞いていた。歯ブラシについては使う前に濡らすことは間違い、トイレットペーパーについては巻き方が違うと、些細なことを指摘し「残念」としていた。老人を小バカにしたような内容で、敬意の感じられない番組だった。

  • いじめに関する番組で、"いじられキャラ"の男子中学生が、いじられることに堪えられず自殺してしまったことを紹介していた。女性タレントが「みんなはいじっていて楽しいと思っているかもしれないけど、いじられているほうはつらい」という趣旨の発言をしていた。私の子はいじめが原因で自殺しているので、思いが重なった。心が強い子ばかりではないので、このような内容をもっと取り上げ、一人でも"いじられる子"を減らしてほしいと思う。

【ラジオ】

  • 土曜昼の番組で、人気女優の不倫問題を取り上げていた。その中で、パーソナリティーのベテラン歌手は、女優への個人攻撃とも思える話をした後、翌日のテレビ番組でも辛らつに批判していた。きっと今回の出来事とは関係無く、普段から女優のことを良く思っていなかったのだろう。人の好き嫌いは個人の自由だが、今後の仕事内容のことにまで言及していて、「彼女が大型ドラマに出演予定なのは、放送局の対応がおかしい」などの発言をしていた。この翌週に女優側はドラマの降板を申し出て、局側は了承している。いくら先輩とはいえ、芸能人が同業者の仕事内容、特に出演や降板に関するデリケートな問題を、公共の放送で言葉にするのは許されるのか。醜聞で番組に出る出ないは、その放送局と事務所が話し合い決定するべきことではないのか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、アマゾンの部族を訪ねる企画で、サルを殺して食べていた。子どもが怖くて泣いている。人間の形をした動物を食べるシーンを放送するなんて信じられない。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • アニメ番組で、知らない家に侵入して、家族を次々に殺すというシーンがあった。見ていて残酷で不快だった。深夜の時間帯といえども、録画などで子どもたちが見てしまうと悪影響を及ぼすのではないかと心配だ。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • 教育バラエティー番組で、「女子の嫉妬」の特集を放送していた。誰もが持っている感情を性別に関連付けることは不自然であり、性差別や偏見を助長させることになるのではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 最近、いじめで自殺した子どものニュースを多く目にする。教育委員会や先生の意見、今後の教育方針をまとめているという特集を何度も放送しているが、肝心の原因、自殺に追い込んだ同級生本人やその保護者が何を考えているかが、全く分からず、ニュースを見ているだけで不快だし、当の本人は全く反省していないのだと怒りがこみ上げる。いじめた側が擁護されるような放送の仕方は変えてほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • ニュース番組で、保育園児にわいせつな行為をした容疑で男が逮捕されたことを、「幼児の身体を触る、なめる等の行為をした」と報じていた。「なめる」までを伝える必要があるのか。その子どもの将来を思うと心配だ。

【視聴者意見への反論・同意】

  • 「深夜番組は子ども向けではない」「夜遅くまで子どもにテレビを見せるな」という意見が寄せられるが、僕はそう思わない。深夜番組は録画すれば昼間に見ることもできる。今はゴールデンより深夜のほうが良質な番組が少なくない。夜更かしは良くないことはわかるが、青少年にも深夜番組を見る権利はある。なんでもかんでも青少年の自由を奪ったら余計いじめや非行が起きるだけだ。

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

2017年9月に視聴者から寄せられた意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判など。

2017年9月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,649件で、先月と比較して385件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性33%、不明2%で、世代別では30歳代29%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。9月の通知数は884件【44局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

朝、昼の情報番組で、国会議員や人気女優の不倫問題を報じているが、各局ともほとんど同じ内容を、連日にわたり放送するのは如何なものかという意見や、連続ドラマの最終回における、地上波放送と動画配信サービスとの関連性についての意見、性的マイノリティーを笑いのネタにしたバラエティー番組への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は51件、CMについては32件あった。

青少年に関する意見

9月中に青少年委員会に寄せられた意見は122件で、前月から81件減少した。
今月は「表現・演出」が30件と最も多く、次に「差別・偏見」が22件、「報道・情報」が14件、「いじめ・虐待」が12件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で、タレントの新築祝いでカレーパーティーを開く企画について意見が寄せられた。「差別・偏見」では、バラエティー番組で、タレントが同性愛者を思わせるキャラクターに扮した演出について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で、不倫騒動にある女優と、秘書に暴言を吐いた女性議員の報道を朝から晩まで放送している。女優の不倫問題は、徹底解析と題してまで報じる必要があるのか疑問だ。他に放送することがないのだろうか。各局とも異常過ぎる。

  • 女優の不倫報道を取り上げ、不倫相手が女性の下着をかぶっている写真があったと騒いでいた。どのような趣味があるのか知らないが、少なくとも相手は一般人である。テレビで“変態扱い”して許されるのか。影響力を少しは考えたらどうだ。騒ぎ過ぎだ。

  • 国会議員の不倫で大騒ぎするのはもううんざりだが、それよりも気になるのは、人によってメディアの報じ方に差があることだ。人格攻撃をし、辞任を迫っていたメディアが、他党の議員の不倫だと「私生活と仕事は別」と大声で言い出す。今までメディアが「国会議員の不倫は倫理観がない、議員失格だ」と言っていたのは何だったのか。自分達の基準で対応に差をつけるのは、あまりに不自然で理不尽だ。

  • ニュースで、視聴者提供映像が使用されているのをよく見かける。事件や事故の現場において「やばいやばい」「早く逃げた方がいいよ」など、はしゃぎながら撮影していて不快だ。また、偶然居合わせた一般の人たちも勝手に撮影され、それを放送で流されてしまうこともあり気の毒だ。最近、人身事故に遭遇したが、鉄道会社や救急隊員の方が、懸命に人命救助のために作業している中で、笑いながらスマホで事故現場を撮影しようとしている乗客が数多くいて驚いた。視聴者提供映像に対するガイドラインを制定し、意識啓発を図る必要があると思う。同じルールで制限しなければ、視聴者の撮影がエスカレートし、大きな事故につながりかねない。

  • テレビ各局は、ミサイル発射時のJアラートの不備を散々批判しているが、日本がいつ標的にされるかも分からない状況で、政府の対応を批判する前に、まずは、有事の際に身を守る方法をもっと伝えるべきではないか。どんな行動をすべきか、どのような場所に避難するのが一番安全なのかといった、視聴者に有益な情報を優先して報道する必要があると思う。

【番組全般・その他】

  • 毎週楽しみにしていたドラマ。最終回でワクワクドキドキしながら見ていた。最後はどうなるのか、どんな結末か、誰が黒幕なのか。最終的には黒幕が多重人格者で逮捕され、最後の一言が「バラの匂いがする」で番組が終了した。本当の完結編は有料サイトで配信するとのこと。有料サイトへの勧誘か。これに登録しないと完結編が見られないのはおかしい。テレビであるのにテレビでない。

  • 最終回に、続きを匂わすようなエンディングをし、続きは動画配信で有料放送するというやり方は如何なものか。「番外編」と言えば許されるようなことであれば、今後もこのような形でドラマの事実上の最終回が有料ネット放送になりかねない。これから先、インターネットが得意でない40歳以上の世代は、コンテンツを最後まで見られない可能性がある。テレビのコンテンツが、インターネットと繋がることは時代の流れなのかもしれないが、テレビを楽しみに見ている人々にとって、非常に理解しがたいやり方だった。

  • 中部地方の旅番組で、一般の人たちを取材していたが、あまりにも馬鹿にした態度で出会い頭の人たちを無理矢理に番組に参加させていた。人をけなす出演者もひどいが、スタッフもそれをあおっていた。田舎の素朴な人たちを終始小馬鹿にした制作者の姿勢は、非難されるべきだと思う。ローカル番組だと思って好き勝手にやっていたのではないか。取材された人たちの困惑具合から、これはいわゆる仕込みではないように思う。ここまで不愉快な番組は久しぶりだ。

  • 昼の番組で、四国の県議会議員の海外視察を取り上げていた。ゲストとコメンテーターが、視察内容や議員の報告に対し意見を述べるものだが、私たち一般の有権者には知り得ない内容をテレビで放送してもらうと、議員の活動がきちんとなされているか監視することができる。また、これにより議員の観光旅行のような無駄な視察も減り、私たちの税金が有効に使われるようになると思う。「番組はこれからも、このような監視を続けていく」と、司会者が明言していたので期待して見ていきたい。番組をきっかけに、社会がよい方向に変わっていくことを望みたい。

  • 夜のニュースで、国連での演説で北朝鮮を強く批判したトランプ大統領のことを、北朝鮮の外相が「犬の遠吠えだ」と揶揄した。そのことを伝える際、犬を抱いたトランプ大統領の映像と犬の鳴き声の効果音を流した。まるで北朝鮮の言い分に呼応してふざけているようなもので、演出として不適切だった。

  • 私は看護大学で専任講師をしている。学生には性の多様性を踏まえた看護の大切さを教える日々だ。そんな中、男性への性的指向をもつと思われる人物を嘲笑するキャラクターが復活したことを大変危惧している。周囲の無理解が差別的な発言を産み、それによってカミングアウトできない当事者が多くいて、その結果、日本では性的マイノリティーが周囲から見える存在にならず、差別も是正されない悪循環が起こっている。性的指向への差別をなくそうと国全体が動こうとする中、影響力の大きなメディアが、特定の性的指向を嘲笑することによって、性的指向はバカにしてよいものだというメッセージが発せられたことになる。このようなキャラクターを二度と使わないことを望む。

【ラジオ】

  • 東北地方のラジオは、高校生向けの進路情報番組と題しているが、原発反対、政権批判、総理批判がひどすぎる。これでは高校生の進路指導向けではなく、選挙権を得た高校生へのプロパガンダではないか。このような番組を聞くことは、思想の偏りにつながりかねない。

【CM】

  • 旅行、ホテルなどの海外オンライン予約会社のCMが増えている。消費者庁からは、トラブル増加の注意喚起がされているが、公共性の高いテレビCMで流された企業が、実は日本の法律が適用されないことを、どれだけの人が知っているのだろうか。トラブル増加の背景には、テレビCMを信用し、日本の旅行会社と勘違いしてしまった人もいるのではないか。日本の法律が適用されない、このような会社についてのガイドラインを設ける必要があると思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、タレントの新築祝いの企画で、新居に押し掛け、カレーパーティーを開き、置物や時計をカレーにつけていた。食べ物で遊んでいる時点で気分が悪い。子どもの教育にも悪い。

【「差別・偏見」に関する意見】

  • バラエティー番組で、同性愛者を思わせるキャラクターが描かれていた。子どもにとっては、LGBT当事者への差別や偏見を助長させることになるのではないか。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 埼玉県で、未成年の男女が、少年に死傷させられた事件で、死亡した男子生徒の顔・実名が報道されている。加害者が秘匿されているのにもかかわらす、被害者がさらし者にされている。報道各社には被害者とご家族への配慮、温情が欠けている。

  • 議員、有名人などの不倫・浮気に関する報道をやめてもらいたい。報道された人の子どもが間接的に社会的制裁を受けているからである。不倫報道がいじめの原因になる可能性を、放送局は考えないのだろうか。

2017年8月に視聴者から寄せられた意見

2017年8月に視聴者から寄せられた意見

終戦記念日前後に放送された戦争関連番組や、夏休み恒例のチャリティー番組への意見。民放各局のワイドショーなどで、女性議員や人気芸人の不倫を扱った番組への批判など。

2017年8月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,034件で、先月と比較して913件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール76%、電話22%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性67%、女性32%、不明1%で、世代別では40歳代25%、30歳代23%、50歳代19%、20歳代17%、60歳以上12%、10歳代4%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。8月の通知数は1,902件【51局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

太平洋戦争から70年以上たつが、終戦記念日前後に放送された戦争関連番組への意見が多く寄せられた。また、夏休み恒例のチャリティー番組への意見や、民放各局のワイドショーなどで、女性議員や人気芸人の不倫を扱った番組への批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は54件、CMについては48件あった。

青少年に関する意見

8月中に青少年委員会に寄せられた意見は203件で、前月から30件減少した。
今月は「表現・演出」が43件と最も多く、次に「いじめ・虐待」が37件、「性的表現」が15件、「報道・情報」が14件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組でタレントが人に水を投げつける演出について意見が寄せられた。「いじめ・虐待」では、スペシャル番組で遠泳に挑む小学生と指導する先生を追ったドキュメント企画について意見が寄せられた。「性的表現」では、高校生を主人公とした連続ドラマについて意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 北朝鮮がミサイルを発射し、全国瞬時警報システム「Jアラ-ト」が東北地方中心に作動した。テレビでは、「〇〇県には地下がない。4分では逃げられない」など、できないことばかりを取り上げ、まるで政府の責任のような放送ばかりしているが、そもそも北朝鮮が一方的にやっていることに、どうして日本の対応ばかり批判しているのか。逃げられないではなく、どう身を守るかを伝えるのがメディアの仕事ではないか。公開されている政府広報についても詳しく説明せず、一般人の「どうすればいいのかわからない」というインタビューばかり流し、自分達も一緒に「わからない、わからない」と言うだけなら、報道など必要ない。もしミサイルが着弾したとしても、真上から落ちない限り、破片から身を守ったり、体を隠したり、家の中の行動で助かる可能性はあるはずだ。そのためのJアラートのはずが、役に立たないものとして伝えるのは如何なものか。

  • 不倫疑惑で盗撮されたプライベート写真を、本人の了解なしにテレビで公開する基準はあるのか。犯罪と確定できない時点でも、公務員なら公務外でもOK、元アイドルならOKなのか。盗撮は犯罪ではないのか。誰でも見ることができるテレビでの発信と、ネットや雑誌とでは影響が違うと思う。

  • 騒音をめぐるご近所トラブルについて、各局が大きく報道している。一般にこの種のトラブルは、双方の言葉の行き違いや、感情のもつれが原因になることが多い。当事者双方に事情を聞かなければ真実に近づけない。しかし多くのマスコミは、周囲に住む人達の主張を流し、一方的な立場から報じているようにも感じる。問題の発端は、風鈴の音色に対する苦情だという。通常、風鈴の音色は風情のあるもので、これに苦情を言うのはどういう状況だったのか、どの程度の音色だったのか、どういう言い方をしたのか、一方で、苦情を受けた側は、嫌がらせをされたと誤解したのではないのか。双方の事情を包括的に報じるべきだ。単なる興味本位の「変わった人の変わった行動」という報道では何の解決にもならない。

  • 「元女子マラソン日本代表選手を、化粧品などの万引容疑で逮捕」のニュースを各局で伝えていたが、これは、大々的に全国に顔と名前を出して報道するべきものなのか。万引きは犯罪で悪いことだが、大金を横領したわけでもなく、人を傷つけたわけでもない。もっと報道すべきニュースはたくさんあるだろう。テレビ局の社員が、女性に違法薬物をかけて、自身も薬物を使用していたニュースでは、顔や名前は出さない。どこが公平な報道か。

  • コンビニ3店舗で同一犯による強盗・強盗未遂事件があった。実害があったのは1件目だけで、3件目の私の経営する店では実害は無かった。朝になって、在阪の民放各局が私の店舗に取材に来た。その際、「従業員が映されるのを嫌がっている」と抗議したが、カメラを回し続けられた。経営者の立場としては、「強盗に狙われる店」というイメージが先行し、新たな従業員獲得が難しくなることに頭を抱えている。「映されたくない」とこちらが言っているにも関わらず、それを無視されたことに強い憤りを覚える。

  • 7月の視聴者意見にあった「重要なニュースそっちのけで芸能関係の話題ばかり報じている、朝の番組は硬派なものだけで十分」という主張に私も同感である。こういう芸能ニュースの大半は、一般の視聴者にはどうでもいい話であり、重要なニュースを後回しにしてまで放送する必要はない。「硬派な番組ばかりでは、若い人が見てくれない」という話もあるようだが、テレビ局側の都合のいい言い訳でしかない。ニュースサイトや新聞は、必要な記事を選んで読むことができるが、テレビではその選択ができない。芸能ニュースを優先して放送する姿勢こそが、若者のテレビ離れを助長する結果につながっているのではないだろうか。

【番組全般・その他】

  • 朝の番組で、沖縄県の離島、竹富島の小さな診療所が、大量に訪れる観光客の診療に困惑しているという話題を取り上げていた。軽症で緊急性がないにも関わらず、小さなケガで診療所を訪れる観光客。しかし島に医師は1人だけ。島民が受診できない状況が続いているという。こういう問題は、実際に島の声を聞かないとわからないが、取材班は現地に行き、医療関係者、診療所を訪れた観光客、困惑する島民、入島制限も考えるという島の声など、多角的に丹念に取材していた。ネット情報をまとめたような企画が多い中、こうしてきちんと取材することが大切だ。小さな島の診療所の問題だが、自分勝手な患者が増えている都会でも共通する課題だ。これからもこうした良質の取材をした番組が増えてくことを願う。

  • 昼の番組で、今まで散々芸能人や政治家などの不倫を激しく批判し、人格まで否定していた司会者やコメンテーターが、ある芸人の不倫は擁護するようなことを言いだしていた。不倫が悪いのではなく、その人物が好きか嫌いかで判断しているようにしか見えない。前回「女性議員がホテルに一緒に入ればアウト」と言っていたのに、芸人が何度もホテルに一緒に入っても「証拠がない」などと、真逆のことを言うのを聞いて本当に呆れた。これは、女性の不倫は許せないが、男性で芸人だったら良いというようにもとれる。公平なコメントができないのであれば、扱うべき問題ではない。

  • 朝のニュースのお天気コーナーで、気象予報士が、チャリティー番組の長距離マラソンを完走した芸人を意識したように天気を伝えていた。面白おかしくやってくれる分には構わないのだが、なぜ今日やったのか。昨年、死者行方不明者も出した台風10号から今日で丸1年。各地で慰霊式典も行われているような日だ。おまけに現在、台風15号も発生し、進路によっては日本を直撃するかもしれない状況。それに9月1日は防災の日。今週はおチャラけているような場合ではないはずだ。気象予報士なら、せめて自然災害に対してだけは意識を高く持ってほしいものだ。本当にモノマネをやる必要があったのか意味がわからない。

  • 報道番組で、カメラが富士河口湖町にある焼き肉店の中に入って行った。店長はインタビューに、「上タン、上カルビ、上ロース、あとはハラミ、ビールは1、2杯飲んだかな」と答えていた。記者から「支払いはどうしたのか?」と聞かれると、「支払いは総理の個人のカード、○○カードでゴールドですね」、そう話す店長。たとえ店長が詳しく語ったとしても、放送して良いものと悪いものについては区別がつくはずだ。

  • 終戦直後の樺太に関する番組を見た。ソ連との戦闘が始まった経緯がうやむやに説明され、よくわからなかった。本当に本人が言ったかどうかわからない証言、民間人の視点だけで進められ、違和感を持った。およそ40万人の樺太の人々は、どのように生き残ったのかの説明がない。これだけ生き残るには、軍の協力が考えられるはずであるのに、その点には触れない。ソ連側の責任についても何ら追及しなかった。どうして起きたのかを明らかにすると言いつつ、中身は不明確な資料や視点の限られた証言ばかりで、何も真相が分からない感傷的で偏った番組になってしまっていた。

  • 731部隊の番組は、ハバロフスク裁判の証人をもとに制作しているが、事実に反している。同裁判は、1949年に行われたソ連の主張を宣伝するためのプロパガンダ裁判である。つまり、戦後すぐではなく、戦後4年間、ソ連の言うことを聞かなければ命の保証さえされない、人権無視状態の人々が洗脳を受けた上で、ソ連から強要された自白をもとに作られたものである。命の危険にさらされ、洗脳された日本の抑留者の証言は、ほぼソ連の主張そのものであることは様々な事例で明らかになっている。番組はその事実を詳しく述べるべきである。731部隊については、米国国立公文書館が公開した、米情報機関の対日機密文書で「結局、戦争犯罪と言えることは全く存在しなかった」ことについて、何ら言及しないのも、事実を隠蔽するものだ。極めて意図を持って制作された偏向番組である。

  • 731部隊の番組を見た。非常に綿密に資料を集め、肉声で、当時実験に関わった医学者などの証言を紹介している点に非常に感心した。事件の経緯や資料の乏しさから「捏造ではないか」といった一部の層の意見を見事に覆す資料を提示し、部隊の残虐さ、非人道的行為を改めて見直す貴重な番組だった。これからもこういった誤った風潮や思想、歴史修正から世論を喚起し、戦争の悲惨さ、惨たらしさを次世代に伝える番組を制作してもらえるよう、心から願う。

  • あさま山荘事件や金大中事件など、昭和の大事件を特集した番組を見た。どの時代においても、国家や国民の安全が脅かされる事件や事故は起きてしまう。しかし、こういった出来事は時代が進むにつれて風化し、知らない若者達も増えてくる。何らかの形で伝え続けていくことが大切だ。それにより今の私達が学ぶべきことも出てくる。このような番組はこれからも放送してもらいたい。

  • 私は、発達支援センターで就学前の障害児の子ども達の支援をしている。長時間のチャリティー番組を見ても感動しない。障害者の方々が頑張っている姿を見て「自分も頑張らなきゃ」「自分は幸せなんだ」と思わせる番組そのものが、社会に悪影響を与えているのではないかと思ってしまう。自分より不幸な人を見せて感動させることがとても多いと感じる。障害者が頑張っているところを見て何が面白いのか。頑張っているのは健常者も障害者も同じだ。障害者は特別ではなく、普通に生きているだけなのではないか。街中や電車の中で障害者を見ると「怖い、変な人」と思ってしまう人が多いと思う。それは障害を理解している人が少なく、外見や自分の想像だけで判断しているからだと思う。そんな人たちを少しでもなくしたい。誰もが見るテレビでそのようなことを伝えていってほしい。チャリティー番組以外で障害者が出演できる番組、感動より笑いを与えてくれる、そんな暖かい番組が増えればいいなと思う。障害者の方々が生きやすい社会を作りたいと思う。

【ラジオ】

  • 地方局のFMを聞いている。在京局の番組を模倣した番組だ。基になった番組との関連性もなく、特に尊敬の意も感じられない。そのまま模倣というのは、ラジオ業界やリスナーへの冒涜ではないだろうか。高校生をターゲットに絞り、番組でよく呼びかけているが、年齢対象外のリスナーにとっては違和感というか疎外感が残る。実際、中学生が「中学生でもいいですか」などと気を使ったメールを送ったりしていて、不憫。また、平日昼の時間帯も、こだわりの感じられないJ-POPばかりがかかるようになってしまった。元々、落ち着いた選曲や雰囲気を得意とし、深い音楽知識を知ることができるFM局だったが、ここ1、2年で雰囲気の変化が加速してしまった。先人の積み上げてきたものが崩れつつあるように思う。開局時から聞いていて、音楽をより好きになるきっかけを与えてくれた局なだけに、残念としかいいようがない。

【CM】

  • 自動車メーカーのCMで「ぶつからない車」などと安全性の高さをアピールしているが、障害物や駐車車両に向かって、車をフルアクセルで急発進させるなどのパフォーマンスまでする必要性があるのか疑問である。演出とはいえ、このような手法は「安全装置付きの乗用車=絶対に事故を起こさない」と誤解されかねず、無謀運転を助長することにもなりかねない。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組でタレントが「水ビンタ」を行っている。子どもがまねをしたら失明する可能性がある。危険だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • スペシャル番組で、遠泳に挑戦する小学生が指導者に厳しい言葉を浴びせられたり、体罰ともとらえられる指導を受けていた。このような子どもに恐怖を植え付けるような危険な指導が当然のごとく行われていることにぞっとした。放送局は、これを美談に仕上げている。

【「性的表現」に関する意見】

  • 高校生が主人公の連続ドラマなので、高校生も見ているが、性行為、性風俗店、暴力行為などのシーンが多く出てくる。このような番組を公共の電波で、子どもが見る時間帯に放送することに憤りを覚える。

【「人権」に関する意見】

  • スペシャル番組で、育ての母親が幼い子どもに自分は本当の母親ではないと顔出しで告白していた。将来がある子どもの立場を考えて制作してほしかった。制作サイドは子どもの人権について理解していないのでしょうか。

【「低俗、モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組でお笑い芸人が将棋を指すシーンで、女性のスカートをめくっていた。子どもが見ている時間帯の番組であり、モラルに反する。度が過ぎていて教育上よくない。

2017年7月に視聴者から寄せられた意見

2017年7月に視聴者から寄せられた意見

国会審議におけるテレビ各局の報道姿勢が、政権批判や総理批判などに偏り過ぎているのではないか、といった意見。九州北部地方で記録的な豪雨により大きな被害が出たが、災害時の報道のあり方や、視聴者投稿映像に関する意見など。

2017年7月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,947件で、先月と比較して1,103件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール77%、電話21%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性71%、女性28%、不明1%で、世代別では30歳代27%、40歳代26%、50歳代18%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。7月の通知数は1,508件【54局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、22件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

国会審議におけるテレビ各局の報道姿勢が、政権批判や総理批判などに偏りすぎているのではないか、といった意見が多く寄せられた。また、九州北部地方で記録的な豪雨により大きな被害が出たが、災害時の報道のあり方や、視聴者投稿映像に関する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は45件、CMについては34件あった。

青少年に関する意見

7月中に青少年委員会に寄せられた意見は233件で、前月から67件増加した。
今月は「暴力・殺人・残虐シーン」が53件と最も多く、次に「表現・演出」が45件、「報道・情報」が37件と続いた。
「暴力・殺人・残虐シーン」では、高校生を主人公にした連続ドラマでの暴力シーンについて意見が寄せられた。「表現・演出」では、バラエティー番組で芸能人を万引き犯に仕立てて、だます「ドッキリ企画」について意見が寄せられた。「報道・情報」では、芸能人夫婦の離婚問題の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 九州北部の豪雨に関する視聴者からの動画が放送されていた。なかには、周囲の住宅が今にも濁流に飲み込まれようとしているなど、危険が差し迫っていることがうかがえるものがあった。一方で、各局のニュースで、直ちに命を守るための行動をとるように呼び掛けていた。これは矛盾した行為ではないか。メディアが視聴者投稿を放送していることが、視聴者の安易な行動を促す一因になっている。少なくとも進行中の災害については、全メディアが協定し、視聴者からの投稿の放送を控え、避難を優先するよう呼びかけるべきではないか。

  • 6月の視聴者意見で、スクープ映像募集のあり方について、新潟県三条市の寺での火災におけるスマホ撮影の意見があったが、私も全く同感である。以前、交通事故をニヤニヤと撮影して去って行った人を見たことがある。救助や通報、誘導と居合わせた多くの人が協力して命を救おうとしている現場でだ。相変わらず各局では「あなたのスクープ映像を送って下さい」とPRしている。先日の豪雨災害でも、身の安全が先決であるにもかかわらず、無理な状況から洪水の映像を放送局に送ったスマホユーザーも多かったようだ。素人が、緊迫した状況で撮影している余裕があるのなら、お年寄りなど地域の人の避難や保護のことを考えてはどうかと思う。安全やマナー・モラルを無視した映像でも、喉から手が出るほどほしいのだろうか。放送局の倫理観には疑問を抱かざるを得ない。

  • 福岡ドームで行われたプロ野球中継を見た。試合後のヒーローインタビューの際、アナウンサーがその日のヒーローの選手に「現在、福岡や大分が豪雨で大変なことになっています。それについて何か一言を」とマイクを向けた。ところが、その選手は豪雨のことを知らなかったようで黙ってしまった。無理もない。この日の午前中はそれほど激しい雨ではなかった。午後になって状況が変わり、短時間で大災害になったのだ。試合当日の野球選手は、心身ともにゲーム前の準備に没頭していて、ニュースを見聞きする余裕も無かったのだろう。選手が黙ってしまったところで、アナウンサーはそのことを察しフォローすべきだったのに、同じ質問を再度繰り返した。その間、選手は無言でうつむいたままだった。アナウンサーとして臨機応変に対応できなかったことが残念だし、選手のイメージが悪くなるのではないかと心配してしまった。

  • 都議会議員選挙前の各局の報道姿勢について。元秘書に対して暴言を吐いた女性議員がいた。確かに、彼女の態度はあるまじき行為だと思うが、それを伝えるマスコミの表現方法に問題はなかったのか。罵声を大きな音声とともにテレビ画面一杯に大きな文字で映し出す。それが何回も何回も繰り返された。他局へ替えても、同様に見せつけられた。このことが視聴者の意識、あるいは都議選候補者の選考基準に影響を与えないわけがない。政治の公平中立性という放送倫理に反している。テレビ局側のインパクトのある内容ばかり優先され、視聴者側の見る権利が疎外されている。悪害演出に対し、自制を求める基準と警告を希望する。

  • どの番組も現政権の批判を主としている。日本では表現&思想信条の自由があるが、公共の電波を使って偏った物の見方を是とする番組は問題がある。各番組とも「~と思う」「~と思われても仕方ない」という、憶測や推定の不確かな根拠を基に現政権を非難する報道を繰り返している。現政権に明確な非があり、物的証拠をもって非難するのなら理解できる。しかし憶測に基づく偏った非難は、どう考えても番組側の思想を視聴者に強制する行為だ。テレビを見ている人は「テレビが言うのだからそうなのだろう」と影響を受け、テレビが望む方向に思想が傾倒する可能性がある。賛否のある問題、特に政治問題は多角的に取り上げ、中立公平な情報を基に視聴者に判断させるのが望まれる。また、中立性を保つというアリバイ作りとして、政権を擁護する立場のコメンテーターを呼ぶ番組もあるが、その場合、そのコメンテーターが話をし始めると司会者がそれを遮ってコメントを途中で中断させることも多々ある。こんな不誠実な番組が存在しているのは異常だ。

  • 最近、偏向報道が進んでいる気がする。特にインターネットで流れる情報と、テレビの情報の乖離が激しい。国民がテレビから離れていくというのも納得できる有様になっている。政治を報道するということは、2つの対立する立場の中で、両方の立場からの意見を平等に報道しなければいけないのではないか。

  • 所沢市の小学校の児童が教師から体罰を受け、学校側が謝罪しているということは何らかの実態があったかもしれない。しかし、被害保護者からの視点だけで報道されている。学校での教師と被害児童とのやり取りを目にした児童の中には、食い違う話をしている子もいるらしい。被害者だけに視点を置いて大人目線での報道でいいのか。もっと配慮はないのか。体罰は許されることではないが、先生は教育熱心で評判が良かったことも事実ではないのか。実際、この出来事が身近で起き、背景が見える者としては、報道が適切なのか疑問を感じた。

  • 私は児童クラブの職員をしている。小学生の子ども達と学校が終わってから過ごしているのだが、子ども達が時と場所を選ばずに「このハゲー」と叫ぶことがある。言葉の意味など関係なく使っているようだ。また、児童クラブの職員である私に「バイアグラってなに?」と悪気なく聞いてくるが、説明していいのかどうか悩んでしまう。今日から夏休みになり、子ども達もテレビを見る機会が増えるだろう。問題になっている投稿映像や暴言を吐いている音声を放送することはやめてほしい。

【番組全般・その他】

  • 日曜朝の番組で、およそ15分にわたり、特定の政党の批判をしていた。今日が都議会議員選挙の日であることを考えると、少し行きすぎているように感じる。もちろん報道の自由はあると思うが、これがたとえ、他の政党批判であっても、今日という日は、特定の政党を長時間批判する見せ方は控えるべきではないか。

  • 朝の番組は、重要なニュースそっちのけで芸能関係の話題ばかり伝えているが、政治経済や気象情報、地域のニュース等々、もっと優先して報道すべき話題はいくらでもあるではないか。朝早くに出勤するサラリーマンにとって、番組は大切な情報源であり、ゆっくり番組を見る暇もないという人々に配慮すべきではないのか。重要性のある話題に特化したような硬派なものだけで十分だ。

  • 昼の番組で「都知事初登庁の際、都議会議長が知事の握手を拒否した」と虚偽の内容を伝え、さんざん議長を批判した。実際には握手していたのに、である。捏造ではないか。しかも1年も前の映像を一部分だけ切り取って都合よく編集するなど、世論操作にも等しい。以前より感じていたが、この番組は、政権批判など偏向がひどい。テレビの影響力を考慮し、公平・公正な放送をするべきだ。

【ラジオ】

  • プレゼントでの選考に異議あり。「この夏、会いに行きたい人は誰ですか?会いたい理由やエピソードを番組中紹介させて頂いた方から抽選で往復航空券を差し上げます」。この内容でリスナーからコメントを募集して番組内でも多数紹介されていた。しかしプレゼントが当選した人は「この夏、会いに行きたい人は誰ですか?」にコメントした人でなく、「ハワイ島に行きたい」とコメントした人だった。無関係のコメントをした人に当選させるのは、懸賞に関する定義にも違反しているとしか思えない。スポンサーが9月から路線を開設するにあたり、番宣のために「ハワイ島に行きたい」という人を当選させたとしか思えない。そのような趣旨であれば、「ハワイ島就航を祝し、ハワイ島への想いをお聞かせ下さい。その中からプレゼントいたします」ではないか。リスナーをだますような番組は好ましくない。

【CM】

  • サプリメントや化粧品のCMなどで「これは良く効きます」と出演者が効用を強調する。その上で「これは個人の感想です」と、見えないくらい小さく画面の隅に出す。こうすれば薬事法違反にならないのか。誇大広告にならないのか。「個人の感想」というのは、表現の自由とはいえ、ひどすぎる。消費者トラブルに繋がるように思う。

青少年に関する意見

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 高校を舞台にした連続ドラマで、暴力的なシーンがひどい。小中学生でも見られる時間帯に放送しており、現実のいじめなどにもつながる可能性がある。これで類似の事件が起きれば、このドラマが起因となったと感じてしまう。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で芸能人へのイタズラとして、万引き犯に仕立てるドッキリ企画があった。ドッキリをかけられた芸能人への人権侵害にもなるし、視聴者、特に子どもへも悪影響だ。これを真似する人が出てきたり、いじめにつながる可能性もある。

  • 医療を扱った情報バラエティー番組で、モザイクなしに手術映像を画面いっぱいに流していた。そういう映像に耐えられない子どもへの配慮がない。子どもにとってトラウマになりかねない。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 女優の離婚騒動を取り上げる際、本人がネットを使い、個人を中傷し続けている映像を、テレビでも放送し騒いでいるのを見るのは非常に不愉快だ。一方的な恨みを晴らす道具に使うことがまかり通ると思うと、子どもにも悪影響だ。

  • 高校野球のニュースを取り上げる際、東京のある高校の一選手をスター扱いして流し続けることは不愉快だ。青春を賭けた高校生をもっと平等に扱うべきだ。偏った放送はやめてほしい。

2017年6月に視聴者から寄せられた意見

2017年6月に視聴者から寄せられた意見

フリーアナウンサーが闘病の末亡くなったが、その過熱した、遺族への配慮を欠く報道のあり方への批判。また、痴漢問題を扱った情報番組への意見や、日本人選手が活躍した卓球の世界選手権の中継について、試合開始時間等の番組編成への意見など。

2017年6月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,844件で、先月と比較して368件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール75%、電話23%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では30歳代28%、40歳代25%、50歳代19%、20歳代16%、60歳以上10%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。6月の通知数は885件【48局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

フリーアナウンサーが闘病の末亡くなったが、その過熱した、遺族への配慮を欠く報道のあり方への批判が多く寄せられた。また、痴漢問題を扱った情報番組への意見や、日本人選手が活躍した卓球の世界選手権の中継について、試合開始時間等の番組編成への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は49件、CMについては30件あった。

青少年に関する意見

6月中に青少年委員会に寄せられた意見は166件で、前月から43件増加した。
今月は「低俗・モラルに反する」が28件と最も多く、次に「性的表現」と「表現・演出」がそれぞれ25件、「報道・情報」が24件と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、全裸でお盆だけを使って股間を隠す男性芸人の出演について意見が寄せられた。「性的表現」では、バラエティー番組で中学生棋士の連勝を取り上げた際のお笑いタレントの発言について意見が寄せられた。「報道・情報」では、スポーツセンターで男子中学生が女児を投げ落とした事件の報道について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • フリーアナウンサーの逝去に関し、夫の歌舞伎役者の記者会見があった。何項目にもわたり、執拗に質問を繰り返す様子が報道された。悲しみにくれる家族の気持ちを察し、なぜ早めに切り上げてあげないのか。今聞かなければならないことだろうか。家族の気持ちは十分察しがつくではないか。涙ながらに語る夫の姿を報道した、それだけでいいのではないか。今一度、報道のあり方を見つめ直してもらいたい。全てを事細かにすることが、報道の使命ではないはずだ。

  • フリーアナウンサーの逝去以降、テレビ各局で、朝からそのニュースが報じられているが、どの局も同じ時間帯に報道され、天気予報が確認できず困った。私が住む地域は早朝から雨が降り、農作業をしている関係もあり、天気予報を確認したいが、どの局も天気予報をやっておらず、朝7時40分あたりから一斉に天気予報が始まった。雨の場合、交通手段も変わるうえ、その日の作業予定の問題もあるので、天気予報の時間帯を各局でずらしてもらうわけにいかないだろうか。確かにこの件は気の毒だとは思うが、各局揃って同じ時間帯に報道するほどの内容だとは思えない。

  • 14時半から歌舞伎役者の会見が行われ、生放送していた。また、16時半からは、文部科学省の前事務次官の会見の予定があった。歌舞伎役者の会見は十分に放送されたので、前事務次官の会見の方も最後まで見られるだろうと思っていたが、10分ほどで歌舞伎役者の中継録画に切り変わった。急で不自然な切り替えであり、何か政府からの圧力でもあったのかと疑問を感じざるを得なかった。前事務次官の記者会見会場には各局のテレビクルーがきていたのに、放送しないのはおかしい。不自然だ。何か釈然としない。

  • 昨今の政治に関する報道に、著しい偏りがあるように感じる。テレビ局や後ろにいる新聞社の思惑によって、視聴者を誘導するような行為が横行しすぎている。本来、報道とは真実を伝えることが大事なはずだが、最近では、局側の意向に沿う専門家と呼ばれるような人間や、ジャーナリストをずらっと並べて、一方的な見解を視聴者に押し付けている。現在のテレビの報道は、週刊誌と同レベルの質の低いものになっている。マスコミ全体がもっと中立性をもって報道するべきだと思う。報道の自由という言葉を勘違いしてはいないか。

  • 元放送局社員から暴行を受けたと訴える女性が、実名と顔出しで会見を開いた。しかしその後、どこの局もパタッと報道しなくなった。女性が性被害をここまで訴えるということは、相当な覚悟が必要だったであろう。マスコミはきちんと追及するべきだ。

  • テレビで「痴漢」の問題が出るときに、「冤罪」がセットで出てくるのが気になる。ニュースでも「痴漢だと誤解されたら」といった特集が多く、あたかも痴漢騒動のほとんどが冤罪であるような扱いだ。女性も冤罪の可能性は考えるし、ある程度確信を持ってから勇気を振り絞って声を上げるので、そうそう冤罪が起こるとは思えない。実際、痴漢被害はすごく多い。「痴漢」でネット検索すると、痴漢を訴える女性を責める言葉が山のように出てくる。それは、テレビが痴漢=冤罪というイメージを強調しているのも一因ではないか。

  • 東名高速道路で、観光バスと中央分離帯を飛び越えた乗用車の事故があったが、一命をとりとめた運転手が入院した病室でインタビューを受けていた。鼻に管があり、点滴の姿も痛々しい運転手に対して、マイクやカメラを向ける姿勢は疑問だ。ある番組では「家族と本人の許可を得て」などと、あたり前のように言っていたが、放送局への抗議を減らすための言い訳にしか聞こえなかった。許可を取ろうとなんだろうと、痛々しい姿の運転手に対して、この時点で取材すること自体が非常識だと思わないのだろうか。命は助かったのだから、コメントは後日でもいいはず。回復を待たず、しかも病院にまで乗り込む必要がどこにあるのか。人の気持ちを考えた報道を肝に銘じてほしい。

  • 新潟県三条市の寺で火事があった。野次馬が警察の制止を振り切り、寺の境内に入り込み、ひどい者は墓石に登るなどして、スマホで火事の動画を撮影していた。結果、その動画がNHKのニュースで使われたのを皮切りに、民放各局のニュースで流れていた。モラルの無い撮影に唖然としたことは言うまでもない。しかし本当に問題なのは、このように撮影された動画をテレビ局が使用したこと。「危険を冒してでも自分の動画がテレビで放送されるならば撮影しよう」という行為の助長につながりかねない。誰でもスマホで簡単に動画を撮れる時代だ。良い面もあるが、今回のようなケースもあることを、放送局の人達に認識してもらいたい。

  • フィリピンで300人からの死者が出て、外務省も渡航注意情報を出しているというのに、なぜテレビは報道しないのか。ロンドンよりよほど近いのに、欧米とアジアで人命の重さを秤にかけているのか。外国の交通事故みたいな、国民生活にほとんど関係ないものなどを放送し、日本に火の粉が掛かるかもしれない重要事項を報道しない。「テレビはくだらん」と視聴者が離れるのは当然と思う。

【番組全般・その他】

  • 日曜日の番組で、茨城県取手市の中学生自殺について、女性タレントの加害者を過剰に庇うような発言に問題があった。被害者は亡くなっているのに、それを気にも留めずに、加害者の今後だけを心配しているように聞こえた。そもそも、いじめによって被害者を自殺に追い込んでいるのだから、加害者もその責めを負うべきではないか。きちんと罪を償ったうえで、今後の心配をするのであればそれはわかるが、責めを受けないまま、それを擁護するのはおかしい。

  • 自民党女性議員の音声データについて。私は現在、上司からのパワハラで心療内科に通院中だ。起きたばかりの無防備な精神状態のところに、いきなり怒声が大音量で繰り返し流れ、非常に驚いた。今も動悸と身体の震えが止まらない。ニュースの内容を考えると、音声データを流したほうが視聴者には分かりやすいし、いきなりのほうが興味も惹く。番組制作側の意図は理解できるが、視聴者に与える影響力を考えれば、慎重に取り扱ってほしいと願うのはわがままだろうか。議員の怒声はパワハラの記憶をフラッシュバックさせる。音声データは今後も各局から流れることだろう。私個人は、しばらくテレビは見ることができない。いつまた、あの怒声が流れるかわからないので。

  • 東海地方の番組で、「日本一バラエティー豊かなえびせん料理」ということで、私の住む町が取り上げられていた。えびせんべいをみそ汁に入れたり、醤油をつけて焼いたえびせんべいをご飯にのせて"海鮮丼"にしたり、すき焼きにえびせんべいを入れて"海鮮すき焼き"にしたりして、あたかも町の人がそのようにして食べていると紹介していたが、住民の一人として「そんな事実はない」と断言できる。番組に出演した町の人達も、この内容に不満の声が多かった。町をバカにされ非常に不愉快だ。何故このような間違った情報を流したのか調査してもらいたい。

  • 世界卓球と全仏テニスをセットで放送していた。具体的な放送予定を曖昧な表現で一切案内しなかったので、視聴者は、延々とチャンネルを合わせたまま待っていなければならなかった。また、卓球とテニスという異質なスポーツを組み合わせたことにより、卓球を見たい人はテニスを、テニスを見たい人は卓球を見ながら待たなければならない。さらに、長い時間待ったあげく、期待していた試合はライブではなく、VTRで試合途中からの放送となり、しかも、結果のスコアは事前にテロップで知らされてしまい、とても残念だった。

  • 私の父は目が見えないので、"テレビを聴くこと"が好きだ。最近はニュースを見ていてもバラエティーを見ていても父には理解できないものばかり。字幕はたくさん見かけるが、外国語のときはなるべく通訳したものを放送してほしい。副音声を選べばいいと言われそうだが、視覚障害者のための副音声はあまりに少なく、ほんの一部の番組でしか行われていない。見えなくても、番組を楽しみたい気持ちは私達と一緒なので、少しでも改善してもらえると嬉しい。

【ラジオ】

  • FMを聞いているが、今月いっぱいで午後のシネマコーナーが終了する。とても良質なコーナーなので残念だ。その週に公開される映画を紹介するのだが、紹介の前に必ず、リスナーに一週間前に出したお題の回答を読み上げる。通常のラジオ番組では、お題の回答はEメールやハガキなどで読まれるが、このコーナーは掲示板での書き込みで回答する。リスナー同士のコミュニケーションもできて、とても画期的なコーナーだった。

【CM】

  • ホラー映画のCMは流すのをやめてほしい。4歳の娘が毎回怖がる。突然始まるので、チャンネルを替えるにも間に合わない。

青少年に関する意見

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組に全裸で股間をお盆で隠す芸人が出演しているが、不愉快だ。最近、お盆以外のもので隠したり、際どいポースを取ったりと、エスカレートしている。大人のモラルの欠如は、子ども達の心へ良い影響を与えない。

【「性的表現」に関する意見】

  • バラエティー番組で、中学生棋士の連勝の話題を取り上げた際、お笑いタレントが「彼が童貞でなくなったら変わると思う」と発言した。プロの棋士に対してあまりに侮辱的な発言だと思う。大人が、少年に対し性的発言をする行為は、立派なセクハラではないか。

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、女性国会議員の元秘書に対する暴言・暴行の問題について面白おかしく取り上げ、笑いにしている。ふざけ過ぎる内容を元にいじめを行う子どももいると思う。取り上げるからには真剣に報道してほしい。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 広島県のスポーツセンターで男子中学生が2階から女児を投げ落とした事件のニュースで「加害者は特別支援学級に通っていた」と伝えているが、「特別支援学級」を特別視することにつながり、差別感を生む。また、小さい町で、加害者が特定されてしまう。加害者がまだ中学生であることに、報道する側の配慮が感じられない。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で茨城県の中学生いじめ自殺事件について、スタジオの女性タレントが「加害者の生徒が、罪悪感を一生背負っていかなければならないと思うと心配だ」などと発言した。被害者側の気持ちはまるで無視するような発言だ。このような加害者のみに配慮し、一切の責任は問うべきではないという考え方が、世の中に浸透することの悪影響を懸念する。

【「視聴者意見への反論・同意」】

  • 全裸の芸が批判の的になっているようだ。その理由として「わいせつだ」や「教育上問題だ」などが挙げられているが、それほど目くじらを立てるほどのものだろうか。彼の芸を見てもわいせつな感じはない。また、子どもたちが真似をするとも思えない。

2017年5月に視聴者から寄せられた意見

2017年5月に視聴者から寄せられた意見

愛媛県今治市連続殺傷事件について、各局の情報番組における容疑者やその家族への取材のあり方への意見。痴漢疑惑による線路立ち入り事件についての報道のあり方や、情報番組でのコメンテーターへの批判など。

2017年5月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,476件で、先月と比較して20件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール74%、電話24%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では30歳代26%、40歳代25%、50歳代22%、20歳代14%、60歳以上11%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。5月の通知数は664件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

愛媛県今治市連続殺傷事件について、各局の情報番組における容疑者やその家族への取材のあり方への意見が多く寄せられた。また、痴漢疑惑による線路立ち入り事件についての報道のあり方や、情報番組においてのコメンテーターへの批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は70件、CMについては22件あった。

青少年に関する意見

5月中に青少年委員会に寄せられた意見は123件で、前月から33件増加した。
今月は「低俗・モラルに反する」が28件と最も多く、次に「表現・演出」が18件、「いじめ・虐待」が16件、「性的表現」が12件と続いた。
「低俗・モラルに反する」では、全裸でお盆だけを使って股間を隠す男性芸人の出演について意見が寄せられた。「表現・演出」では、相方の頭を叩く芸人の出演について意見が寄せられた。「いじめ・虐待」では、バラエティー番組でのプロレス技をかける企画について意見が寄せられた。「性的表現」では、アニメ番組の内容について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 今治市連続殺傷事件に関連し、参考人が自殺したことについて。報道では、警察の事情聴取のやり方を論じようとしているが、メディアの取材・報道の仕方が適切だったのかどうかも甚だ疑問。防犯カメラに映っていたというだけの時点で、参考人となった女性の自宅前に取材陣が殺到し、自宅から出てきた捜査員の前を塞ぐように撮影し、事情聴取の行われた翌朝には母親にインタビューする。そうした行為が女性に精神的なプレッシャーを与え、自殺に追い込んだという可能性はないのか。「現地の状況を伝える」という報道の役割を逸脱し、各局が競うように「犯人探し」をしていなかったか。検証し、問題があれば正す必要があるのではないか。

  • 痴漢の疑いの男性が駅のホームから飛び降り、逃げる様子をニュースに取り上げていた。実名を公表するのはやり過ぎではないか。「男性がジュースをこぼし、隣に座っていた女性客ともめて線路に逃げた」と伝えていた。確かに、線路に降りて金網のフェンスを越えた行為は法に触れるかもしれないが、それだけで実名を流すテレビ局の基準が信じられない。彼はまだ若いし、これからの人生もあるのに、この件で会社を退職せざるを得なくなったり、場合によっては命を絶ったりするかもしれない。あまりにも犯した行為と、それに対して受けたテレビ局からの罰が比例しない。放送で実名をさらすことに見合う犯罪なのかどうか、厳正な基準を設けるべきだ。

  • 皇族と婚約される一般の男性について。大量の報道関係者が夜間に自宅に押しかけ、インターホンを鳴らして取材、早朝から「職場へ出発」などと中継、過去の交友関係を洗い出して根掘り葉掘りしているが、必要あるのか。皇族との婚約相手であろうが、現状は一般人だ。プライベート情報を流すのは如何なものか。さらに、「職場へ出発」など、正直、どうでもいいレベルの内容で報道する。これは意味のないことではないか。報道のあり方、内容がかなり行き過ぎている。

【番組全般・その他】

  • 獣医学部新設について、文科省前事務次官が現政権にとって致命傷となるような爆弾発言をした。前後してその人が不適切な店に通っていたことがすっぱ抜かれ、各局のワイドショーでは、そちらのほうが大きく騒がれている。「文科省のトップにいた人物が何という体たらくか」と怒りを覚えるのは確かだ。しかし、彼の発言の重大さは、不適切な店に通うこととは別次元のものだ。簡単に片づけられるものではない。問題のすり替えは官邸側を利するだけだ。テレビなどのメディアは、問題の本質を見誤ることなく、伝えるべきことを伝えてほしい。

  • 情報番組で、タレントがコメンテーターとして出演しているとすごく不愉快になる。事件そのものを批判するのではなく、相手によって批判したり、擁護したりすること。例えば、不倫騒動も「こいつは芸能界から引退してほしい」「人としてどうなんだ」とまで言っていたかと思えば、別の人の不倫だと「この方は活躍のスケールが違うから」などと扱い方が全く違う。「不倫自体が悪い」と一貫してほしい。色々な事件も、ことを起こした芸能人によって、許容範囲だったり、許せなかったりではおかしい。相手が大物タレントの場合や、後々仕事に影響がありそうな人に対しては擁護する発言をする。これは聞いていてあきれる。そんな人はコメンテーターとして仕事をしないでほしい。

  • 「テレビに映った美人を追跡」と題し、路上インタビューを受けた女性や、高校野球中継に映ったチアガールを探して会いに行くという企画をやっていた。なかでも、チアガールの女性に対しては、在籍していた高校へ電話し、卒業後の居場所について尋ねるといったシーンも放送され、さもストーカーのように感じた。彼女に対して過度に執着を持つ人が現れる危険性もある。当該女性には、すでに何らかの手段で出演依頼をしていたのだろうが、このような企画は、今後、一般の人でも、気になった人物が映れば、居場所を特定してもよいと誤解させるような内容だった。

  • いつも楽しく見ているが、今回はあまりにもふざけ過ぎていた。女性芸人が登山をするコーナーで、プロの登山家まで使って危険がないようにサポートしているのに、かたや芸人とはいえ、お尻丸出し、鼻水垂れ流し、体調不良で脱落した芸人が、下山してきたメンバーやサポートしていたプロの登山家の前に、あられもない水着姿で登場するなど、ふざけ過ぎている。この芸人達は、温泉同好会というコーナーにも出て裸になっていた。ボカシが入るなら何をやってもいいものなのか。

  • 紹介したフリップが間違いであったとテレビ局が謝罪した。「真偽を確認しないまま放送に至り」とコメントしているが、放送する情報について「真偽を確認」することは放送人の基本ではないか。事実でもウソでも面白ければ何でもいい程度の感覚なのか。だとすれば、他の情報の真偽はきっちりと確認しているのか疑問になる。放送倫理に関する理解が足りなすぎる。スタッフや出演者が、誰もウソ情報に気付かなかったのも不思議だ。ネタ元と思われるSNSを確認するだけでも、ある程度は真偽が分かるはずだ。出演者がこのウソ情報を基に、映画監督を馬鹿にするように笑っているように感じた。誰かを揶揄したり、傷つけたり、迷惑をかけたりするような笑いは不愉快だ。

  • アフリカの貧困層やシリアからの難民が直面している食糧難、国内でも貧困児童が存在する現状を、定時ニュースなどで伝えた後に、「大食い番組」を平然と流すのは道徳上よくないのではないか。一方では満足な食事ができない人達がいるのに、もう一方では残飯を出し、捨てている。

  • 男性アナウンサーが「他局の女性アナウンサーと婚約した」と出演した番組内で発言した後に、女性アナウンサーがMCを務める報道番組で、自分の婚約について話をしていた。受信料を徴収している公共放送でこのような個人的なことを話すのは如何なものか。他に伝えるべきニュースがたくさんあるはずだ。最近、アナウンサーがこのような話題を話すことが増えているようだが、個人的な事は避けるべきだ。

  • BSの紀行番組でハワイ・ハレイワを紹介していた。定番の観光地を避けようとするあまり、退屈な内容になることもあるが、この日の番組は良かった。誰もが行きたいと思うような美しい場所、美味しそうな食事もきっちり紹介されていた。特に、サーフィンの取り上げ方が印象的だった。ビーチで、サーファーの見事なライディングを見せ、街歩きの途中にサーフボードの工房を訪れ、後半では、障害を持つサーファーの、ビーチを転がってでも波に乗りたいという、サーフィンに対する強い思いがしっかり伝わってきた。ゆるい仕込みはあるそうだが、仕込みだとしても、それを感じさせない見事な構成と演出だった。私も障害を持つ身だが、これほど自然に、しかも重要な役割として障害者が登場する番組はなかなか無い。お涙頂戴や感動の押し売り的な意図も全く感じなかった。サーフィンとともにある、ハワイ・ハレイワの日常を見事に表現した素晴らしい番組だった。

【ラジオ】

  • 午前11時すぎに、DJが、面白おかしく「Jアラート」の音を流していた。テレビと違い、字幕などがないので、音声だけでは、その時にラジオをつけた人には何だか分からない。「これはテストです」とも言わず、番組の流れで「Jアラートの音声を聞いてみようか」ということで音声を流していた。不安を煽る紛らわしいことは流さないのが放送局の役目だ。北朝鮮問題など、世の中が不安で緊張している状況に、簡単に面白おかしく、こういった音声を流してしまう局の倫理観を疑う。

【CM】

  • ピザのCMで、飲食店の前でタクシーに乗り込む若い男女、男は勝ち誇ってVサインを送り、見送る男たちは「お持ち帰りいいなあ」と言って、羨ましそうな顔をしている。この「お持ち帰り」は、飲み会などの帰りに、気に入ったに女性を誘って家やホテルに連れ込む隠語ではないか。言葉として流布しているのは仕方がないが、CMで放送するのは疑問を感じる。

青少年に関する意見

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • バラエティー番組で、全裸でお盆だけで股間を隠す芸をしていたが、これは芸でもなんでもない。子どもが真似をして大変不快だ。面白ければなんでもいいという考えは改めてほしい。

  • バラエティー番組で、カリスマ編集者と名乗る人物が、男性編集者が女性作家にする「枕営業」について話していた。家族で安心して見られる番組だと思っていたので、セクハラへの無神経ぶりに呆れてしまった。

【「表現・演出」に関する意見】

  • あるお笑い芸人が、相方の頭をきつく叩いたり、「ばかちん」など暴言を吐いたりして、見ている方はとても不快だ。子どもが真似をして、怪我などしないか心配だ。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、突然にプロレス技をかける企画は、子どもがふざけて真似しかねない。面白おかしく放送し、怪我や弱いものいじめにつながる恐れがある。放送するなら、決して素人が真似しないよう「注意」をのせるべきだ。

  • 県民性を扱う番組は、見ていて不愉快になる。東京都だけ貶さず、他の道府県を見下しているように見える。これは、東京一極集中、地方の衰退、地方出身者に対するいじめや差別を助長する原因の一つになりやすい。

【「性的表現」に関する意見】

  • アニメ番組で、断ることのできない年上の男性から、若い女の子が身体を触られたり、下着を覗かれたりというシーンが放送された。ストーリーとはほとんど無関係だ。我が家の子どもも大好きで毎週欠かさず見ているが、子どもも見るアニメとしては不適切な内容だ。

【「要望・提言」】

  • テレビをつまらなくしないでほしい。「裸芸」を見て真似る子がどれだけいるだろうか。たぶん、ほとんどいないと思う。テレビの影響は悪いものばかりでなく、良いこと悪いことを判断する力を養う役目もあるはずだ。テレビを見ながら会話して、何をやってはいけないかを教えるのが親の役目だ。

2017年4月に視聴者から寄せられた意見

2017年4月に視聴者から寄せられた意見

千葉県の小3女児殺害事件について、各局の情報番組における取材のあり方への意見や、北朝鮮を取り巻く緊迫した海外情勢を伝えた報道番組への意見など。

2017年4月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,456件で、先月と比較して645件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話26%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では30歳代25%、40歳代25%、50歳代18%、20歳代17%、60歳以上12%、10歳代3%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。4月の通知数は715件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

千葉県で起こった小学3年生女児殺害事件について、各局の情報番組における取材のあり方への意見が多く寄せられた。また、北朝鮮を取り巻く緊迫した海外情勢を伝えた報道番組への意見。そのほか、スポーツシーズンを迎え、プロ野球や海外ゴルフなどの中継番組に関する意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は69件、CMについては48件あった。

青少年に関する意見

4月中に青少年委員会に寄せられた意見は90件で、前月から67件減少した。
今月は「表現・演出」が30件と最も多く、次に「低俗、モラルに反する」が14件、「いじめ・虐待」が11件、「性的表現」が8件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で皮膚の病気の人、美容整形に失敗した人を扱った海外企画について複数の意見が寄せられた。「低俗・モラルに反する」では、全裸でお盆だけを使って股間を隠す男性芸人の出演についての意見が目立った。「いじめ・虐待」では、バラエティー番組でのローションを塗って階段を駆け上がる企画について意見が寄せられた。「性的表現」では、深夜に放送したアニメ番組の内容について複数の意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐」では、ドラマでの暴力的表現について意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 住宅の床下から女性が遺体で発見されたという事件の報道で、近所の人達が取材に応じて、かなり具体的なことを答えていた。「行方不明になった頃、金づちの音が聞こえた」「業者が出入りしていた」などである。これらは事件の核心部分に当たる重要事項かもしれず、警察が捜査の参考にすべきものだ。住民がテレビ局の取材に応じて、軽々しく話してしまったようだが、取材者として「大事なことなので警察にも伝えたほうがいい」と助言したのだろうか。素人ながら、とても気になった。

  • 千葉県の小3女児殺害事件を取り上げていたが、容疑者が以前に勤務していたという会社から入手したとされる「勤務状態評価表」なるものが、テレビ画面に映し出されていた。個人情報保護法の基本原則からすれば、企業が、外部に開示されることが許されないものを提供することは違反だと思う。それに対して、個人情報を慎重に取り扱うべきマスコミが、スクープを優先させるためにテレビで流すのは、個人情報保護法を軽視している。正義の名を借りた、行き過ぎた報道には疑問を感じる。

  • 各局とも「北朝鮮から、いつミサイルが飛んできてもおかしくない」「日本のどこが狙われるか」など、ここ数日、戦争がすぐにでも始まりそうな報道が続いている。空母カール・ビンソンをめぐる錯綜した情報は、国民の不安を煽ることになる。備えは必要であるが、ことは国際問題、戦争にも発展しかねない問題だ。落ち着いて報道してもらいたい。

  • 以前、緊急事態を想定した国民保護訓練に参加したことがある。その訓練で再認識したことは、テレビやラジオ、携帯電話などからの情報の入手が貴重であるということだ。訓練後のアンケートで、国民保護サイレンの存在を知らず、聞いたこともないと答えた人が全体の約4割いた。また、防災行政無線の音量が小さくて聞こえにくかったと答えた人は、全体の約半数に上った。平素より、各種の警報や退避に関する放送を行い、分かりやすく国民に周知することに努めてほしい。

【番組全般・その他】

  • アメリカで開かれたゴルフトーナメント中継を見た。ボールが落ちた位置や事実関係など実況に誤りが多く、名勝負に水を差した。実況では「間違いなく天国の先輩が背中を押してくれました」などの私見も多く、聞き苦しかった。「間違いなく」というのは妄想的な表現だし、そんな私見を挟む前に優勝者をほめるべきだろう。苦難の末につかんだ優勝を、オカルトや都市伝説みたいな話に矮小化すべきではない。中継の終わり方も最悪だった。優勝者の表情を伝えることなく、突然中断。メジャーな大会なのだから時間には余裕を持ってほしかった。

  • 私は、朝の番組の「花見に迷惑撮影者が殺到」というコーナーのロケの日に、現場でSLを撮影していたが、置いていた三脚が、線路に近いということで撤去させられた。そのことは自分が悪いと思うが、その後、番組撮影隊の一人がビデオカメラを片手にやって来て、「もう1回ここで撮影チャレンジしちゃいます?」と、笑いながらこちらを煽るようなことを数回言って来た。その他にも、私と同じようなカメラマンに話しかけていたが、同じように煽っているのではないかと思った。注意して引き留めるなら納得するが、ネタになるからと相手を煽って、事件でも起こしてほしいのではないかと、不信感を持った。

  • 千葉県の小3女児殺害事件で、芸能リポーターが被害女児の同級生女児にインタビューしていた。まだ、同級生が学校関係者に殺されたという、生々しいショックが癒えない時期にもかかわらず、亡くなった同級生についてのインタビューをしている。言語表現や思考の幼い低学年児童に話をさせる様子は、放送に都合が良い言葉を児童から引き出すための誘導尋問に思え、番組の過大演出や、他局番組とのスクープ合戦に子どもを利用していて憤りを覚えた。このことにより、取材を受けた児童が、今後いじめを受けるおそれや、心の傷となるかもしれないことなどを考えれば、大人の勝手な都合を重視した、配慮に欠けた行為だと思う。

  • 「ある男性が連日連夜、隣家の住人を大声で罵倒」というご近所トラブルを取り上げていた。男性はいったん逮捕されたが数ヵ月後に釈放され、番組ディレクターの取材に応じて、これまでの隣家とのいきさつなどを語った。その際、ディレクターの「理由はどうであれ、罵倒するのは良くない。もうやめてくださいね」の言葉にも素直に応じていた。ところが、彼はまた同じトラブルを起こして再度逮捕される。その際、証拠映像を撮るよう隣家にアドバイスし、実際にカメラを設置したのは番組スタッフである。ディレクターが「もうやめて」と諭していた言葉と矛盾する。再びトラブルがあることを期待しての番組作りだったのか。見終わって疑問だけが残った。

  • 昼の番組の「ジャーナリスト10人と報道の自由を語る」というテーマは、とても魅力的だった。しかし、出演したジャーナリストが全員保守系で、政権寄りの人達だった。そのため、活発な意見が飛び交い論戦が展開されるということもなく、皆で同じ方向を向いて気勢を上げることに終始した。せっかくのテーマとコンセプトが生かされず残念だ。出演者を選ぶ際、同数とまではいかなくとも、せめて一人か二人、リベラル系の人達を加えるべきだ。

  • 各局とも夕方や午後11時台に、似たようなニュース・情報番組を放送している。取り上げる内容も時間帯もほぼ一緒で、チャンネルを替えても変わりばえがしない。最近、テレビそのものを見たくないと思うことが増えた。ネットが普及し、安易に情報を得ることのできる現代、このような思いを抱く人間はほかにもいるのではないか。

  • 夜11時代の番組は、報道番組でありながらアットホームな雰囲気があり、軽すぎず見やすい。お硬い報道番組の中にこのような番組が一つぐらいあってもよいと思う。特に、ツイッターで集めた意見をリアルタイムで放送するのはユニークだ。ただ、取り上げられるツイートには、政治的・思想的な偏りが見られるもの、内容が薄いものや低俗なものもある。偏りがあることは報道番組として致命的だと思う。寄せられたツイートの意見の比率が忠実であれば良いが、ツイッター上で確認するかぎり、賛成意見が多い場合でも、表示されるツイートは反対意見のほうが多い、といったことがある。最近では、関西の学園の件で、民進党議員との関係性を指摘するツイートが相当数あったにもかかわらず、一つも取り上げられなかった。取り組み自体は、ニュースを見るだけでは得られない、多種多様な意見を知ることができる面白いものだと思うので、一層ブラッシュアップして今後も続けてほしい。

  • プレゼント応募をしようとしたら、どこかの会社へ登録しないと応募できない仕組みだった。いろいろと登録したくないのであきらめたが、本来であれば、番組中に説明するのが一番よいと思う。せっかく番組を最後まで見て、さあ応募というところで、登録が必要だとは、時間を無駄にしてしまった。それなら「プレゼントには登録が必要です」と番組中に知らせるべきだ。登録しなければ応募できないと分かっていたら、やめる人も多数いるから、あえてそれは伏せていると容易に推測できる。こういった手法がよくとられているので、どうにかしてほしい。

【ラジオ】

  • 午後3時台だったと思うが、FMで"ピンクリボンフェスタ"を伝える特集番組を放送していた。私は、乳がんを経験して現在もつらい状況にあるため、この番組に元気をもらえるかと大いに期待していた。ところが、聞き始めると、ゲストの女性芸人とパーソナリティーの間で酒談議になり、乳がんとは無関係な能天気な話ばかりが続いた。"ピンクリボン"をうたう番組に似つかわしくない成り行きに失望し、悲しい気持ちになり途中でラジオを消した。番組の趣旨は一体どうなってしまったのだろう。

【CM】

  • 清涼飲料水のCMで、トランペットを演奏している後ろから友人がぶつかってくる描写が、危険だからと放送が打ち切りになったというニュースを見た。確かに危険だが、最近はインターネット上で問題視されたからと、たやすく打ち切りや内容変更になる事例がよく見受けられる。打ち切りまではいかなくとも、クレームを気にするあまり「CM上の演出です」「このあとスタッフが美味しく頂きました」などといった興ざめなテロップを表示させざるを得ないこともある。番組やCM制作には莫大な費用がかかる。クレームを恐れ、打ち切りや内容変更を考えるのは、昨今の番組がつまらなくなっている理由にもつながっていると思う。負けずと毅然とした態度で制作をお願いしたい。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、体の一部から木のようなものが生えてくる病気にかかった人の映像を紹介していた。いずれもモザイク処理されていなかった。番宣でもこの映像が使われていて子どもが見てショックを受け、トラウマになったようだ。"見世物小屋"のような感じがして不愉快だ。

  • バラエティー番組で、複数回の美容整形手術に失敗した女性の画像が"どアップ"で映し出された。瞬間的に出たのでテレビを消して回避する余裕すらなかった。私もとても気持ち悪くなり吐き気がしたのだが、何よりも3歳の娘も直視してしまい、それから怖がって泣きじゃくっている。

  • バラエティー番組で、女性タレントが、氷の張る湖に入れられるなど体を張った遊びをやらされていて気の毒だ。一歩間違えれば心臓麻痺などの事故を起こしかねない。また、男性の芸人が、張られたロープの上を高速で突っ走るペットボトルをお尻で止めるゲームをやらされていた。大きな衝撃を受けたはずだ。これらの場面を見た子ども達が影響を受けて、友達に対して似たようなことをやらせる可能性もある。

  • バラエティー番組で女子中高生が、援助交際をしている実態を話しているが「みんなやっているから」と男性タレントが連呼している。来日外国人が見たらどう思うか、日本の子どもは全員売春婦だと認識する構図となっている。みんなやっている訳がなく、「みんな」という表現は不適切だ。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • 素っ裸にお盆一枚で局部を隠す裸芸をしているが、公共の電波を使って裸芸は問題がないのか。子どもの教育にも悪影響があると考えるので今後、テレビに出演させないでほしい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組で、ローションを塗って階段を駆け上がるゲームは、とても危険だと感じた。転んで打ちどころが悪ければ下半身不随や骨折など大けがをする。学校で、子ども達が真似をしないか心配だ。人を蹴落とすシーンもあり、いじめを誘発しかねない。番組にもモラルと配慮を求めたい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組について、極めてわいせつな内容だった。アニメ作品のため、子どもが間違えて見てしまう可能性がある。この番組に限らず、あまりに性的に過激な内容のアニメ番組の放送は、テレビ局、制作者に考えを改めてもらい、控えてもらいたい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • スペシャルドラマで、殺人・暴力・自殺のシーンがリアルに出てくる。小学生・中学生も見ている時間帯であり、なぜこのような番組を放送して良いのか、倫理はどのようになっているのか、理解できない。なぜこのように暴力だけを放送するのだろうか。まるで殺人を助長しているようだ。

  • 何故、サスペンスや殺人ドラマの宣伝は人が殺されるシーンになるのか。サスペンスや殺人ドラマを放送するのはいいが、宣伝の内容を考えてほしい。人が刺される、飛び降りて血を流して死ぬシーンを子どもが見ている。

2017年3月に視聴者から寄せられた意見

2017年3月に視聴者から寄せられた意見

東日本大震災から6年。3月11日には各局で特別番組が放送され、その内容に関する意見が多く寄せられた。WBCの野球中継では試合時間が長く、その後の時間帯の番組編成に対する批判が多く寄せられた。

2017年3月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は2,101件で、先月と比較して291件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話26%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性70%、女性29%、不明1%で、世代別では40歳代27%、30歳代26%、50歳代19%、20歳代14%、60歳以上12%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。3月の通知数は956件【50局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、23件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東日本大震災から6年がたった。3月11日には各局で特別番組が放送され、その内容に関する意見が多く寄せられた。また、WBCの野球中継では試合時間が長く、その後の時間帯の番組編成に対する批判が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は44件、CMについては50件あった。

青少年に関する意見

3月中に青少年委員会に寄せられた意見は157件で、前月から55件増加した。
今月は「表現・演出」「性的表現」がともに25件と最も多く、次に「いじめ・虐待」「低俗、モラルに反する」がともに24件、「報道・情報」が19件と続いた。
「表現・演出」では、バラエティー番組で芸能人がだまされて穴や海に落とされる企画について多数の意見が寄せられた。「性的表現」では、未成年の設定だと思われるアニメキャラクターの発言について複数の意見が寄せられた。「いじめ・虐待」では、体操教室での少女に対する指導の様子について多くの意見が寄せられた。「低俗・モラルに反する」では、お盆で股間を隠す芸についての意見が目立った。「報道・情報」では、大阪府の幼稚園に関するニュース等での園児の取り上げ方についての意見が多かった。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 各局で、東日本大震災を振り返る番組が放送されていた。いまだに故郷に帰れない被災者や、現地の状況が報じられていたが、これは、3月11日にならないと放送できないものなのだろうか。復興が進んでいない、現地の産物が市場で売れないなどは日常のことであり、この日に限って復興、復興というだけでは全く意味がない。現地の産物はどのような検査を通して出荷されているのか、復興が進まないのは何故か、それらをメディアがきちんと調べた上で、普段から報道すべきだと思う。それが被災者に対するいじめや差別を防ぐことにも繋がるのではないだろうか。

  • 東日本大震災から6年、今、私たちは、“二つの風”と闘わなければならない。その一つは風化だ。毎年追悼式が国や自治体で開催され、多くのメディアも番組で取り上げるが、残念ながら年々参加者が減り、話題も少なくなっていく。防災の観点から決して忘れてはならない。3月11日を思い出し、災害時に何を準備し、何を施すべきかをきちんと覚えていれば、被害を少なくすることができる。二つ目の風は、風評被害だ。農産物に含まれる放射能はほとんど減衰したが、被災地産というだけで買い控えが起こる。日本産農産物に対して一定の輸入制限をかける国は、いまだ世界の半分近くに上る。さらに深刻なのは、人的な風評被害である。避難した子ども達が、いわれ無き中傷を受け、いじめに繋がった例も報告されている。差別しようとしている大人の心を反映したものか、大人の意識改革を進めなければならない。二つの風との闘いはこれからも続けなければならない。これも犠牲となられた方々への供養であり、被災者の方々への励みになるはずだ。

  • 関西の学園について連日報道されているが、感情的・扇情的な報道内容で、視聴者が公平な判断ができないのではないか。疑惑の段階なのだから、きちんと裏付けされた理性的・論理的な情報で視聴者に考えさせるような報道をすべきだ。

  • 芸能人が、飲食店などに現場で撮影許可を取るスタイルの番組について。芸能人は、お店には撮影許可を取るが、店内にいるお客様に許可を取っているのか。許可を出すのは店側ではあるが、取材などに慣れていない店に突然撮影許可をとる場合、店の人は、お客様の許可を取ることまで気が回らないのではないか。撮影する側は、最低でもお客様にも同意を得るように注意喚起をする必要があると考える。なかには断ることを言い出せない人もいるはずだ。食事中はすぐに退去することもできない。取材の際、前もって許可を取ること、店側にお客様の同意を得てもらうことを実施するべきと考える。

  • 甲子園の選抜高校野球の報道で、特定の学校に関する扱いが異常だと思う。注目選手がいるというのは理解できるが、あたかもその学校が負けて残念であるかのような報道はやり過ぎではないか。プロスポーツでない高校野球は、もっと冷静で公平に伝えるべきだ。

【番組全般・その他】

  • ディズニー映画の放送は、「ノーカット」としきりに事前告知していたが、エンディングの内容にがっかりした。エンドロールは早送りにされ、子ども達の歌声が出ていた。それだけならまだしも、テレビ局の社員が歌っている。番宣も流れている。なんだかわからないが、芸人も出ていた。「ノーカット」という場合、どういった定義になるのか。見ていて本当にがっかりした。エンドロールも含めて一本の映画だ。早送りして番宣を見せられるぐらいだったら、カットしてもらったほうがいい。視聴率ばかりが気になるから、視聴者の目線になっていない。

  • プロレスの番組を楽しみにしていた。前の番組はWBCの野球中継で、試合が延長して長時間放送になった。これにより番組の放送開始が大幅に遅れてしまい、番組予約がきかず、私は見ることができなかった。プロレスファンにとっては初めての企画で、どうしても見たかった。野球中継が延長することは容易に予想がつくことではないのか。番組編成に大いに疑問が残る。

  • 朝の情報番組で、「山陽新幹線トンネルから水蒸気」というニュースがあった。「水蒸気」は目に見えないので「水滴」が正しい。この誤りに誰も気づいていないのか、疑問を持たないのか、以前から間違ったままの放送が続いている。小中学校の理科の授業では、「水蒸気は目に見えない気体」と教えているが、テレビでは、「激しい水蒸気が見える」といった放送がされる。これを繰り返し見た子ども達は、混乱して正しい知識が身につかない。改善してほしい。

  • 昼の番組で、キム・ハンソル氏と思われる男性が公開したビデオについて、撮影された場所のフロアや部屋などの状況を、わざわざ専門家に分析させて放送していた。「撮影場所は50ヘルツの電子機器が使用されている地域」などと音声分析の結果を公表して、丁寧に50ヘルツ地域の国一覧までつけて放送していたが、やりすぎだと思う。当該男性が、北朝鮮政府から狙われている可能性や、他の国から国家レベルで保護されている情報がある。潜伏先について根掘り葉掘り分析し公開する内容は、男性を狙う暴力テロ組織を利するだけであり、一般視聴者に必要なものとは思えない。

  • 夜の番組で、番組ADが取材をしているが、食べ方が汚い。一呑みは当たり前、お寿司をまとめて手に抱え一気食い、きれいに盛られたものも手掴みで一呑み。大食い番組ならあり得る食べ方かもしれないが、食のリポートであって、大食いを自慢するコーナーではない。取材を受けたお店も、そんな食べ方をしてほしいわけでなく、純粋に料理を楽しんでほしいのではないか。食べ方のせいで、美味しそう、食べてみたいと思う気持ちを削がれる。放送時間帯も家族で見ている時間だ。あんな食べ方を見せられたら、真似をしてしまう子どもも出てくる。何かしらの事故が起こらないとも限らない。

  • 「無人販売所の農家は、相当なお人好し説」を検証するとして、農家の野菜無人販売所から野菜をすべて持ち去り、盗まれたとは思わないかどうかを実験していたが、例えお金を払っていたとしても、真面目に野菜を販売している農家の方に対し非常に失礼で、不愉快極まりない番組だった。しかもあの内容では、「無人販売所から簡単に野菜を持ち去るとことができる」という犯罪を助長しかねない。買い占めた大量の野菜が残ってしまったという、食べ物を粗末にする結末にも不快感を覚えた。

  • 一人芸人がナンバーワンの座をかけて対戦する番組の中で、優勝者が裸でパフォーマンスをしていた。それは、全裸で局部を皿のようなもので隠すという芸で、下品な宴会芸を思わせるものだった。局部を露出するかどうかでスリルを与えるのが狙いらしい。生放送でこのような芸を放送しても良いのだろうか。万一にも局部が露出したら、公然猥褻などの犯罪になるのではないかと思った。軽犯罪法に該当しないのかとも思った。いずれにしても、裸で芸をするというのは、いじめのツールとして利用されるなど、青少年に悪影響を与えるのではないか。

【ラジオ】

  • 関西在住だが、深夜放送を朝まで楽しみに聞いていたのに、3月中旬から、FMの放送に切り替わるということで、番組がなくなってしまった。私はFM局を聞くことができない。すべての人がFMを聞けるわけではないので、配慮してほしい。

【CM】

  • 77歳になる祖母が健康食品・美容化粧品のCMを見て、定期購入と知らずに通販を利用してしまった。幸いにも娘である母が定期購入の停止、及び、今後祖母が電話をかけても断るようにと約束させていたが、この手のCMは、どれだけ自社製品が良いのかとアピールするだけで、肝心の注意喚起の部分は、視力の良い人でも見えないのではないかと思うほどの小さな文字で表記している。CMは15秒程しかないのでそんな文字は読めないし、CM内容を孫の私が確認したところ、定期購入について詳しく書かれていなかった。頼んだ祖母も祖母だが、このような健康食品・美容問わず、通信販売のCMは大いに問題がある。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • バラエティー番組で、芸能人をだまして海や穴に落とす企画があった。演技かもしれないが、俳優が海に落ちてワニに怯える姿を見て、他の出演者が大笑いしていた。人が困っている様子を笑って見ている様子は不愉快だし、子どもにはとても見せられない。

  • ゴールデンタイムの番組で、手術シーンが映像処理されることなく放送された。血や肉や骨がそのまま映し出されており、気分が悪くなった。子どもも見ている時間帯なので、もう少し配慮してほしい。

  • 番組スタッフが小学生と一緒に給食を食べるシーンがあった。そのスタッフは口に食べ物を含んだ状態で話をしたり、一気食いをしたりするなどマナーがひどかった。子どもに悪影響を及ぼす。

【「性的表現」に関する意見】

  • 未成年の設定だと思われるアニメキャラクターが、子どもを作ったかのような発言をしていた。子どもも見ている時間帯の番組としては不適切ではないか。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 体操でオリンピック出場を目指す少女を取り上げた番組があったが、少女へのコーチの指導が厳しすぎて虐待シーンを見せられているようだった。子どもが痛みで泣き叫んでいる映像はあまりにも残酷で見るに堪えない。

  • バラエティー番組で、あるタレントの嫌いなところを一般の人にアンケートし、その結果を他の出演者が当てるという企画があった。そのタレントの人格を否定するかのような回答もあり、いじめのように感じた。最終的には「嫌いなところはない」がアンケートの回答で圧倒的に多かったというフォローがあったが、このような企画は不愉快だ。

【「低俗・モラルに反する」との意見】

  • お笑いタレントがお盆で股間を隠す芸を披露していた。子どもが真似したり、悪ふざけで、無理やりその芸をやらされたりするおそれがある。

【「報道・情報」に関する意見】

  • 幼稚園児が園の教育方針に沿って、運動会で選手宣誓する様子などを報道していた。顔は分からないように配慮していたが、報道されることにより、園児本人は自分が悪いことをしたかのように感じるだろう。園児のことを思うと胸が痛む。

2017年2月に視聴者から寄せられた意見

2017年2月に視聴者から寄せられた意見

豊洲市場への移転問題を伝える昼の情報番組などに対し、移転賛成派、反対派のどちらか一方に偏り過ぎているとの批判や、都議会関連問題について、連日同じ内容の放送を続けているとして放送局への批判。医療をテーマにした番組で、特定の睡眠薬が糖尿病に効果があると、一部研究者の学説を紹介した内容に対する意見など。

2017年2月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,713件で、先月と比較して97件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール72%、電話25%、FAX1%、手紙ほか2%。
男女別は男性72%、女性27%、不明1%で、世代別では40歳代27%、30歳代27%、50歳代21%、60歳以上12%、20歳代12%、10歳代1%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。2月の通知数は757件【56局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、20件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

豊洲市場への移転問題は、延期が決まって半年経過したが、昼の情報番組などに対し、相変わらず数多くの意見が寄せられている。移転賛成派、反対派のどちらか一方に偏りすぎる論調への批判や、都議会関連問題について、連日同じ内容の放送を続けている放送局への批判が多かった。また、医療をテーマにした番組で、特定の睡眠薬が糖尿病に効果があると、一部研究者の学説を紹介した内容に対する意見も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は47件、CMについては37件あった。

青少年に関する意見

2月中に青少年委員会に寄せられた意見は102件で、前月から27件減少した。
今月は「性的表現」が27件と最も多く、次に「表現・演出」が26件、「暴力・殺人・残虐シーン」が12件、「低俗、モラルに反する」が11件、「いじめ・虐待」が7件と続いた。
「性的表現」では、複数のアニメ番組に対して、キスシーンなどの表現に関する意見が寄せられた。「表現・演出」では、主人公が小学生のアニメ番組で、通常とは異なる画風や設定で放送したことについて多くの意見が寄せられた。「暴力・殺人・残虐シーン」では、映画や深夜帯のアニメ番組についての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 豊洲市場の安全性についての報道が、合理的に、また科学的な判断がなされずに、いかにも危険であるかのように、国民に対して不要な不安を煽っていることに危惧を感じている。地下水にベンゼンなどの有害物資があるとしても、これは飲料用井戸水として使用する際の基準であり、市場としての機能に悪影響を与えるものではない。しかし、マスコミが合理的思考や科学的見識が未熟なまま報道することにより、国民に対し不安を煽り、経済的損失を与えている。

  • 関西にある学園の、土地取引に関する一連の報道に不信感を持っている。新聞各社の本社ビルが建っている土地も元は国有地で、公共性を鑑みて割引されているという話を一部のメディアが伝えているが、主要な報道機関はダンマリを決め込んでいる。土地取引が不透明なのは事実だが、公益性をネタにされると困るから、それだけを論点にするのではなく、教育方針や理事長の人柄なども扱っているのではないか。また、一連の報道で、土地取引や土木工学の専門家が全く出てこないのも、公平性や客観性を欠いている。

  • 埼玉県草加市で起こった交通事故で、母親が亡くなり子どもがけがを負った。原因はトラックの信号無視とされている。そのニュースを伝える際、記者が被害者の遺族にインタビューしていたが、「うん、うん」と相槌を打つことが気になった。「はい」や「ええ」など、他の返し方もあると思うのだが。

  • 最近の日本のメディアは、アメリカのトランプ大統領や、その側近のツイッターの投稿内容を紹介するだけの報道が目立つ。イギリスのBBCやアメリカのCNNなどの海外メディアは、政党や団体の関係者、各地の市民等に直接取材して、専門家の意見も交えながら、説得力のある報道をしている。限られた時間の中で非常に分かりやすく、日本の報道とは比較にならない程のレベルの高さだ。海外メディアの報道姿勢を是非見習ってほしい。

【番組全般・その他】

  • 午後の情報番組は、いつも同じ内容しか放送しないので、ベンゼンやシアンの濃度を覚えてしまった。他の視聴者も同じ状況だろう。この番組のせいで、豊洲市場の風評被害が広がっているので、やめてほしい。豊洲市場移転問題を扱うのなら、築地市場の安全性についても伝えてもらいたい。安全性がはっきりしないのであれば、公平を期すために検証するべきだし、メディアが訴えていく必要もある。豊洲ばかりで築地の状況が分からずに、ただ危ない危ないと騒いでいるだけで、物事が進まない。

  • ある特定の睡眠薬で糖尿病治療ができるという、学会でも厚労省でも承認・認可されていない一部の研究者の意見を大々的に放送し、特定の睡眠薬の商品名も分かるような映像も含まれていた。私は内科医だが、番組放送後、糖尿病の患者から実際にその睡眠薬の処方を依頼され、事実関係の説明に追われている。多くの国民が視聴している人気番組のため、医師が利用するネットでの掲示板を見ても、日本全国で同じようなことが起きており、医療現場が混乱している。事態を重く見た厚労省からも放送局に対し口頭で注意がされたとの報道もある。特定の睡眠薬の製薬メーカーからの番組出演者や番組スタッフへの利益提供の有無も含め、かかる番組が制作・放送されるに至った経緯や公平性・信憑性について検証が必要かと思われる。

  • 朝の情報番組で、番組スタッフが平壌のあるホテルに電話をかけ、金正男氏殺害について「北朝鮮の一般国民が事件の事実を知っているか」ということを確かめていた。電話に出た女性従業員は、当然ながら「知らない」と答えて電話を切った。知っていても「NO」と言うよりほかに無い国であるが、もし本当に知らなかったのであれば、女性が余計な情報を得たとして、当局から狙われる危険性もある。相手の事情を考えない興味本位の放送は不適切だ。

  • 夜のニュース番組で、女性キャスターが結婚報告をしていた。いつからアナウンサーやキャスターが、個人的なことを発表するようになったのか。企業に勤務する会社員が公共の電波にのせて結婚発表することは、異常だと感じていないのだろうか。視聴者の要望に応えると考えているテレビ局もあるようだが、勘違いも甚だしい。ねたみややっかみからではなく、見ている方が本当に恥ずかしいので、やめてもらいたい。

  • 夜のニュース番組で、MCが出演するアルコール飲料のコマーシャルの後、番組が始まった。報道番組のMCが特定企業のコマーシャルに出るということは、その企業や業界の不利な報道はしないということだろう。アメリカに住んでいたが、こういうことはまずあり得ない。このことに限らず、この番組には報道としての自覚が感じられない。今夜は、トランプ・安倍会談について、内容よりもゴルフの場所とラウンドに主眼を置いていた。

  • 朝の情報番組に、人気俳優の出ている料理コーナーがある。そこで使われているオリーブオイルの量は、料理一品に対して多すぎるのではないか。オリーブオイルは体に良いものであっても、使い過ぎるとどうなのか。そもそも、安価で簡単に手に入るものなのか疑問だ。視聴者の健康や家計などに配慮するべきではないか。

  • 新生活シーズンを前にして、東京での一人暮らしを紹介する番組が、毎年2月に東海地方で放送されている。視聴者の需要があることは理解できるが、東京一極集中が加速し、地方の人口が減少しているのに、このような番組を流すことには反対である。本来、地方を元気にするための放送局が、地元を離れて東京での生活を応援する番組を作って流せば、ますます若者が首都圏に流出してしまい、地方衰退に拍車をかける。こういうことを考えない局は、地方に住む者としてとても悲しい。局自体の経営にも影響を与えかねないことも分からないのだろうか。このような番組は慎み、地元に残ることを勧める番組を放送すべきである。

  • ドラマを見逃したので、オンデマンドで見られるかテレビ局に電話をしたところ、専用の問い合わせ窓口があると紹介された。そこに連絡したところ、最初に名前と電話番号を聞かれた。会員登録していないし、単にオンデマンドで見られるかどうかの問い合わせだったので、「言いたくない」と伝えたが、しつこく聞かれたので拒否した。そして「なぜ言う必要があるのか」と問いただしたところ、上司が出てきて、「途中で切れた時にすぐ対応できるように、情報を登録するため聞いている」と言われた。契約者でもない簡単な問い合わせなのに、個人情報を聞き、勝手に登録するのは如何なものか。

【ラジオ】

  • 午後の番組で、豆知識という話題で、「できそうでできない体の動き」について取り上げていた。しかし、その内容は、放送の前日に、あるニュースサイトに掲載されていた記事と全く同じもの。説明も一字一句違わず、出典については何も触れていなかった。番組DJは、自分の豆知識として紹介し、「皆さんもやってみてくださいね」など、自分が知っていることのように得意気に話していた。これは盗用にあたるのではないのか。問題があると思う。

【CM】

  • 若い女性がブラジャーをつけ、微笑むCMが流れている。生々しくて不愉快だ。万人の目に触れるテレビで流すべきではない。

青少年に関する意見

【「性的表現」に関する意見】

  • アニメ番組を子どもと見ていたら濃厚なキスシーンがあった。子どもも戸惑っており、見せてしまったことに対して罪悪感が生じた。我が家では夜9時以降の番組はあまり子どもに見せないように気を付けている。番組自体は悪い番組ではないと思うが、時間帯も考え、このようなシーンがあるのなら事前に視聴者に分かるようにしてほしい。

【「表現・演出」に関する意見】

  • 主人公が小学生のアニメ番組で、いつもと異なる画風や設定で放送されたコーナーがあったが、主人公やキャラクターの言葉遣いがひどかった。子どもに人気の番組であり、悪影響がないか心配だ。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • 猟奇殺人を取り上げた海外の映画を放送していた。子どもが見てしまいかねないので、このような残虐なシーンが多い映画は夜9時以降に放送してほしい。

  • 深夜帯のアニメ番組での死体の表現がグロテスク過ぎる。最近の子どもは寝る時間が遅いので、偶然このようなシーンを目にしてしまうことも考えられる。小さい子どもにはトラウマになりかねない表現なので注意してほしい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • 深夜のバラエティー番組で、スキー場で芸人を裸にしてスノーモービルに乗せ、寒がっている姿を他の出演者が笑っていた。さらに芸人をゲレンデに寝かせ、ブルドーザーで雪を落とし、覆い被せていた。毎年、雪下ろしで亡くなる人がいるのに全く配慮がない。一人を限界まで追い込み、周りで笑っている様子は集団いじめを連想させる。テレビがもたらす影響を番組制作者はしっかり自覚してもらいたい。

【「要望・提言」】

  • 最近、規制が多くてテレビがつまらなくなってきている。ゴールデンタイムはともかく深夜番組にも批判が寄せられている。確かに子どもが見る時間帯や家族がそろって視聴するような時間帯で過激な暴力シーンや性的なシーンがあるのは良くないと思うが、もう少し寛容でもいいのではないか。視聴者からの意見も大事にしてほしいが、苦情を寄せる一部の人の意見に影響を受け過ぎているように感じる。

2017年1月に視聴者から寄せられた意見

2017年1月に視聴者から寄せられた意見

大みそか恒例の歌番組の演出や審査方法に対する批判や、正月のバラエティー番組のドッキリ企画への批判が目立った。長期化している豊洲市場への移転関連や、沖縄の基地建設反対運動を取り上げた番組への意見も多かった。

2017年1月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,810件で、先月と比較して190件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール80%、電話18%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性62%、女性37%、不明1%で、世代別では30歳代29%、40歳代29%、50歳代18%、20歳代13%、60歳以上9%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。1月の通知数は991件【39局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

年末年始に放送されたスペシャル番組への意見が多く寄せられた。大みそか恒例の歌番組の演出や審査方法に対する批判や、正月のバラエティー番組のドッキリ企画への批判が目立った。そのほか、長期化している豊洲市場への移転関連や、沖縄の基地建設反対運動を取り上げた番組への意見も多かった。
ラジオに関する意見は56件、CMについては29件あった。

青少年に関する意見

1月中に青少年委員会に寄せられた意見は129件で、前月から19件増加した。
今月は「表現・演出」が34件と最も多く、次に「いじめ・虐待」が29件、「性的表現」が21件、「暴力・殺人・残虐シーン」が10件、「報道・情報」が8件と続いた。
「表現・演出」では、少女の芸能活動の取り上げ方についての意見が複数寄せられた。「いじめ・虐待」では、いわゆる"ドッキリ番組"やお笑い番組での企画がいじめのように感じるとの意見が多かった。「性的表現」では深夜アニメでの表現についての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • クリスマスの夕方、1月放送のドラマの撮影が自宅付近であった。帰宅途中、警備員から「撮影が始まるので」と通行を止められた。私の前の人は通行でき、かつ自宅が目の前であり寒空の下で待ちたくないので、「自宅がすぐそこなので」と通してもらった。ところが、今度は玄関前に撮影クルーが陣取っていた。「自宅なので通してください」という声も聞かないので、無理やり玄関に割って入ったのだが、謝罪の言葉も一切なかった。マスコミが偉いのか、テレビが偉いのか。道を開けるのが普通だが、そんなことまで一般人がマスコミに説明しないといけないのか。常識の範囲内で行動してほしいが、その常識がかけ離れ過ぎていて話にならない。

  • ニュースになった宅配便の動画について、街頭インタビューしていた。声を掛けられやんわりと断ったが「動画だけ見て」と言われ、スマートフォンでの動画について、「荷物を蹴飛ばす配達員をどう思いますか?」「この宅配便会社にはどのようなイメージがありますか?」などと聞かれ、簡単に答えた。その後「ありがとうございました」の言葉だけでその場を去ったが、その時にもう1人のスタッフが撮影しており、翌日その映像がテレビに流された。初めに番組名を言われただけで「いつ使うか、放送しても良いか」などの説明や確認はなかった。ホームページ上の番組宛メッセージに投稿したが、返答はない。インタビューの仕方も強引だったが、放送される可能性がある以上、きちんとした説明をすべきではないか。

  • 私は、豊洲市場移転のために準備をしてきた。小池知事の決定で移転が白紙になり、今も築地市場で営業しながら豊洲市場のための借金を毎月返済している。豊洲への移転を一刻も早く決めてもらいたいと思っており、築地の劣悪な環境を認識し、移転時期を計画より早くしてもらいたいと願っているが、結局、移転問題は知事にとって政治の駆け引きであり、モニタリングの結果が良くても悪くても、解決する気がさらさら無いのが分かり、心より失望している。出口の見えないトンネルの中にずっといるようで、何を拠り所に頑張れば良いのか分からない。メディアで築地市場の実情を正しく伝えてもらいたいが、そういうことも無く、日々のニュース報道も見ていて辛いだけだ。築地の劣悪な環境をメディアで伝え、全国の人に認識してほしいと願うばかりだ。

  • 「『保護なめんな』などと英字でプリントされたジャンパーを、生活保護担当者が着用することは不適切だとして、市が職員の使用を禁止した」というニュースを見た。どこの局でも「今回の件は良くない、職員が悪い」という論調で伝えていた。果たしてそうであろうか。生活保護の不正受給は良いことではない。社会問題にもなっている。この件を伝えるのであれば、不正受給の実態なども併せて報道するべきだ。本来批判されるべき人間が擁護され、真面目に仕事をしている職員が批判されてしまうことは気の毒だ。

【番組全般・その他】

  • 大みそか恒例の歌番組で、視聴者投票と会場の観客投票で大差がついていたにもかかわらず、審査員票だけでそれら全てが覆った。何のための視聴者投票、会場の観客投票だったのか。視聴者からは、最初から結論ありきの出来レースにしか見えない。データ放送での投票などするだけ無駄という印象すら抱きかねない結果だった。残念だ。

  • 大みそか恒例の歌番組は、どちらが勝っても良いと視聴前から思っていたが、最後の結果発表と投票システムは一体何だったのだろう。視聴者の意見はどうでも良かったのだろうか。番組の冒頭で、投票システムについて細かく説明してほしかった。また、スペシャルゲストの2人が警備員に止められていたが、途中から座席に座らせてあげれば良かった。茶番とはいえ可哀想に見えた。色々な面から制作体制を見直してもらいたい。

  • 歴史ある音楽賞の新人賞に、韓国のグループが選ばれた。このグループは、日本国内でほとんど名前さえ知られていないのではないか。私だけかと思ったが、周りに聞いても誰も知る人がいなかった。そもそもこの賞に限らず、何を基準に選んでいるのか分からないものばかり。週刊誌で、この賞の金銭による不正疑惑が暴露されていたが、今回も同じことが行われたのかと勘ぐってしまう。この賞は今の時代にそぐわないし、放送する意味も感じられない。

  • 正月のバラエティー番組で、女性芸人にドッキリを仕掛けるという企画は、いじめとしか思えない内容で、新年早々大変嫌な気持ちにさせられた。立場の強い者から、一般の観客の前で執拗な要求を突き付けられ、罵倒され号泣していた。テレビだから事前の打ち合わせがあったかもしれないが、気持ちのいいものではない。年配の方も、子どもたちも、家族団欒でテレビを囲む新年のゴールデンタイムだ。心が痛む内容の放送をしてもいいのか。これを面白いとしてはいけないし、いじめを助長するような放送はやめてもらいたい。

  • 日曜夜の番組で、低年齢アイドルの活動が特集されていた。ある幼児アイドルのイベントに成人ファンが押し寄せ、写真撮影やグッズを収集していた。それが批判的であれば別だが、一貫して明るい演出となっており、ファンや関係者の意見も好意的に伝えられていた。最後に司会者が遠回しに批判的意見を述べていたため、本来はそのような趣旨で問題を取り上げたかったのかもしれないが、結果として不十分で、好意的に受け取られかねない特集になっている。このような放送内容が許されると、社会の基本的な道徳規範意識を歪めるおそれがある。改めてテレビによる影響が多大なものであることを認識し、社会規範を考慮した番組作りに努めてもらいたい。

  • 異国の地で暮らす日本人を紹介する番組は、フィリピンのピナツボ火山の噴火により親を失った孤児が、ゴミの山から売れるものを見つけて売って生きていく姿を紹介し、その逞しさに心を動かされたという内容だったが、ピナツボ火山の噴火を説明するVTRに何故か、長崎県雲仙普賢岳で発生した火砕流の映像が流れていた。迫力ある火山の噴火映像を出したかったのかもしれないが、全く繋がりのない映像を安易に使用したとしか判断できず、制作者の意図が理解できなかった。

  • 午後の情報番組は、都知事の定例会見を毎週生放送している。知事は各機関の報道を見て、自分に有利な報道をする局や記者を中心に質問させており、知事と記者の馴れ合いを毎週見させられてウンザリする。メディアの仕事は、権力の監視と批判のはずなのに、その機能が全く無く、知事側に気に入られるような内容を毎日放送し、視聴率を取ることしか考えていない。メディアは完全に知事に舐められているが、気づいておらず、見ている側だけが飽き飽きしている。いつまでも知事との馴れ合いをしているから都政が良くならず、オリンピックと豊洲移転の失敗のツケが都民に回される。いい加減やめてほしい。

  • 月曜夜の番組で、沖縄・高江ヘリパッド問題を特集していたが、建設に反対している人たちの印象を悪くする演出を意図的に多用し、公平性に欠くものだった。反対派の取材を試みたようにしていたが、さしたる根拠もなく「このままだと危険と判断、ロケ中止」なるテロップを流し、あたかも反対派が危険であるかのような印象づけをしていた。その後は、賛成派のみが登場し、反対派の活動の問題点を一方的に指摘していた。在日韓国・朝鮮人に対する言説も、いわゆるヘイトスピーチのレベルであり、公共の電波を使用するものとしてふさわしくない内容になっていた。

  • 固定電話に無作為で予告なしに電話をかけてくる行為が不安になる。特に高齢者は就寝が早いので、夜9時すぎなどに繰り返し電話が鳴ると、知らない電話番号で不安がっている。留守電も途中で切れたりしてなおさらな様子だ。年老いた家族から連絡があり、いろいろ調べた結果、夜のニュース番組からの電話と分かったが、当たり前のように、予告なしに世論調査や家族構成など聞き出すのはおかしくないだろうか。委託業者に頼んでいるので対応も悪いらしい。田舎の高齢者は不安でいる。無作為な世論調査などのいきなり電話はやめてもらいたい。

  • 番組への意見を言いたいと思い、局の視聴者窓口に電話をした。しかし対応に出た女性は、話を聞いているのかいないのか分からないような適当な対応だった。「はいはい、伝えます」と言えば良いというものではない。視聴者からの意見は、時にうっとうしいかもしれない。しかし真摯に意見を聞き、正確に関係部署に伝えることが仕事であろう。働く以上、あるいは視聴者窓口が存在する以上、きちんと機能するように仕事をするべきだ。

【ラジオ】

  • 深夜番組の司会者が、自ら作詞作曲した歌をフルコーラスで流していた。プロミュージシャンならともかく、大学教授の彼が趣味で作ったものだ。これは放送の私物化ではないのか。本人も「公共性がない」と言っていたので確信犯だ。例年このようなことをやっているが、今まで批判がなかったのが不思議だ。ラジオ番組司会者なら、何をやっても許されるという風潮が理解できない。

【CM】

  • アイドル育成ゲームのCMは、極めてギャンブル性が高く、課金しなければまともに遊べないゲームだ。子どもの起きている時間帯に、しかも数多く放送されている。未成年のゲーム課金が問題視されている中、注意喚起文も添えられていない。流すべきではないと思う。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 幼稚園児アイドルのライブやイベント活動に成人ファンが押し寄せ、写真撮影やグッズ購入する様子を取り上げていた。私はこのような芸能活動は青少年の健全な育成を阻害すると思っているのだが、番組では批判的な意見は少なかった。テレビは社会の規範意識形成への影響が大きいので、このような考えを持つ視聴者のことも考慮した番組作りを期待したい。

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • いわゆる"ドッキリ番組"で、ベテランタレントが若手お笑いタレントに無理な要求を執拗に繰り返していた。とても笑える内容ではなく、いじめのように感じた。こうした内容を面白いものとして放送することで、善悪の判断が未熟な子ども達が間違った理解で人をいじめるのではないかと心配だ。

【「性的表現」に関する意見】

  • アニメ番組で高校生キャラクターの過激なキスシーンがあった。深夜の時間帯ではあったが、誰でもが簡単に視聴できる地上波で放送するような内容ではない。

  • 深夜のトークバラエティー番組で、男性器の俗称をそのまま発言したり、女性タレントが自慰行為について話をしたりしていた。テレビとは思えない下品さだ。私の住んでいるマンションは24時間分のテレビ放送を自動録画するシステムになっており、子どもがこのような番組を隠れて視聴しないか心配だ。

  • 昼間に子どもと外出していたところ、ラジオで性風俗店についての話題を取り上げていた。ラジオは飲食店やガソリンスタンドなどでかかっていることも多く、聞かなければいいというわけにはいかない。せめて時間帯に配慮して放送してほしい。

【「暴力・殺人・残虐シーン」に関する意見】

  • バラエティー番組で、出演者にプロレスラーが平手打ちしたり、キックボクサーがお尻を蹴ったりするなどの暴力的なシーンがあり、他の出演者がその様子を笑って見ていた。実際に痛いかどうかはさておき、笑いがあれば暴力も見過ごしていいと青少年が受け止めかねない。

2016年12月に視聴者から寄せられた意見

2016年12月に視聴者から寄せられた意見

覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手への取材のあり方や、番組で使われたタクシー内映像、本人に無断で公開された未発表曲など、過剰な報道に対する批判。お笑い芸人が起こした当て逃げ事故や、俳優が薬物使用疑惑で引退したニュースを報じた情報番組への意見など。

2016年12月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,620件で、先月と比較して63件増加した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性60%、女性39%、不明1%で、世代別では30歳代32%、40歳代28%、50歳代19%、20歳代13%、60歳以上6%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該放送局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。12月の通知数は835件【39局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、19件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

覚せい剤使用の疑いで歌手が逮捕されたが、自宅周辺や遠方に住む家族への取材のあり方、また、番組で使われたタクシー内映像や、本人に無断で公開された未発表曲や通話内容など、過剰な報道に対する批判が多く寄せられた。そのほか、お笑い芸人が起こした当て逃げ事故や、俳優が薬物使用疑惑で引退したニュースを報じた情報番組への意見が多く寄せられた。
ラジオに関する意見は30件、CMについては24件あった。

青少年に関する意見

12月中に青少年委員会に寄せられた意見は110件で、前月から9件減少した。
今月は「表現・演出」が33件と最も多く、次に「性的表現」が18件、「委員会に関する意見」が14件、「言葉に関する意見」が12件と続いた。
「表現・演出」では、いわゆる"ドッキリ番組"への意見が目立った。「性的表現」ではバラエティー番組で、マネキンがしているブラジャーを素早く外す競技を行ったことについて多くの意見が寄せられた。「言葉」では、お笑いタレントが他のお笑いタレントに向かって「死ね」などと言ったことについて複数の意見があった。
また、委員会が12月21日に「TBSテレビ『オール芸人お笑い謝肉祭‘16秋』に関する委員会の考え」を公表したことを受け、多数の意見が寄せられた。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手の報道について、被疑者の人権が守られているのか疑問だ。自宅に大勢で押しかけ勝手にガレージの中に入り、外車のエンブレムを折り曲げ、タクシー車内の映像を公開し、さらに入手した未発表の楽曲を勝手に流す。ここまで来ると、犯罪者の報道なら何をしてもいいのかという印象を受ける。複数の局が取材しているため、歯止めが効かない状況だ。

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手のタクシー内映像が放送された。これ自体、問題ではないかと考えていたところへ、タクシー会社が謝罪したというニュースが流された。当然のことと思ったが釈然としない。映像を流出させたタクシー会社よりも、電波に乗せた放送局の罪の方が大きくないだろうか。それなのに放送局が謝罪したというニュースは聞こえてこない。映像を要求したと思われるテレビ局も正式に謝罪すべきだ。タクシー会社に不適切なことをさせ、自分たちはその映像を利用して収益源とし、さらに謝罪なし。あまりにひどくないだろうか。

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕された歌手の件は、報道の自由とは言え、やり過ぎだ。福岡の実家まで押しかけた高齢の父親へのインタビューは、あまりにも心無いもので、事件取材の域を超えている。家族がどれだけ辛い思いをしているか、それをもネタにして晒すことに大きな矛盾を感じる。

  • 覚せい剤使用の疑いで逮捕されていた歌手が、不起訴処分となり釈放された。逮捕される直前から大きく報道してきたが、特に逮捕後は、有罪と決めつけてコメントしているような印象を受けた。不起訴となったのだから、当然これまでの放送を検証し説明するのかと思っていたが、見ていた範囲では謝罪の言葉もなく、まだ疑っているかのような報道に思えた。今回は有名人だから、不起訴も大きく報じられたが、一般人であれば不起訴はニュースにもならず、当初の報道だけで犯罪者のイメージを持たれてしまう。マスコミ関係者は、報道によって誰かの人生を奪うこともあると自覚し、常に自制的に報道に携わるべきだと思う。

  • お笑い芸人が当て逃げ事故を起こした件で、テレビではすべて「さん付け」で伝えていた。一方、歌手の覚せい剤使用容疑の報道では、逮捕される数時間前から「容疑者」と連呼していた。この違いは何か。芸人が大きい事務所だから遠慮しているのか。歌手が個人事務所だから叩いているのか。この理不尽さは納得できない。

  • 私は、飲酒運転をして電柱にぶつかり、その後すぐに警察に出頭した。一晩留置場に入った翌朝、この事故が報道されたことを知った。職業、住所、氏名とともに事故現場の写真がテレビで放送されたようだ。飲酒運転をした私が悪いのだが、被害者も出ていない、いわゆる自損事故なのに、氏名まで公表する必要があるのか。ニュースで放送されたことで、新しく決まりそうな仕事がだめになってしまった。私が悪いことは重々承知しているが、人の不幸を食いものにするような報道はしないでほしい。

  • 日本人はうるさくなりすぎだ。映画やドラマも規制ばかり。日本人特有の規律正しさや真面目さばかりを守ることで、結局、自分たちの首をしめている。地上波の映画放送にしても、新作公開に合わせた前作ものばかり何回も見せられる。映画やドラマは、いいことも悪いことも含め、その時代や歴史を映し出すものなのに、どうしてそれをあれこれ規制して、剥ぎ取りながら見せるのか。これでは歴史も勉強できないし、想像力や感動も生まれない。映画監督のメッセージも伝わらない。今の子どもたちに想像力がないのは、剥ぎ取られたものしか見ることができないからだ。

【番組全般・その他】

  • 日曜のニュース番組で、高校生が高性能ゴムパチンコを使い、バスに向かって玉を放ち、窓ガラスを壊した事件を伝えていた。その際、わざわざ同じ道具を使ってベニア板に穴をあける再現実験を行い「危険ですから真似をしないように」と注意していた。このような危険性のある再現実験は果たして必要であろうか。道具をどのように持ち、どのように玉を飛ばすのかを知らしめるだけの実験である。危険性のある道具の使い方を紹介する必要はない。

  • 昼の情報番組で、薬物使用疑惑の元俳優について伝えている。彼は、逮捕されたわけでも容疑者でもなく、芸能界を引退してすでに一般人だ。犯罪者のごとく扱うことは人権侵害以外の何ものでもない。コメンテーターの推測に過ぎないのに決めつけるような発言、自身の物差しだけではかる非難の言葉などは、反論する機会もない人に向けた一方的な暴力だ。すでに事務所も辞めていることから、クレームがないことを良いことに、このような放送をしているのだと思うが、誰が止めるのか。誰が彼を守れるのか疑問だ。

  • 朝の情報番組で、薬物使用疑惑の元俳優について伝えている。告発者と言われている人物を出演させ、真偽不明な意見を報じ、倫理観に疑問を覚えた。プライバシー暴露などを予告するような人物による、一方的な報道であり、信憑性が疑われるにもかかわらず、犯罪行為があったかのように印象付ける恣意性を感じた。影響力のあるテレビで、偏った報道を流すことの責任を考えてほしい。逮捕されてからで十分だ。被疑者になる前から印象操作をすることが、芸能人、一般人を問わず、相手にとってどれだけダメージであるか、よく考えてほしい。

  • 新語・流行語大賞が発表された。その中に「保育園落ちた日本死ね」があった。子どもと一緒に見ていて「日本死ね」とアナウンサーが言ったのを聞いた時は仰天した。子どもに聞かせていい言葉とは到底思えない。放送上「日本死ね」という言葉は極めて不適切だ。流行語大賞は、民間企業が企画するもので、選出過程も透明性に欠け、独断で選んでいるものに思える。公共倫理に対する責任は、テレビなどメディア側が格段に重い。話題性のある企画でも、不適切な言葉が含まれていたら放送すべきではない。

  • 新語・流行語に選ばれた「保育園落ちた日本死ね」について、出演者が、こぞって「下品だ」「不穏な言葉だ」などと酷評している。下品なこの言葉が選ばれたのは、日本社会の矛盾を鋭く突いて、多くの人の記憶に焼きついたからだ。無難な言葉ではみんなの心に残りはしなかった。実際に保育園探しで苦労している人たちの共感も大きかったはずだ。出演者の芸能人たちは、世の中の事情に疎いので、勝手な批判をしているだけではないか。

  • 朝のワイド番組に出演している男女のアナウンサーが、不倫関係にあると週刊誌が報じている。彼らは出演を控えているが、番組ではそのことについて説明が一切ない。タレントや議員の不倫については連日しつこいほど報じているのに、身内の不祥事には一言も触れない。これでは甘すぎる。

  • 夜のニュース番組で、豊島区が消滅危機にあるとのことで、存続に向けて日々奮闘する女性の特集があった。これ自体は良かった。しかし、その後意見を述べた女性のMCが「消滅して何が悪いのか、合併すればいいだけのことではないか」と主張するに至っては、完全に困惑した。特集にはメッセージがあるはずだ。私にはそれが「豊島区の歴史、文化、伝統を守るためには区としての存続が不可欠だ」とのメッセージだと受け取り共感した。しかし、このMCには全く伝わらなかったようで、特集自体を否定するかのような発言をした。番組MCが否定するような内容なら、番組として否定したも同然である。何のための特集なのか?視聴者に失礼だ。

  • フランスでのフィギュアスケート中継での、男子シングルのアメリカ代表選手への扱いに抗議する。彼は、自身のセクシュアリティを公表し、LGBTへの偏見をなくすための活動にも熱心なアスリートだが、放送では彼のコメントを「オネエ言葉」のように吹き替えていた。これは偏見を助長しかねないものだ。

  • 今回のフィギュアスケート中継は、これまでのような大げさな選手紹介や行き過ぎた楽屋裏の撮影、そして、同じ映像の繰り返しが減った点が非常に良かった。いろいろな選手の演技を見ることができたし、競技会らしい爽やかな番組構成になっていた。また、演技中に画面端に、ジャンプやスピンなどの要素についての技術点の加算が、リアルタイムで表示されていたことも視聴者に分かりやすかった。来年以降もこういった改善は続けてほしい。

  • 日曜の長寿番組が好きでずっと見ている。司会者がベテランから若手に代わってから、面白いのだが、にぎやかすぎると感じる時がある。どこが笑いのポイントか分かりにくいことも多い。以前のように、メリハリのある笑いを届けてほしい。

  • 年末にお年寄りが大勢出ていた番組は、もらい泣き、笑い泣き両方で涙が止まらなかった。一番もらい泣きをしたのは「過去の自分へのビデオレター」。人生の先輩方の、若かりし頃の人生の一部分を垣間見ることができて、どのビデオにも感動した。今回出演したご長寿の皆様のように、元気に明るく、日々のありがたみをかみしめるような素敵な大人、お年寄りになりたいと心から思った。

【ラジオ】

  • 「番組からの電話に出て、合い言葉を言えればプレゼントする」企画がある。その際に「非通知着信拒否の設定を解除しろ」と繰り返し放送している。電話による詐欺事件が頻発している現在、非通知着信拒否は対策として有効であると思うが、何故それを解除させようとするのか。電話番号を知られると面倒だと思っているのかもしれないが、発信専用の回線を1本引けば済む話だ。詐欺防止の啓発コマーシャルを流しているのだから気を遣っても良いのではないか。

  • インターネットで勝手に記事を引用し、問題化する事象が発生している。自ら取材せず、いい加減にコピー情報を発信することが原因と考えられる。新聞や雑誌、Webニュースから引用する際、許可や契約が必要と思われるが、ラジオでは取材しないパクリ記事使用が横行。無法地帯となっている。きちんと対処しなければ、近いうちに大きな問題が必ず起こる。

【CM】

  • ラジオの「振り込め詐欺」啓発CMは、息子役の3人(1人は本当の息子)が、それぞれ「もしもしお母さん俺だけど」と言い、本当の息子を当てる内容なのだが、息子の声を当てられなかったお母さんが、笑いながら話している。多くの被害が出ている犯罪の啓発ならば、もっとシリアスにするべきではないか。

青少年に関する意見

【「表現・演出」に関する意見】

  • 芸能人にいたずらして笑いをとる、いわゆる"ドッキリ番組"で、いたずらの内容を小学生に考えさせていた。近年、このような"いたずら"を真似した動画をインターネットやSNS上に拡散するいじめもある。視聴していて、とても心苦しかった。このような企画はやめてほしい。

  • ラジオ番組で、学生のリスナーに生電話をつなぎ、先生のモノマネをさせるという企画があった。学校名は明かされないものの、担当科目などを言っているリスナーもいた。多感な年ごろのリスナーが聴取している番組で、人の特徴を笑うような企画をすべきではない。

【「性的表現」に関する意見】

  • 子どもも見ている時間帯のバラエティー番組で、マネキンがしているブラジャーを1分間でいくつ外すことができるかというゲームをしていた。もう少し時間帯に配慮してほしい。

  • 日曜日の朝に放送された番組を小学生の子どもと視聴していたのだが、「セックス」という単語が多用され、とても気まずかった。普段は前後の番組を含めて教養的な内容なので、余計に憤りを覚えた。

【「言葉」に関する意見】

  • お笑いタレントがチームに分かれて行うクイズ番組で、他のチームに対して「死ね」などの暴言を何度も吐いていた。あまりにも度が過ぎる。本人は顔見知りに冗談で言っているつもりかもしれないが、居酒屋で言うのとテレビで言うのは違う。多くの子どもが見ているような番組で使う言葉ではない。そのような言葉でいじめられている子どももいるのだ。

【「危険行為」に関する意見】

  • 運動が苦手なタレントに様々な運動をさせる企画で、プールに飛び込むシーンがあった。プールは一般的な深さであり、一歩間違えると頸椎を損傷しかねないような飛び込み方だった。真似をしないようにとの表示はあったが、子どもは真似してしまうものだ。安全管理を徹底してほしい。

2016年11月に視聴者から寄せられた意見

2016年11月に視聴者から寄せられた意見

東京・神宮外苑前のイベントで痛ましい火災事故があったが、その報道姿勢や使用した映像に関する批判が多く寄せられた。また、アメリカ大統領選挙に関連した情報系番組における報道のあり方への意見、覚せい剤使用の容疑で逮捕された歌手への取材方法や映像使用に関する批判など。

2016年11月にメール・電話・FAX・郵便でBPOに寄せられた意見は1,557件で、先月と比較して284件減少した。
意見のアクセス方法の割合は、メール78%、電話20%、FAX1%、手紙ほか1%。
男女別は男性65%、女性34%、不明1%で、世代別では40歳代30%、30歳代29%、50歳代18%、20歳代14%、60歳以上7%、10歳代2%。
視聴者の意見や苦情のうち、番組名と放送局を特定したものは、当該局のBPO連絡責任者に「視聴者意見」として通知。11月の通知数は796件【45局】だった。
このほか、放送局を特定しない放送全般の意見の中から抜粋し、21件を会員社に送信した。

意見概要

番組全般にわたる意見

東京・神宮外苑前のイベントで痛ましい火災事故があったが、その報道姿勢や使用した映像に関する批判が多く寄せられた。また、アメリカ大統領選挙に関連した情報系番組における報道のあり方への意見、覚せい剤使用の容疑で逮捕された歌手への取材方法や映像使用に関する批判も多く寄せられた。
ラジオに関する意見は37件、CMについては18件あった。

青少年に関する意見

11月中に青少年委員会に寄せられた意見は119件で、前月から62件減少した。
今月は「いじめ・虐待」が36件と最も多く、次に「表現・演出」が27件、「言葉」「性的表現」がそれぞれ8件と続いた。
「いじめ・虐待」では、バラエティー番組のトークシーンで、タレントが「学生時代に矛盾した言動が目立つ友人を問い詰めた結果、その友人が学校に来られなくなった」旨のエピソードを話したことについて、多くの意見が寄せられた。
「表現・演出」では、アイドルチームとお笑いタレントチームが体を使ったゲームで対決し、負けたチームが勝ったチームに土下座したことについての意見が複数あった。
「性的表現」では、深夜のアニメ番組で男児キャラクターの性器が描かれていたことについての意見が目立った。

意見抜粋

番組全般

【取材・報道のあり方】

  • アメリカ大統領選報道において、各局が情報を出すタイミングを操作していたのではないかと疑念を抱いた。現地ニュースのWebサイトやリポーターが、トランプ氏勝利確定と言っている州をなかなか選挙人獲得としてカウントしなかった。一方、クリントン氏が選挙人を獲得する際は即時表示させ、あたかも僅差状態が昼過ぎまで続いているように報道していた。トランプ陣営の盛り上がりは終始伝えていたが、沈んでいるはずのクリントン陣営はほとんど映さなかった。こういった姿勢が、報道に一喜一憂する視聴者の感情を利用し、テレビに繋ぎとめるための方策としてあるのであれば許し難いことだ。

  • 神宮外苑前の火災事故の報道で、火災現場から発見された5歳児にモザイクを入れて放送していた。ツイッター上にアップロードされた動画を引用したようだ。救助を求める父親と思われる男性の悲痛な叫びも収められていた。事件事故を伝える目的のために、凄惨なシーンや遺族が動転して悲鳴を上げている姿を全国に放送する必要はあるのか。親御さんの心情を思うと見るに堪えられない。

  • 神宮外苑前の火災事故の報道で使用している映像素材は、救助に全く手を貸さず、現場状況を最後まで平気でカメラに収め、SNSに投稿したものと思われる。このような倫理に外れたものを使用する番組制作者や現場ディレクターの判断、テレビ局としての姿勢に憤りを覚える。

  • 神宮外苑前の火災事故で投稿映像を流しているが、必要ないと思う。私は消防団に入っているが、火災現場に行くと野次馬の中に携帯電話で撮影している人がいる。消火活動の邪魔にもなる。テレビでこのような映像が使われると、一般市民が自分たちの事故現場の撮影に公共性があると勘違いしてしまう。

  • 高齢者による交通事故を取り上げて、「高齢者の運転=いけないこと」と批判している。徒歩圏内に店の無い地方の高齢者には、運転しなければ生活できない事情もある。やみくもに「運転するな」と批判されてもどうにもならない。高齢者が運転せざるを得ない背景も併せて伝えるべきだ。

  • インターネットの意見を、あたかも多数派の意見のように取り上げるテレビ番組が非常に多い。あるいはその意見を"視聴者の意見"として制作に反映している。これでは誤った情報を伝えている可能性もある。テレビの影響力を考えてほしい。番組によっては「インターネットの意見は無視してよい」という発言もある。限度はあるが大体そのとおりであると思う。テレビ制作者側のインターネットに対する知識が足りな過ぎではないだろうか。

  • 覚せい剤使用の容疑で逮捕された歌手のタクシー内映像が放送された。単に逮捕の直前の映像というだけで、事件の現場でもなく、動機やアリバイを示す決定的映像でもない。タクシー会社は、警察からの依頼の場合を除いて、乗客の同意なく防犯カメラの一般公開を前提とした映像を提供しないはずである。例え、タクシー会社から提供を受けたとしても、この映像を流すのは、プライバシーの面から重大な問題があると思う。こうした行為が許容されるなら、乗客は車内カメラのスイッチを切れと要求したり、事件捜査以外に映像を利用しないよう確認しないと安心してタクシーを利用できなくなる。

  • 歴史ある音楽賞の買収疑惑を週刊誌が伝えている。しかしどの局も、この話題を一切取り上げない。不倫問題等、弱っている人間に対して連日容赦ない攻撃をしておきながら、大きな力には屈するようで憤りを覚える。各局で伝えるべきだ。

【番組全般・その他】

  • 日本各地の家族を訪ね歩く番組は、人と人との出会いによる感動があり、素晴らしい。このような心温まる番組が増えることを願っている。放送を見て、実際に出演者が訪れたロケ地に観光に行く人も多いそうだ。地方の活性化・観光PRにも大いに役立つ。

  • この人気芸人は、どの番組でもセクハラと思われる行動をするが、不思議と大きな問題にならない。一般の会社ならクビになるようなことでも何故か許されている。相方と女子アナウンサーと三人で都内近郊を散歩する番組は、度重なるセクハラをテレビに映し、女性を笑いものにしているようで気分が悪くなる。

  • 夜のニュース番組で、「トランプ氏が大統領になると、米国から車の輸入を押し付けられる、基地負担を求められる」と不利益ばかりを強調し、「ニューヨークでは反対意見が多い」と結論付けた。トランプ氏はクーデターで政権を取ったわけではない。選挙という民主的な手段で選出されたのだ。反対意見ばかりだと言うなら、取材した場所と人が偏っているのだろう。トランプ氏を支持した人達の意見と、彼らがトランプ氏に何を期待しているのかを聞きたいが、肯定する意見を取り上げることは一切なかった。報道は中立・公平なものでなければならず、多面的な視野に立っての見解が求められる。無用な不安を煽るのは報道番組としてすることではない。

  • 夜のニュース番組で、ゆるキャラについて放送していた。誕生した経緯やその活躍を取り上げるならまだ分かる。しかし、流れてきたのは、中に入っている人がかつて鬱病で苦しんでいたことや、重い難病を患っていたということだった。ゆるキャラは、人に夢を与えるものだ。その下の素顔まで知ると楽しめなくなる。困難を乗り越えた人を取材したいなら、他にやり方があるだろう。視聴者にとって触れてほしくないところをあえて見せる。この番組を見ると、制作側が素人集団のような気がしてならない。

  • 昼のニュース担当の女性アナウンサーは、かなりの回数で噛んだり読み間違いをする。今日も、アメリカ大統領関連のニュースで何度もつかえ、同じ所を繰り返し読み直していた。平日5日間のうち2~3日くらいは噛みまくり、非常に聞きづらい。人間だから全く噛むなとは言わないが、毎日毎日噛まれては、ニュースが頭に入って来やしない。

  • 年末恒例の歌番組は、人気アイドルグループのメンバーそれぞれが掲げた「夢」に1ヵ月間投票を募り、その「夢」の順位を生放送で発表するとのこと。人の夢を他人の投票で順位をつけること自体がおかしな話だか、メンバーの気持ちを思うとかわいそうになる。記者会見のときに初めて企画を知らされ「残酷すぎませんか?大晦日まで争わないといけないなんて」とコメントしていたが、まさにそのとおりだと思う。メンバーは12~25歳の女の子で構成され、未成年も多い。このような企画には到底賛成できない。

  • 終電を逃した人の家に付いて行くだけの番組は、街で飲んでいる人の意外な人生が分かり、人は見かけによらないと感心させられる。市井の人々が懸命に生きていることが垣間見られ、切なくもいい番組だ。田舎の移動販売車で買い物をしているお年寄りに付いて行って、話を聞くことも実に面白い。以前、おじいさんが亡くなって、お葬式でそのビデオを流して喜ばれたというエピソードの回は本当に良かった。この局は、外国人など一般の人々をよく取材して面白い番組を作っている。下手なタレントや芸人を使うより何倍も良い。

【ラジオ】

  • 通信販売コーナーで宣伝しているお掃除ロボットを購入した。最新型と強調していたが、届いたのはいわゆる型落ち品だった。私は量販店で下見をしていたのでそのことに気づき、クーリングオフで返品できた。しかし購入者の中には、放送で言っているとおり、最新型と信じて使っている人も多いと思う。ラジオ局に最新型という売り文句を外すよう申し入れたが改善されず、つい先日も「最新型を紹介します」と言って型落ち品を宣伝していた。番組パーソナリティーやゲストも商品説明に加わっているので信用度も格段にアップしており、余計に腹立たしい。

【CM】

  • 賃貸住宅のCMで、着ぐるみのキャラクターが、公道をキックボードに乗ってバスを追いかけるシーンがある。キックボードは遊具であり、交通量の多い公道での使用は禁止されている。CMを見て真似をする人も現れるのではないか。

青少年に関する意見

【「いじめ・虐待」に関する意見】

  • バラエティー番組のトークシーンで、タレントが「学生時代に矛盾した言動が目立つ友人を問い詰めた結果、その友人が学校に来られなくなった」旨のエピソードを話していたが、テレビで笑い話として話すような内容ではない。後悔しているような感じもなく、大変不快だった。

  • トーク番組で、あるお笑いタレントの変わった性格を別の多数のお笑いタレントが揶揄していた。本人が嫌がっているにも関わらずトークは続けられ、小学生のいじめを彷彿させるような内容だった。子どもたちへの悪影響が心配だ。

【「表現・演出」に関する意見】

  • タレントに簡単なテストを受けさせて、誰が一番勉強できないかを決める企画があった。タレントの出身校が表示されていたが、その学校の中にはいじめにより不登校になった生徒を受け入れているような学校も多く見られた。辛さを乗り越えてやっと学校に通っている生徒がたくさんいるにも関わらず、一部のタレントの成績だけで勉強ができないと思われてしまうのはかわいそうだ。このような企画で高校名を出す必要があったのだろうか。

  • アイドルチームとお笑いタレントチームが体を使ったゲームで対決する番組で、負けたチームが勝ったチームに土下座していた。勝負事で負けた方が土下座するという概念を子どもたちに植え付けないでほしい。

【「性的表現」に関する意見】

  • 深夜のアニメ番組で、小学校高学年くらいの男児キャラクターの性器を何度も描いていた。乳児や幼児ならともかく、社会通念から外れているのではないか。

【「危険行為」に関する意見】

  • 視聴者からの投稿動画を紹介する番組で、息子が父親にいたずらするシーンを取り上げていたが、危険な行為が多かった。特に、寝ている父親の口を掃除機で吸って起こす行為やドライヤーに小麦粉を入れておく行為は重大な事故に繋がりかねない。子どもが真似しないか心配だ。

  • あるタレントが重さ9kgのボールを使って腹筋を鍛えている旨を紹介した際に、そのトレーニング方法を他の出演者にも挑戦させていた。普段鍛えているタレントならともかく、重たいボールを腹に落とす行為はとても危険だ。子どもに人気があるグループのメンバーが挑戦しており、学校などで真似する子どもが出ないか危惧する。